歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

“下山事件” 複雑怪奇は事後工作!?

2008年09月10日 | 下山事件
昨日の続きです。

B氏・・・昨日は、国鉄合理化に対しての位置づけが、下山総裁は単なる国鉄再建の手段であった。

それに対して、占領軍は共産主義との闘い一環として、先ずは国内の左翼勢力の先頭に立つ国鉄労組を叩き、共産党を労働運動から追放し、戦争体制を固める。

私・・・そうです。特に物資の輸送は“兵站”の要ですから、国鉄労組がストライキを行い、戦時物資の輸送を妨害でされたら大変な事になる。兎に角、焦っていたのです。

B氏・・・そう云う、国際情勢は判るけど、国鉄総裁を真っ昼間に都心から拉致して、拷問して、結果として殺害してしまった事は、どうしても納得できない。ふつうはそこまでやると思うえないけど。

私・・・うん。そこ何だけど、今の世の中の感覚で、当時の状況を理解するのはかなり難しいと思う。何たって、暴力、武力、戦争で問題を解決する時代でしたから。

拉致、拷問、殺害、そういう野蛮な手段を使うこと対して、今より、ずっと、ずっと抵抗感は無かったと思う。

B氏・・・そういう事なのかねぇ。まぁ確かに、いまでも、世界中で、戦争は起こっているし、ふつうに、暗殺、拷問、毒殺、射殺、自爆テロとか、あちこちで起こっているし・・・・・・。

私・・・今の日本は、不況だとか、格差だとか、貧困だとか、年金だとか、医療だとか、いろいろ云われているけど、まだ、話し合いで何とか解決するレベルだからねぇ。まだ、まだ、ふつうで、平和なんです。

B氏・・・それでも、無差別殺人があちこちで起こり、自殺者も一向に減らないし、殺したり、死んだりして、問題を解決する風潮は恐いねぇ。

私・・・話がチョットそれてきましたので戻します。前回、下山事件は失敗と云いました。

理由は、始めから殺害を目的としていなかった。殺害が目的であれば、拉致してから殺害するまで時間が長すぎる。

7月5日の朝9時30分頃に日本橋三越で消えて、翌日の6日の午前0時30分頃に、常磐線北千住駅の先で轢断死体で発見されるまで、約15時間も経過している。



B氏・・・その辺が、自殺説にも繋がるんじゃないの? 他殺、謀略説を採る立場として、自殺説を否定する根拠は何なの?

私・・・先ず、“事件は現場で起きているッ!”と叫ぶ方が居ますが、その通りだと思います。何たって死体の鑑定が“死後轢断”です。

この“古畑鑑定”を採用します。生活反応が無い、死体に血液が残っていなかったこと、線路に流れ出した形跡もなかった。

そして、これまでに触れた、松川、三鷹、そして、国際情勢と、事件後の左翼勢力の衰退。物証と状況証拠から他殺に間違いないです。

それと、下山総裁が“首切り合理化”で悩み、鬱病に罹っていたとの説。そして、総裁らしき人物が、現場周辺を彷徨っていたと云う多数の目撃証言。

決定的なのが、現場近くの旅館で下山総裁が休憩をした証言。


B氏・・・そんなに目撃証言があるの? 

私・・・そうです。だから変なのです。まぁ、先ず鬱病説ですが、合理化首切りは既定路線で、突然降って湧いた訳ではなく、彼の役割は“首切りの為の総裁”で、その事を前提として総裁に就任している。

首斬りが終わればお役ご免で、さっさと辞めて国会議員に立候補する予定だった。

B氏・・・そういう事だったんだぁ。“ワンポイントリリーフ”と云う訳ねェ。

私・・・彼は初代の国鉄総裁に就任したのが、事件の年の6月1日で、殺されたのが翌月の7月5日、たったの1ヶ月の総裁だった。

想定内の首切りで、そして就任たった一ヶ月で、悩んで、鬱病になる訳がありません。

“首切りの為だけの総裁”が、占領軍の予想に反して、首切りのメンバー、人数、時期に抵抗する姿勢を見せたので、拉致され、脅され、結果として葬られた。


それが、下山事件だった。と思う。

ある意味、松川、三鷹とは異質な事件であったが、犯行は占領軍の“情報機関”が“関与”している事で、戦後の占領時期に起きた、一連の謀略事件と云うことです。

国際情勢、発生時期、事件発生後の情勢変化、殺害方法、等々から、占領軍の情報機関の“関与説”となるわけです。

この情報機関の関与説を裏付ける、一つ一つの事実、関係者の証言、これを調べて行くと、かなりの迷路に迷い込むのです。

B氏・・・何か聞いていると、その迷路を楽しんでいるようにも見えるけどねェ。

私・・・確かに、他殺、謀略説を支持する人達は、楽しんでいる傾向はあると思う。今では、陰惨な事件も遠い過去になり、生々しさも消えて、単なる推理ゲームになっているかも知れない。

B氏・・・間違いなく、あなたは楽しんでいる。

私・・・この下山事件は、発生後にも謀略が継続している節がある。

単純な事件をより複雑に見せかける工作、自殺に見せかける工作、情報機関の能力を過大に見せかける工作、失敗を隠蔽する為の事後工作等、そんなこんなで、いろいろと、複雑怪奇になっているのです。

B氏・・・その迷路に分け入って行くの?

私・・・どうしますかねぇ。


きょうは、この辺で終わりにします。


この話、これからも続けるか? ここで終わらせるか?・・・・・・今晩考えます。


それでは、また明日。



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