市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

雨降りぬ強き言葉を多用して破壊を飾る人間の毒

2022-06-18 20:31:00 | Weblog

 雨音に。

 


 画像はフィニ。この世の終わり、というタイトル。
 最近のウクライナ侵攻、兵士、民間市民の苦しみはまさにこの世の終わり。

 フィニは見事なテクニックでこの〈地獄変〉を描いた。好き嫌いなら、私はこんな作品は好まないが、彼女の幻視力、画才には感嘆する。

 こんな世界は人間が生み出す毒だ。
 戦争は早く終わってほしい。

 愛と感謝。

 主に栄光を。

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なつかしき雛歌のごと花の絵に感謝を添へて残す道行き

2022-06-16 20:48:00 | Weblog

 油彩F6号  薔薇

 


 
 このような小さい絵が日常を平和に飾り、眺める人たちの目と心を和ませる役を果たしてほしいと思って描いている。


 良い日だった。愛と感謝。

 主に栄光を。
 神に感謝。

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梔子の匂ひのぞみぬ雨糸の細くつめたき空の重さに

2022-06-15 21:43:00 | Weblog

 昨日今日と梅雨寒。

 街角やあちこちの庭先には色鮮やかな紫陽花が盛りだが、4月に逆戻りの寒さにくすんで見える。たぶん今の時期は梔子やジャスミンも開花しているはずなのに、気温が低いせいで、湿った大気に夏の花の香りが漂わない。

 



 低気圧で、体調も気分も滅入りそうなので、赤いバラを描き始めた。きれいなものを描くと気持ちも上がる。

 まだ漠然とした夢想なのだが、この頃、ビザンチン様式のイコンを描きたい願いがある。抽象化された天使や聖母子の群像を、自分の好むスタイル、色彩で描けたらと。
 技術が拙いので、幾何学模様や唐草などの装飾をきっちり描く練習をしなくてはと思う。

 そんなことを考えているとリラックスできる。

 

 愛と感謝。

 

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驟雨来て髪濡らしつつ手をかざす少女の腕は透けて光りぬ

2022-06-12 20:15:00 | Weblog

 驟雨に。

 


 レオノール・フィニの若い頃の作品。

 ふくよかな少女とふくよかな猫が大きさもタッチもまるで同等に描かれているのが面白い。
 この上手な油彩が独学というのも凄い話しだが、つまりフィニも天才ということだ。
 彼女もダリと同じく美貌と才能、出自に恵まれ、多様なジャンルで良い仕事をし、作品を残している。
 彼女の決め台詞に「私の職業はレオノール・フィニよ」とある。じつに面白い女性だった。


 今日も穏やかな良い日。

 愛と感謝。

 

 

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月光は永遠を語りぬうつそみを織りなす心明日優しくあれ

2022-06-10 20:48:00 | Weblog

 月明かりに。

 今日も晴れて爽やかだった。

 


 
 穏やかな一日に感謝。

 愛と感謝。

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蛍追ふいにしへならば絽を着付けて裾庇ひつつ水に揺れなむ

2022-06-09 20:30:00 | Weblog

 夏の宵に。

 朝から爽やかな晴れ間、気持ち良い日だった。初夏らしく適度な暑さも嬉しい。甲府から戻って以来連日、あちこち車での外出が多く多忙だったので、久しぶりにまるまる在宅、のんびり過ごせた。

 


 午後、BS映画で「ヴェニスに死す」を観た。やはりビョルンは美しかった。特別出演の脇役シルヴァーナ・マンガーノの美しさにも感動。
 主人公アッシェンバッハ以外の役者たちのほとんどは台詞らしい台詞がない。まるで監督ヴィスコンティの操る人形のように、端正なポーズとアクションを決めながら画面を動くのだが、その〈不自然さ〉で、一層非現実な耽美的効果を感じさせる。

 世界一の美少年と謳われたビョルンは、この映画の後、数奇な人生を過ごしたそうだが、不運であろうとも波乱を生き抜き、破滅も依存もなくしっかりと現在があるのなら、立派な人生ではないだろうか。
 一世を風靡しようとも、虚栄や物欲、快楽依存で破綻してゆく俳優女優、天才子役は数えきれない。

 静かな日だった。

 神に感謝。

 愛と感謝。


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失ひてなほ闇を向く誰だれも幼児の形に現実を崩す

2022-06-08 20:45:00 | Weblog

 レオナルド・ダ・ヴィンチは「絵の本」に記している。

 まず終わりを配慮せよ。どのように結末をつけるかイマジナーレしてから行動せよと。

 若い頃、岩波文庫で「絵の本」を読み、この文言が何故か心に残った。平穏とは言いがたい越し方だったが、いくつかの僥倖で日常を調えながら過ごせている。

 今、家族の老病を抱え、同時に自分の終末をも考える時、レオナルドの言葉がくっきりした輪郭で見えている。

 ことに、昨年以来、何人もの友人知人たちの早世を知り、余計、自分にとって望ましい晩年の姿がはっきりしたのかもしれない。

 

 
 レンブラント53歳の自画像。
 不幸で、しかも見事な男の顔。まっすぐに人間性を見つめるレンブラントは、やはり、うわべの奇抜で飾りたがるダリを超える。

 忙しい日だった。

 けれども神に感謝。

 すべてにおいて愛と感謝。


 
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失ひて後に身に沁む宝石の輝きのごと人びと病みぬ

2022-06-07 20:55:00 | Weblog

 いろいろな知らせに。

 昨年今年、友人知人の病没が多い。

 友人たちが悔いなく生きて逝くならば、私は悲しむのをやめたいと思う。人生の価値観は人それぞれ。

 


 静かな日だった。

 すべてに愛と感謝。

 

 
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去りし人あまた揺らぎぬ大風は他界とこの世の壁崩すごと

2022-06-06 22:00:00 | Weblog

 嵐に。

 今日、甲信越は梅雨入りと。

 一日中強い雨と風に晒された。今も海鳴りが聞こえるから、満ち潮かもしれない。


 


 サルバドール・ダリの自画像。
 ここまで描けるものか、と唖然とするほど細部まで上手い。彼には古典技法も可能だったのだろう。
 画家自身の不安と自信の入り混じった内面を呵責なく明かし、やや狂気めいた雰囲気もあるが、強い力で作品を陽性な方へコントロールする。危うく一歩逸れれば耳を切ったゴッホになりかねないが、ダリの精神力の方が強かった。
 華麗で豪奢な衣服の質感、陰影、背景の微妙で品格あるニュアンス、あたかも画面自体をぴしりとアクセントする鞭のように、左目の端を斜めによぎる直線の緊張感、またその直線を持つ手指の見慣れないー現実離れしたー奇妙な形は、妖しく視覚を刺激する。
 普通にスタンダードな肖像画ならば、こんな奇形にさえ見える手は描かないだろう。
 が、それらの要素すべてが魅力であり、個性化を遂げている。
 シュールレアリズム作家の中でもダリの画力は傑出しているが、ウイーン幻想派のクリムトも、見事な古典的技量を持っていた。
 そうした豊かな素地あってこそ、現実を超えた〈リアリティのある〉幻想への飛躍が可能だったのだろう。

 この作品について、血走った目は嫌だが、こんなに上手に描けたら、と思う。


 

 愛と感謝。
 

 
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雨季のみどりあざやかに映ゆる純白の画布はモデルの背丈に合わせ

2022-06-05 20:32:00 | Weblog

 そろそろ梅雨入りらしい。

 昨日今日の晴れ間、家内の片付け洗濯に忙しかった。

 


 
 有沢螢さんから歌集「縦になる」をいただいた。
 みずからの言葉によって孤独な病身を支え、力づけ、また周囲に喜びを撒いている有沢さんの姿を思いながら読んでいる。彼女の痛みは彼女だけのものだが、その言葉は世界に飛びたってゆく。

 良い日だった。

 愛と感謝。


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アルファポリス