今日は北杜市明野にお墓参り。
爽やかに晴れて青空に浮かぶ八ヶ岳、南アルプスが美しく見えた。比較的平坦な南房総に暮らしているので、内陸のくっきりした山並みが、あざやかに映る。
その後、ふと思い立ち、昔懐かしい下津金に向かった。
明治大正昭和の時代を生きた三代校舎。
実はこの昭和校舎には、私の亡き母が教員として、まだ30代の若い頃に勤務していた。幼児の私は母の休日勤務(当時は日直と言っていた)に連れてこられ、しいんとした校舎で一人で遊んでいた。ほとんど図書室にいたと思う。
その図書室はもう跡形もない。
この2枚の景色は、明治時代の藤村式校舎最上階の塔の窓から覗いた風景。
私の幼児期の記憶では、藤村式明治校舎は当時すっかり古ぼけて、暗い倉庫のようだった。一般人は立ち入り禁止で、お化け屋敷のような雰囲気だったが、今はきれいにリフォームされ、カフェと須玉町の民俗博物館を兼ねた明るい歴史記念館に変わった。
私は、何と、半世紀前の記憶の絵をなぞりながら、あちこちを眺めた。まるで昨日のような記憶の画像。幼児期の私の目がまだたくさん残っていた。
それから、午後も早かったので、ディープ津金、海岸寺まで足を伸ばした。こちらは、私だけでなく、母の幼児期からの思い出がつながる。
津金は母と祖母の故郷。
幼い母は時折海岸寺で遊んだそうだ。
その母は昨年亡くなり、祖母もいない。
養老元年、717年に行基によって創建されて以来、現在も観光地ではなく、静謐、敬虔な祈りと瞑想の聖所であり続ける海岸寺。
深い森のさやぎと、時を経た境内の百観音の素朴なうるわしさに、心を洗われる時間をいただいた。
良い一日だった。
愛と感謝。