朝は雷鳴轟く驟雨だった。昼過ぎから日差しが戻り、夕方にはまた晩夏の光。
今日もずっとプルーストを読んで過ごした。大変に虚弱な人で、恵まれた富裕層とはいえ、青年期以降は外出もままならぬ半病人の暮らしだった。よくもこんな密度の濃い大作を書いたものと思う。
肉体的には弱くても、彼の精神は極めて健康で冷静で、しかもユーモアに溢れているから、読んでいる私は随所で楽しい。
知的で病弱な作家は、しばしばその作品に〜優れた内容であろうとも〜そこはかとなく悲壮感がつきまとうが、プルーストにはそれが感じられない。
昔読んだ時は、こんなふうに面白がらなかったと思う。未知の、難解で美しい世界に驚きながら、一生懸命に読んでいたはずだ。
良い日だった。
愛と感謝。