残暑のヤマを越えたような風が吹く。まだ暑いが10日前とは大気が違って、晩夏のひかり。
平かな毎日が続いている。単調だが、戦火や災害のない時間に生きていることが心からありがたく感じられる。
たぶん、昨年末からこの春先、何人もの友人知人の病や訃報を受けたからだろう。青春の一時期、親しかった人が永遠に消え去り、2度と巡り会えない、という事実は、感情の域を離れて、まるで非現実な夢を見ているような気がする。
当時から今まで、それほど密な関係ではなくても、10代後半から20代前半という「純粋、がそのまま褒め言葉になる」時代に語り合った記憶は忘れ難い。
ふたたびレンブラントのイエス。
何度もこの表情を見つめてしまう。
レンブラントは毎日必ず12時間は絵を描いたそうだ。
頑健でなければ出来ない精進だし、さぞ人付き合いも制限しての仕事だと思う。
ダイヤモンドを磨くような人生から描き出されたイエスの顔。
愛と感謝。