雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

ひそやかに湛へむ涙はゆるやかな血にぬくもりて春を潤す

2008-02-29 17:38:29 | Weblog
 今日の最高気温は15℃とか。桜開花すんぜん?くらいかしら。

 段葛からすこし昇ったさかみちで、紺色の大島紬を着た女人を見た。

 ショールも道行きも纏わず、うなじもあらわなすっきりと長着姿。

 さわやかでした。


 明日は何を着ようか、と迷っていたところ。地方だから、目立つ必要はないのだけれど、あまり地味でも……とつおいつ。

 白鳥さんとは初対面なので、彼女の衣装がわからない。いずれこのひとが華なのだから、三味線弾きは、なんでもいいかといえばそうとも言えない。

 マチネでも、ひとさまの前にでるときは、やわらかものを選ぶのが常。

 でも、今日の大島の女人のきりとした着付け姿は美しく見えた。

 ふと、塩沢紬が着たくなる。藍染。帯と半襟ですこし明るさを出そうか。

 和服を着ると、しぜんに背筋がのびる。

 ……それが紬ならなおさら。



 


 十字架の道行き第四回。

 キリストの苦痛を目の当たりにして、ふたりのマリアは、一瞬でも顔をそむけたいと思ったことはなかったんだろうか。

 自分の心の痛みにたえかねて。

 踏みとどまった女人たち。



 



 
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