雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

磁器のごと翳り離るる聖母子を刻みし画工想ひつつ描く

2018-04-11 22:05:51 | Weblog
ドメニコ・ヴェネツィアーノの聖母子。

今日はここまで。


彼の聖母は美しいが彫り浅く、世間普通の未成熟な少女がある瞬間に垣間見せる、非人間的なつめたさを湛えるように私には見える。慈愛よりもむしろ、高貴な表情だ。


見つめていると、幼い少年や少女は、喜怒哀楽の移り変わるはざまに、しばしば真空のような無表情を浮かべる。それは成熟した大人にはない空白、あるいは余白のような顔だ。まだ言葉や情報の雑多で汚されていない空白。

そうした表情の真っ白な隙間を埋めながら、少女少年は成長してゆくのかもしれない。





感謝。





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