メムリンクの聖母子模写、擱筆。
少しずつ描いて、20日ほど。
油彩原画が精密なので、わたしはできるだけシンプルに仕上げたかった。
モノトーンの細い筆先の細密描写は、時々息苦しさを感じさせる。
だが、それがまた透徹した画家の眼差しの魅力であり、魔力でもある。
わたしはどちらかというと、小さいころから、リナシメント以前の古典絵画に魅惑されるタイプだった。
6百年前の偉大な画工の様々な巧みの秘密を、たぶん後世は知り尽くすことはない。決して色褪せない樹脂の謎。フラ・アンジェリコにせよ、メムリンクにせよ、色彩の美しさは、文字通りきよらかに輝くようだ。
永遠に、それは変わらない。
わたしの模写は、ただのペンの遊び。
メムリンクとのささやかな対話。
描いている間中、すごく楽しかった。
この次もまたイコンを描くつもり。
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