恋歌が浮かんだ。今夜は由比ガ浜の花火。ここからは山にはばまれて、音も遠く、もちろん花火の片鱗も見えない。
この遠さも夏の風物めいていい、と感じる。夕ご飯は焼肉。夏ばて防止、と。
誰に対するというわけではないけれど、恋の歌。最後あたりの水中花火の轟音が、すこし長めに聴こえて、こんな歌も生まれた。
いっぽうで、ラジオからはヘンデルの「涙の流れるままに」など聴こえる。これもいい。
すこしづつ、晩年をみつめるまなざしに、わたしの季節はうつろうてゆく。
楽しみつつ、最後の瞬間まで、うつくしくありたい、と。女性ならば、いいえ男のひとだって、きっとそう願っているのにちがいない、花火の夜。