市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

すくよかに蒼穹伸びゆ銀杏太古の風漉す翼のごとくひらかれ

2010-01-09 18:09:23 | Weblog


 銀杏の裸木に。



 葉を落とし尽くした樹木、きよい冬の陽をあびて樹皮の乾燥さえうつくしく光る。

 青空は、わたしの視野のなか、枯れた枝々に狭められながら、いっそう深くひろく感じられる。

 樹々を享ける空間の果てしなさ。




 あたかも、冬の樹々のひくい息づきとともに、空もゆるやかにひろがってゆくような気がする。



 伝え聞きだけれど、銀杏は、恐竜の時代からそのまま変わらずに生き延びた稀な種だとか。

 そう想うと、何か、不思議な生き物のたたまれた翼の骨格めいて見えてきたり。


 

 近所の銀杏の木。

 こんもりとした白い裸木が、ふいにおおきな翼をひらいて天空へゆさゆさ飛び立ったら……なんて幻想よぎる一瞬。











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