市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

海よりの鼓動聞きゐつ振り向かず我が少年は冬野をめざす

2008-11-27 20:16:49 | Weblog


 午前中のケアのあと、午後自宅でお習字。

 なにやかやと取り紛れて、先週から筆が持てなかった。


 ひさしぶりに墨を磨り、静かな時間。


 字は建築、とせんせいはおっしゃる。

 部分と全体。


 払いの一画で、文字のすがたを支える。


 さりげない言葉ひとふしに、奥深い心が覗く。


 お習字の時間、わたしはしあわせ。


 たどたどしくても、白い和紙に沈んでゆく筆先が、この一瞬をしっかりと生きようとする自分のこころをなぞってくれる。


 気を抜くと、筆線はたちどころにゆるむ。

 それもおもしろい。


 とくん、とくん、と心臓の音。

 誰だったかな、海の波音は、地球の鼓動、とお言いだったのは。


 大筆で、一気呵成にざぶんと書けたら、磯もとどろに白波の砕けてものを思ふころかな、なんてしゃれも詠えそう。

 まだ、とうていそこまでいかない。


 

 毎日、ここまでしようと思っていることの八割くらいは遂げられる。二割は残ってしまう。

 
 今夜、まだすこしやりたいこと、いくつか。時間のたつのがはやい。


 

 






 


 
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