鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1549~ヘリコプターたち

2018-07-23 12:45:32 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ヘリコプターたちです。

五味太郎の絵本2冊目です。

AMAZONの内容紹介を引用します。
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生まれた場所を飛び立って以来、孤独な旅を続けてきたヘリコプターが、一人のパートナーにめぐり会う。
独創的な画風と効果的な色彩の五味ワールド。再刊。
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本書は1981年に発行され、1997年に別の出版社から復刻されました。
この事実からでも「廃刊は惜しい」という多くの読者の願いが感じられ、名作のニオイがします。

広大な森林の上に広がる大空。
ちっぽけなヘリコプターが1機飛んでいます。
長いこと一人ぼっちで飛び続けていたヘリコプターは、ついにパートナーとめぐり会います。
小さなヘリコプター2機は苦楽を共にし、やがてたくさんのミニヘリコプターたちが誕生します。
ミニヘリコプターたちは徐々に散り散りになり、1機1機の物語が始まることでしょう。

というお話です。
途中、ヘリコプターが体調を壊してパートナーに介抱されたり、2機が協力して巨大なヘリコプターを倒したり、教会で出産したりします。
擬人化した夫婦の物語であり、その子どもたちの明るい未来につながる物語です。
旅の途中、ヘリコプターたちは人影途絶えて久しい廃墟の上空を通過します。
このシーンは何を伝えたかったのでしょうか?
人類が滅んだ後にだって愛の物語があってもいいじゃないか!という著者のメッセージを感じます。

とにかく大空を飛ぶちっぽけなヘリコプターが今も目に焼き付いています。
世の中にポツンと存在する自分自身とつい重ねて見てしまいます。
ヘリコプターはパートナーとめぐり会い、助け合い、未来を切り開き、やがて次代につないでいきます。
妻と出会い、子どもたちと過ごし、彼らが自立していった日々。
そういう普通のことがいかに幸せなことだったかを実感できる、そんな絵本でした。

こういうのは魂に直接響きます。
だからこそ名作なのでしょう。


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