今回のお気に入りは、原色日本蝶類図鑑54年版その後です。
前回書いた原色日本蝶類図鑑が届きました。
残念ながら1954年初版ではなく1970年第8刷でした。
わずか1500円だったので当然ですが・・・。
それにしても43年も前に出版された本にしては相当の美本でした。
早速この「文学の味わい深い博物学書」を読み始めました。
前回引用した「じゃこうあげは」の解説文は早くも5ページに登場しました。
あった、あった、これこれと思いながら全文を堪能しました。
まだ読み始めたばかりで10分の1も読んでいませんが、文学の香りただよう
フレーズが所々に登場します。
「じゃこうあげは」を超える解説文にはまだ巡り会っていませんが、
期待して読み進みたいと思います。
ちなみに本書は戦後の混乱期に出版された唯一の原色図鑑だそうで、
序文には次のような文章があります。
=====
いつか敗戦の焼跡には街路樹が芽ぶき、草原の街にも泪ぐむ瞳の様な灯が
光った。生活の営みであり裏付けでもあった蔬菜園は、いつか家庭団欒の
趣味の場となり、寸土を惜しんだ庭の一隅は草花に飾られて、とある日の
午後一頭のモンシロチョウさえ訪れた。
=====
戦後復興の道筋である明日への希望が見えてきた、昭和29年という時代の
空気を感じさせる文章です。
著者は最後に「1954年初夏の風にアカシアの花散る5月 横山光夫」と
記して序文をしめています。
自由に研究できる時代は目前ですよ!という著者の明るい呼びかけが
聞こえるようです。
戦時の圧迫された時代、戦後の困窮時代を経験したことで、本書のような
詩情溢れる文章を誰もが欲したのではないかと思います。
今後は、脳天気に文学の香りを楽しむばかりでなく、その裏を理解しながら
本書の解説文を味わいたいと思います。
前回書いた原色日本蝶類図鑑が届きました。
残念ながら1954年初版ではなく1970年第8刷でした。
わずか1500円だったので当然ですが・・・。
それにしても43年も前に出版された本にしては相当の美本でした。
早速この「文学の味わい深い博物学書」を読み始めました。
前回引用した「じゃこうあげは」の解説文は早くも5ページに登場しました。
あった、あった、これこれと思いながら全文を堪能しました。
まだ読み始めたばかりで10分の1も読んでいませんが、文学の香りただよう
フレーズが所々に登場します。
「じゃこうあげは」を超える解説文にはまだ巡り会っていませんが、
期待して読み進みたいと思います。
ちなみに本書は戦後の混乱期に出版された唯一の原色図鑑だそうで、
序文には次のような文章があります。
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いつか敗戦の焼跡には街路樹が芽ぶき、草原の街にも泪ぐむ瞳の様な灯が
光った。生活の営みであり裏付けでもあった蔬菜園は、いつか家庭団欒の
趣味の場となり、寸土を惜しんだ庭の一隅は草花に飾られて、とある日の
午後一頭のモンシロチョウさえ訪れた。
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戦後復興の道筋である明日への希望が見えてきた、昭和29年という時代の
空気を感じさせる文章です。
著者は最後に「1954年初夏の風にアカシアの花散る5月 横山光夫」と
記して序文をしめています。
自由に研究できる時代は目前ですよ!という著者の明るい呼びかけが
聞こえるようです。
戦時の圧迫された時代、戦後の困窮時代を経験したことで、本書のような
詩情溢れる文章を誰もが欲したのではないかと思います。
今後は、脳天気に文学の香りを楽しむばかりでなく、その裏を理解しながら
本書の解説文を味わいたいと思います。