鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその771~図鑑整理

2013-06-26 12:20:36 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、図鑑整理です。

ようやく図鑑を整理しました。
図鑑って大きくて重たいため、今までの本棚が一杯になり、
横積み仮置き状態が長く続いていました。

今回、幅1200×高さ1900の本棚を購入して、
天井まで使い切ることで図鑑を整理しました。

収まりきらなかったのは1冊のみ。
「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画」という画集です。
高さ470mm×幅360mm、3.5kgというビッグ
サイズ。
輸送用ダンボールに入っているため、実際はもう一回り
大きく、奥行き300mmの棚から大きくはみ出しました。

それ以外はすべてキレイに収まりました。
床に置いていたニッカのオールドボトル、鬼平犯科帳の
朗読CDボックスなどもブックエンド代わりに棚に
収まりました。
使える床面積が広がったため、部屋が広くなりました。

本棚はまだ半分くらい余裕があります。
図鑑・図録・画集のような大型本をまだまだ購入できます。
もっとも、今まで置き場を気にしていても購入を断念する
理由になってはいませんでしたが・・・。

最後に本を2冊紹介します。
1冊目は、図録「小磯良平の描いた薬用植物画」。
日本洋画界の第一人者小磯良平が10数年間かけて描いた
全173点の薬用植物画が堪能できます。
ボタニカルアートとは趣の異なる洋画家の作品集。
初期の作品はスケッチ程度、後半は画集化が決まり、
本腰を入れて描いているところが面白いです。
これから残り半分をじっくり鑑賞したいと思います。

2冊目は、赤勘兵衛著「鳥の形態図鑑」。
先日届いてパラパラながめた程度ですが、見事な細密画。
小学校高学年から一般向きとして制作されました。
何らかの事情により保護された野鳥をモデルにしています。
そのため死んだ鳥を描いている場合もあり、それはそれで
衝撃的。
解説文にはどんなことが書かれているのでしょう?






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お気に入りその770~アンティーク古書

2013-06-22 12:26:56 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、アンティーク古書です。

1836年に出版されたJ・ダンカン著「昆虫学第4巻イギリスの蛾」を
入手しました。

本書と同じ本は、アンティーク古書専門店で35000円の値がつけられて
販売されています。
今回の本は外観が劣りますが、肝心の図版は良好なので、2万円で
落札して後悔をしていません。
万円単位の買い物は痛い出費ですが、43%引きと考えるとお得。

先日多色石版の図鑑を入手し、今度はスチール版手彩色の図鑑。
177年前に制作された30枚の図版を手に取り堪能できて満足しています。

細い線彫りや手彩色で細部まで正確に仕上げられており、手業の
素晴らしさが光ります。
多色石版の図鑑には色ズレした図版もあり、技術的にやむをえないと
納得していましたが、手彩色の図版にはそれがなく、丁寧な
仕事振りに超納得です。

なお本書の冒頭には「スリナム産昆虫変態図譜」で有名なマリア・
メーリアンの肖像画があり、表題の後、19ページから46ページまで
「メーリアンの回顧録」が配置されています。
その後に著者の前書きがあり、さらにその後からようやく図鑑が
はじまるという構成になっています。
また蛾の図版は最後尾に30枚まとめて収録されています。

ここで気になるのは、なぜ「メーリアンの回顧録」が掲載されて
いるのかです。
英文を読めないので構成の意図が判りませんが、もしかしたら
収録図版はメーリアンのコピーなのではないでしょうか?

愛用のGoogle翻訳に活躍してもらい、回顧録や前書きを翻訳して
その理由を調べたいと思います。

前回の多色石版の図鑑はドイツ語、しかもフラクトゥールという
特殊な書体の文字で書かれていて、翻訳が想像以上に難航しましたが、
今回は英語なので気楽に取り掛かれます。

さて、メーリアンのコピーという推測は当たるのでしょうか?
メーリアンは荒俣氏の博物本に繰り返し紹介されていておなじみ。
彼女の図版のコピーなら、より一層嬉しいのですが・・・。



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お気に入りその769~孤愁(サウダーデ)

2013-06-20 12:37:25 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「孤愁(サウダーデ)」です。

「孤愁(サウダーデ)」は新田次郎と藤原正彦の共著です。

昨年6月、徳島に行き、阿波おどり会館で阿波おどり体験をして
きました。
地元の方から阿波おどり会館の背後にそびえる山が眉山だと教え
られました。
へー、さだまさしの小説であり映画にもなった眉山ってここに
あったんだと思いましたが、それ以上の思い入れはありません
でした。

本書の主人公、モラエスさんの記念館が眉山ロープウエイ頂上駅の
すぐ近くにあることや、眉山ロープウエイが阿波おどり会館から
発着していることをその時、知らなかったことは今は本当に残念。

もし知っていたら多少無理をしてでも訪れたのに・・・。
滅多に行けない所だからなおさら残念です。

ただ、本書の存在は、先日読んだ藤原正彦著「管見妄語 卑怯を
映す鏡」で知ったばかりですし、そもそも本書が出版されたのが昨年
11月30日ですから、昨年6月時点では間に合わなかったのです。
そういう巡り合わせだったのでしょう。

藤原正彦は「国家の品格」に代表されるように、日本人の美徳を
繰り返し訴えてきました。
彼の父、新田次郎の絶筆が、日本の美徳を愛し、徳島で亡くなった
元ポルトガル総領事のモラエスを主人公にした作品だったことは
単なる偶然なのでしょうか?
きっと「日本人の美徳」について深く考える家庭だったことが
作品を引き継ぐバックボーンになったのだと思います。

それでも32年の時を超えて父の絶筆を息子が完成させる、
という話は簡単な話ではありません。
特に息子が小説家でないことは最大の問題点です。
そんなことは本人が一番わかっていること。
それでもチャレンジし書き上げたことは賞賛に値します。
そしてその仕上がりの意外な見事さに驚かされました。

前半の3分の2ほどにあたる「日露開戦」の章までを新田次郎が
書き、その後ろを藤原正彦が書き上げたことは事前に知った上で
読んだのでなおさらですが、二人の文章の違いは素人の私でも
よく判りました。
若いときに新田次郎を愛読し、今は藤原正彦を愛読しているから
なのでしょうか?
おそらくそうではなく、藤原正彦の文章が個性的過ぎるのです。
モラエスの心情を表現するためとはいえ、「日本人の美徳」
について書き過ぎだと思います。
藤原正彦は自分をモラエスに置き換えて書いたのではないで
しょうか?
だから彼の強烈な愛国心が文章の端々に現れたのでしょう。

それを加味しても作品の仕上がりは見事。
最後まで一貫して「孤愁(サウダーデ)」を帯びた空気に
包まれた作品でした。

冒頭で、昨年の徳島訪問時にモラエス記念館を見学できなくて
残念だった旨を書きましたが、今、考えると万一訪問できていた
にしてもモラエスの心情を今ほど理解していなかった時期では
無意味だったでしょう。

本書で、「日本人の美徳」を見出し、ポルトガルをはじめとした
ヨーロッパ諸国にそれを伝えたモラエスさんという存在を初めて
知りました。
そして「国家の品格」の香りがかすかに漂うこの作品が新田次郎の
絶筆であり、それを息子藤原正彦が見事に書き上げたことを
知りました。

この作品は大絶賛されマスコミの注目を集める作品では
ありませんが、藤原正彦の労苦を思うと大きな拍手を贈らずには
いられません。

藤原正彦があとがきで、絶筆を自分が引継いで完成させることは
父の死後すぐに公表したが、書き上げるまでに32年を費やしたと
述べています。
父が遺した制作ノートや関連資料を読み込み、ポルトガルやマカオ、
神戸、徳島の地を何度も訪れ、準備を整えた上での執筆だったの
ですね。
まさに肉親だからこそ成し遂げることができた大事業です。

作品自体の魅力に加え、作品の成り立ちについてのドラマを
マスコミや書評コーナーがもっと取り上げていただくことを
願っています。


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お気に入りその768~旅行携帯本

2013-06-18 12:06:30 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、旅行携帯本です。

先日行った鹿児島研修旅行の移動中に読む本をいろいろ用意して行きました。
今回読んだのは次の2冊。

 串田孫一著「カラー歳時記 虫」(1967年)

 岩井渓著「漫画版 日本の歴史(1)」(2007年)
       ~ 日本の始まりと国家の誕生 旧石器時代・縄文時代・
         弥生時代・古墳時代 ~

他に向田邦子や星新一なども持っていきましたが、導入部分しか読むことが
できませんでした。
往路では、ガイドブックでこれから立ち寄る先の予習をしていたせいで
読む時間が削られましたし、復路では、疲れから眠気が出て読む時間が
削られたからです。

さて本の紹介です。

「漫画版 日本の歴史(1)」は、大人向けに改訂されたものだそうで、
最新情勢を加味したコラムも面白かったです。
本書を読んで、最近の「北海道と東北の縄文遺跡群を世界文化遺産に
登録しよう」という運動の理由がわかりました。
みなさんは、日本中にある縄文遺跡の中でどうしてわざわざ北海道と東北の
遺跡群だけを区別するのかをご存知ですか?
本書によると地球全体が温暖だった時期に縄文文化が栄え、北海道や
東北に住む人々は1万年以上も平和で豊かな暮らしを続けたが、寒冷化に
ともない、南へ西へと移動したそうです。
つまり北海道と東北が縄文文化が発祥し栄えた地だったのです。
北海道に生まれ育って半世紀を越えているのに、こんな基本的なことさえ
知らなかったとは情けない・・・。
これからは世界文化遺産に申請する活動を応援したいと思います。

「カラー歳時記 虫」は、大好きな串田孫一氏の著書であることと、
元・虫大好き少年だった自分の過去が見事に一致したので読みました。
相変わらずの素敵なエッセイに魅了されながら読み進めると、最後尾に
古今東西の現代詩、漢詩、俳句、和歌の虫にまつわる作品紹介コーナーが
ありました。
こちらの方は高尚過ぎて理解が進まず、残念ながら多くを読み飛ばす
結果となりました。

最後に鹿児島研修の感想。
何といっても「黒豚しゃぶしゃぶ」最高!
最初「豚が自慢」と聞いたときに疑ってご免なさい。本当に美味です。
札幌でもあの味に再会できる店があるのでしょうか?
特に、指宿の「青葉」で食べたのと同じ、カツオのだし汁につけて
食べる豚しゃぶに再会したいです。


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お気に入りその767~研修旅行

2013-06-14 07:18:15 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、研修旅行です。

今年も明日から2泊3日で研修旅行に行ってきます。

毎年自分たちでコースを作っていますが、ガイドブックだけでなく
旅行代理店や地元の方のアドバイスもあるので、事前準備は
何とかなっています。

という訳で、今年は鹿児島。
研修および観光の予定は次の通り。

研修予定
 1日目=地元同業者との懇談会
 2日目=なし
 3日目=仕事関係で世界最大規模の施設を見学

観光予定
 1日目=桜島、鹿児島天文館
 2日目=知覧、釜蓋大明神、番所鼻、指宿
 3日目=城山、仙巌園

2日目と3日目は貸切バスでガイドさんも付いてくれるので
移動面、情報面は安心しています。
昨年一昨年は公共交通機関の乗り継ぎをメインにしたので
心労や時間ロスが多かったのですが、今年は楽!

研修旅行は4年目ですが、今回はどこが思い出に残るかな?

ちなみに過去の研修(観光)先で記憶に残るところは
次の通り。

1年目=大阪で「太陽の塔」を初めて間近でみたこと
   USJでたっぷり遊んだこと(オッサンでも面白い!)

2年目=大分での泥湯体験
   大分のサファリパークでライオンにエサをやったこと

3年目=広島原爆資料館
   呉で潜水艦に乗ったこと

週間予報では天気に恵まれそう。
それでは行ってきます。



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お気に入りその766~セバ「博物宝典」

2013-06-11 12:30:52 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、セバの「博物宝典」です。

Albertus Seba著「Cabinet of Natural Curiosities」が
はるばるイギリスから到着しました。

アムステルダムの薬剤師であり有名な博物コレクターである
アルベルトゥス・セバの「博物宝典」のタッシェン版です。
33.4 x 3.9 x 23.9 cm 415ページ、1743年~1765年?

一体何キロあるのでしょう。
とても大きくて重たいです。
サイズが大きく、ページ数もたっぷりな上、ほぼ全ての
ページがカラー図版だから重くなる理由だらけ。
こんな豪華本が5000円弱で購入できるとは、やはり
タッシェン!
日本にもこんなに格安で本を制作してくれる出版社が
出てこないかな。

鳥や植物、哺乳類の図版は粗くて、魅力を感じませんが、
ヘビや昆虫、貝などの図版とその配置の素晴らしさときたら、
もう感動的!
とんでもなく「美!」を感じます。

博物図譜は「科学的でかつ芸術的」であるところが魅力。
これまで当ブログでは、たくさんの美しい図譜を鑑賞しては
紹介してきましたが、セバは明らかに今までのものと違い
ました。

美しい図版を科学的な分類にそって並べて図譜にするのでは
なく、デザイン性を重視して配置しているのです。
とにかく配置が美しいのです。

自慢のコレクションをより美しく見せるための工夫が一杯
なのです。
博物学者と博物コレクターの違いが大きいことを教えられ
ました。

本書は、単に博物図譜を鑑賞したい人だけでなく、デザインを
鑑賞したい方をも満足させることでしょう。

博物図版は額装してインテリアにしていることが多いですが、
セパの図版はまさにインテリアに打って付けです。

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お気に入りその765~竹鶴政孝パート210

2013-06-08 12:24:50 | 竹鶴
今回のお気に入りは竹鶴政孝パート210、オールドボトル蒐集です。

ニッカウヰスキーのオールドボトル蒐集が一段落してかなり経ちますが
いまだに定期的にオークションサイトを覗いています。

先日、70周年記念の4蒸溜所ブレンドボトルとオールドニッカの
ステレオ印刷でないラベルのボトルが前後して出品されました。

4蒸溜所ブレンドボトルはオールドボトルではありませんが、70周年
記念かつ非売品ということで入手が大変困難なボトル。

またオールドニッカは、昭和44年に仙台工場竣工を記念して発売され
ましたが、オークション等で出品されるのは、角度によって絵柄が変わる
ステレオ印刷されたラベルばかりで、今回のような通常印刷された
ラベルは初めて見かけました。

ニッカファンとして当然、2本とも狙いましたが、今回は4蒸溜所
ブレンドボトルを途中で断念し、オールドニッカのみを落札しました。

最近は、博物図鑑等の蒐集にお小遣いを振り向けているため、余裕資金が
不足気味。
ボトル入札額が釣り上がり、合計5万円を超えた時点で力尽きました。
誠に残念でした。

今回取り逃がした4蒸溜所ブレンドボトルとはまたいつか巡りあいたい
です。
いえきっと入手し、味わうことでしょう。
ウイスキーというストーリーを楽しむお酒には打って付けの素晴らしい
ストーリーを秘めたボトルなのですから。

余市と宮城峡のモルトと宮城峡のカフェモルトをブレンドした
ウイスキーは今までもありましたが、さらにベン・ネヴィスのモルトまで
ブレンドしたウイスキーは、この4蒸溜所ブレンドボトルだけでしょう。

でもそれだけがストーリーではありません。
昔、注意深く進めていたベン・ネヴィス蒸溜所の買収話が途中で漏れた
ときに、地元の新聞がリタとマサタカのストーリーを記事にして応援して
くれ、地元が歓迎ムードに包まれたという感動的な逸話がありました。
4蒸溜所のウイスキーをブレンドしたこのボトルこそ、70周年のニッカの
歴史を語るまさに生き証人なのだと思います。

そんなストーリーを思い出しながら、このウイスキーを味わう日が来る
ことを待ち望んでいます。
次にオークションに出品されるときは、お小遣いに余裕があるときである
ことを願っています。







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お気に入りその764~今森洋輔

2013-06-05 07:48:47 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、今森洋輔です。

今森洋輔さんの著作を2冊続けて読みました。

「イラストとエッセイでつづる森のアトリエから」という画文集と
「水草の森 プランクトンの絵本」という絵本です。

今森さんは琵琶湖近くマキノの森の住人であり、細密画家です。
ひょんなことから彼の作品を知り、生きものの細密画をたっぷり
鑑賞したくなったのです。

2冊とも、植物や動物、はては微生物まで、生きもの全般を美しく
正確に描いています。

中でも気に入ったのが昆虫の細密画。
カブトムシ、クワガタ、セミ、スズメバチ、蝶、ヤゴ・・・どれも
素晴らしい!
もっとたっぷり昆虫の細密画を堪能したい!

彼の昆虫の細密画をたっぷり収録している本はないものかと調べたら
昆虫専門としては「むしむしだあれ?」という絵本しかないよう
でした。
この本はページ数が相当少ないようなので残念ながらパスしました。

ちなみに「むしむしだあれ?」の文章を担当しているのは、兄で
写真家の今森光彦。
以前、当ブログでご紹介した「昆虫記」と「世界昆虫記」の著者
です。
あのときは今森光彦の見事な写真、見事な文章に魅了され、
経歴紹介に掲載されていた数々の受賞歴に納得したものでした。

今森洋輔は「琵琶湖の魚」「琵琶湖の鳥」などの本を出していますが、
同系の昆虫の本は出していません。
「昆虫」で名をはせた兄の領域で、あえて勝負する気がないので
しょうか?

できれば彼らしい「琵琶湖の昆虫」を制作して欲しいと願っています。

それまでは、昆虫の次に好きだった彼の魚の細密画がたっぷり
収録されている「琵琶湖の魚」を入手して、「ウロコに魅せられた」
という彼の仕事振りを堪能しながら待つことにします。




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お気に入りその763~原色日本蝶類図鑑54年版③

2013-06-01 12:55:08 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、原色日本蝶類図鑑54年版③です。

原色日本蝶類図鑑を読み終えました。

蝶類の研究者でもなく趣味でもない身にとっては、横山氏の詩情溢れる
解説文を楽しみにして読んだので、増補改定した若林氏の科学に徹した
解説文は流し読みの対象でしかありませんでした。
そのため後半の1/3はすべて流し読み。
おかげであっという間に読み終えてしまいました。
もっともっと長く「文学の味わい深い博物学書」を楽しめると思って
いたので少し残念でした。

それでも「ああ、この詩情溢れる解説文は横山氏に違いない」とわかる
フレーズがそこかしこに散りばめられていて、それらに触れることが
できただけでも、とても満足できる一冊でした。

特に蝶好きでもない私が、横山氏の蝶を愛する心=解説文にこれだけ
魅了されました。
横山氏と同じように蝶を愛する研究者が、横山氏の心=解説文に
触れたくて、ボロボロになった本書を毎日繰り返し読んでいる、
その気持ちは十分過ぎるくらい理解できました。

「たかが図鑑、どれも違いはない」
「図鑑は新しいものほど正確。古いものは不正確で不必要」
こんなことを考えていた自分はすでに過去の人になりました。

考えてみると1990年ころに書かれた荒俣宏著「世界大博物図鑑」を
今も愛読していること自体、博物画だけでなく荒俣氏のロマン溢れる
解説文に魅了されている証拠です。
「世界大博物図鑑」が出版された後の20年間に判明した事項については
一切書かれていない古い情報なのに、解説文を楽しんでいるのですから
私もその研究者と似たようなものだったのかも知れません。

さて、原色日本蝶類図鑑を読みながら「じゃこうあげは」を超える
「文学の香り高い解説文」を探しましたが、残念ながら見当たりません
でした。

それでも、後で繰り返し読みたい解説文をいくつか拾い出しましたので
ご紹介します。

==========
15ページ 26番 クモマツマキチョウ
アルプスの高峰、残雪もまばらな白樺の林、緑の芽をふくカラマツの森を
流れる渓谷に飛翔するその清楚な姿は美の女神ともたたえたい。
==========
44ページ 75番 スミナガシ
紺の匂うサツマガスリのような翅の模様はいかにも南国的である。
==========
55ページ 94番 アオタテハモドキ
広く南方地域に産する優美な蝶で、かつて著者は台湾の昆虫の宝庫として
有名な霧社の草原地帯に見渡す限り濃艶花のようなこの蝶が無数に群がって
いるのを呆然として眺めた思い出がある。
==========
61ページ 106番 オオウラギンヒョウモン
初夏の6月もなかばを過ぎて麦の刈り入れがはじまる頃になると、そよ風に
ゆれるノアザミの花にわが世の春とばかりに颯爽として訪れるのは本種
オオウラギンヒョウモンである。輝かしい陽光の草原をネットを振って
飛翔もたくましい豹のようなこの蝶を追う快感は何にもたとえようがない。
==========

あなたもこの「文学の味わい深い博物学書」で詩情溢れる解説文を堪能
しませんか?


(おまけ)
昭和29年の日本の状況がわかる記述がありましたので最後にご紹介します。
==========
27ページ 39番 オオカバマダラ
海外では硫黄島、小笠原、南洋諸島、沖縄、支那、フィリピン、マラヤ、
印度、オーストラリアなどに広く分布する。
==========

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