鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2088~死者の告白

2021-09-29 12:02:51 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、死者の告白です。
奥野修司・著「死者の告白 30人に憑依された女性の記録」。
妻はこの手の本が好きで何冊も読んでいますが、私の方は久しぶり。
たしか「山怪 山人が語る不思議な話」以来のはず、と思いマイ・ブログを検索しました。
2015年に「山怪」、2020年に「マンガ遠野物語」を読んでいたことが判りました。
ブログって本当に便利ですね。
ちなみに「死者の告白」のことはノンフィクション書評サイトHONZで紹介されていて知りました。
内容紹介を引用します。
=====
宮城県の古刹・通大寺では、人間に「憑依」した死者を成仏させる「除霊」の儀式が、今もひっそりと行われている。
震災後、30人を超える霊に憑かれた20代女性と、その魂を死者が行くべき場所に送った金田諦應住職。
彼女の憑依体験から除霊の儀式まで、一部始終を、大宅賞作家・奥野修司(『ナツコ』『魂でもいいから、そばにいて』)が描く!
<本文より>
人が死ぬとき、合理的に解釈できない不思議なことがしばしば起こる。
がんなどで死に逝く場合もそうだが、2万2000人余という人が亡くなった東日本大震災のような過酷な状況下では尚更だろう。
しかし、いきなり霊的ともいえる予想外のことが起こると、それを体験した人は誰にも相談できずにひどく苦しむ。
金田住職のところへ、高村英さんが混乱状態で電話してきたのは2012年の蒸し暑い6月の夜だったが、
彼女もやはり誰にも相談できずに苦しんでいた。                 
=====
幼い頃から霊感体質だった高村さんは素人ながら自身への霊の憑依をコントロールしたり、簡単な除霊をすることができました。
ところが東日本大震災で状況は一変。
仙台の街中に霊があふれ、自身にもたくさんの霊が集まり、コントロール不能に陥りました。
そして不思議な縁で金田住職に助けを求めることになります。
この時まで金田住職は除霊をしたことがなかったため、かつて先代が行っていた姿を思い出しつつようやくのことで除霊に成功します。
ところが翌日、再び高村さんからSOSが。
別の霊に憑依されたのです。
こうして高村さんと金田住職の闘いの日々が続きます。
というお話です。
面白いのは著者自身が霊の存在を信じていないこと。
疑いを持ちつつ取材を行い、理解できない場面はできないと繰り返ししっかり書いています。
同じ霊の除霊場面を高村さんの証言を元に書いた後に、金田住職の証言を元に書いて、信用できるか否かの判断を読者にゆだねています。
それぞれの主感たっぷりの証言には、口裏を合わせた証言にありがちな類似表現がほとんどないことから、証言の重なる部分に真実が見えるように感じられました。
また高村さんが憑依をレイプのようだと表現していることについて著者は理解できず京都大学の先生に相談しに行きます。
先生から催眠療法を例にとり、自我が肉体の脇に追いやられ、肉体が術士の思うままに動くことがあることを説明していただき、憑依の状況への理解を深めます。
本書は除霊を頭から信用した書籍とは違い、著者が除霊の真実を求めて取材して歩いたまさにノンフィクションです。
ちなみに東日本大震災で亡くなった被災者ばかりが登場するのかと思ったらそうでもなく、戦死した兵士や交通事故で亡くなった高校生などの除霊からスタートしました。
その後、震災の被災者が続々と登場します。
家族全員を津波で失い自殺した男性。
子どもを迎えに行く途中で亡くなった男性。
お母さんが迎えに来るのを待っている間に亡くなった女の子。
ようやく妊娠したことを夫に知らせに行く途中に亡くなった女性など・・・。
どの人も高村さんの体を乗っ取り、亡くなる時の苦しみを体験させ、現世に残した強い思いを訴えます。
住職は霊の訴えを聞き出し、現実を知らせ、説得することで光へと導きます(=成仏させます)。
霊との接し方は高村さんも住職も生きている人を相手にしているのと何も変わりません。
本書を読みながら自分の死について考えました。
もし思いを残して死に、成仏できなかったときは、高村さんのような方の体を借りて、住職のような方に諫められて光へと誘導していただきたいです。
ただできれば誰の手もわずらわせずに成仏するような穏やかな死を迎えたいものです。
それには事故死や災害死ではなく、がんなどで心と身辺を整理しつつ病死するのがいいと思います。

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お気に入りその2087~たくさんのふしぎ32

2021-09-27 12:37:21 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、たくさんのふしぎ32です。

①暗闇の釣り師 グローワーム
出版社の内容紹介を引用します。
=====
グローワームは、ホタルみたいにお尻が光る虫です。
この虫が光るのは、獲物の昆虫をおびきよせるため。
玉すだれのようなかたちのねばねばした糸がいっぱい垂れさがった巣で待ちぶせて獲物をとるのです。
いったいどうやって巣をつくるの? 
かかった獲物はどうやって釣りあげるの?……
=====
グローワームというのはオーストラリアとニュージーランドの洞窟に住むヒカリキノコバエの幼虫だそう。
洞窟の天井から何本もの釣り糸を垂らし、自らの尻を光らせてカなどをおびき寄せて捕食します。
釣り糸はねばねばしていて等間隔で玉状になっています
釣り糸は30分~1時間もかけて全身を使いながら頑張って1本ずつ仕上げ、これを何回も繰り返します。
以後はほとんど虫のいない洞窟でひたすた虫が捕まるのを待ち続けています。
実験下のエサが豊富な条件では2か月ほどで幼虫期間を終えますが、自然界では1年を越えることもあるそうです。
こうしたひたすら餓えに耐える暮らしは、肉食獣の多くが同様であることも紹介されています。
成虫になり大急ぎで交尾と産卵を終えるとわずか数日で死んでしまいます。
どれをとってもグローワームに生まれ変わりたくないと思わせます。
ちょっと見、気持ち悪い虫ですが、懸命に生きていることを知りました。
暗闇に無数に光る景色は美しく、観光名所になっているそうですが、彼らの生活史を知った今は心穏やかに見学するのではなく、頑張れよ、と声をかけたくなります。

②うまれる
出版社の内容紹介を引用します。
=====
生まれるのはだれ? 
生きものみんな。
生まれるのはいつ? 
春、雨季、満潮の夜……。
どんなふうに? 
いろいろ。
生きものの数だけ、生まれ方がある?!
=====
たくさんの有名な写真家が撮ったいろいろな生き物が生まれる写真を集め、言葉を添えています。
心に残る“1枚の写真”が無かったのは、自分でも意外でした。
表紙の写真は植物が発芽した場面だと思っていましたが、実はトノサマバッタの幼虫が孵化して地上に姿を現した場面だと知ったときは驚きました。
感想としてはこれくらい。

③ウミショウブの花
出版社の内容紹介を引用します。
=====
沖縄県の西表島の海岸で見た米つぶくらいの大きさの雪だるまのようなもの。
正体は海の植物の雄花でした。
海底では別々に生えているウミショウブの雄花と雌花は、月に一度、同じ日の同じ時間に海面にあらわれて受粉します。
潮が引いてから満ちるまでの短い時間にくり広げられる、海の植物の驚きのすがたをとらえた観察記録です。
=====
西表島にはたくさんの不思議がありますが、本書で紹介されたウミショウブもそのひとつ。
ある日海岸の波間に雪のような白いものがたくさん漂います。
ウミショウブという海草の雄花です。
表紙では随分大きな花に見えますが、実物は米粒くらいのとても小さな花です。
地上のショウブのように細長い葉が海中で揺らめいています。
海底に近いところに鳥のくちばし状の入れ物ができ、雄花はその中にひとかたまりでできます。
雄花はひとつひとつ、光合成で作られた空気に包まれて浮上します。
海中ではつぼみ、海面に到達して泡が割れると同時に花が開きます。
雄花は下に花びら、上におしべという向きで立ち、その姿はまるで雪だるま。
倒しても倒しても立ち上がるバランスの良さ。
雄花を追いかけるように雌花が海面に現れます。
こちらはニワトリの足の指を広げたような形状で、雄花を効率よく回収して受粉します。
その後、海面まで雌花を伸ばしていた花茎がスプリング状に変形することで雌花は海中に引き戻されます。
種子が熟すと浮上し、一定時間波に流されてから沈み、新たな地で芽を出します。
雄花と雌花が開花し、受粉するのは決まって大潮の日だそう。
どうやってその日を知るのかは研究者にもわからないそうです。
むかしむかし陸から海に帰った海草類。
その暮らしぶりは不思議に満ちたものでした。

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お気に入りその2086~カバーアルバム

2021-09-25 12:35:53 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、カバーアルバムです。
先日、CRAZY KEN BAND 初のカバーアルバム「好きなんだよ」が新聞で紹介されていました。
妻が大ファンのため、CDは購入済み。
早速聴きました。
収録曲リストを見ると懐かしい名曲がたっぷり。
カーオーディオからは同世代のおっさんが気持ちよく歌う懐メロが聴こえてきました。
あまりの懐かしさに妻との会話が弾みました。
「接吻 -kiss-」って誰が歌っていただろうか?
「スカイレストラン」は確かハイ・ファイ・セットのはず・・・。
「最後の雨」って中西圭三じゃない方・・・。うーん、名前が出てこない。
たまにはこういう風に曖昧な記憶をたどるのも楽しいものです。
「時間よ止まれ」はYAZAWAになり切って格好良く歌っていました。
「よこはま・たそがれ」は五木ひろしに寄せて歌っていました。
ニヤニヤしながら聴いたり、口ずさんだり。
ユニークなカバーアルバムです。

収録曲は次の通り。
01.モンロー・ウォーク
02.ルビーの指環
03.プラスティック・ラブ
04.DOWN TOWN
05.冬のリヴィエラ
06.eye catch x Kokoro kara kimiwo
07.スカイレストラン
08.やさしさに包まれたなら
09.接吻 -kiss-
10.時間よ止まれ
11.夏のクラクション
12.eye catch x Aishiteruyo
13.最後の雨
14.雨に泣いてる
15.横須賀ストーリー
16.よこはま・たそがれ
17.空港

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お気に入りその2085~絵本ゲルニカ

2021-09-24 12:41:42 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、絵本ゲルニカです。
「アートな絵本」を読みたくて検索したところ、ピカソの「ゲルニカ」について書かれた絵本があることを知りました。
 
 絵本「ゲルニカ ピカソ、故国への愛」
「ゲルニカ」という作品については原田マハの「暗幕のゲルニカ」を読んだことがあるため、その背景について多少の下地があります。
ピカソの絵は難解なため好みではないのですが、ゲルニカは別。
「世界初の一般市民に対する空爆」について、本書はどう伝えているのでしょうか?
期待して読みました。
内容紹介を引用します。
=====
ピカソの生い立ち、子供時代、少年時代、戦争、爆撃、ゲルニカの制作過程をたどりながら、世界の色彩が勝利をおさめる日を見てみよう。
=====
まずはピカソの生い立ちから紹介されています。
1882年に絵画教師の子として生まれました。
幼少期から絵の才能に恵まれ、父は自分の画材道具全てをまだ10代だったピカソに譲り、自らは筆を置いたそうです。
16歳のときに母を描いた作品を見ると父の行動に納得できます。
青年期には、道化師を繰り返し描いた「青の時代」があったそうです。
そして壮年期に結婚。
妻を描いた作品は見事な写実主義ですが、我が子を描いた作品にはキュビズムの雰囲気を感じます。
まだいろいろな画風を試していたようです。
そしてある日、ピカソは母国スペインのゲルニカが空爆されたことを知りました。
スペイン共和国でフランコ将軍が内戦を始め、彼を支持するドイツとイタリアがゲルニカを空爆したのです。
軍人同士が戦うのではなく、一般市民がたくさん、一歩的に殺されたのです。
世界初の市民に対する空爆でした。
何という惨劇、何という不条理。
ピカソはパリ万博のスペイン館を飾る巨大作品としてゲルニカの惨劇を描くことにしました。
本書では第1案から第7案までの一部と完成作品を紹介しており、ピカソの心の動きを感じたり、作品の解釈を知ることができます。
傷つき倒れた人びとの惨状だけでなく、右の建物から女性が手を伸ばして作品の中央上方にランプをかざしていることが未来に希望を求めていることや、無表情に正面に視線を向ける牡牛の不気味さ・・・。
観るほどに戦争の悲惨さを魂に訴えかける凄まじい作品です。
本書では折り返しを開くと60㎝幅くらいの大画面でゲルニカを鑑賞できます。
部分図も豊富。
子どもだけでなく大人にもおすすめします。
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お気に入りその2084~たくさんのふしぎ31

2021-09-21 12:26:31 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、たくさんのふしぎ31です。
珍しく「たくさんのふしぎ」の未読在庫が二桁になったので、動物の家族にまつわるものをピックアップして読みました。

①キタキツネのおとうさん
出版社の内容紹介を引用します。
=====
日本の哺乳類でオスが子育てに協力するのは、キツネとタヌキと人間だけです。
早春から晩秋にかけ、北海道ではキタキツネのおとうさんが育児に大活躍。
家族にせっせと餌を運び、外敵から巣穴を守り、子どもには危険な目にあわないよう教育し、餌の取り方を教えます。
そして、子どもたちが独り立ちすると、静かに巣を後にします。
どこか人間のおとうさんにも似ているキタキツネのおとうさんとその家族を描いた作品です。
=====
キタキツネは札幌市内や近郊で時々見かけるので、別に珍しい動物ではありません。
学生時代、山の麓に寮があり、居酒屋の帰りにキツネが寄ってきました。
友人が財布を見せて「欲しいか?」と言うやいなや財布を咥えて真っ暗な茂みの中に消えて行きました。
キツネというと真っ先に思い出すエピソードです。
そんなごく身近にいるキタキツネですが、本書を読んで知らないことだらけだったことを再認識しました。
例えばオスが子育てに参加することが他の哺乳類ではとても珍しいことだということを知りませんでした。
さらに2組に1組のオスが子どもたちの父親でないという事実には驚かされました。
多くの生物は自分の遺伝子を残すための競争に明け暮れているのに、なぜ?
そのオスがどうして子育てすることになったのか、その理由は本書に書かれていませんでした。
ネット検索で調べてみましたが、これに関わる話は見つけられませんでした。
本書にはオスの役割が明確に紹介されています。
子どもたちが乳離れしない幼い頃は、巣の周りを警備しつつ、メスにエサを届けます。
乳離れした後は、メスと子どもたちにたくさんエサを運ぶのにてんてこ舞い。
子どもたちが大きくなってからは、エサの獲り方を教えます。
子どもたちが巣立つと役割を終え姿を消します。
人間のお父さんが見習わなくてはならないほど、しっかり子育てしていることを知りました。

②キタキツネのおかあさん
出版社の内容紹介を引用します。
=====
秋の北海道、親ばなれしたはずの雌の子ギツネが、育った巣穴を追い出されてもたびたび帰ってくるようになり、とうとう居座ってしまいました。
やがて、発情期を迎え、なんと子どもまで産んで、母と2匹の娘、その夫2匹で、11匹の子ギツネたちを一緒に育てはじめたのです。
「おかあさん」に焦点を当て、共同で子育てをするキタキツネの雌たちのふしぎな生態を明らかにします。
『キタキツネのおとうさん』の続編です。
=====
本書のあらすじは上記内容紹介の通り。
母の一家と娘の一家が同居して子育てをします。
3匹の母キツネのいずれがいなくても、残っている母キツネからお乳をもらえるので、子どもたちにとっては天国のような環境なのだそう。
また野猫に襲われそうになった時も数の力で撃退します。
母娘が同居することにはいろいろ価値があります。
著者はたくさんのキツネ一家を朝夕に巡回して観察を続けているそうです。
先日、NHKの「ダーウィンが来た!」という番組をちらっとだけ観ました。
シジュウカラがひな鳥に「ヘビだ!」と教える場面でした。
倒木に置かれたヘビの剥製を見つけたシジュウカラが「ヘビだ!」という意味で鳴き、ひな鳥が寄ってきて同じ鳴き声を発しました。
「ヘビだ!」という言葉を教えていたのです。
やがてゴジュウカラやヤマガラも集まり、それぞれの言葉で「ヘビだ!」と鳴いていました。
あれは小鳥たちの合同勉強会です。
他の種類の小鳥がヘビを見つけたときに、その鳴き声でヘビの出現に気づくことができるのです。
すごい発見です。
きっとキツネの共同生活も安全に子育てするための学習の意味もあるのでしょうね。


③クジラの家族
出版社の内容紹介を引用します。
=====
クジラはとても大きくて、頭のよい動物です。
エサの魚やプランクトンをもとめて、1年の間に何千キロも泳いで旅をします。
家族で仲良く暮らし、特に赤ちゃんクジラのことは、家族みんなで守ります。
子どものときからクジラが好きでたまらない写真家が、世界のあちらこちらで観察した、クジラの家族たちを紹介してくれます。
=====
クジラ好きの著者が世界中を飛び回り、クジラの家族を観察したり触れあったりしました。
うらやましい!
・アラスカでザトウクジラ10頭がニシンの追い込み漁をしていました。
 海面にニシンが次々飛び出してくると追っかけザトウクジラたちが大口を開けて
 浮上し、ニシンを一網打尽にしました。
・カリフォルニア半島のコククジラはボートを揺らして遊ぶそうです。
 何十年か前に1頭のクジラが始め、今では多くのクジラが遊ぶそう。
・アルゼンチンのセミクジラは、海中の著者に興味津々。
 ボートに上がり、伏せて身を隠すと、海面に顔を突き出して著者を探しました。
 著者を見つけたときにはしっかり目が合いました。まさにかくれんぼ。
・カナダ太平洋岸のシャチは女系家族。
 おばあちゃんが2歳の孫にシャケを口移しで与えていました。
・南アメリカのシャチは浜に乗り上げてオタリアを襲います。
 お母さんは子どもたちに何度も乗り上げ方を練習させます。
・北大西洋では白い子どもを連れたマッコウクジラの親子に遭遇。
 母親が深海に潜り、残された子は著者にすり寄り、しばしの子守役となりました。



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お気に入りその2083~MASTERキートン

2021-09-18 12:10:36 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、MASTERキートンです。

ネットサーフィンの中で「読むと賢くなれるマンガ」というのを発見。
ナルホドと納得できる内容に惹かれ、その中の2つを読むことにしました。
浦沢直樹「MASTERキートン」と山下和美「天才柳沢教授の生活」です。
まずは妻が持っているかどうかを確認しました。
(妻は山ほどコミックを所有しているのです。)
案の定「柳沢教授」を持っていました。
ということで、まずは「MASTERキートン」全巻セットを購入して読むことにしました。

内容紹介を引用します。
=====
日本人の父とイギリス人の母を持つ、平賀=KEATON・太一は、大学で考古学の講師をしながら、保険のオプ(調査員)をしている。
また、英国軍のSAS(英国特殊空挺部隊)で、サバイバル術の教官をしていたという経歴を持つ。
そんなキートンの夢は、考古学者として、幻のドナウ文明を発掘すること。
異色の探偵、ここに登場!!
=====

確かに「読むと賢くなれるマンガ」です。
本書の冒頭から驚かされました。
世界の文明が黄河・インダス・ネソポタミア・エジプトの四大文明から始まったというのはすでにカビの生えた昔話で、現在では20か所以上の地域に古代文明の痕跡があることが知られているそうです。
学校で習った国内外の「歴史」がその後研究が進み、あちこち変わっていることは薄々気づいていましたが、まさか世界四大文明まで変わっていたとは思いもしませんでした。
改めて勉強し直しした方が良いかな、と思ったものです。
取りあえず本書で次から次へと最新の考古学研究の成果を学ぶことができたらいいな。
ところがそんな期待は裏切られ、主人公は考古学者よりも保険調査員の方が忙しいく、考古学関連のエピソードが少ないことにイライラしながら読みました。
特殊部隊の格闘術やサバイバル術の方も興味深いですが、考古学の方に重心を置いて書いてくれ!
20年も前に完結している作品に要望してもはじまりませんが・・・。
反対に期待とは違い良かったのは、キートンが英国軍に所属していたことと保険調査員として勤める会社が英国にあることから、英国を舞台とするストーリーが多いことです。
スコッチウイスキーとハリーポッターがお気に入りなので、ウイスキー蒸留所やケルト文化に関わるストーリーの時はより一層楽しみました。
世界情勢や国の闇の部分に焦点を当てるストーリーもゴルゴ13のようで興味深かったです。
たとえばネオナチの台頭について。
ドイツではホロコーストを繰り返さないためにいろいろな取り組みをしており、そのひとつとしてベルリンの「つまずきの石」というのが紹介されていました。
ホロコーストで亡くなったユダヤ人が住んでいた辺り(の路上)にその方の名前をいれたプレート付き敷石を埋め込んで過ちを忘れないようにしているのだそうです。
日本では中国人や韓国人に酷い仕打ちをしたことが後世に正しく伝えられていないことを考えると、素晴らしい取り組みです。
ところが現実にはユダヤ人への差別は現在も続いており、さらにナチズムを信奉する国民が年々増えてきているとのこと。
ドイツでさえ理想通りにいっていないことを学びました。
ちなみに微妙な表情を見事に描き分ける浦沢さんですが、動物は苦手のようです。
天才漫画家にも弱点があることを知り、少しホッとしました。
最終話はこれ以上ないくらいにきれいにまとめていました。
ナルホド、流石に名作といわれるだけのことはあります。
未読の方のためにネタバレはなし。
ぜひお読みください。

近いうち「天才柳沢教授の生活」に取り掛かろうと思います。


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お気に入りその2082~竹鶴政孝パート298

2021-09-16 12:46:51 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート298、アジアン・ウイスキーです。
先日朝日新聞の付録「GLOBE」を読んで、世界のウイスキー事情が大きく変わっていることを知りました。
その中で一番興味深かったアジアン・ウイスキーを2本味見しました。
新興勢力というよりもすでに確固たる地位を築いているインドと台湾のウイスキーです。
予備知識がないため、美味しそうであることと予算内で買えることの2条件で選びました。

①インドのウイスキー「ポール・ジョン・ニルヴァーナ」
商品紹介を引用します。
=====
ニルヴァーナ(仏教用語で永遠の平和、最高の喜びを意味)は、インド・ゴア海岸の魅力を表すものとして、バーボンの柔らかな香り、フルーツケーキ・キャラメル・プディングを想起させます。
ハチミツのような甘さが穏やかに塩味を帯びた大麦の味わいと舌の上で混ざり合い、芳醇なバニラのニュアンスとともに、銅製のポットスチルから生まれるリッチなウイスキーを想わせます。
味わいは驚くような柔らかなハチミツから始まり、塩味を帯びた大麦の味わい。
ハチミツの甘みをともなった素晴らしい舌触り。
嬉しいくらいの大麦の味わいが高品質のオーク材と複雑に絡み合い、本当のゴアで味わうことのできる喜びの一部を体験できます。
=====
商品説明にあるような香りと味わいは確かに感じられます。
派手でも地味でもないほどほどに。
ウイスキーの味わいの中で塩味好きなので商品紹介にある塩味を探しましたがかすかに感じる程度で少々期待外れでした。
それでも全体的なバランスの良さが気に入り、毎晩3杯ずつ味わっています。
飽きの来ない晩酌酒といえます。
なおインドのウイスキーはインドの大麦を使うことが義務付けられているそうです。
私にはそれが味わいにどのように反映されているのかがさっぱり判りませんでした。

②台湾のウイスキー「カバラン ディストラリーセレクト」
商品紹介を引用します。
=====
5,000円以下で手に入るシングルモルトでイチオシ!
世界中から厳選された樽に、わずか5%しか使用されないミドルカット、独特の気候がもたらす熟成感。
世界中で250以上もの金賞を受賞しその品質で世界を驚かせ続けるシングルモルト王国台湾の蒸溜所カバランウイスキー。
このたび新たにリリースされる新作はニュートラル樽で熟成した原酒をアイコンズ・オブ・ウイスキー2015で「マスター・ディスティラー・オブザイヤー」に選ばれたイアン・チャン氏率いるチームが厳選してヴァッティングしました。
カバランらしいトロピカルフレーバーはそのままに、柔らかでコクがあり複雑な余韻を感じる新たなカバランが誕生。
柔らかくかつ、コクのある口当たりで、クリーミー、トフィーやバニラの香りが広がる、非常に飲みやすい。
=====
シェリー樽での熟成を思わせる色合いの濃さ、芳醇なバニラ香、口当たりの柔らかさ、長く続く余韻。
全体の構成は「ザ・ニッカ12年」に似ているけれど、すべてにおいて5割増しにした感じです。
品評会向きの派手なウイスキーってところでしょうか。
1杯目は美味しいけれど、2杯目以降はくどく感じられます。
ときどき1杯だけ味わいたくなる、そういうウイスキーです。
なお品評会で優勝したカラバンのウイスキーがボルドーのワイン樽を使っていたという記事を目にしました。
「ディストラリーセレクト」の濃い色合いもそこに由来しているのでしょう。

気温の高いインドや台湾ではウイスキーが短い期間で樽熟成するとのことで今回味見したところ、確かにどちらも合格点。
軽いのも濃いのもどちらも一人前。
今後は余市で8年10年と時間をかけて樽熟成させる意味を考えなくてはなりません。
話は飛びますが、以前、琉球ニッカウヰスキーという会社があり、ブラックニッカ、スーパーニッカなどを沖縄で販売していました。
あのときは沖縄で蒸留・貯蔵せず、本土から運び込んだ原酒をボトリングしていただけでした。
将来的にはニッカウヰスキーが沖縄に蒸溜所を建てて樽熟成を進め、余市や宮城郷の原酒とバッティングすることで、ウイスキー界の新しい可能性を切り開いていただきたいと願っています。

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お気に入りその2081~たくさんのふしぎ30

2021-09-14 12:31:58 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、たくさんのふしぎ30です。

①コケのすきまぐらし
出版社の内容紹介を引用します。
=====
コケはなかなか気難しいのです。
コケというと、道路脇なんかにある、ただの緑のかたまりだと思っているかもしれません。
しかし、近づいてルーペを使ってよく観察すると、色も形も違い、いろんな種類のコケがあることに驚かされます。
濁流に負けず、日照りにも負けず、がんこに、能天気に、そしてしたたかに生きる小さな植物、コケの世界にご案内します。
=====
最新刊です。
今回はコケのふしぎです。
著者の田中美穂さんは古書店の経営者というよりも「ときめくコケ図鑑」などの著者として有名です。
著者のコケ好きに触発され、ルーペや判別図鑑を揃えたのは何年も前のこと。
身近なコケを観察したところ予想以上に種の特定が難しく、判別図鑑を増やしても特定できず、最後はギブアップしてしまいました。
本書によると、コケは日本だけで1200種もあり、幼年・青年・老年で姿や色が違っているそうで、種の特定が簡単なものではないことを改めて実感しました。
本書の中には、著者が地面や壁に顔を寄せてコケを観察する姿が繰り返し描かれています。
とにかく観察に次ぐ観察。
それにより微妙な違いが見えてくるのでしょう。
山菜採りで初心者は全部同じような草に見えていたものが、徐々に目が慣れてきて見分けがつくようになります。
コケの観察も同じで、根気よく観察し続けることが種の特定に繋がる道なのでしょう。
本書をきっかけにして再度コケの観察に挑戦しようと思います。
まずはルーペと判別図鑑を探さなくてはなりません。

②イースター島 ちいさくて大きな島
出版社の内容紹介を引用します。
=====
太平洋にうかぶちいさな島、イースター島。
ここでは大昔から、モアイとよばれる巨大な石の像が、千体ちかくも作られてきました。
誰が何のために作ったのか不明でしたが、最近の研究で、優れた航海技術をもつポリネシアの人びとが移り住んで作ったものだとわかりました。
ではその優れた文明がどうして滅んだのか? 
イースター島に住んでみた写真家が、その謎にせまります。
=====
著者・野村哲也さんは「たくさんのふしぎ」シリーズを6冊も書いています。
その一冊「ポリネシア大陸」にはイースター島も登場しますが、まさか石像調査をするために島に住んでいたことがあるとは驚きました。
その土地の人と出会い、その土地のものを食べて調査する、まさに現場主義。
現地どころか図書館にも行かず、ネット検索だけで調べたつもりになっている自分が恥ずかしくなります。
本書では現地の友人に教えてもらった「とっておき」のスポットをいくつも紹介しています。
まさにイースター島はモアイだけにあらず。
洞窟に入ってすぐにある古代壁画、そしてずっと奥にある鍾乳洞。
夏至の日にだけ海岸洞窟に光が差し込み、照らし出される古代壁画。
洞窟の天井から差し込む光と洞窟から天井を越えて大きく育ったアボカドの木。
そして現地博物館の学芸員に教わったイースター島の最新研究も紹介しています。
制作途中で放棄された20mを超える巨大モアイが設置されるはずだった祭壇は、インカの石組み同様のち密さで制作されており、巨大モアイを十分支えることができたそうです。
遺跡から出土したニワトリの骨をDNA鑑定した結果、ポリネシア、インカのものと共通していました。
互いに数千キロも離れているのに人や食料、そして文化の交流が行われていたことに改めて驚かされました。

③川のホタル 森のホタル
出版社の内容紹介を引用します。
=====
初夏、川ベで光り、舞うホタル。
実はホタルは、卵や幼虫のときから光っています。
いったい何のために光るのでしょうか。
その秘密にせまります。
四国で育った写真家が、吉野川や四万十川流域で、圧倒的な数の大群で光るゲンジボタルたちを写真におさめました。
広島の山奥で出会った、めずらしい「森のホタル」もご紹介。
=====
数年前に乗った四万十川の観光遊覧船で船頭さんからホタルの大群が見えるスポットを紹介してもらいました。
訪れた6月上旬は最盛期でしたがスケジュールの都合で夜の乗船は叶いませんでした。
2年前に見ることができなかったホタルを紙上鑑賞しました。
札幌ではほとんど見る機会のないホタル。
山形の祖父宅に迷い込んできたのを一度見たことがあるだけです。
手の中でとても小さなホタルが点滅していました。
本書で知ったホタルの秘密を書き留めます。
・ゲンジボタルの幼虫はカワニナを食べる
 カワニナは川ゴケを食べる
 川ゴケは田畑から養分が流れ込む人里の川に生える
 ということでゲンジボタルは水の澄んだ深山よりも人里を好む
・ヘイケボタルの幼虫はカワニナとタニシを食べる
 タニシは田んぼに住むため、ヘイケボタルは田んぼを好む
・ヒメホタルの幼虫はカタツムリを食べる
 そのためヒメホタルは山の中で見られる
 メスには羽根が無いため、他のホタルほど群舞することはない
・ホタルは卵・幼虫・さなぎ・成虫の全ての期間、光を発する
 自分が不味いことをアピールしているのだそう


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お気に入りその2080~ハエトリグモ

2021-09-10 12:20:07 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ハエトリグモです。
わが家の階段を飾るバラの鉢植え。
ある日、葉の上にハエトリグモを発見!
昆虫とは思えない毛深い体とつぶらな瞳の何と可愛いこと。
妻とふたり、しばらく観察したものです。
その後家の中でも発見。
わが家にはハエがいないためお腹を空かせていると思い、窓の外に出しました。
おせっかいだったでしょうか。
残念なのは老眼で細部まで観察できなかったこと。
次はルーペでじっくり観察したいものです。
取りあえず、どアップで心行くまで鑑賞したくて手元の3冊を開きました。
①「わたしの庭」
本書は今森光彦さんの写真集で大のお気に入り。
入手したときはあちこち破れていましたが、しっかり補修して大切にしています。
その中に今森さんの家に住むハエトリグモのアップが収められています。
大きな瞳をキラキラ輝かせてこちらを見ている姿の何とも可愛いらしいこと!

②かがくのとも「ハエトリグモ」
こちらは写真ではなく美しい細密画。
つぶらな瞳だけでなく、ぴょこぴょこ跳ねて移動する仕草の可愛らしさが見事に表現されていてお気に入りです。

③「世にも美しい瞳 ハエトリグモ」
ハエトリグモのつぶらな瞳に焦点を当てて制作した写真集です。
ハエトリグモの瞳の輝きを楽しみたいのなら何といっても本書が一番。
その美しい瞳に心和ませつつ、それを肴に晩酌を楽しむくらい気に入っています。
出版社の内容紹介を引用します。
=====
■誰もが知ってる小さなクモの「美しい瞳」
 家の中をピョンピョン跳ねる小さなクモ「ハエトリグモ」の写真集です。
 彼らをレンズで覗いてみると、その大きな瞳の美しさに気づくはず。
 ハエトリグモの瞳にフォーカスした、日本初の書籍です。
■世界のカラフルなクモたちを紹介!
 赤、青、黄、オレンジ――世界中に分布するカラフルで愛らしいハエトリグモの
 写真を豊富に掲載。
 また、日本に生息するハエトリのうち、最も身近な20種を詳しく紹介します。
■意外と知らない生態――巣をつくらないクモ?
 ▽「クモの巣」をつくらない?
 ▽家の中で何を食べてるの?
 ▽求愛ダンスを踊るってホント?
 ――意外と知られていないハエトリグモの奇妙な生態を解説します。
「クモを殺してはいけない」といった言い伝えや「ハエトリ相撲」などの文化に触れたコラムも満載です。
=====
国内主要種と海外の珍しい種を厳選して載せています。
いろいろ見て判ったのは、体が大きいとか、体が長いとか、足が長いとか、毛が短いという種はあまり可愛くないこと。
小さくて、足が短くて、毛が長い種が可愛い。
もしかしたらわが家で見かけた種が一番可愛いかも。
あの子は昆虫の触角にあたる触肢の白がチャームポイントでした。
本書のコラムで、江戸時代に「座敷鷹」という遊びがあったことを知りました。
お座敷に自慢のハエトリグモを持ち寄り、ハエを捕まえる様子を楽しみました。
殿さまが鷹でハトやカモを狩る鷹狩のミニチュア版として庶民の間で流行したそうです。
ネーミングが何とも粋ですねぇ。

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お気に入りその2079~竹鶴政孝パート297

2021-09-08 12:15:54 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート297、ウイスキー最新事情です。

妻から新聞の半分サイズのミニ紙「GLOBE」を手渡されました。
朝日新聞に折り込まれて届いたそうです。
特集は私の大好きなウイスキー。
じっくり時間をかけて読みました。
ニッカウヰスキー以外のことはあまり知らないのでとても勉強になりました。
そのいくつかを記録に残します。

〇蒸溜所の増加
 世界的なウイスキー需要の増加から蒸溜所がどんどん増加しています。
 最新設備で新設されたもの、閉鎖した蒸溜所が再開されたもの。
 生産地も5大ウイスキー以外の地域に広がっています。

〇アジアン・ウイスキー
 現在、5大ウイスキー以外で有名なのはインド・台湾・フランスの蒸溜所。
 その中で台湾のウイスキーは何度もタイトルを獲っている本格派。
 台湾のような気温の高い地域ではウイスキーが熟成しないとこてまでいわれて
 いましたが、そんな通説を打破して、スコットランドの3倍の速度で熟成が
 進むことが実証されました。

〇インスタント・ウイスキー
 1本しかないプレミアムなワインを味わうことができなかった苦い経験から
 分子レベルでそのワインを再現できれば、多くのファンに喜んでもらえる!
 というアイデアが浮かび、ウイスキーで実証しようとしている方がいます。
 その工場ではたった1日でウイスキーを作ります。
 熟成には最低でも3年、美味しくなるには8年以上かかるといった、いわゆる
 ウイスキー通の常識を覆したインスタント・ウイスキーの登場です。
 今のところ一番安いウイスキーくらいの味わいだそうですが、この研究が
 進んだ暁にはウイスキーは「時を味わうロマン」とは無縁のただの蒸留酒に
 なってしまうかもしれません。

ウイスキー通を自認していた自分が恥ずかしいくらい知らないことだらけでした。
近いうちに台湾やインドのウイスキーを味見したいと思います。
考えてみると、スコットランド以外でスコッチ風の味わいを出すことはできない、と言われていたのを、竹鶴政孝が日本で作って見せたのが全ての始まりでした。
まさかインドや台湾のような暑い地でもスコッチ風の味わいが出せるようになるとは、政孝も天国で驚いていることでしょう。
そしてもうひとつ、インスタント・コーヒー。
その昔、鳥井・竹鶴両氏の苦労により合成ウイスキーの時代は終わりました。
今再び合成ウイスキーの時代が来るかもしれないと知ったら、政孝は渋い顔をするでしょうね。
ウイスキーファンも熟成するまでの長い時間に思いを馳せながら味わう楽しみが失われてガッカリでしょう。
この先はいったいどうなることやら。
楽しみでもあり不安でもあります。


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