今回のお気に入りは、「北海道の旅」です。
串田孫一氏の詩的な文章を今年「博物誌」で知りました。
花や鳥、虫に対する優しい眼差しに惹かれて、画文集や図鑑を読みました。
著者の登山家としての顔にはそれほど興味がないので、代表作「山のパンセ」などは読んでいません。
ただ本書「北海道の旅」は別。
私が生まれ育った北海道を著者が半月にわたりぶらり気ままに旅した記録がどんなものか知りたくて、読むことにしました。
当時著者は40代後半。
今の自分に近い年齢ということもあり、50年前の北海道を著者とともにのんびり旅している気分で読みました。
青函連絡船で北海道に渡り、鉄道、バスなどを乗り継ぎながら、地図と地元の人の話を頼りに離島や山を巡ります。
時には噴煙の中を頭痛と喉の痛みに堪えながら登るというような無茶もしますが、かといって有名だからとか、高いからという理由で登る山を選ぶことはしません。
わずか数百mという標高の山でも大切に登ります。
決して贅沢な宿を選ばず、食には無頓着。
車窓から見えた山や川、沼などの名前こそ大切で、克明に記録しています。
そして山で出あった植物や鳥、昆虫の名前も・・・。
著者の自然に向ける温かい眼差しはやっぱり「博物誌」や画文集と一緒でした。
ただ、山や自然を汚す者や、礼儀をわきまえない思いやりのない者への厳しい言葉も書かれており、違う一面を知りました。
ちなみに本書は1962年に筑摩書房から単行本が出版され、1997年に平凡社から文庫版が出版されています。
収録されている北海道の風景が、前者は写真家による写真、後者は著者によるスケッチという違いがあります。
本文中に著者がスケッチを描いているシーンが頻繁に出てきます。
それならやはり著者のスケッチと文章の両方がそろっている文庫版がおすすめ。
昔、単行本で読んだ方は、文庫版で読み直してみてはいかがですか?
串田孫一氏の詩的な文章を今年「博物誌」で知りました。
花や鳥、虫に対する優しい眼差しに惹かれて、画文集や図鑑を読みました。
著者の登山家としての顔にはそれほど興味がないので、代表作「山のパンセ」などは読んでいません。
ただ本書「北海道の旅」は別。
私が生まれ育った北海道を著者が半月にわたりぶらり気ままに旅した記録がどんなものか知りたくて、読むことにしました。
当時著者は40代後半。
今の自分に近い年齢ということもあり、50年前の北海道を著者とともにのんびり旅している気分で読みました。
青函連絡船で北海道に渡り、鉄道、バスなどを乗り継ぎながら、地図と地元の人の話を頼りに離島や山を巡ります。
時には噴煙の中を頭痛と喉の痛みに堪えながら登るというような無茶もしますが、かといって有名だからとか、高いからという理由で登る山を選ぶことはしません。
わずか数百mという標高の山でも大切に登ります。
決して贅沢な宿を選ばず、食には無頓着。
車窓から見えた山や川、沼などの名前こそ大切で、克明に記録しています。
そして山で出あった植物や鳥、昆虫の名前も・・・。
著者の自然に向ける温かい眼差しはやっぱり「博物誌」や画文集と一緒でした。
ただ、山や自然を汚す者や、礼儀をわきまえない思いやりのない者への厳しい言葉も書かれており、違う一面を知りました。
ちなみに本書は1962年に筑摩書房から単行本が出版され、1997年に平凡社から文庫版が出版されています。
収録されている北海道の風景が、前者は写真家による写真、後者は著者によるスケッチという違いがあります。
本文中に著者がスケッチを描いているシーンが頻繁に出てきます。
それならやはり著者のスケッチと文章の両方がそろっている文庫版がおすすめ。
昔、単行本で読んだ方は、文庫版で読み直してみてはいかがですか?