今回のお気に入りは、インゼル文庫です。
以前から気になっていたインゼル文庫。
図版印刷の美しさからファンが多い、ドイツのアンティーク文庫です。
文庫本サイズでありながら高価な値がついていることと、その巻数の多さから、できるだけ近寄らないようにしていました。
ところが今回、とある出来事がきっかけで、初めて購入しました。
ある日いつものようにネットオークションで、美しい手仕事のアンティーク図鑑を検索していて、1冊の本が目に留まりました。
出品されていたのは、インゼル文庫Nr.351「熱帯の植物」でした。
題名からは気づきませんでしたが、図版を見ると、マリア・シビラ・メーリアンの「スリナム産昆虫の変態」を元本にしていました。
「スリナム産・・・」は、昆虫の変態を表現した美しい図版で有名です。
荒俣宏の「ファンタスティック12 第8巻 昆虫の劇場」ですでに十分鑑賞していたので、インゼル文庫を買う気はありませんでした。
ただこの機会に、「評判の図版印刷」がどれほど素晴らしいのかを知りたくて、図版を比較しようと思いました。
オークションの商品説明に図版のアップがなかったので、別のHPでアップを探し、「昆虫の劇場」と比較しました。
ショックでした。
同じ図版同士を比べて、色彩の美しさが際立って違うのです。
花も蝶も。
いくらインゼル文庫が印刷の美しさで評判だといっても、差があり過ぎ。
この差が元本の違いによるのか、印刷技術の差によるのか、はたまたその他の原因によるのかは現時点では分かりません。
ただし最低でも「スリナム産・・・」の図版の本当の美しさを知らなかった可能性が出てきたことは確か。
という訳で本書を落札して、実際に手に取り、鑑賞することにしました。
早速届いた「熱帯の植物」を開いて、もう一度びっくり。
色彩に際立った美しさがない・・・!
これなら「昆虫の劇場」と同程度です。
なぜこんなことに?
いろいろ調べて分かりました。
今回届いた「熱帯の植物」は再版だったのです。
以前見たHPを再度確認すると、タイトルページに「1954年」という発行年が印刷されており、今回の本にはそれがなかったので分かりました。
それにしてもがっかりしました。
「昆虫の劇場」と同程度の色彩ならわざわざ落札しなかったのに・・・。
インゼル文庫が発行年をほとんど記載しないため、出品者を責めることはできません。
改めてネット取引の怖さを知りました。
ところで初版と再版で、なぜこんなに色彩に差があったのか、を考えました。
①初版と違う元本を使って制作した
②石版画を描いた画工の腕が違う
③元本に比べ、初版は色彩を過度に鮮やかに描き、再版はおとなし目に描いた
自分としては①が原因ではないかと考えます。
初版と再版の色彩は大きく違いますが、再版と「昆虫の劇場」の色彩は酷似しています。
印刷技術に誇りを持つ画工は、初版と違う元本を正確に再現したため、このような結果になったのでしょう。
そして再版の元本は、偶然「昆虫の劇場」と同じ版だったのではないかと思います。
画工の腕が落ちたとか、元本と全く違う色彩に描いた、などということは、インゼル社のプライドが許さないのではないでしょうか?
・・・どうでも良い話かもしれません。
でも、いろいろ推理して、楽しかったです。
これも色彩トラブルのおかげです。
以前から気になっていたインゼル文庫。
図版印刷の美しさからファンが多い、ドイツのアンティーク文庫です。
文庫本サイズでありながら高価な値がついていることと、その巻数の多さから、できるだけ近寄らないようにしていました。
ところが今回、とある出来事がきっかけで、初めて購入しました。
ある日いつものようにネットオークションで、美しい手仕事のアンティーク図鑑を検索していて、1冊の本が目に留まりました。
出品されていたのは、インゼル文庫Nr.351「熱帯の植物」でした。
題名からは気づきませんでしたが、図版を見ると、マリア・シビラ・メーリアンの「スリナム産昆虫の変態」を元本にしていました。
「スリナム産・・・」は、昆虫の変態を表現した美しい図版で有名です。
荒俣宏の「ファンタスティック12 第8巻 昆虫の劇場」ですでに十分鑑賞していたので、インゼル文庫を買う気はありませんでした。
ただこの機会に、「評判の図版印刷」がどれほど素晴らしいのかを知りたくて、図版を比較しようと思いました。
オークションの商品説明に図版のアップがなかったので、別のHPでアップを探し、「昆虫の劇場」と比較しました。
ショックでした。
同じ図版同士を比べて、色彩の美しさが際立って違うのです。
花も蝶も。
いくらインゼル文庫が印刷の美しさで評判だといっても、差があり過ぎ。
この差が元本の違いによるのか、印刷技術の差によるのか、はたまたその他の原因によるのかは現時点では分かりません。
ただし最低でも「スリナム産・・・」の図版の本当の美しさを知らなかった可能性が出てきたことは確か。
という訳で本書を落札して、実際に手に取り、鑑賞することにしました。
早速届いた「熱帯の植物」を開いて、もう一度びっくり。
色彩に際立った美しさがない・・・!
これなら「昆虫の劇場」と同程度です。
なぜこんなことに?
いろいろ調べて分かりました。
今回届いた「熱帯の植物」は再版だったのです。
以前見たHPを再度確認すると、タイトルページに「1954年」という発行年が印刷されており、今回の本にはそれがなかったので分かりました。
それにしてもがっかりしました。
「昆虫の劇場」と同程度の色彩ならわざわざ落札しなかったのに・・・。
インゼル文庫が発行年をほとんど記載しないため、出品者を責めることはできません。
改めてネット取引の怖さを知りました。
ところで初版と再版で、なぜこんなに色彩に差があったのか、を考えました。
①初版と違う元本を使って制作した
②石版画を描いた画工の腕が違う
③元本に比べ、初版は色彩を過度に鮮やかに描き、再版はおとなし目に描いた
自分としては①が原因ではないかと考えます。
初版と再版の色彩は大きく違いますが、再版と「昆虫の劇場」の色彩は酷似しています。
印刷技術に誇りを持つ画工は、初版と違う元本を正確に再現したため、このような結果になったのでしょう。
そして再版の元本は、偶然「昆虫の劇場」と同じ版だったのではないかと思います。
画工の腕が落ちたとか、元本と全く違う色彩に描いた、などということは、インゼル社のプライドが許さないのではないでしょうか?
・・・どうでも良い話かもしれません。
でも、いろいろ推理して、楽しかったです。
これも色彩トラブルのおかげです。