今回のお気に入りは、きのこの教科書です。
きのこをはじめとする菌類の不思議な生態に興味があり、何冊か読みました。
その中で、菌類が木を分解できるようになったことで古生代石炭紀が終わりを告げたという話と、地中の菌類が木々の根と密接につながり共生関係を築いているという話がとても興味深かったです。
今回読み始めたのは「きのこの教科書 観察と種同定の入門」。
サブタイトルの「種の同定」というキーワードに魅力を感じて購入したのですが、思わぬ収穫がありました。
それは「きのこ学者が認めるきのこ学者によるきのこ画」が紹介されていたことです。
科学と芸術が融合した博物画が大好物の私には最高の情報です。
本書を読むことは当中断。
紹介されていた学者の著作を入手してそのきのこ画を鑑賞することにしました。
そのきのこ画を描いたのは川村清一と本郷次雄。
お二人は菌類の世界では有名らしいのですが、私としては初耳の方々でした。
本書で彼らの描いたきのこ画と代表的な著作が紹介されていたので、本の価格を恐る恐る調べると合計しても3~4000円ほど。
早速注文しました。
「原色版日本菌類圖説」(昭和4年発行)川村清一著・画
川村清一は、牧野富太郎の「牧野日本植物図鑑」できのこ類を担当しており、牧野博士が認めるほど精密で美しいきのこ図を描く研究者だそうです。
本書のまえがきには、原色のきのこ画を印刷で再現するにあたり、黒を入れた4色で原色を再現したことや、原色写真印刷が可能になったことで多色石版のように画工を介したために細部の精密さが低下するのを防ぐことができたと書かれていました。
これまで図鑑の多色石版画は画家が正確に美しく描いたと思っていましたが、専門家の目から見て満足できないものもあったことがうかがえます。
「原色日本菌類図鑑」(昭和50年発行)川村清一著・画
著者・川村清一の親友が書いた前書きによると、戦時中に川村は本書を発行しようとしたが、戦災により印刷所が火災となり発行が中断し、戦後まもなく川村は失意の中で亡くなったそう。
本書は、友人らが残された原稿やきのこ画を整理し、発行にこぎつけたそうです。
前書きには、菌類における川村が植物における牧野富太郎と同様の存在であり、絵師が及ばない正確で美しいキノコ画を描いたことが紹介されています。
さらに毒キノコについて中毒を体験した人々に取材して具体的内容を解説に記載したことや、地方名を集めて載せたことも高く評価しています。
全8巻中の第1巻だけを購入しましたが、サルノコシカケなどの地味なキノコが多く、ベニテングタケのような色鮮やかなものは載っておらず残念でした。
機会があれば他の巻も鑑賞したいものです。
「原色日本菌類図鑑」(昭和38年第7刷)今関六也著、本郷次雄画
本郷次雄については「きのこの教科書」で彼が描いた原画が何枚も紹介されており、その精密で美しい図版をたっぷり鑑賞するためには代表的なものとして保育社の原色日本菌類図鑑を選びました。
本郷は牧野富太郎の弟子の一人として日本の植物分類学を発展させた功労者だそうです。
ただ川村清一のようなドラマチックなエピソードがなく、美しいキノコ画以外にはあまり興味を持てませんでした。
きのこをはじめとする菌類の不思議な生態に興味があり、何冊か読みました。
その中で、菌類が木を分解できるようになったことで古生代石炭紀が終わりを告げたという話と、地中の菌類が木々の根と密接につながり共生関係を築いているという話がとても興味深かったです。
今回読み始めたのは「きのこの教科書 観察と種同定の入門」。
サブタイトルの「種の同定」というキーワードに魅力を感じて購入したのですが、思わぬ収穫がありました。
それは「きのこ学者が認めるきのこ学者によるきのこ画」が紹介されていたことです。
科学と芸術が融合した博物画が大好物の私には最高の情報です。
本書を読むことは当中断。
紹介されていた学者の著作を入手してそのきのこ画を鑑賞することにしました。
そのきのこ画を描いたのは川村清一と本郷次雄。
お二人は菌類の世界では有名らしいのですが、私としては初耳の方々でした。
本書で彼らの描いたきのこ画と代表的な著作が紹介されていたので、本の価格を恐る恐る調べると合計しても3~4000円ほど。
早速注文しました。
「原色版日本菌類圖説」(昭和4年発行)川村清一著・画
川村清一は、牧野富太郎の「牧野日本植物図鑑」できのこ類を担当しており、牧野博士が認めるほど精密で美しいきのこ図を描く研究者だそうです。
本書のまえがきには、原色のきのこ画を印刷で再現するにあたり、黒を入れた4色で原色を再現したことや、原色写真印刷が可能になったことで多色石版のように画工を介したために細部の精密さが低下するのを防ぐことができたと書かれていました。
これまで図鑑の多色石版画は画家が正確に美しく描いたと思っていましたが、専門家の目から見て満足できないものもあったことがうかがえます。
「原色日本菌類図鑑」(昭和50年発行)川村清一著・画
著者・川村清一の親友が書いた前書きによると、戦時中に川村は本書を発行しようとしたが、戦災により印刷所が火災となり発行が中断し、戦後まもなく川村は失意の中で亡くなったそう。
本書は、友人らが残された原稿やきのこ画を整理し、発行にこぎつけたそうです。
前書きには、菌類における川村が植物における牧野富太郎と同様の存在であり、絵師が及ばない正確で美しいキノコ画を描いたことが紹介されています。
さらに毒キノコについて中毒を体験した人々に取材して具体的内容を解説に記載したことや、地方名を集めて載せたことも高く評価しています。
全8巻中の第1巻だけを購入しましたが、サルノコシカケなどの地味なキノコが多く、ベニテングタケのような色鮮やかなものは載っておらず残念でした。
機会があれば他の巻も鑑賞したいものです。
「原色日本菌類図鑑」(昭和38年第7刷)今関六也著、本郷次雄画
本郷次雄については「きのこの教科書」で彼が描いた原画が何枚も紹介されており、その精密で美しい図版をたっぷり鑑賞するためには代表的なものとして保育社の原色日本菌類図鑑を選びました。
本郷は牧野富太郎の弟子の一人として日本の植物分類学を発展させた功労者だそうです。
ただ川村清一のようなドラマチックなエピソードがなく、美しいキノコ画以外にはあまり興味を持てませんでした。
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