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鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1306~植物の雑学本

2016-12-30 13:28:05 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、植物の雑学本です。

今年最後のブログ更新です。

年末の慌ただしい時期、疲れた頭と体のためにお気楽な雑学本を読みました。
稲垣栄洋著、三上修画「身近な雑草の愉快な生きかた」です。

まずはAMAZONの内容紹介を引用します。
=====
「名もなき草」の姿を愛情とユーモアに満ちた視線で観察した植物エッセイ。
本来か弱い生き物であるはずの雑草は、さまざまな工夫により逆境をプラスに転換して、したたかに生きのびてきた。
彼らの個性的な暮らしぶりを知れば知るほど、その人間くさい仕振りに驚愕し、共感する。
全50種の雑草に付けられた繊細なペン画イラストも魅力。
=====

紹介されている50種類の雑草たち。
「名もなき草」と形容される割には、その名やその絵でピンとくるものが意外と多かったです。
その中でも「コオニユリ」のページは目からウロコが次々と零れ落ちました。
一部をご紹介します。

=====
はるか昔、重要なでんぷん源は「ウリ」に由来する発音であらわされた。
うるち米、くり、くるみなどの古来からの食糧が「ウリ」「ウル」の発音を含んでいるのもそのためである。
同じ発音を持つユリもかつては重要なでんぷん源だったと考えられている。
=====

大好きな縄文時代とつながる話で、大変興味深く読みました。
縄文人はクリをたくさん植えて食糧にしていたそうです。
遺跡のある辺りのクリはどれもDNAが近かった読んだことがあります。
また縄文人の末裔であるアイヌ人はオオウバユリの鱗茎をデンプン源にしていました。

ついでにユリの雑学でヘーっと思ったものをふたつ。

ひとつめは、ユリを百合を書く理由です。
ユリの鱗茎がたくさんの鱗片が集まってできていることに由来するそうです。
さらに鱗茎の利点も紹介されていました。
動物が鱗茎を掘り出して食べた時に、バラバラになった鱗片のひとつでも残れば、そこから芽が出るそうです。
おそるべきユリの生き残り戦略。

もうひとつは、ユリの花の形についてです。
植物にとってチョウは大盗賊なのだそう。
ストローのような長い口で受粉を手伝わずに蜜を盗み吸うからです。
そのためユリは、花をわざと下向きに咲かせて蜜を吸いにくくして、さらに雄しべや雌しべを長く突き出しました。
訪れたアゲハチョウは雄しべ雌しべを足場にぶらさがり、羽をばたつかせながら苦労して蜜を吸わなければなりません。
あの花の形は、ユリが確実に受粉するために編み出した大盗賊(チョウ)対策だったのです。

いかがですか、ユリひとつでこの中身の濃さ、凄いでしょう?
他にもオオイヌノフグリ、オオバコ、カラスムギ、クズ、ハキダメギク、ヨモギなどをはじめとして面白いエピソードがたっぷり詰まっていました。
そうそうホテイアオイとナウシカの共通点なんかも書かれていました。

どこから集めてきたの?
この話って本当?
という、あやしい雑学本とは一線を画する正統派の雑学本でした。
おすすめですよ。



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お気に入りその1305~竹鶴政孝パート270

2016-12-28 12:30:59 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート270、ベアーニッカのポスターです。

先日、ネットオークションにベアーニッカのポスターが出品されました。
待ちに待っていたポスターがついに出品!
興奮をおさえつつ、オークションに臨みました。
オークションは、他にも欲しい方がいらっしゃって競り合いになりました。
予想外の高値になってしまいましたが、何とか落札することができました。

このポスターがどういうもので、なぜ待ちに待っていたのかを、当ブログの過去の記述を引用してご紹介します。

=====
(2015-2-10)
・・・
さらに奥山の描いたポスターが1点展示されています。
マフラーを巻いた熊が振り返っているポスターです。
手にはベアーニッカを持っています。
ベアーニッカは昭和32年(1957年)に発売されていますから、ポスターの製作年も同じ年でしょう。
このポスターはロートレックの「ブリュアン像」を熊に見立てたもので、美術品としても一級品だと思います。
これから余市蒸溜所を訪れる方には、版画やポスターもぜひ見ていただきたいです。
最後に。
ベアーニッカのポスターはぜひ欲しいですね。
一号ウヰスキーや初代アップルワインなどのオールドボトル蒐集で出費がかさみ財源は乏しいですが、陳列棚の隣の壁をこのポスターで飾りたい!
ネットオークションに出品される日を心待ちにしています。
=====
(2015-11-26)
・・・
さてロートレックといえば、ベアーニッカ(ベヤーニッカ)を思い出します。
1957年に発売されたベアーニッカのポスターは、ロートレックの「ブリュアン像」を熊に見立てたものでした。
ニッカウヰスキーのボトルラベルなどを多く描いた奥山儀八郎の作です。
このポスターは色合いや構図が大好きで、ネットオークションに出品される日を心待ちにしています。
ただ販促ポスターはボトルほど数がないので、チャンスは少ないはず。
見逃さないようにしたいものです。
=====

という訳です。
棚に並ぶニッカウヰスキーの歴史をしめすオールドボトルたち。
その隣にこの美しいポスターを飾ると映えることでしょう。

札幌は50年ぶりの大雪と年末が重なり、交通渋滞が半端ではありません。
すでに香川県から発送されたようですが、いつ手にすることができるでしょうか?
多少遅れてもいいです。無事に届いてさえくれれば。
今はただ、ワクワク感でいっぱいです。


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お気に入りその1304~ふたりのインテリア

2016-12-26 12:51:51 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「ふたりのインテリア」です。

お気に入りの「くまのアーネストおじさん」シリーズ。
今回選んだのは「ふたりのインテリア」です。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
ガブリエル・バンサンの最新作!
おばさんがやってきます。
空部屋を寝室にしようとあれこれ飾りつけしますが…。
=====

紹介文には「最新作」と書いていますが1998年12月の発行。
相変わらず仲の良い二人のエピソードです。

物語はアーネストの家のがらんとした空き部屋で始まります。
ここにベッド、ここにタンスを置いて、ここに絵を飾って・・・。
楽天家のアーネストは、部屋の改装を語ります。
セレスティーヌは、お金が無くてそれらを買えない事、そしてそもそも雨漏りが酷くて空き部屋にしていたことを心配します。
「だいじょうぶだよ。雨なんて降らないさ」
とことん楽天家のアーネストは、ごみ捨て場で家具や絵を集めます。
ふたりの努力の甲斐があって、そこそこ見栄えがする部屋ができました。
そしておばさんの登場。
当日は雨。
部屋のあちこちに傘を逆さにぶら下げ、雨を受けています。
その様子を見たおばさんはホテルをさがしに行きます。
「ホテルなんて見つかりっこないさ」と言いつつ、部屋中をひっくり返して遊ぶ二人。
さんざん散らかした後、おばさんが戻ってきて「空いているホテルが無かった」と告げます。
苦労してきれいに仕上げた部屋を散らかし放題に遊んだ二人は、妙に盛り上がり笑いが止まらなくなっていました。

おばさんの困った顔が目に浮かぶようです。
「もう、まったく、困った二人だこと」と声を掛けたくなりますが、なぜかこちらまで笑顔になります。

そういえば、これまで「くまのアーネストおじさん」シリーズを何冊読んだことでしょう。
読み終えて少し経つとまた読みたくなり、絵本ナビやAMAZONで内容紹介を読み、次の巻を選んできました。
ところが今回、未読の巻がまだまだあるのに、「これをぜひ読みたい!」と思う巻が見つかりませんでした。
別に全巻読破を目標にしている訳ではないので、このシリーズはここで休止することにします。

これまでの巻で「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」のような、ほのぼのとした家族愛をたっぷり味わってきました。
またいつか、あの二人の愛情あふれる新たなエピソードを知りたくなったら、続きを読むことにします。

今年は50代後半のおっさんにもかかわらず、絵本に目覚め、ずいぶんたくさん読んだ1年でした。
まだ読んでいない在庫が数冊あるので、そのうちに読みたいと思います。
来年はどんなジャンルに目覚めるのかな?
楽しみです。


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お気に入りその1303~薬師丸

2016-12-24 21:02:20 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、薬師丸です。

最近、薬師丸ひろ子のCD「CINEMA SONGS」を繰り返し聴いています。
全く聴き飽きません。
初めて聴いたときは、若い頃のような張りが無くなったかな?と感じました。
50代になり肺活量や腹筋が落ちたからかな?と連想もしました。
ところが二度三度と聴くうちに、その印象はガラッと変わっていきました。
少女時代の合唱団風の歌唱から脱皮し、余分な力の抜け、表現力豊かな大人の歌唱に変貌していたのです。
一番わかりやすいのはラストの「セーラー服と機関銃」。
決して大人になったからスローに、という安易なアレンジをせずに、余裕で大人の雰囲気を醸し出しています。
表現力を身に着けた女優の底力を見せつけられた気分でした。

出色だったのは「戦士の休息」。
これまで町田義人以外の「戦士の休息」を聴いたことがありませんでした。
ましてやあれだけ男臭い歌詞を女性が歌う、なんて考えたこともありませんでした。
でも合ってしまったんですね。
とても素晴らしい深い深い歌に仕上がっていました。
考えてみると当然です。
男らしい歌を女性が歌う、逆に女らしい歌を男性が歌う。
そんな名曲は数知れずあります。
自分史の中で名曲のひとつに入れたいと思うシビレる歌との出会いでした。

そしてその他の10曲。
映画女優が選んだシネマ・ソングス。
大好きなオードリー・ヘプバーンのムーン・リバーからのスタート。
他は「トゥモロー」「追憶」くらいしか曲名を知りませんでした。
でも聴いてみると「Mr.Sandman」以外は聴いたことのある曲ばかり。
映画女優だからマニアックに選んだのではなく、よく知られた曲を選んでくれたことに一安心しました。
特に「Smoke Gets In Your Eyes」「Tea For Two」は耳に馴染んでいた曲の題名を知ることができて、うれしかったです。
観たことがない映画ばかりでしたが、情景が想像できる表現力豊かな歌に仕上がっていました。

恐るべし薬師丸。
お気に入りの「今度は愛妻家」をまた観たくなっちゃったな!

最後に、制作チームに苦言をひとつ。
英語の歌詞は英語のままで歌ってほしかったです。
歌詞を気にせずBGMとして繰り返し聴きたかったからです。
和訳の歌詞は耳をとられ、ついついストーリーを追っかけてしまいます。
それでは期待するBGMとしの役割から外れます。

それにしても、これを書きながら味わう「Brack Nikka Blender's Spirit」は抜群に美味い!








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お気に入りその1302~中上健次

2016-12-21 12:31:17 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、中上健次です。

先日久しぶりに友人たちと読書談義をしました。
そのときに芥川賞作家をほとんど読んでいるという友人から紹介されたのが中上建次です。
名前だけは知っていましたが、芥川賞作家の作品は敷居が高くて、これまでほとんど読んでいません。
ただ、これまでも読書談義の中で紹介されて、読むようになった作家がいます。
今回も食わず嫌いをせず、とりあえず読んでみることにしました。
いろいろある作品の内、AMAZONで星が多かった「千年の愉楽」を選びました。
挿絵が横尾忠則、というのも選んだ理由です。
届いたのは1982年初版、吉本隆明の「中上健二世界論」という付録が付いていました。

さて読んでみると・・・。

芥川賞を受賞する作家らしく案の定、芸術性の高い文章。
文学的な表現という霞の向こうに、登場人物の人生が描かれています。
しかもひとつひとつの文章がとても長い。
あらら苦手なタイプ・・・。

唯一救いなのは短編集であること。
なかなか文章が頭に入ってこない、どうしよう?と困っている内に第1篇「半蔵の鳥」を読み終えました。
もし長編だったら、きっと途中で投げ出していたでしょう。

遅くなりましたがAMAZONの内容紹介を引用します。
=====
熊野の山々の迫る紀州南端の地を舞台に、高貴で不吉な血の宿命を分つ若者たち―色事師、荒くれ、夜盗、ヤクザら―の生と死を、神話的世界を通して過去・現在・未来に自在にうつし出し、新しい物語文学の誕生と謳われる名作。
=====

紀州熊野のとある被差別を著者は「路地」と名づけ、数々の作品を書いているそうです。
本書では、路地の「中本の一統」という一族の男たちの生き様を産婆「オリュウノオバ」の目を通して描いています。

色事師は恨みから命を奪われ、ヤクザは人生に絶望し自ら命を絶ちます。
南米に渡り行方不明になった者、アイヌの若者と無二の親友となるも炭鉱労働者たちとのトラブルで命を失う者など。
それぞれの短編の主人公たちが若くして命を失うのは「中本の一統」だからだ、と「オリュウノオバ」は考えています。
先祖の因果か?
無謀な人生を選ぶ性分(DNA)なのか?

いろいろ考えながら読み進める内、鴉天狗に身を裂かれて命を落とす者まで出てきます。
ああナルホド。
ここで内容紹介の「神話的世界」という単語と直接的につながりました。
本書は読み始めから「文学的な表現という霞」に包まれていて読み辛い、と感じていましたが、これは「神話的世界」を表現していたからなのですね。
だから、なかなか頭に入ってこなかったんだ、と考えることにしました。
(決して、単なる想像力不足の石頭だから理解が及ばない、とは考えないようにしました。)

読みながら、物語の空気感や世界観が誰かの作品に似ている、と感じていて、ついに思い至りました。
梨木香歩の「家守綺譚」を読んだときに、異界と現世が混在する世界観を受け入れるまでに時間がかかった、あの時と似ているのでした。
どちらも半ばを過ぎてから読みやすくなったような気がしたのは、著者独特の世界観にはようやく馴染んだからかもしれません。

とはいえもう一冊読む気はしません。
当初考えていたように私には高尚すぎました。
やっぱりもっと気楽に読める作品がいいな。


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お気に入りその1301~パラフィルム

2016-12-19 12:06:52 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、パラフィルムです。

「パラフィルム」という名をほとんどの方は知らないでしょう。
当然です。
主に実験室で使われているだけの特殊なフィルムなのですから・・・。

AMAZONの商品説明を引用します。
=====
サイズ:2インチ×250フィート(約50mm×76m)
材質:パラフィン
使用温度範囲:7~32℃
伸び縮み自在で、気密性に優れています
検体や薬品を侵しません
様々な形状に適合できます
加熱可塑性があります
無色半透明で無毒性です
パラフィルムはフラスコあるいはキュベットといった容器の封、または保護するために一般的に実験、研究現場使用されています。
=====

AMAZONのレビューには、次のような面白い用途も並んでいます。
・接ぎ木用
・ワインの酸化防止
・小さいものの防水シート

要は引き伸ばしながら巻く密着テープで、のりを使っていないため、きれいに剥がせるという優れもの。
ただし商品説明には伸び縮み自在とありますが、伸ばす方はかなり伸びますが、縮む方はそれほど縮みません。
主に実験室用であり、国産の類似製品が無いということで、滅多にお目にかかりません。
そんなパラフィルム、私は2つの用途で使っています。

ひとつめは、ウイスキーの気密保持のため。
お気に入りのバーのバーテンダーさんが使っていたので、真似をしました。
ウイスキーボトルのキャップは、スクリューキャップかコルク栓がほとんど。
ウイスキーは蒸留酒だから古くなっても腐らないといわれていますが、できるだけ開栓時の風味を維持したいもの。
そこでキャップの上から巻いて気密保持に使っています。
以前は特殊な栓をしたあとで空気抜きをする真空キャップを使っていました。
これは真空キャップの数しか気密保持ができない、という難点がありました。
ところがパラフィルムは1回にわずか20mmほどずつしか使わない上、何度か再使用できるので、たった1巻で死ぬまでに使い切れないほどです。
これで心置きなくいろいろなウイスキーを開栓して味見することができます。
そういう気楽さが何よりです。
この使い方に興味があれば、動画サイトで紹介している親切な方がいるので参考にしてください。

用途のふたつめは、万年筆の乾燥防止です。
万年筆の個性的な書き味を好きで、数本を使い分けています。
中でもウォーターマンの中字は、宛名書きの必需品。
月に数回使用するのですが、その度にペン先が乾燥しており、水で濡らしてインクを通していました。
あるとき、パラフィルムを使い終わった万年筆のキャップと本体の隙間に巻くことを思いつきました。
それからは書きたいときにすぐに書けるので快適そのもの。
パラフィルムが何度か再利用できることも心地いいです。

以上、普段あまり目にすることのない小物の情報でした。
この記事を読んで、「○○をしたいけれど、何か良いものはないかな?」と探していて、これ使えそう!とひらめいた方がいらっしゃったら幸いです。



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お気に入りその1300~セレスティーヌのこや

2016-12-16 12:13:19 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「セレスティーヌのこや」です。

先週末から今週にかけて、札幌は何度も大雪に見舞われています。
雪かきに疲れた身体の回復は、何と言っても睡眠が一番。
その枕もとには、ほっこりとした絵本が似合います。

そこで登場するのは、お気に入りの「くまのアーネストおじさん」シリーズ。
久しぶりの一冊は「セレスティーヌのこや」です。

アーネストはセレスティーヌのために簡易な小屋を作りました。
セレスティーヌはその「別荘」で過ごすことを楽しみにしています。
翌日食料を持っていくと誰かが住んでいる気配が・・・。
張り紙には「子どもたちへ こやをありがとう」とあります。
セレスティーヌは憤慨しますが、アーネストは持参した食料を置いていきます。
セレスティーヌに「やどなしは可哀そうなんだよ」と言いつつ。
後日、街でその「やどなし」を見かけた二人。
セレスティーヌに話しかけさせるアーネスト。
彼女が小屋の主と知り、お礼を言う「やどなし」。
それからはセレスティーヌの世話好きの虫が騒ぎ、いろいろなものを届けます。
ある日行くと、小屋はすっかり片付き、たくさんの木の実と張り紙が。
「公園清掃の仕事と住処が決まりました。これまでありがとう。」

優しくおおらかなアーネストにより、セレスティーヌが思いやりのある子に育っていきます。
今回セレスティーヌは「社会的弱者には優しく接しよう」という大切なことを学びました。
世界の難民問題にも通じるテーマです。
自分はこんな風に子育てできたかな?と自問自答しながら読みました。

ちなみに今回の巻は絶版の上、古本の流通がほとんどありません。
その上エピソードが魅力的とあって、結構高い値がついていました。
少し迷いましたが、ウイスキーを買うと思えば安い!と考え、購入しました。

それだけの価値がある素敵な一冊でした。
本書のような良書がいつの日か復刊することを願っています。



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お気に入りその1289~池上彰の憲法入門

2016-12-14 12:19:40 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「池上彰の憲法入門」です。

「池上彰はテレビで見る人」と思っていたので「著作を読む」ことは考えていませんでした。
ただ安倍政権の力がますます強くなり、憲法改正が夢物語でなくなってきた昨今。
単なる好き嫌いではなく、憲法の基礎くらい勉強した上で賛否を判断しようと考えました。
入門書はどれがいいかな?
分かりやすさNo.1はどれだろう?
そう考えると、池上彰の名が燦然と輝いて見えました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
改正したら、日本の未来はどうなるの?
憲法はとても大事なものだから、しっかり考える必要がある。
今こそ知っておくべきギモン点に池上さんがお答えします!
《目次》
はじめに――憲法は実は身近なもの
第1章 そもそも憲法ってなんだろう?
憲法は国家権力をしばるもの/ジョン・ロックの思想が背景にある
第2章 日本国憲法はこうして生まれた
戦争に負けて憲法を改正することになった/明治憲法と大差のない日本案が作られたが/毎日新聞のスクープで流れが変わった/怒ったマッカーサーが示した三条件とは? ほか
第3章 池上さんと、日本国憲法を読んでみよう(前半) ――私たちの権利・義務編
日本国憲法には何が書いてあるのか、全体構造を見てみよう/「私たちは平和を求める」高い理念をうたっている/天皇はどんな存在?/戦争を放棄した/国民には基本的人権がある/私たちの「幸せな人生」には憲法が密接に関係 ほか
第4章 池上さんと、日本国憲法を読んでみよう(後半) ――「国の組織」編
国会は最高機関だ/国会議員から総理大臣が選ばれる/総理大臣の仕事とは?/裁判所には「違憲審査」の力がある/最高裁が下した「憲法違反」の判例 ほか
第5章 第九条が常に争点になってきた
「兵隊も軍艦も持たない」と言ったはず/「自衛力」を持てるように憲法を修正した?/当初の政府は「自衛権も放棄」と説明していた/朝鮮戦争でアメリカが方針転換 ほか
第6章 今こそ考えたい、憲法改正は必要か?
自民党の「憲法改正草案」読んでみよう/日本の「国際貢献」への取り組みは湾岸危機から始まった/北朝鮮の行動が日本人を不安にした/尖閣諸島めぐり中国との関係も緊張/憲法を変える手続きがようやく決まった ほか
おわりに――憲法を読んでみよう
日本国憲法 全文
=====
出版社からのコメント
日本国憲法を、池上さんと一緒に読んでみよう!
憲法を変えるにせよ、大事に守るにせよ、憲法のことを知っていなければ話になりません。
議論の前に、まずは読んでみる。
そこから始めませんか?
――本当に「押しつけ憲法」なの?
私たちの「幸せな人生」には憲法が必要?
「集団的自衛権」ってなに?
憲法を「守る」べきは誰?
自衛隊はどのようにしてできあがったのか?
自衛隊はどうして海外に行くようになったのか?
「改正」すべきはどこ?
自民党の憲法改正草案はどこが問題?
……などなど、憲法についての最新情報・解説を満載。
=====

期待通りの分かりやすく読みやすい入門書でした。
天皇の立場とは?
憲法は押しつけられたのか?
などの疑問に対する答えがスラスラ入ってきました。

冒頭に作家・高見順の日記が紹介されていました。
=====
生まれて初めての自由!
自国の政府により当然国民に与えられるべきであった自由が与えられずに、自国を占領した他国の軍隊によって初めて自由が与えられるとは、・・・かえりみて羞恥の感なきを得ない。
日本を愛する者として、日本のために恥ずかしい。
=====

そうでした。
旧憲法の時代には、主権は天皇にあったのでした。
知識として知っていましたが、この一文で実感しました。
その当時に生きていた人々は、新憲法に衝撃を受けたでしょうね。

以下、本書で学び直したナルホドをご紹介します。

旧憲法についてのナルホド。
・アジアで初めて憲法を制定したのは日本
・イギリスには現在も憲法がない

次に天皇の立場についてのナルホド。
・日本には国家元首の定義が無いため、天皇と総理大臣のどちらかかは不明確
・イギリスではエリザベス女王、アメリカでは大統領が国家元首
・外遊の折りには天皇は国家元首として迎えられる

憲法はアメリカに押しつけられたのか?という疑問についてのナルホド。
・GHQに新憲法の原案作成を命じられた政府はプロジェクトチームを組んで臨んだ。
・作成途中の原案を毎日新聞がトクダネ記事にした。
・旧憲法と変わり映えのしないものだった。
・それがGHQの耳に入り、GHQでも急ぎ原案作成を始めた。
・最終的には、憲法学者や日本政府の意見も取り入れながら新憲法ができた。

国会議員についてのナルホド。
・衆議院議員は4年、参議院議員は6年の任期
・年棒は2100万円ほど
・意見が分かれた場合は衆議院が優先される
・総理は慣例で衆議院から出ている

憲法と法律についてのナルホド。
・法律の親分が憲法
・法律は国民が守るべきもの
・憲法は権力者が守るべきもの

まとめとして書かれていた言葉。

「憲法はその国のかたちを決めている」
「憲法を考えることは、日本の国を考えること」

なるほど。
今回本書を読み、改めてそれを実感しました。
そして最後の問い。

「憲法を改正する?
 自衛隊を別の組織にする?
 いまのままでいい?」

これまで軍国主義化を心配して、憲法改正には反対でした。
でも本書を読んで、日本の国際貢献のため、そして自衛隊の存在を明確にして隊員が無駄に命を失わないために、憲法改正は必要と考えるようになりました。
自衛隊がすでに有している世界有数の戦力は、今後も国防と国際貢献にのみ使われ、日本は決して他国を侵略しないことを憲法に明記して欲しいと考えています。

子や孫たちが暮らす未来の日本をより良き国にするために、今後の動きから目が離せません。



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お気に入りその1288~藤原てい

2016-12-12 12:10:39 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「家族」です。

先ごろ亡くなった藤原ていのエッセイ集「家族」を読みました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
戦争・飢餓・復興・平和。
苦楽を共にした家族との40年を振り返って、親子の絆とは何か、愛とは何かを熱情こめて切々と語る随想集。
=====

著者を知らない方のためのミニ知識。
・1949年に書いた「流れる星は生きている」がベストセラーになった。
・内容としては、著者が子どもたちを連れて満州から朝鮮半島を南下して日本に引き揚げるまでを描いている。
・夫は作家の新田次郎、息子は数学者でエッセイストの藤原正彦。
・新田次郎は気象台勤務のかたわら小説を書いていたが、妻のベストセラーに発奮し、小説一本で生きることを決意した。

「家族」は1987年、著者69歳のときに書かれたものです。
著者のサイン本を偶然見かけて注文し、届いたのが10月31日でした。
その半月後の11月15日に著者の訃報を聞き、驚きました。
失礼とは思いましたが、まだご存命だったことへの驚きでした。
著者は朝鮮半島の逃避行で極限の肉体的・精神的ダメージを受け、戦後数年間寝たきりで、ベストセラーとなった「流れる星は生きている」のあとがきには遺書のつもりで書いた、とまで書いているほどでした。
その身体で98歳という天寿を全うされるとは想像していませんでした。
時代の語り部として天に選ばれた方だったのかもしれません。
ご冥福をお祈り申し上げます。

朝鮮半島の逃避行については、著者の「流れる星は生きている」「旅路」、そして新田次郎の「望郷」で読み、「筆舌に尽くしがたい」とはこういうことか、と思い知らされるノンフィクション作品でした。
戦争の悲惨さを一市民の目線で描いており、生涯忘れられない強い衝撃を受けたものです。

・・・と前置きが長くなりましたが、「家族」の感想を少々書きます。

第1章 家
冒頭、築40年の家の屋根が崩れ、改築することから始まります。
家族と過ごし、今は一人住まう家。
いとおしい記憶をひとつひとつたどりながら書いています。
その最たるものが、長期で取材旅行に出ることが多かった夫についての記述。 
亡くなった今でもいつか帰って来る気がして、改築しても迷わないようにと願う言葉に変わらぬ愛を感じました。

第2章 夫
新田次郎が、気象庁勤務時代に降水量の自動観測機の開発で運輸大臣賞を受賞した時のこと。
ようやく歩けるまでに回復した著者は授賞式に出席しました。
新田はあいさつで「苦労したので受賞は当然」と述べ、会場を唖然とさせたそうです。
建前を嫌い、常に本音を語る夫らしかったと述べています。
おかげで出世が遅かったとも書いています。
確かにその性格だと勤め人を続けるには逆風が厳しかったでしょうね。
後に退職し、すべての力を作家業に注いで正解だったでしょうし、そのおかげで読者はたくさんの作品を読むことができました。
今回、新田次郎が妥協を許さない性分だったと知り、もう一度作品をそういう目で読み返したくなりました。

第3章 子供
子や孫のことが書かれています。
印象的だったのは、朝鮮半島の逃避行で足に深い傷跡が残っている息子についての記述です。
次男は婚約者に靴下を脱いで見せ、「ボクはこのような足をしているが、いいかね?」と問うたそう。
著者は、あの時にもっと知恵や行動力があれば子どもたちにあんな傷を残さなかったのに、と悔いていた。
婚約者は「それは生き抜いてきた名誉の傷だと思います」と答えたそう。
それを聞いた時に著者は救われた思いがしたそう。
婚約者のこの素敵な返答に感動しました。

第4章 妻
「北朝鮮紀行」として40年前の逃避行を辿る旅について書いています。
思い出の地、懐かしい人の話が次々出てきます。
悲惨な体験の悪夢からようやく解放されたのになぜまた行くの?という多くの声を振り切って行った一人旅。
北朝鮮政府が丁寧なリサーチの上で、親切に案内してくれています。
朝鮮戦争で多くの墓地が失われた上、地形まで変わってしまったことを知りました。
著者は苦楽を共にした親友の墓参ができず残念がりましたが、親や先祖を大切にする朝鮮の人々の悲しみはさらに大きいだろうと述べています。
逃避行のときに、子どもたちのため物乞いをすると、周りの目を気にしながら水を飲ませてくれた人や食べ物を分けてくれた人がいたと語っています。
ある貧しげな家を訪れた時に、オモニイ(主婦)が新聞紙に包んだ食べ物を手渡しながら、
「早くどこかで食べなさい。生きて帰りなさいよ」
と励ましてくれたそうです。
どん底で触れた優しさを著者は生涯忘れなかったことでしょう。
著者は、当時、長期間かくまってくれた朴さんを探しますが、「町のほとんどが朴さんだよ。次に来るまでに捜しておこう」といわれ諦めます。
その後、二度目の北朝鮮訪問が実現したかは知りませんが、「いつか命の恩人に再開できますように」と願わずにはいられませんでした。

最後に。
正直に言うと、本書に感動や発見を期待していませんでした。
家族に関する他愛のないエッセイを想像していました。
ところが新田次郎の意外な性格や息子の婚約者の感動的な言葉、そして感動的な北朝鮮紀行。
どれも素晴らしかったです。
特に北朝鮮紀行は、朝鮮半島の逃避行について、これまで読んだ3冊を補強する大切な一冊となりました。

今回のように内容を吟味せずに選んでも大正解ということがあります。
本は「読んでみなくちゃ分からない」ものと、改めて思い知らされました。

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お気に入りその1287~鬼平犯科帳パート101

2016-12-09 18:10:17 | 鬼平
今回のお気に入りは鬼平犯科帳パート101、ファイナルです。

久しぶりの鬼平ネタです。

先日、テレビ版鬼平犯科帳がフィナーレを飾りました。
これにより中村吉右衛門主演の鬼平シリーズは、28年間150作品で完結となりました。
12月2日・3日と2夜連続放映された鬼平ファイナルは、DVDにしっかり保存しました。
すでに観られた方がうらやましい・・・。
私は年内時間がとれないので、正月休みにゆっくり鑑賞するつもり。
とりあえず今は、寝入る前に「鬼平犯科帳を極める ザ・ファイナル」を何ページか読んではその雰囲気を楽しんでいます。

ということで「鬼平犯科帳を極める ザ・ファイナル」の内容紹介をAMAZONから引用します。
=====
テレビ時代劇の金字塔「鬼平犯科帳」がついに幕を閉じる。
放映28年間をまとめた豪華ファンブック!
池波正太郎氏の人気小説をドラマ化した「鬼平犯科帳」。
かつて何人もの名優でドラマ化されてきたが、一番のはまり役といわれているのが中村吉右衛門丈の「鬼平」だ。
平成元年に放映がスタートし、28年の長きにわたって我々を楽しませてくれた「鬼平犯科帳」が12月にフィナーレを迎える。
凄みと色気を併せ持つ吉右衛門丈の鬼平、個性豊かな同心たち、粋でいなせな密偵たち、豪華ゲスト演じる多彩な盗賊など、「鬼平犯科帳」の魅力をあますところなくまとめたファン必見の完全愛蔵版。
■内容
・中村吉右衛門さん撮り下ろしインタビュー
・THE FINAL前編「五年目の客」、後編「雲竜剣」の見どころ紹介&撮影ルポ
・多岐川裕美さん、尾美としのりさん、梶芽衣子さんらレギュラー陣インタビュー
・名場面写真集
・過去ゲストセレクション&ゲストインタビュー(若村麻由美さん、田中泯さん、尾上菊之助さん)
・鬼平研究家・里中哲彦氏による人物コラム
・こだわりの映像美を支えた撮影スタッフインタビュー
・あらすじ、配役、みどころ・150話全リスト
など
=====

この「鬼平犯科帳を極める ザ・ファイナル」は「鬼平犯科帳を極める」シリーズの第3段。
まだ読んでいる途中ですが、第1段、第2段同様、良い出来だと思います。
DVDを観るのがますます楽しみになります。

そしてもうひとつ。
フジテレビのファイナル予告記事を、自分のための保存を兼ねて引用します。
=====
江戸時代後期、盗賊・凶賊たちから「鬼の平蔵」と恐れられた、火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵を描いた池波正太郎の人気小説「鬼平犯科帳」(文春文庫刊)。
1989年7月に中村吉右衛門主演でドラマがスタートしてから、2001年5月まで連続ドラマとして全137本、2005年2月放送の『鬼平犯科帳スペシャル 山吹屋お勝』から今年1月放送の『鬼平犯科帳スペシャル 密告』まで単発のスペシャルドラマとして11本、計148本を放送してきました。
これまで長きにわたって、時代劇ファンのみならず、数多くの視聴者を魅了し続けてきた『鬼平犯科帳』ですが、今年12月18日(金)放送の『鬼平犯科帳スペシャル 浅草・御厩河岸』(シリーズ149本目)、そして来年2016年夏に撮影予定、2016年末から2017年初頭に放送予定の『鬼平犯科帳スペシャル』(前後編2本/シリーズ150本目)をもってフィナーレを飾ることが明らかになりました。
今回の決定の背景には、ドラマ『鬼平犯科帳』の制作にあたって、これまで「原作にないものはやってくれるな」という原作者・池波正太郎氏の遺言を守り、映像化可能と思われる作品を全て使用した後は、複数の原作を組み合わせたり、過去に1時間ドラマとして放送した内容にアレンジを加え、2時間のスペシャルドラマとして放送したりという工夫を重ねてきたものの、近年ではその作業も限界を迎えてきていたことが大きな要因となっています。
また、来年2016年夏に撮影予定、2016年末から2017年初頭に放送予定の『鬼平犯科帳スペシャル』(前後編2本)が、シリーズ150本目という大きな節目にあたること、さらには1989年の放送開始から絶大な人気を誇り、テレビドラマの歴史に金字塔を打ち立てた中村吉右衛門主演の『鬼平犯科帳』を理想的な形で終了し、有終の美を飾りたいという思いもあり、あと2作品をもってフィナーレとすることを決定しました。
今回の発表のタイミングに関しても、キャスト、スタッフをはじめ、『鬼平犯科帳』に携わる全ての関係者が、1989年から連綿と続いてきた『鬼平犯科帳』の歴史・伝統を背負い、気持ちを一つにしてシリーズ最終作の撮影に臨みたいという思いから、シリーズ149本目となる『鬼平犯科帳スペシャル 浅草・御厩河岸』の放送を前にした、このタイミングでの発表としました。
シリーズ150本という節目の放送をもって、フィナーレを飾る『鬼平犯科帳』。
これまで、人間国宝・中村吉右衛門をはじめ、多岐川裕美、梶芽衣子ら、レギュラー出演者たちや、豪華なゲスト陣の確かな演技によって、江戸に生きる市井の人々の義理人情を丁寧に描いた、濃密で情緒あふれる人間ドラマとして高い評価を得てきた同作も、あと2作品でついに大団円を迎えます。
テレビドラマの歴史に金字塔を打ち立てた『鬼平犯科帳』の有終の美を見届けてください。
=====

ああ、この記事もいいですね。
キャストやスタッフが、今は亡き原作者の言いつけを頑なに守り続けた28年間を思うと、私まで胸が熱くなります。
まるでスタッフのひとりになった気分です。
とにかく早く観たい!

最後に関連話をひとつ。
さだまさしがファイナルにゲスト出演したという記事をあちこちで見かけました。
わずか数秒のシーンでしたが鬼平とからみ、セリフまであったそう。
「白玉売り」の役作りに何と1か月もかけたとか。
さださんは、知る人ぞ知る熱狂的鬼平ファン。
出演のオファーに対し「出るに決まっているだろう!」と返し、取材に対し「全国の鬼平ファンを差し置いて申し訳なかった」とコメントしています。
さださんがファン代表として出演したことは、全国の鬼平ファンもきっと納得だと思います。

彼のこれまでの言葉で印象的だったものをいくつか書きます。
・人が生きていく上で必要なことはすべて「鬼平犯科帳」に書いてある。
・読書をするなら「鬼平犯科帳」だけで良い。他はいらない。
・読みたくなったら全巻を買い、読後は身近な人にプレゼントする、ということを繰り返してきた。

さださん自身が物書きなのに、ここまで言い切るとは・・・。
ファンとしてはうれしい限りです。
こんなことを書いていたら原作を読みたくなってきました。
全巻を読み返したのは2015年でした。
2017年の読書予定に入れちゃおうかな?

それにしても。
観る前に気持ちがこんなに昂るドラマとは、もう出逢うことがないと思います。
恐るべし、鬼平犯科帳。

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