お気に入りその2185～ホホジロザメ

今回のお気に入りは、「ホホジロザメ」です。

福音館の科学シリーズの「ホホジロザメ」 (2022/6/17発行）という絵本を読みました。
著者の沼口麻子さんは「ほぼ命がけサメ図鑑」がとても印象的だったのですぐに判りました。
絵を担当した関俊一さんという方は本書が初めてのようです。
迫真のサメ図が素晴らしいため、他の作品も鑑賞しようと思い、あちこち探しましたが見つかりません。
一周戻ってAMAZONの作家紹介に目を通しました。
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1964年、神奈川県生まれ。画家。
幼少の頃から自然や生き物への愛着があり、学生時代から魚や動物の絵を描く。
油彩による古典的な絵画技法をもとに独自の表現を試み、静物画や動物画を制作。
東京藝術大学大学院美術研究科修了。
現在は三重大学教育学部教授。
葛西臨海水族園の展示ラベルやポスターのイラスト、『現代おさかな事典』(エヌ・ティー・エス)のカラー図版などを担当。
論文に「“魚”を描く―魚の科学的な描き方・必須要素の線と図形・表現のポイント―」がある。
趣味は海釣り。
船で一日中波に揺られ、釣った魚を描き、捌いて頂くまでを大切にしている。
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東京芸大出身の画家となれば腕は一流。
その上「船で一日中波に揺られ、釣った魚を描き、捌いて頂くまでを大切にしている」という生き方自体が、何やら「植物の精」を自認した牧野富太郎先生に近いものを感じました。
上記作家紹介で関さんの作品が掲載されていると名前が出ていた「現代おさかな事典」について調べましたが、「事典」というだけあって大き過ぎる上、関さんの作品が本文ではなく冒頭の部分にしか出て来ないようなので手を出すのを止めました。
「ホホジロザメ」のように一冊丸ごと関さんが描いた本が出るのを待ちたいと思います。

「ホホジロザメ」の内容紹介を引用します。
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オットセイに忍び寄る大きな影。
その正体は巨大なホホジロザメだ。
オットセイに気づかれないように真下に移動する。
そして一気に急上昇……巨体が宙を舞う。
こんな狩りのシーンから絵本は始まります。
ホホジロザメは映画「ジョーズ」のモデルで、魚類最強ハンターとして有名です。
凶暴なイメージがありますが、四六時中ずっと凶暴な“モンスター”というのは映画だけの話です。
実際のホホジロザメはいったいどんな生き物なのでしょうか。
実はホホジロザメは水族館で飼育するのが非常に難しく、未だに分からない謎が多く残っています。
この絵本では、ホホジロザメのすぐれた嗅覚、硬い肌、鋭い歯を保つ仕組み、繁殖や出産など、サメの驚くべき特徴を解説。
近年の研究によって明らかになった事実も踏まえ、サメの生態に迫ります。
サメ映画を見る前に、絵本でホホジロザメに出会ってみませんか。
サメ好きはもちろん、サメビギナーの子どもたちにも読んでもらいたい一冊です。
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サメのことをたくさんの人に知ってもらいたい著者と、仕事も趣味も魚という画家が相乗効果を発揮した見事な入門書です。
映画「ジョーズ」ですっかり有名になったホホジロザメですが、その生態がすべて知られている訳ではなく、オスメスがどこで出会うのかさえ分からないというのは意外でした。
また６ｍの巨体とはいえ１．２ｍの子ザメを（本書では）７匹も産むため、１年に及ぶ妊娠期間の出産直前の姿は妊婦さんのようにお腹パンパンで驚きました。
迫力ある捕食シーンだけでなく、穏やかな普段の姿や、子をはらんだ姿、他のサメやシャチに狙われる子ザメの姿など、ホホジロザメの一生を丁寧に伝えています。
作者と出版社の狙い通り、サメ好きはもちろん、サメビギナーの子どもたちにも読んでもらえるおすすめ絵本に仕上がっています。

（おまけ）
表紙や本文のホホジロザメのドアップはどれも細密かつ正確に描かれていて実に見事。
こういう美しい作品を見るといつも部屋に飾って鑑賞したいと思うのですが、実際にはできません。
博物館や美術館のように広いスペースがあったら、図鑑や絵本の気に入ったページをあれこれ飾って鑑賞できるのに・・・。
当然ながらそんなことはできるはずもありません。
だからこそ本を選び、表紙をあらため、開いて中身を鑑賞したときに感動がわきおこるのでしょう。
こう書いていたら、しばらく開いていないお気に入りの図鑑や絵本のことが気になりだしました。
このブログはそれらの本のことを調べた備忘録のようなものなので、照らし合わせつつ鑑賞したいと思います。