今回のお気に入りは、「役にたたない日々」です。
佐野洋子著「役にたたない日々」を読みました。
著者の名は「100万回生きたねこ」で知っていましたが、著作は初めて読みました。
本書は2008年発行のエッセイ集。
その後2010年に亡くなるまでのエッセイを収録した「死ぬ気まんまん」が発行されています。
どちらを読もうか迷いましたが、入門編として本書を選びました。
内容紹介を引用します。
==========
「68歳は閑である。バアさんが何をしようと注目する人は居ない。淋しい? 冗談ではない。この先長くないと思うと天衣無縫に生きたい、思ってはならぬ事を思いたい」友人とともに料理をし、家族を思いながら、韓流や漢詩に身をこがす。人生の名言がゴロゴロ転がっているエッセイ集。
==========
1ページ目の1行目から最後の1行まで、”本音”のストレートパンチを連発。
ラストまでその勢いは衰えません。
まったく凄いバアさんです。
内容紹介文にあるように人生の名言がゴロゴロ転がっているようには思えませんでしたが、人としてここまで心の内をさらけ出したエッセイを読んだのは初めて。
老い、ボケ、がん、性などに対する達観した考えや、周囲との人間関係などについて衝撃的な記述が満載でした。
親族、友人との絡みをここまで書いて良いの?
書いた本人は良いとしても、書かれた人は大変だな・・・と、ついつい心配してしまいました。
著者は「がんで死ぬことは怖くない」といっています。
年老いて呆けたり、精神に異常をきたしたり、脳梗塞などで寝たきりになるのとは違い、自分のままできっぱり死ねるし、なによりもう働かなくてもいい・・・。
うむナルホド、このストレートパンチは、確かに人生の名言!
また70近いバアさんが韓流にハマり、飽きていくまでのくだりが面白かったです。
この期間、著者は生きていることを実感できたそうですが、なんとその期間は抗がん剤治療でウツになっていた時期と重なります。
70近いバアさんのウツ患者を蘇らせる韓流の美男俳優たち・・・まったく恐るべきパワーです。
最後に、「母が韓流を知らずに呆けたことを可哀想に思う」と書かれていました。
この一文は表面的には軽そうに書いていましたが、20年も前に呆けてしまった母に、生きていることをもっと実感させてあげたかったという気持ちが書かせた言葉だったのでしょう。
ちなみに韓流の代表作「冬のソナタ」は、わが家でも「息子→妻と娘→私」と全員ハマりましたので、著者の言葉をおぼろげながらではありますが理解することができました。
そしてもうひとつ。
著者の衝撃的な本音トークを読んでいて、わが家にも著者の後継者になりうる素質を持つ者がいることを何度も実感し、ドキリとしたことを告白します。
佐野洋子著「役にたたない日々」を読みました。
著者の名は「100万回生きたねこ」で知っていましたが、著作は初めて読みました。
本書は2008年発行のエッセイ集。
その後2010年に亡くなるまでのエッセイを収録した「死ぬ気まんまん」が発行されています。
どちらを読もうか迷いましたが、入門編として本書を選びました。
内容紹介を引用します。
==========
「68歳は閑である。バアさんが何をしようと注目する人は居ない。淋しい? 冗談ではない。この先長くないと思うと天衣無縫に生きたい、思ってはならぬ事を思いたい」友人とともに料理をし、家族を思いながら、韓流や漢詩に身をこがす。人生の名言がゴロゴロ転がっているエッセイ集。
==========
1ページ目の1行目から最後の1行まで、”本音”のストレートパンチを連発。
ラストまでその勢いは衰えません。
まったく凄いバアさんです。
内容紹介文にあるように人生の名言がゴロゴロ転がっているようには思えませんでしたが、人としてここまで心の内をさらけ出したエッセイを読んだのは初めて。
老い、ボケ、がん、性などに対する達観した考えや、周囲との人間関係などについて衝撃的な記述が満載でした。
親族、友人との絡みをここまで書いて良いの?
書いた本人は良いとしても、書かれた人は大変だな・・・と、ついつい心配してしまいました。
著者は「がんで死ぬことは怖くない」といっています。
年老いて呆けたり、精神に異常をきたしたり、脳梗塞などで寝たきりになるのとは違い、自分のままできっぱり死ねるし、なによりもう働かなくてもいい・・・。
うむナルホド、このストレートパンチは、確かに人生の名言!
また70近いバアさんが韓流にハマり、飽きていくまでのくだりが面白かったです。
この期間、著者は生きていることを実感できたそうですが、なんとその期間は抗がん剤治療でウツになっていた時期と重なります。
70近いバアさんのウツ患者を蘇らせる韓流の美男俳優たち・・・まったく恐るべきパワーです。
最後に、「母が韓流を知らずに呆けたことを可哀想に思う」と書かれていました。
この一文は表面的には軽そうに書いていましたが、20年も前に呆けてしまった母に、生きていることをもっと実感させてあげたかったという気持ちが書かせた言葉だったのでしょう。
ちなみに韓流の代表作「冬のソナタ」は、わが家でも「息子→妻と娘→私」と全員ハマりましたので、著者の言葉をおぼろげながらではありますが理解することができました。
そしてもうひとつ。
著者の衝撃的な本音トークを読んでいて、わが家にも著者の後継者になりうる素質を持つ者がいることを何度も実感し、ドキリとしたことを告白します。