今回のお気に入りは、原色図譜エンレイソウ属植物2です。
先日は「原色図譜エンレイソウ属植物」の色校正サンプルを入手した経緯を書きました。
表紙カバーと本文のみのサンプルで製本されていないため、ハードカバーを作って本棚に自立保管できるようにしました。
それと並行して前書き、解説文を読みつつ植物画を鑑賞しました。
通常図鑑って重くて大きくて扱いに困るのですが、これは製本前の状態なので、1枚1枚を手に取って解説を読んだり植物画を鑑賞したりできて実に楽でした。
特に種ごとの違いを見比べるのに必要ページだけを並べて見比べることができてとても便利でした。
こういうカード型の図鑑があって良いのではないかと思います。
さて本書について最優先にお伝えしたいのは植物画が細密で美しいことです。
エンレイソウは大きな3枚葉の中央に花が咲く、とても特徴的な植物で、今年も山菜採りのときに撮影してきたばかりです。
その美しい立ち姿、花や葉の特徴的バランスなどが見事に写し取られています。
また同種の中の個体差を読者に伝えるべく多くの地の同種の姿を描いています。
それにより同種の個体差を知った上で、次の種に移る仕掛けです。
これにより種ごとの違いを把握して、実地に役立てることができそうです。
特に札幌周辺で多く見かけるエンレイソウとミヤマエンレイソウの見分け方はしっかり覚えておきたいと思います。
以下、本書で学んだことを自分のために記録に残します。
エンレイソウ属をよく見かける方は参考にされてはいかがでしょうか。
〇世界的な分布等
エンレイソウ属は世界に40数種確認されている
東アジア9種、残りは北米に分布する
東アジアの内、ヒマラヤから中国にかけて分布する1種を除いた8種はすべて日本に生育する
あの特徴的な形状の植物は、世界中に広く生育する植物ではない
国内の8種はかなり似た形状をしているが、ヒマヤラや北米のは随分形状が異なる
北米は種が多い上、交雑も多く、まだ研究途上にある
〇国内に生育する8種の形体の特徴
①エンレイソウ
花は常に白色
花は常に花びらを欠き(極めてまれに3枚ある)、
葉は広い菱状、倒卵形
②オオバナノエンレイソウ
がく片の先は鋭尖形ではない
雄しべは雌しべより長く、やくは花系のおよそ3倍
③ミヤマエンレイソウ
がく片の先は鋭尖形
雄しべは雌しべより短く、やくは花系のおよそ2倍
④コジマエンレイソウ
⑤シラオイエンレイソウ6倍体
⑥シラオイエンレイソウ3倍体
⑦ヒダカエンレイソウ
⑧トカチエンレイソウ
略
本書によると札幌およびその周辺でよく見ていたエンレイソウはどうやら①と③らしい
②と③は実によく似ているが、がく片の先の尖り具合と雄しべ雌しべのどちらが長いかで
素人でも区別できる
植物画を見比べたら確かにその通り違っていた
〇開花時期、生育地などの特徴
①森林性が強い。北海道では最も早く花が咲く
②原野性が強い
③森林性が強い。①よりおよそ2,3週間遅れて花が咲く
④~⑧略
〇種形成の過程
①~⑧の共通の先祖(?)から①と②が分化した
③は?が②に分化する途中で分化した
⑤⑥は②と③が交雑した
⑦は①と③が交雑した
⑧は①と②が交雑した
なお以上の記述は本書発行当時(1987年)のものなので、現在は違うかもしれませんのでご了承ください。
先日は「原色図譜エンレイソウ属植物」の色校正サンプルを入手した経緯を書きました。
表紙カバーと本文のみのサンプルで製本されていないため、ハードカバーを作って本棚に自立保管できるようにしました。
それと並行して前書き、解説文を読みつつ植物画を鑑賞しました。
通常図鑑って重くて大きくて扱いに困るのですが、これは製本前の状態なので、1枚1枚を手に取って解説を読んだり植物画を鑑賞したりできて実に楽でした。
特に種ごとの違いを見比べるのに必要ページだけを並べて見比べることができてとても便利でした。
こういうカード型の図鑑があって良いのではないかと思います。
さて本書について最優先にお伝えしたいのは植物画が細密で美しいことです。
エンレイソウは大きな3枚葉の中央に花が咲く、とても特徴的な植物で、今年も山菜採りのときに撮影してきたばかりです。
その美しい立ち姿、花や葉の特徴的バランスなどが見事に写し取られています。
また同種の中の個体差を読者に伝えるべく多くの地の同種の姿を描いています。
それにより同種の個体差を知った上で、次の種に移る仕掛けです。
これにより種ごとの違いを把握して、実地に役立てることができそうです。
特に札幌周辺で多く見かけるエンレイソウとミヤマエンレイソウの見分け方はしっかり覚えておきたいと思います。
以下、本書で学んだことを自分のために記録に残します。
エンレイソウ属をよく見かける方は参考にされてはいかがでしょうか。
〇世界的な分布等
エンレイソウ属は世界に40数種確認されている
東アジア9種、残りは北米に分布する
東アジアの内、ヒマラヤから中国にかけて分布する1種を除いた8種はすべて日本に生育する
あの特徴的な形状の植物は、世界中に広く生育する植物ではない
国内の8種はかなり似た形状をしているが、ヒマヤラや北米のは随分形状が異なる
北米は種が多い上、交雑も多く、まだ研究途上にある
〇国内に生育する8種の形体の特徴
①エンレイソウ
花は常に白色
花は常に花びらを欠き(極めてまれに3枚ある)、
葉は広い菱状、倒卵形
②オオバナノエンレイソウ
がく片の先は鋭尖形ではない
雄しべは雌しべより長く、やくは花系のおよそ3倍
③ミヤマエンレイソウ
がく片の先は鋭尖形
雄しべは雌しべより短く、やくは花系のおよそ2倍
④コジマエンレイソウ
⑤シラオイエンレイソウ6倍体
⑥シラオイエンレイソウ3倍体
⑦ヒダカエンレイソウ
⑧トカチエンレイソウ
略
本書によると札幌およびその周辺でよく見ていたエンレイソウはどうやら①と③らしい
②と③は実によく似ているが、がく片の先の尖り具合と雄しべ雌しべのどちらが長いかで
素人でも区別できる
植物画を見比べたら確かにその通り違っていた
〇開花時期、生育地などの特徴
①森林性が強い。北海道では最も早く花が咲く
②原野性が強い
③森林性が強い。①よりおよそ2,3週間遅れて花が咲く
④~⑧略
〇種形成の過程
①~⑧の共通の先祖(?)から①と②が分化した
③は?が②に分化する途中で分化した
⑤⑥は②と③が交雑した
⑦は①と③が交雑した
⑧は①と②が交雑した
なお以上の記述は本書発行当時(1987年)のものなので、現在は違うかもしれませんのでご了承ください。