鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2320~地球ドキュメント

2024-01-31 12:40:34 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、地球ドキュメントです。

NHKの地球ドキュメントという番組が好きです。
渡辺徹のナレーションが聴けなくなってからは、少し足が遠のきましたが、先日「チョウが人類を救う? ?小さな体に秘めた驚きのパワー?」という面白いタイトルに惹かれて久しぶりに観ました。
内容紹介を引用します。
=====
最も身近な昆虫の一つである、チョウ。いま、人類を様々な危機から救う可能性のあるスゴイ昆虫として世界中の研究者から注目を集めている。チョウの驚きのパワーに迫る!
チョウは1億年以上前から地球に存在し、さまざまな環境の変化に適応しながら、独自の進化を遂げてきた。鮮やかな色彩や撥水能力をもつ羽、優れた体温調整能力など…チョウの能力を応用すれば、医療現場や環境対策などの分野で人類が直面する課題を解決できるのではと、いま研究者たちの注目を集めている。革新的な医療素材から、水上都市を支える沈まない金属まで、チョウに学ぶ無限の可能性に迫る(仏独米2022年)
=====

モンシロチョウの羽には開くと太陽光を体の方向に反射して体温を上げる特殊な構造があるそうです。
また羽のほとんどが透明なツマジロスカシマダラという蝶の羽には、太陽光をほとんど反射させずに透過させる特殊な構造があるそうです。
この二つを組み合わせることで太陽光発電の発電効率を10数倍にアップさせることが可能なのだそう。


蝶の羽の撥水構造に着目し、それを応用して沈まない金属を開発した研究者は、巨大な沈まない島を作り、海面上昇に耐える都市つくりという驚きの構想を提唱しています。


いずれも人類を救う技術であることは間違いありません。
数億年にわたる生物の進化には、まだ人類が知らない素晴らしい知識が隠されていることでしょう。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその2319~たくさんのふしぎ

2024-01-27 12:06:21 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、たくさんのふしぎです。

小学校高学年向けの科学雑誌「たくさんのふしぎ」がお気に入りで、発行済みの巻の半分以上を読みました。
新刊についても刊行予定を調べ、気に入ったものを予約購入しています。
この3月までの分は、すでに予約した巻が届いてしまい、手持無沙汰です。
そこで改めて発行済みの巻から何冊かを選んで読みました。

①「ロンドンに建ったガラスの宮殿」(2023/11)

出版社の内容紹介を引用します。
=====
1851年、ロンドンで世界で最初の万博が開かれました。
その会場となったのは、鉄とガラスでできた建物、通称「水晶宮(クリスタル・パレス)」。
設計したのは、貴族の家で働いていた庭師のパクストンです。
建物自体が展示品とも言われた水晶宮は、開催を反対する意見を汲んだものでもありました。
世界初となる万博はどのようなものだったのでしょう?
=====

正月休みにテレビで本書で取り上げたクリスタル・パレスがちらりと紹介されていました。
ヴィクトリア女王のご主人が優秀な方で多方面に活躍され、そのひとつが世界初の万博であり、クリスタル・パレスだったのです。
彼のイケメンぶりに魅了された女王がプロポーズして結婚したそうですが、国民は女王が他国から来た彼の言いなりになるのを危惧し、彼に厳しい目を向けたことが番組で紹介されていました。
そのため世界発の万博が開催されるまでの経緯や評判などを詳しく知るのも良いと思い、読むことにしました。
本書でもやはり世界初の万博開催に対し反対する声が多かったことが書かれていました。

ロンドン市民から議員、貴族までが反対の声を上げ、まさに四面楚歌のような状況でした。
ところが会場案をレンガ造りからガラスと鉄に変更すると新聞に発表したとたん状況は一変、賛成の声が多数を占めるようになります。
これを読みながら思ったのは、現在準備の遅れが懸念されている大阪万博。
大阪万博も反対の声が多いですね。
万博ってそういう運命にあるのでしょうか?

②「川は道 森は家」(2016/9)

出版社の内容紹介を引用します。
=====
トラやクマが息をひそめる森の奥へ
北海道の向こう岸、ロシアの沿岸に、ウスリータイガとよばれる森があります。
トラやクマ、カワウソやシマフクロウが今も生息する豊穣な森です。
この森で古くからくらす猟師たちは、川で魚をとったり、シカやイノシシを狩って生活しています。
彼らは、「私たちにとって、森は家」と言います。
深い森に棲む、人、動物、草木それぞれの営みと、そのつながりを、現地を旅した写真家が感性豊かに綴ります。
=====

北海道の向こう岸にあるタイガの森。
近いようで遠い地での人々や動物たちの暮らしぶりを知ることができました。
話題になった「ゴールデン・カムイ」では明治の時代の樺太の人々や動物たちが紹介されていたのを思い出します。
北海道と樺太は肉眼で見えるほど近くです。
そんなに近くても、ヒグマに立ち向かうイタチの仲間クズリが生息することを知って驚いたものです。
それを考えると樺太より遠いタイガの森は何がいても不思議ではありません。
アムールトラが生息することはやはり大陸だなと実感し、ヒグマがいなくてツキノワグマだけがいることにはなぜ?と疑問を感じながら読みました。
現地の人々との温かい交流が感じられる素敵なレポートでした。

③「日本の自動車の歴史」

出版社の内容紹介を引用します。
=====
初期の蒸気自動車から、現代のソーラーカーまで、200台あまりを紹介。
日本が自動車王国になっていった秘密を探ります。
=====

著者は自動車の歴史の絵本が日本に無かったため自ら書くことにしたそうです。
その中で、日中戦争でガソリン不足になったため政府が軍用車とトラック以外の生産を禁じたことに始まり、太平洋戦争後はGHQが車の生産を2年間禁じたところまでの延べ9年間、自動車の開発・生産が止まりました。
そのため日本の自動車産業は世界から大きく後れを取りましたが、その後目覚ましい復興を遂げ、世界トップクラスの生産台数を誇るまでになりました。
このときの日本の底力は素晴らしいですね。
そのDNAは脈々と受け継がれています。
日本に大きな危機が訪れた時にはきっと発揮されることでしょう。
ただ大きな危機が訪れることがないことが一番ですが・・・。

興味深かったのはガソリン不足対策として木炭自動車が開発されたことです。
木炭を燃やして蒸気を作る蒸気機関だと思っていたら、どうやら木炭を不完全燃焼させてガスを発生させてガスエンジンを動かす構造だそうです。
それはそれですごい技術です。
森林を伐採して作った木炭でガスを発生させ自動車を走らせることができるのなら、その排ガスは伐採後に植林した森林が吸収するのでCO2を増加させないサイクルができあがるのではないでしょうか?
木炭で作ったガスをガススタンドで充填して自動車が走ることが産業化されないのはきっと何か理由があるのでしょうね。
いいアイデアだと思うのですが残念なことです。




コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその2318~ピンボケ修正

2024-01-24 12:32:27 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ピンボケ修正です。

町内会の仕事を少しお手伝いしています。
夜に屋外で写真を撮る係として、デジカメを持参しました。
役員の方々の集合写真を撮ろうとしましたがストロボが光りません。
寒くて風が強いため、みなさんを待たせるのは悪いと思い、フラッシュ無しのままで写しました。
念のため多めに撮りましたが、暗いためボケた写真ばかり。
これじゃいくら何でも記録として使えません。
手持ちの画像編集ソフトで明るさやコントラストを調整して多少改善しましたが、表情までは判然としません。
ここまでか、とあきらめかけた時にひらめきました。
ピンボケ画像をAIで修正してくれる無料サイトがあるかもと。
見つけたのは「MyEdit」という画像編集サイト。
これを使いピンボケ画像を2回連続で修正したところ、表情が見違えるほどくっきり浮かび上がってきたではありませんか。
素晴らしい!
妻にその違いを見せたところ、当然でしょ、と冷めた反応です。
テレビドラマ「科捜研の女」でピンボケ画像を鮮明化して犯人の足取りを特定するシーンで使っている技術だというのです。
ドラマに登場する技術はすべて実際に存在するものなのだという彼女の主張は半信半疑ですが、ピンボケ画像の鮮明化については無料サイトでさえこの結果なので、科捜研ならドラマ通りの結果が得らるはず。

技術の進捗に驚かされた出来事でした。
昔「コンピューターにごみを入れてもごみしか出てこない」という言葉があると聞いたことがあります。
だからピンボケ画像から鮮明画像を作ることはできないと思っていました。
けれど今では「コンピューターにごみのようなピンボケ画像を入れると、それなりに鮮明な画像が出てくる」ようになったのですね。

ところで今回書いたことって今や常識なのでしょうか。
そんなことも知らなかったの?という方には、昨年夏にようやくスマホを持ったおっさんのたわごとと思い、お許しください。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその2317~せいろ

2024-01-19 12:13:27 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、せいろです。

「所さんの目がテン」というTV番組で調理器具の「せいろ」を特集していました。
いろいろな食材が蒸すことで美味しくなると大絶賛でした。
調理方法が簡単で、ヘルシーなのも魅力です。
その上せいろ自体、さっと拭いて風通しの良いところにぶら下げるだけでOKというシンプルさも高評価。
面倒くさがりの我が家にぴったり、と思って観ていました。
それから数日、21cmのせいろ2枚と鍋に載せるときに使うアダプタが届きました。
あのあと妻がすぐに注文したのですね。
その日と3日後、蒸し料理を味わいました。
いろいろな食材を入れて試したところ、いずれも柔らかさと甘さがアップしていました。
お気に入りはキャベツと豚バラ、長いも。
パプリカも甘かったです。
せいろ1枚に1人分の食材を並べ、2段同時に蒸し、せいろを皿に載せポン酢で食べるだけ。
素材の味わいをアップさせて、シンプルな味付けで食べることってなんだか贅沢。
妻のお気に入りのワインなんか飲んじゃったりして。
これからはいろいろな食材を試そうと思います。

私の方も、切って蒸してポン酢で食べる以外の使い方を知りたくて、せいろレシピの本を購入。
ピーマンの肉詰めくらいはできそうなので、あまり難しくないレシピを選んで挑戦しようと思います。

ちなみに今回妻が用意したのは竹製のせいろ。
お手頃価格なのでお試しに購入したそう。
ネット情報によると竹製と杉製は1~2年使うと傷む消耗品とのこと。
しかも連続使用は30分まで。
せいろ料理が気に入ったら、高価なひのき製に交換したいと思います。
こちらは長時間の連続使用にも耐え、一生ものになるそうです。

番組では、仕舞い込むとなかなか使わないので見えるところにぶら下げておくと良いと言っていました。
我が家ではキッチンの壁に突っ張り棒をつけ、そこにぶら下げています。
これなら風通しがよい上、毎日目に入るので、頻繁に使いそうです。
せいろが届いて1か月ほど。
昨日は冷凍餃子を味わいました。
フライパンで焼いた餃子や水餃子も美味しいですが、蒸し餃子も美味しかったです。
焼き油やゆで汁の影響を受けないため、餃子本来の味わいを楽しめるので、一番好きな食べ方です。
今はこうしてハイペースで使っていますが、果たして1年後、せいろを使っているでしょうか?
それにはやはりレパートリーの拡大がキーになると思います。






コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその2316~ピカード

2024-01-16 12:03:54 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ピカードです。

先日、妻が珍しく居ない休日があり、久しぶりにチャンネル権を行使しました。
アマゾンプライムをチェックすると、お気に入りのスタートレックシリーズを発見! 
 「スタートレック ピカード」
知らないタイトルですが、ピカード艦長はよく知っています。
早速観ました。
随分年を取ったピカードが登場し、退役してから長い月日が経ったことがわかります。
そこへかつてのクルー・ビバリーから助けを求める連絡が入ります。
アメリカのTVドラマらしく3か所で並行して起きていることが描かれたり、回想シーンを
うまく挿入したりしつつ、スピード感たっぷりに物語が進みます。
無謀とも思える行動が次々飛び出します。
そのすべてが功を奏するばかりではなく、時には大きな失敗を招きつつも、トータルでは一歩ずつ前進していきます。
絶望的な場面を知恵を集めて乗り切る、というカーク艦長時代からの伝統も踏襲。
さらにライカー、セブン・オブ・ナイン、ウォーフそして〇〇や△△など懐かしい登場人物との絡みも格別。
(ここでは名前を挙げません。実際に観て懐かしがってください!)
毎日少しずつ観続けて、ついに全10話を観終えました。
いやー面白かった。
やっぱりスタートレックは人間ドラマが見どころです。

ちなみに本作はシーズン3とのこと。
ということはシーズン1と2もあるということですね。
順番が逆になりましたがそちらも観たいと思います。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその2315~日本SF大賞

2024-01-12 12:28:52 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、日本SF大賞です。

前に読んだ本が、専門用語が多くて読了までかなり時間がかかったので、次はサラサラ読めるものにしようと思い、積読をチェックして選んだのは2023年2月に第43回日本SF大賞を受賞した小田雅久仁・著「残月記」。
いつ購入したのか記憶がありません。
知らない作家の知らない作品なのできっと新聞書評でも読んで買ったのでしょう。
本書は本屋大賞にもランクインしており、読んでみるととても読みやすいです。
第一話では、家族の日常風景を丁寧に描写していると思ったら、突如主人公が不思議な世界に入り込みます。
馴染みある世界で、もし自分だけが別人になったとしたら、という面白い着想から物語を広げています。
第二話でも、別の主人公が不思議な世界に入り込みます。
ただしこちらは全く別の世界でそこの住民の体に入り込む、というお話です。
第三話は、タイトル作。
月を見ると人格が変わってしまう病にかかった主人公のお話。
それだけではなく西日本大震災後に日本経済が悪化し、国家体制が大きく変わっているという設定は何だかリアル、恐ろしいです。
さらに剣闘士や月世界の住民としての生も体験するのですから不思議、不思議。
こういう奇想天外な設定ながらラブストーリーとしてうまくまとめているのは見事。
読みごたえがある作品ぞろいでした。

(おまけ)
久しぶりにSF小説を読みました。
本書の著者は初めての方でした。
日本のSF作家といって真っ先に浮かぶ名は小松左京と星新一。
この2人の作品は若いころ何冊か読みました。
現代を予言するような作品もありました。
小松左京は「復活の日」、星新一は「声の網」などがまさにそう。
むかし日本のSF作家たちが連れ立ってアメリカを自動車旅行したときに、小松と星を同じ車に乗せなかったと読んだことがあります。
万が一事故になったときに2人の天才を同時に失うことを恐れたからだとか。
同業の作家たちから、そういう目で見られていたのですから本当の天才だったのでしょう。
ところで最近はそういう天才的な日本人作家っているのかな?








コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその2314~黒木真白

2024-01-08 12:46:01 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、黒木真白です。

お風呂で使っている木製の桶とイスが黒カビで汚れてきました。
使用後はせっけん分を落とし、バスタオルで拭いて、浴室外で乾燥させるなどして気を付けていたのですがダメでした。
そこで黒カビを落とそうと思い、直接肌に触れるものなので、できるだけやさしい洗剤を使いたいと考えました。
ネットで調べると「重曹ペーストを塗り、ブラシでこすり落とすと良い」と書いてありました。
重曹のように口に入れても良いものなら絶対安心。
大掃除で実行しました。
ところが黒ずみが少しだけ減ったような気がする程度・・・。
こりゃだめだ。

そこで改めてネットで調べると「黒木真白」という黒カビ落としがあることを知りました。
これ、塩素系で効果抜群なのに中性ということで、木製浴槽などへの使用に適しているのだそう。
サンプル画像では黒ずみがかなり落ちています。
早速注文して試してみました。

サンプル画像ほど落ちるとは思いませんが、黒ずみが目立たないように減ってくれれば良いと願いつつ、イスと桶に使いました。

プラスチック容器に黒木真白を適量入れて水を足してハケで溶かしました。
希釈濃度が20倍くらいになるように作りましたが、計量していないので適当です。
ちなみに黒木真白は液体だとばかり思っていたら、顆粒状の白い粉末でした。
溶かし終え、塩素系ということで換気に注意しながらビニール手袋での作業となりました。
浴室でイスと桶の黒ずみに塗り塗り。
時間をかけて繰り返し塗っている内に、徐々に黒ずみが薄くなってきたような気がしました。
そして水シャワーで隅々まで洗剤分を落として、乾いた雑巾で水気を取り、乾燥させました。
随分黒ずみが落ちたように思いますが、乾燥させてみないと確実なことは言えません。
待つこと2時間。
まだ完全に乾燥してはいない時間ですが、妻が見に行って「すごく落ちてるよ」と教えてくれました。
見に行くと確かに激落ちしています。
まさにサンプル画像通り!

その後お風呂で使いましたが塩素の臭いもほとんどなく、快適に使えました。
実に素晴らしい洗剤です。おすすめします!

今回の反省点。
黒ずみがひどかったので希釈濃度を通常使用の10倍にしたため、白木部分が黄色く色づいてしまいました。
まったく黒ずみがないところには塗らなかったので、そこだけ白く残ってしまいました。
全体に均等に塗った上で、黒ずみのところだけ繰り返し塗った方が良かったです。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその2313~海にしずんだクジラ2

2024-01-06 12:21:57 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今年初めての更新です。
今回のお気に入りは、海にしずんだクジラ2です。

絵本「海にしずんだクジラ」の感想です。

クジラは毎年7万頭も死んでいます。
その後の様子が明らかになったのは近年になってから。
ただ観察例が少ないため、いまだに詳しいことはわからないそうです。
研究により明らかになった大自然の命の循環。

「鯨骨生物群集」と名付けられたクジラの死体に群がる生物群は、時の経過ともにどう変遷していくのか。
本書に丁寧に丁寧に描かれています。
こりゃたまらん。
あまりに興味深くて3回続けて読み返しました。
ざっくり言うと、深海性のウナギやサメなどが肉を食べ、カニやエビ、ナマコなどが残った小さなかけらを食べます。
残った骨の内部をホネクイハナムシが大群で食べ、残った骨はバクテリアが食べます。
そのバクテリアが出すガスを栄養源にする微生物が大量発生し、広々としたマットを形成します。
そのガスや微生物を求めて貝やウロコムシ、チューブワームが集落を形成します。
こうしてクジラの体がすべて食べ尽くされると「鯨骨生物群集」は終了です。

クジラが海底に沈み、見事に分解されるまでの50年間に何百種、何百万の命が育まれました。
こうした命の循環が世界中の海で繰り返されていることを知り、小さな感動を覚えました。

本書に登場する生き物が巻末に紹介されていました。
驚いたのはその寿命の長さです。
ヌタウナギ40年、イバラヒゲ60年、ズワイガニ20年。
栄養の乏しい深海では成長も緩やかになり、自然と長寿命になるのだと思います。
また巻末に紹介された生き物には天敵や寿命が不明のものがとても多かったです。
まだまだ事例が少なく、解明はこれからということでしょう。

今後研究が進み、どんなことが明らかになるか、とても楽しみです。




コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする