鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1395~影ぞ恋しき

2017-07-31 12:17:46 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、影ぞ恋しきです。

7月31日、北海道新聞朝刊の連載小説「影ぞ恋しき」が終了しました。
この作品は葉室麟のシリーズ三作目ということで、登場人物の説明がないままにストーリーが展開していきました。
それらを知るために連載開始早々に前二作を読み、本作に追いつくことができたことも今となっては良い思い出です。

本作では終盤、無敵の主人公・蔵人が決闘の最中に鉄砲で撃たれ、生死の境をさまよい続けます。
最終回が徐々に近づいてきたにもかかわらず、蔵人の無事が確認できない時期はとても辛かったです。
もしかしたら死んでしまうかもしれない。
三部作というのは切りがいいから、ここで完結してもおかしくない・・・。
娘の許嫁という跡継ぎもできたことですし・・・。

7月後半は毎日ハラハラしながら読んでいました。
ある日「10日後、蔵人は夢を見ていた」という文章を見つけ、小さくガッツポーズ。
蔵人は生きており、妻の到着を待っていたのでした。
しかし蔵人は、将軍の弟から愛する家族を守りきることに成功したことですっかり満足し、このまま死んでも本望、と目を閉じようとします。
周囲の人々は口々にこれからが大切と訴え、彼は徐々に生きる気力を取り戻していきます。

最後は宿敵・右近とすれ違い、互いの無事を心中で喜ぶ合うシーンで終わります。
命のやり取りをした者同士が心の友として思い合う。
いかにも著者が好みそうな結末。
今回も心穏やかに読み終えることができました。

ということで久しぶりの新聞連載小説を読み切りました。
普通の読書のように好きなだけ読みたい!というストレスを感じながら。

現在、日経新聞に伊集院静の「琥珀の夢 小説、鳥井信治郎と末裔」が連載されています。
大好きなウイスキーに関する小説ですが、ストレスを避けて手を出していません。
開始から1年を過ぎましたのでそろそろ終了でしょうか?
早く書籍化して欲しいものです。

さて今回は、葉室作品を時間が許す限り読みたいという思いが心に残りました。
唯一の在庫「川あかり」に手をつける時が来たようです。










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1394~高野和明

2017-07-29 12:15:20 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、高野和明です。

久しぶりに高野和明を読みたくなり、選んだのがこれ。
「グレイヴディッガー」

2002年発行ということは15年前。
随分前の作品です。
名作「ジェノサイド」の興奮を思い出しつつ読みました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
中世の魔女裁判期に登場した殺人鬼「グレイヴディッガー(=墓堀人)」をまねた大量殺人事件が発生した。
煮えたぎった浴槽に浮かぶ変死体。
偶然にもそれを発見してしまった主人公・八神は、謎の集団に追われることになる。
今までの悪行をかえりみて挑もうとしている、人生初の人助け「骨髄提供」を全うするため、八神は逃げる。
カルト集団や公安警察の手をかいくぐっての逃亡劇。
はたして無事病院にたどり着けるのか…。
現行の死刑制度に対する深い考察を交えた珠玉のミステリー『13階段』で、第47回江戸川乱歩賞に輝いた新鋭による受賞後初の長編。
主人公の逃亡を主軸に連続殺人を扱った本書はスピード感と臨場感にあふれ、前作より一層エンターテイメント性を強調した作品に仕上がっている。
とくに、冒頭に描かれた変死体の様子やクライマックスの「グレイヴディッガー」登場場面などの描写は、これまで映画やテレビの脚本を手がけてきた著者ならではの迫力に満ちている。
また、フィクションとしてのおもしろさを追求する一方で、中世の魔女裁判の残虐さや、現代日本で「正義のため」に違法行為が許される公安警察をひきあいに、「正義とは何か」を問う姿勢も感じられる。
これは、前作から一貫した著者の主題でもある。
本書は、この重い主題を巧みに料理した娯楽大作といえよう。(冷水修子)
=====

本書はサラサラ読むことができ、スピード感ある展開を楽しむことができます。
読みながら、何度も既視感に襲われました。
初めて読んだはずなのに。
ストーリー展開が見え見えだからでしょうか?
AMAZONの内容紹介がネタバレだからでしょうか?

なかなか予想外の展開にならないため、いまいち盛り上がりに欠けます。
そんなことをちょっぴり残念に思いながらも、全体的にはノリノリで読み切りました。

「ジェノサイド」を二回り小さくした作品として、十分満喫することができました。

でも最後の最後まで既視感から逃れることができませんでした。
なぜかな?
まさか、と思い、自分のブログを検索しました。
すると何と、4年前に本書を読んでいたという衝撃の事実が明らかになりました。

もともと海馬の小さな私ですが、わずか4年前に読んだ本を忘れるとは情けない。
親の老いばかりを心配している場合ではないな、と自戒した出来事でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1393~手塚治虫

2017-07-27 12:23:28 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、手塚治虫です。

手塚治虫が少年時代に書いた「昆虫つれづれ草」の復刻本を読みました。
手業が光る博物画が大好きなので、手塚が丹精込めて描いた昆虫図版をじっくり堪能しようと考えたからです。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
漫画の神様として数々の名作を残してくれた手塚治虫さん。
実は、ペンネームに虫の一字をつけるほど熱烈な昆虫少年でもありました。
その手塚さんが、16歳のときに手書きで作った未発表作品「昆虫つれづれ草」を復刻出版しました。
といっても月刊「ラピタ」誌上で昨年11月号まで連載していたものです。
ただ戦時中の作品ですから、旧漢字旧仮名なのはいうまでもありません。
そこで単行本化にあたっては現代仮名遣いに直し、より多くの方に親しんでもらえるようにしました。
中学生の手塚さんが、朱色を出すためには自らの血を使うなど、ひとつひとつペンでていねいに描いた昆虫図鑑、戦時下の人間社会に対するさまざまな思いを綴ったエッセイ、さらに自らの少年時代をモチーフにした「ゼフィルス」、昆虫を素材にした「インセクター」の2つのコミック作品も掲載しました。
その信じられないほど、まばゆく豊かな才能と感性には、たとえ虫に関心のない方でも、きっと感動されることでしょう。
=====

奥本大三郎のあとがきを読んでナルホドと思いました。

昆虫の生態に関する難解かつ詳細な文章は、当時有名だった書籍を手塚なりに書き改めたものだそうです。
道理で妙に大人びている上、自身の体験が含まれていないため、読みづらかったです。
また細密な昆虫図版は、当時有名だった図鑑を描き写したものだそうです。
モノ不足の折り、印画紙に描いたそう。
前半は随分丁寧に描いているなぁと感心しましたが、後半はかなり雑に描いていました。
あれもこれもやりたくて時間がなかったのかな・・・。

奥本によれば丁寧に描いているようにみえる図版も素人の出来だそうです。
蝶の羽が左右対称でない。
甲虫の脚の位置が正確でない。
これは研究者のように方眼紙や定規を使わず、フリーハンドで「絵」として描いたからだそう。
この辺りに、後に漫画家になる絵描きとしての姿勢がみえた気がします。

文章の中にはストーリーテラーとしての魅力にあふれたものもありました。
「踊り出す首」は最高ですね。
壊れた標本箱の中で、ヒラタクワガタの首がカタカタ動きます。
ヘビの死肉の上で捕まえたヒラタクワガタ、という書き出しから不気味だったので、ホラー小説かと思いましたが、結果的には共鳴現象でした。
太鼓の音に共鳴して動いていたのです。
共鳴現象の一例として紹介した話も面白かったです。
きちんと並べてもいつの間にか向い合せに立っている夫婦の位牌の話です。
夜通し見張った者がその原因を発見しました。
朝、隣の米屋が玄米をつきはじめると、位牌がその振動によりだんだん動くのだそう。
さすがは手塚という作品でした。

奥本は、手塚を膨大な仕事量をこなした天才として絶賛していました。
漫画やアニメの向上に生涯をささげた手塚の功績は誰もが認めるところでしょう。
今やマンガとアニメの先進国として世界に知られる日本の礎を築いた偉人です。
そんな彼の少年時代に触れることができたことは、なかなか魅力的な経験でした。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1392~縄文

2017-07-25 12:36:51 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、縄文時代です。

これまで何度か書きましたが、今回もお気に入りの縄文時代の話です。
前から気になっていた「知られざる縄文ライフ」という本を読みました。
イラストをふんだんに使って縄文時代の生活を詳しく紹介していました。

構成は
第1章 縄文人の姿と暮らし
第2章 縄文人の一生
第3章 縄文人と食
第4章 縄文人の祈り
と、いたってシンプル。
ご先祖様の暮らしぶりがより身近に感じられる良書です。

面白かった話をいくつか紹介します。

ダイズはもともと日本列島に自生していたツルマメという野生種を栽培化したもの。
またヤブツルアズキを栽培化したものがアズキと考えられる。
縄文前期から中期にかけてマメ類は急激に大きく変化している。
1000年もの間、大きなものを選んで蒔くことを繰り返した結果である。
三内丸山にはクリだけの森がある。
しかも大きな実をつける木ばかり。
長い時間をかけて管理して作りだした森だ。

岡本太郎は、1951年に縄文土器を見て強い衝撃を受けた。
「なんだこれは!」
当時、土の中から見つかったただの遺物と考えられていた。
彼が「縄文土器論」を発表すると一変。
「美」という観点が生まれた瞬間だった。

北海道は山海の食料が豊かだったため、米作りを選択する必要がなかった。
北海道だけ弥生時代がなく、続縄文時代になったのはそれが理由である。

最後の話だけ事実と違うと思います。
北海道は寒すぎて米が作れなかったのです。
北海道の米作は、明治初期、赤毛というたくさん毛の生えた品種を使い、用水路に工夫をこらして水を温めることで、ようやく栽培に成功しました。
その功労者・中山久蔵の記念館には明治天皇、大久保利通などの感謝状が展示されていました。

細かい部分を指摘したら、もっといろいろありますが、以下省略。
縄文ライフの啓蒙書としておすすめしたい本です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1391~小畑千代

2017-07-22 12:22:32 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、小畑千代です。

みなさんは小畑千代をご存知ですか?
伝説の女子プロレスラーだそうですが、私は初めて耳にする名前でした。

HONZで紹介されていた、秋山訓子著「女子プロレスラー小畑千代――闘う女の戦後史」が面白そうだったので読みました。

まずはAMAZONの内容紹介を引用します。
=====
日本の女子プロレス伝説のチャンピオン、小畑千代。
女子プロレスはアメリカからもたらされ、日本独自の展開を遂げた。
小畑は1955年にデビュー、力道山と同時代を生きた。
知られざる女子プロの草創期、驚異の視聴率を叩き出した初めてのテレビ放映、そして基本条約締結直前の日韓友好試合や復帰前の沖縄興行など、豊富な歴史秘話やエピソードと共に描く、元祖「闘う女」の肖像。
=====

著者は小畑を「戦後新憲法のもと男女平等を身をもって示した女性ヒーロー」として描いています。
そして女子プロレスというショースポーツが、なぜ面白いのかを噛み砕いて説明するとともに、その素晴らしさを称賛しています。
=====
女性ならではのスピード感、機動力、柔軟性。
さらには見目麗しさ。
アクロバティックな技とパワー。
また、ショースポーツならではの演劇的な面白さもあった。
優れたプロレスラーは俳優並みの演技力と、名監督の演出力を持つ。
観客を惹きつけ、手のひらに載せて楽しませなければならないのだから、あたりまえかもしれない。
また「お約束」をして満足させてくれることも必要なのだ。
歌舞伎俳優が見栄を切るように。
決め台詞を放つように。
=====

これを読んだときに、若い頃に観戦したアンドレ・ザ・ジャイアント対ハルク・ホーガンを思い出しました。
その日はテレビ中継が無い日で、どのレスラーもイマイチ、力が入っていませんでした。
セミファイナルも同様。
おざなりな試合運びの後、そろそろ終わらせようか、という雰囲気が二人に出始めたころ、友人と私は「ホーガン」「ホーガン」とコールを始めました。
やがて会場中からの大コールになり、ホーガンは会場を見渡して満足そうにうなづくと、これまでの劣勢を一気に跳ね返したのでした。
会場は大盛り上がり。
アンドレとホーガンが会場の空気を読んで、観客との一体感を演出してくれたおかげでした。
なるほど彼らは、名優かつ名監督の力を持つ一流レスラーでした。

さて本書の主人公・小畑千代は引退宣言をしていないそうです。
80歳を過ぎた今も、エアロビなどで体力維持に努めており、リングに上がる準備を怠っていません。
パンチパーマで眼光鋭いその容姿は、彼女の伝説がまだ続いていることを示しています。
彼女には、今は亡き梶原一騎の「プロレススーパー列伝」に登場して欲しかったなあ。
まさに本物のプロレスラーなのですから。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1390~芸術の森

2017-07-20 12:27:45 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、芸術の森です。

妻のリクエストに応え、久しぶりに芸術の森美術館に行ってきました。
今回の企画展は浮世絵師の歌川国芳!
と思っていたら、館内に入って気付きました。
弟子の月岡芳年の企画展でした。
血みどろ、ド派手な作品を描かせたら右に出る者がいないといわれる、あの絵師です。
ヒーローと敵役の戦闘シーンは、まるで劇画タッチ。

月岡芳年の作品をこれだけまとめて鑑賞したのは初めて。
これまで作品鑑賞は、国芳の企画展にゲスト展示されていただけ。
ただ「月岡芳年 幕末・明治を生きた奇才浮世絵師」というお気に入りの画集でたっぷり鑑賞していたので、初めてという気がしませんでした。

もし月岡芳年と知っていたら、画集で復習してから行ったのに!
そうすれば鑑賞の深さもおのずと違ったはず・・・。

それもこれも妻のリクエストに生返事をしていた罰。
次からはもっと真剣に対応したいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1389~いちまいの絵

2017-07-18 12:12:16 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、いちまいの絵です。

原田マハの美術モノ「いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画」を読みました。
今回は小説ではなくエッセイです。
作品と展示している美術館を紹介する文章は、アート好きにはたまりません。
さらさら読める美術書です。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
アート小説の旗手として圧倒的人気を誇る原田マハが、自身の作家人生に強い影響を与えた絵画はもちろん、美術史のなかで大きな転換となった絵画や後世の芸術家に影響を与えた革新的な絵画などを厳選。
画家の思い、メッセージ、愛や苦脳を、作家ならではの視点で綴る。
『楽園のカンヴァス』でモチーフとなったルソー、『ジヴェルニーの食卓』で描かれたモネ、『暗幕のゲルニカ』のピカソといった、原田作品ではおなじみの絵画はもちろん、古典、日本画、現代アートを含む全二六点を掲載。
豪華カラー図版収録。
=====

著者は「私はもはやアートの専門家ではないので、作品の輸送や保険に関して考えるという雑音が無くなり、絵の中から再び声が聞こえるようになった。」と書いています。
アートの専門家と、アート好きの違いって大きいのですね。

またピカソの作品については「鑑賞」ではなく「体験」だと書いています。
あのインパクトはまさに体験。
納得です。

理解のできない抽象画が何枚か取り上げられていました。
解説ページを読むことで、作品の良さを理解することができるかと期待しましたが、無理でした。
抽象画を評価する文章までも理解できないなんて・・・。
原田マハで無理ならあきらめるしかありません。

それでも26枚もの名画をガイドしていただいたことは素晴らしい体験でした。
ぜひ続編を期待します。

最後に。
本書の題名は、なぜ「いちまい」がひらがななのでしょうか?
確かに「一枚の絵」という題名の本がいくつかありますが、そこは副題で区別できるはず。
若いころに「いまいち」というあだ名の少し頼りない後輩がいたため、本書の題名をつい「いまいちの絵」と読み間違ってしまいます。
これではアート気分が台無し。
やっぱり「いちまい」は漢字にして欲しかったなあ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1388~海賊と呼ばれた男

2017-07-14 12:13:17 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、海賊と呼ばれた男です。

先日、映画DVD「海賊と呼ばれた男」を、何とか観ることができました。

その日は仕事が休みでしたが、朝一で病院に行くことと、午後から業界団体のお手伝いに行くことが決まっていました。
2つの予定の間には、3時間ほどの空き時間がありました。
このチャンスを逃してはいけません。
昼食を作り、食べ、着替える。
それ以外の時間はすべて映画鑑賞。
エンドロールを途中で省略して、急ぎ家を後にしました。

こうしてギリギリ観ることはできましたが、時計を気にしながらの映画鑑賞は二度と御免!と思いました。
映画が終わった瞬間に時計を見てホッとした、その気持ちが我ながら情けないです。
映画を観終わり、しばらく余韻を楽しみ、あのシーン、このシーンを振り返る。
それまでを含め、すべてが映画鑑賞です。
それなのに時計を気にしながら観るなんて・・・反省!

さて愚痴はこれくらいにして、映画の感想を少々。
社員を家族と思い、どんな窮地も共に乗り越える主人公の姿は感動的でした。
また映画の冒頭での、主演の岡田准一の第一声が素晴らしかったです。
実に迫力ある、腹の底から出る太く大きな声。
まさに海賊らしい声。
ああいう声が出せるのですね。
正直、堤真一の方が向いているのでは?と思っていたので、あの第一声で納得させられました。
岡田准一はいい役者ですね。

ただ「永遠の0」の最強チームが再び!というコピーの通りかというと・・・。
残念ながら前作を超えるほどの出来ではありませんでした。
原作の感動をうまく映像化できていなかったことはとても残念でした。

経済的困窮を強いられていたイランに、田岡徹造が日昇丸を差し向けたシーンが特に物足りなかったです。
当時、石油メジャーの搾取を拒否したため欧米諸国から睨まれていたイランに、救いの手を差しのべる国はありませんでした。
欧米諸国の報復を恐れたからです。
そんな中でイランを救った日本は中東諸国の信頼を得ることとなり、この後、産業のコメというべき石油を有利な条件で輸入することで、高度成長へ歩を進めることになります。
この辺りの説明は、映画の流れの中では難しかったかもしれませんが、イランが国を挙げて喜び感謝する様子をもっともっと派手に描くことで表現できたのではと思います。

これこそ、たった一人の男の無謀ともいえる英断が起こした奇跡だったのですから・・・。

他にも、私心を挟まず、強い信念から発せられた英断に感動させられるシーンがありました。

敗戦国・日本に余分な石油を持たせないために、GHQは石油の禁輸を命じていましたが、国内各所にある旧日本軍施設のタンク底に残った残滓を手作業で汲み上げることで、見事輸入開始を勝ち取ったシーン。

国内石油市場の独立性を守るために、メジャーの資本提携を拒み続け、その挙句に販売ルートをすべてつぶされたシーン。

これらのシーンは感動的に描かれていたと思います。
自らを窮地に追い込む決断というは下し難いものですし、その後の状況はまるで天が彼を救ったように見えました。

星4つとしておすすめできる映画でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1387~MRI体験

2017-07-12 12:23:47 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、MRI体験です。

先日初めてMRI(磁気共鳴画像)を体験しました。
これまでのものより音が小さい機械とのことでしたが、耳をふさいでもらったにもかかわらず、何種類もの大きな音が聞こえました。
わずか10分ほどの検査の後、画像を見せてもらいながら、医師の診察結果を聞きました。

脳腫瘍が無い、脳梗塞の痕跡が無い、血流の悪い箇所が無い、動脈瘤になりそうな箇所が無い、大脳・小脳・脳幹などが正常。
つまり頭の中には問題が無いという診察結果でした。

コンピューター処理された検査データは、いろいろな画像に加工でき、多くの診断ができることは想像していました。
でも実際に自分の脳ミソや脳血管を間近に見る日が来るとは!
痛い思いをせずにここまで調べられるなんて、技術の進歩に感謝です。

以前両手に力が入らない、という友人がMRI診断を受け、将来動脈瘤になる可能性がある、という脳血管が見つかり、予防的治療をしたことがありました。
自分にもそういうものがあるかも、と思っていましたが、無くて一安心しました。

さて今回のMRI体験に至った経緯は以下の通りです。

①遠くのものが見えづらく、運転しづらさを感じた
②眼鏡屋さんに眼鏡を作りに行った
③短期間に随分視力が落ちているということで、眼科での診察をすすめられた
④眼科の診察結果は、白内障や緑内障などの影響はそれほどでもないとのこと。
⑤ついでに眼科で眼鏡を処方してもらったところ、眼鏡で矯正できない「物が二重に見える」という症状があることが判明。
⑥脳神経外科の診察を受けることになった。

ということでしたが、脳神経外科では「物が二重に見える」ことの原因が判明しませんでした。
再び眼科で原因さがしをお願いすることになります。
早く原因が判り、治るといいな。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1386~DVD鑑賞

2017-07-10 12:09:14 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、DVD鑑賞です。

前からストックしていた映画DVDを鑑賞しました。
「バイオハザード ザ・ファイナル」と「スタートレック BEYOND」の2本です。

どちらも有名なシリーズ物なので内容紹介は省略します。
そしてどちらも余り頭を使わないで映像を楽しむ作品。
さらにシリーズの中ではそれほど出来の良い作品でなかったことまで共通していました。

よくもまあ、あれだけ短い間隔で衝撃シーンを入れるものです。
まさにジェットコースター・ムービー。
当初の予定通り、お気軽な映画鑑賞で溜まったストレスがスッキリしました。
あえて感想を書くと、
「バイオハザード」は、暗いシーンが多くて画面が観づらすぎ。
「スタートレック」は、スポックとウフーラの愛の行方にも時間を割くべき。
というどうでも良い感想しか思い浮かびません。

チャンネル権が無いため、次に鑑賞できるのはいつかな?
できれば早い時期に「海賊と呼ばれた男」を観たいものです。

そうそう「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」は、妻が4D吹替を観に行きたいといっていましたから、そちらが先になるかもしれません・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする