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鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代半ばのオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1949~動物化石10種セット

2020-10-30 12:15:05 | 鬼平
今回のお気に入りは、動物化石10種セットです。
先日ヤフオクで「動物化石標本10種」が出品されていました。
いつかは手に取り観察したいと思っていた三葉虫の化石も入っていて10種で1000円とはお買い得!
試しに入札したらそのまま落札してしまいました。
到着後ひとつひとつを手に取りじっくり観察しています。
中でも三葉虫、直角貝、古代イカの殻、アンモナイト、古代サメの歯はずっしりと重く、いかにも化石を手にしていると実感できます。
また二枚貝に似ているのに全く別の種である腕足動物に属する化石が2種入っていて、その再現図に興味津々。
これまで気まぐれな買い物は失望の方が多かったですが、今回はまぐれ当たり。
満足感がとても高かったです。
以下は付属ラベルの簡単な解説文にいろいろ調べて補足した自分用のオリジナル解説メモです。
文章をまとめながら気づいたのは①から⑩にかけて地質年代の古い順に並んでいたこと。
いくら地質年代に不案内とはいえ気づくのが遅すぎ!と自分にがっかり。
でも化石について調べていろいろなことがわかってくるのはとても楽しいです。
近頃は化石の図鑑が一冊くらいあってもいいかな、なんて考えています。

(動物化石標本10種セット 大江理工社) 解説メモ
=====
①カリメネ
 Calymene
 産地 モロッコ
 カリメネは大型で5億年前の三葉虫。
  ※5億年前 → 古生代カンブリア紀(5億4100万年前~4億8540万年前)
 三葉虫は節足動物に属し、最初に目を持った動物。
 古生代(5億4100万年前~2億5190万年前)全体に生息したが、前期が全盛時代で
 その後は魚類や頭足類の出現で衰えていった。
 海底の泥の中の有機物や海草のようなものを食べ、脱皮を繰り返して成長した。
 4mmに満たないものから70cmに及ぶものまでいた。
②ビルゴセラス
 Virgoceras sp オウムガイ亜綱 Orthocerida
 古生代シルル紀(4億4380万年前~4億1920万年前)
 産地 Tindohf,Basin,Morocco
 オルソセラスとしての解説ばかりだったのでそちらを引用する。
 チョッカクガイ(直角貝)ともいわれオウムガイやアンモナイトの仲間で
 殻がまっすぐのタイプ。
 たくさんの隔壁に仕切られていて中央に体管が通っている。
③キルトスビリファー
 Cyrtospirider sinensis 腕足動物スピリファー目
 古生代デボン紀(4億1920万年前~3億5890万年前)後期
 産地 中国広西省六景
 中国では海燕の化石と考えられており「石燕」と呼ばれていた。
 生きた化石と呼ばれるシャミセンガイの祖先。
 どちらも見た目と違い軟体動物の貝ではなく独立した種・腕足動物に分類される。 
④カニニア
 Caninia torquia
 四放(四射)サンゴ目 Stauriida
 古生代石炭紀(3億5890万年前~2億9890万年前)後期
産地 Brown Co Texas
 最初に出現したサンゴ類。
 オルドビス紀からペルム紀まで生息したが、石炭紀に最も繁栄した。
 円筒形の殻の内側にある隔壁が4または4の倍数になっている。
⑤リンコネラ
 Rhynchonella decorata Schlots
 腕足動物有関節綱リンコネラ目
 中生代ジュラ紀(2億0130万年前~1億4500万年前)中期 Bathonian
 (Bathonian → 1億6830万年前~1億6610万年前)
産地 Charlevilles,France
 二枚貝に似ているが後部にある肉茎で海底の岩などに付着していた。
⑥ペリスフィンクテス
Perisphintes Sp
アンモナイト目 Perisphinctaceae
中生代ジュラ紀(2億0130万年前~1億4500万年前)後期 Oxfordian
 (Oxfordian → 1億6350万年前~1億5730万年前)
産地 Ron,South France
 この時代の示準化石だそう。
 化石セブンさんというネットショップで一番しっくりくる説明を
 していたので引用する。
 「ゆる巻きアンモナイトで、狭く連続した肋が特徴」
⑦モササウルス プラテカルプスの歯
 Plitecarpus sp.
 中生代白亜紀(1億4500万年前~6600万年前)後期
 海鰐類と呼ばれる海生トカゲ
 白亜紀に現れ、全世界に分布を広げた。
 モササウルスの仲間で肉食の爬虫類。
 体長は4~5mでモササウルスの1/3ほど。
 産地 Ovep-Zem Morocco 
⑧ベレムニテラ(ベレムナイト)
Belemnitella mucronata
頭足類矢石
 中生代白亜紀(1億4500万年前~6600万年前)後期 Upper Campanian
 (Campanian → 8350万年前~7060万年前)
産地 Hannover Deutschland
 軟体動物の頭足類であるイカに類似しており、コウイカの近縁らしい。
 体の後部から先端にかけて矢じりのような殻を持っていた。
 それだけが化石となったため矢石(やいし)と呼ぶことがある。
⑨ヌンムリテス(ヌムリテス、貨幣石)微球型
 Nummlites gizehensis Forkal
有孔虫類 Rotaliina 亜目 Rotaliacea
 新生代古第三紀始新世(5600万年前~3390万年前)
 産地 Calders,Barcelona,Spain
 単細胞生物である有孔虫は微化石が多い中、ヌムリテスは直径1~2cmの
 ものが多く、ときには10cmmに及ぶことがある。
 円盤状でぐるぐる巻いた殻をもつことから和名は貨幣石。
⑩ラムナ
 Lamna sp
 ネズミザメ目ネズミザメ科
 新生代古第三紀始新世(5600万年前~3390万年前)
 産地 Sidi-Daoui Morocco
 現代のネズミザメ科は大型のサメが多く、代表格はホオジロザメ。
 歯の特徴として鋸歯が無く刺すことを目的にしている。
=====



お気に入りその1948~たくさんのふしぎ 再び

2020-10-28 12:11:06 | 鬼平
今回のお気に入りは、「たくさんのふしぎ 再び」です。
しばらく読むのを休むと宣言した絵本「たくさんのふしぎ」ですが、タイトルを見かけるとつい目が止まります。
500冊を超えて発行されている上、その9割を読んでいないため、興味を引くタイトルだと内容までチェックしてしまいます。
気が付けば休憩宣言後にもかかわらず8冊も読んでいました。
言い訳ですが、8冊全てを購入した訳ではありません。
購入したのは5冊、妻が持っていたのが1冊、出版社がHPに無料公開していたのが2冊という内訳です。
結局、休憩宣言から1か月で5冊も買ったのは事実・・・。
一種の生活習慣病のようなもので、なかなか一気には止められないかもしれません。

①「チョウのすきな葉っぱのあじ」
出版社の内容紹介を引用します。
=====
モンシロチョウの幼虫はキャベツなどカラシナ科植物の葉を、アゲハの幼虫はサンショウなどミカン科植物の葉を食べる。
チョウの幼虫たちほど食べられるものが限られているものはいません。
気ままに飛んでいるようにみえるチョウたちですが、母チョウたちは、必死に子どものための食草を探しているまっ最中なのかもしれません。
チョウたちはいかにして決められた葉っぱに出会うのか、食草探しの世界をご案内します。
=====
著者・奥山多恵子さんの著書はどうも苦手。
でも前に読んだ「春の妖精たち(スプリング・エフェメラル)」よりは読みやすかったです。
チョウの幼虫はどうして限られた葉しか食べないのだろうか?
たくさんの種類を食べることができる方がたやすく生き残ることができるのではないか?
そんな疑問をスッキリ解消!とはいきませんでしたが収穫はありました。
いくつかご紹介します。
・母チョウは歯を前脚でトントン叩いて飛び回り産卵に適した葉をさがす。
 前脚に臭覚センサーがあるから。
・植物は葉を酸っぱくしたり、毒素を含ませたりして防衛する。
 カラシナ科の植物は葉の傷口からカラシ油を出して防御する。
 蝶の幼虫はそれを無毒化したり吸収しないで体外に出す仕組みをもっている。
・ジャコウアゲハのように成虫になっても体内に毒素を残し、鳥に嫌われるものもいる。
・母チョウは産卵前にたっぷり腹を満たす。
 エサは花の蜜や樹液は一般的だが、動物のフンの水分、アリマキの排出液というのも
 紹介されている。
 一番珍しかったのは、鳥のフンに自らのオシッコをかけて溶かし吸うというものだった。
 これなどはどうやって観察したのでしょうか?

②「アオムシの歩く道」
出版社の内容紹介を引用します。
=====
アオムシはモンシロチョウの幼虫です。
キャベツの葉を食べるアオムシが、足をすべらせて葉から落ちることはふつうありません。
ところが中には、ぼとんと地面に落ちてしまうアオムシがいるのです。
落ちてしまうアオムシと落ちないアオムシは、どこがどうちがうのか、落ちたアオムシを目撃した作者の観察と実験が始まりました。
=====
昆虫を観察し、実験することで昆虫の秘密が明らかになります。
まるでファーブル昆虫記のようで、ワクワクしながら読みました。
地面に転げ落ちるアオムシは老齢幼虫ばかり。
葉の上に戻してもまた転げ落ちます。
病気などで弱っているようには見えません。
著者は実験をしてみました。
若い幼虫と老齢幼虫をガラスの上で歩かせてみたのです。
見つけた違いは「糸」。
若い幼虫は自らが歩く道に8の字に糸を張りながら進んでいたのです。
だから葉の裏でも糸にぶらさがることで落ちずに歩けたのです。
ところが老齢幼虫はサナギになるときに大量の糸を使うため、歩行時は糸を節約しており、転げ落ちるハメになったのです。
本書には謎を見つけ、実験でその謎を解明するまでの手順が詳しく書かれています。
自分で問題を解決する力を身につけるために役立つ一冊です。

③「ゆかいな聞き耳ずきん」
出版社の内容紹介を引用します。
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ウグイスが「ホーホケキョ」と鳴くなら、さえずりが美しい鳥の代表と言われているクロツグミはなんといって鳴いているのか。
昔から研究者を手こずらせてきたクロツグミの鳴き声の謎の解明にいどんだ石塚さん。
その謎がとけたとき、クロツグミ1羽1羽の個性豊かな暮らしぶりが、目の前にあらわれてきたのです。
それは、まるで昔話にある、鳥の話がわかるという聞き耳ずきんを手に入れたようなできごとでした。
=====
たくさんの鳴き声パターンを持つため個体特定さえ困難で研究がなかなか進まなかったクロツグミ。
文字に落としやすい鳴き声だと気づいた著者は鳴き声を録音してノートに書きとり、分析を始めます。
その気づきから見えてきた4羽のオスとそれを取り巻くメスの暮らし。
メスがオスをめぐり取っ組み合いを演じたり、翌年メスが違うオスとつがったため寂しげなオスがいたり、若手の新参者が周囲の鳴き声を習得していく姿が観察されたり。
生態研究の面白さが感じられる一冊です。

④「太平洋横断ぼうけん飛行」
出版社の内容紹介を引用します。
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小さなプロペラ機に乗って、霧や寒さと戦いながら日本からアメリカへ初めて無着陸で飛んだ42時間の冒険飛行。
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1931年青森県三沢市の海岸を飛び立った冒険野郎2人。
世界一周記録を狙って断念した彼らが、たまたま耳にした太平洋横断記録レースに参加するため、日本に密入国し、スパイの疑いがようやく晴れて飛び立ちます。
戦前の日本ですから大変だったことでしょう。
燃料タンクの増設や機体軽量化のため離陸後とタイヤと脚部を落とすなどの工夫の結果、無事に太平洋無着陸飛行を成功させます。
世界一周挑戦のときに若手パイロットが何度も足を引っ張ったことが書かれています。
なぜそんな人とペアを組んだのか?
本書の最後にベテランパイロットに冒険に挑戦する資金を提供したのが若手の一族だったと明かされます。
我慢に我慢を重ね、ついに歴史に名を刻むことができて良かったですね。

⑤「カブトムシの音がきこえる 土の中の11か月」
出版社の内容紹介を引用します。
=====
カブトムシときいて思い浮かべるのは、あの立派な角をはやした成虫のオスの姿でしょう。
でもこの姿ですごすのは、約1年のカブトムシの一生のうちわずかひと月ほど。
それ以外の時期は地面の下でひたすら腐葉土や朽ち木を食べてすごしています。
最近のさまざまな研究により、これまでわかっていなかった幼虫たちのくらしぶりがあきらかになってきました。
幼虫たちは土の中で“群れ”をつくってくらしていたのです。
=====
本書を読む前はカブトムシの幼虫が群れで暮らしていることに深い理由があるとばかり思っていました。
ところがその理由が堆肥から発生する二酸化炭素の濃度が高い方へ全員が移動するから、という単純なものだったのですっかり肩透かしを食らいました。
本書のタイトルの「カブトムシの音がきこえる」も何だかあいまい。
タイトルと内容紹介に少々サギの香りがします。
でもカブトムシに関する目新しい事実が多く書かれていたことも事実。
その部分がとても気に入りました。
ちょっと紹介します。
・カブトムシのメスは堆肥の中にもぐり、後ろ脚で土をこねて10mm程の球を作り、その中に卵を1つ産む。
・それを一晩に数回ずつ、寿命が尽きるまで続ける。
・幼虫は頭と脚を大きくするために2回脱皮する。
・幼虫のエサは堆肥だけではない。土中の微生物からたんぱく質を、カビから糖類を吸収することで見る見る大きくなる。
・幼虫は自らのフンと吐き出す液体で土を硬い殻にして、その中で蛹になる。
・他の幼虫が自分の殻に接近してくると殻を守るために、殻に体を打ち付けて「トントン、トントン」とモグラの擬音を出す。
・カブトムシの生息数は人間が落ち葉を集めて堆肥を作るようになってから一気に増加したはずで、それ以前はもっと少なかったと考えられる。

(おまけ1)
寄藤文平のイラストが入った本を集めている妻が持っていた「たくさんのふしぎ」です。
読んでみて驚き!
「たくさんのふしぎ」シリーズの中でトップクラスに文章量が多いのです。
読書習慣のない子は読み通すのが大変かもしれません。
⑥「みんなでつくる1本の辞書」
出版社の内容紹介を引用します。
=====
日本語を教えていた飯田先生は、ある日留学生に「どうして、にんじんも、電車も、柔道の勝負も「1本」と数えるの?」と質問され、返事に困ります。
意外なことに、はっきりとした答えをもっていなかったのです。
そこで、まずは、「1本」と数えるモノ・コトを集めて「1本の辞書」をつくってみようと思いたちました。
=====
「1本」がこんなに難しいとは思いませんでした。
ニンジンの1本は長いものをそう数えると説明できるにしても、列車や柔道の1本は説明できません。
本書にはさらにホームランや映画などたくさんの1本が出てきます。
どれも留学生が納得する説明はできそうにない難問です。
さらに羊羹はどの長さまでが1本でどこから1個か、という難問も登場します。
こんなに身近なところに難問があったことに驚きました。
勉強になりました。
なお北国の住民として一言。
スキージャンプも1本と数えます。
「1本の辞書」に加えていただくとうれしいです。

(おまけ2)
福音館書店さんが新型コロナウイルスで外出がままならない子どもたちのために「たくさんのふしぎ」を数冊無料で公開しています。
その内のお気に入りを2冊読みました。
⑦「宇宙とわたしたち」
出版社の内容紹介を引用します。
=====
140億年前、宇宙が誕生したとき、そこには水素とヘリウムしかありませんでした。
わたしたちの生命をつくる炭素や酸素は、どこにもなかったのです。
ではどうやって、生命をつくる物質はできたのでしょう? 
長い長い時間のなかで、星たちが生まれては爆発することを繰り返してきた、その壮大なドラマをたどり、わたしたちが生まれた秘密を明かします。
=====
私たちの体は筋肉と脂肪、骨などからできています。
そしてそれらは酸素や炭素、窒素、鉄、カルシウムなどたくさんの元素からできています。
それらすべては食べ物から吸収しています。
食べ物(肉や魚)の元をたどるとすべては植物にたどり着きます。
植物は土と空気と水、太陽の光で成長します。
土と空気と水はどうやってできたのでしょうか?
それらは暗黒星雲からでき、暗黒星雲は星々の爆発からできたのです。
まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」のように、私たちの体は星々の爆発とつながっているのです。
何とも壮大で悠久の時の流れの結果が私たちなのです。

⑧「野生のチューリップ」
出版社の内容紹介を引用します。
=====
チューリップはふつう、花壇やプランターで育てられますが、中央アジアのカザフスタンには自然のなかで咲くチューリップがあります。
野生のチューリップです。
いったいどんなすがたをしていて、どのような場所で咲いているのでしょうか。
現地を旅した作者が出会った、美しくたくましい野生のチューリップたちを紹介します。
=====
チューリップの原種は中央アジアからアフリカにかけて生きていました。
著者はカザフスタンを訪れます。
そこには砂漠や荒れ地、高地などで乾燥と寒さに耐え、10年以上の時をかけてタネで増えるチューリップがいます。
厳しい環境でゆっくり成長するチューリップを現在の園芸品種に改良するまでの道のりについても知りたくなりました。
以前、「たくさんのふしぎ」シリーズの「木? それとも草? 竹は竹」で、竹は何十年も花が咲かないため、品種改良が全くされていないと知りました。
10年以上かけて種を取るチューリップも品種改良に長い年数がかかったはず。
球根で増やすことができるようになってから一気に品種改良が進んだのだろうな、と想像します。
原種を調べることって他の園芸植物や野菜・果物、ペット・家畜なども面白そうです。

「たくさんのふしぎ」ってやっぱり面白い!
今回も好奇心をたっぷり刺激されました。



お気に入りその1947~絵本2冊

2020-10-26 12:30:26 | 鬼平
今回のお気に入りは、絵本2冊です。
読み終わった本は出来る限り古書店に持っていくようにしています。
いつもだいたい手提げ袋2つくらい。
前回は何かキャンぺーンの日だったようで買取金の他に金券をくれました。
先日、交換期限が過ぎる前に本に替えようと思い、その古書店に行きました。
時間をかけてあちこちの棚をウロウロしましたがなかなか欲しい本が見つかりません。
途中、自分が売った本を何冊も見かけ、まだ売れていないんだ、売値が高いのかな?などと余計な心配をしたりして・・・。
結局自分好みの絵本を2冊見つけて買ってきました。
本屋さんをブラブラするとこういう偶然の出会いがあって良いものです。
何事もデジタルとアナログのバランスが大切なようです。
①グーテンベルクのふしぎな機械
AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
〇出版社からのコメント
本は、どのようにして誕生したのか?
中世ヨーロッパの人々の暮らしぶりをあざやかに伝える美しき歴史絵本です。
「印刷機のできるまで」がテーマですが、当時の人々の服装や働きぶり、そしてバックに描かれた草花まで、イラストがこまやかに描きこまれていて、とにかく色がキレイなのです!
子どもだけでなく、大人も楽しめます。
印刷された本への愛情と、職人たちへの思いが込められた秀作です。
電子書籍も便利ですが、「紙の本」のよさをあらためて実感できます。
〇内容(「BOOK」データベースより)
ぼろきれと骨から紙を。
ススと亜麻仁油からインクを。
そして、鉛と錫から活字を…。
グーテンベルクは、どのようにして、それまでだれも見たことのなかったこの、ふしぎな機械を作りあげたのか?
活版印刷誕生の秘話。
中世ヨーロッパの人びとの暮らしぶりを、あざやかに伝える美しき歴史絵本。
=====
とにかく絵が美しい!
中世の人々の服装や使った道具、そして当時の印刷機などがたくさん描かれています。
本書はそれだけでも一見の価値があります。
グーテンベルクが印刷機を発明したことは有名です。
何といっても三大発明(火薬・羅針盤・活版印刷術)のひとつなのですから。
でも完成するまでがどれだけ大変なことだったのかは知りません。
紙やインク、活字を作ることからのスタートでした。
すべては試行錯誤の末、おのおのの製法にたどり着いたことでしょう。
そこのところは省略し、本書では当時確立していたであろう工程を紹介しています。
・ぼろきれを煮たりかき混ぜたりして繊維をほぐし、骨や筋を煮て作ったのりで固めて紙を作る。
・亜麻仁油にススを混ぜてインクを作る。
・鉛と錫を型に流し込んで活字を作る。
・硬いオーク材を組み合わせて紙に活字を押し当てる印刷機を作る。
 枠も活字を押し付けるためのネジもオーク材製でとにかく太い!
「1450年ころにグーテンベルクが印刷機を発明した」という記録はあっても詳細は不明。
著者は数年かけて調べ、当時の様子を再現しました。
著者の想像が多く入っていてどこまで正確かはわかりませんが、これだけ具体的に仕上げてくれたことに感謝です。

②おきなわ 島のこえ ヌチドゥタカラ(いのちこそたから) 
出版社からの内容紹介を引用します。
=====
沖縄戦で、沖縄の人たちは3人に1人が命を失いました。
「原爆の図」の丸木夫妻が、戦争への怒りと、鎮魂と平和への願いをこめておくる絵本です。
第16回講談社絵本賞。
=====
以前読んだ丸木俊の絵本「ひろしまのピカ」は魂に刺さりました。
藤原ていの自伝小説「流れる星は生きている」も魂に刺さりました。
本書はそれらと同じ迫力がありました。
さらに小説「琉球処分」を読んだ者として、沖縄の人々にいつも犠牲を強いる本土の人間の一人として、謝罪の気持ちを持ちながら読みました。
父を戦争にとられ、アメリカ軍が沖縄に上陸し、祖父母・母・弟と逃げ惑う様子が描かれています。
避難場所を見つけても帝国軍人たちに追い出されます。
非協力的な人々は帝国軍人たちに殺されます。
仲の良かった韓国人家族は裏切る可能性があるからと全員殺されました。
本来国民を守るべき立場の帝国軍人の狂気に目をそむけたくなります。
母が焼夷弾にやられながら幼い娘に「ヌチドゥタカラ(いのちこそたから)」と言って逃がすシーンが印象的です。
平和に暮らしていた一家を襲った悲劇。
まさに「戦争への怒りと、鎮魂と平和への願い」をこめた名作です。
沖縄の人々は今も苦しんでします。
日米地位協定の見直し、在日米軍基地負担の分散化などを後回しにするのはもう止めましょう!



お気に入りその1946~録画をみる

2020-10-23 12:17:11 | 鬼平
今回のお気に入りは、録画をみるです。
妻のいない休日、録画したNHKの2番組を続けて観ました。
2本ともお気に入りの仲間入りです。
DVDに焼いて保存版にしちゃいました。
①カバーズ 原田知世
原田知世が3曲歌いました。
アルバム「恋愛小説2 若葉のころ」から「September」、「恋愛小説3 You & Me」から「A面で恋をして」「小麦色のマーメイド」。
司会のリリー・フランキーが何度も言っていたけれど、原田知世の容姿と歌声には本当に癒されました。
可憐な少女の雰囲気を今も維持していることに改めて驚きました。
以前、大泉洋が原田と映画で共演した際に、インタビューで「俺の知世」と言ってご機嫌だったのを思い出しました。
薬師丸ひろ子が年齢相応の熟年女性を見事に演じているのと対照的です。
どちらも大したものです。
アルバム「恋愛小説3 You & Me」はもう発売になっているのですね。
付録DVDに収録されているのは2曲だけだそう。
関係者の皆さん、恋愛小説シリーズのベスト盤をDVD版でつくりませんか?
もし発売されたら絶対購入します!
どんなに気分が落ちていても和めること確実ですから。
②伝説のコンサート 山口百恵
今から40年前、1980年10月5日の引退コンサートです。
その当時はテレビのない生活をしていましたが、山口百恵の引退というのは大事件でしたのでよく覚えています。
白いマイクを床に置いて立ち去る姿は、その後テレビで何回も見ました。
また名曲「さよならの向こう側」を今もカバーする歌手が多いこと・・・。
それらの原点になった2時間40分のコンサート。
腰を据えてじっくり観ることはできませんでしたが、晩御飯の支度や作り置き料理の仕込みをしながら観ました。
これは凄い!
21歳にしてあの色気、あの貫禄。
神々しいオーラをまとっているとも言えます。
あんなに凄い21歳って、今の芸能界にいるのでしょうか?
また過去に遡ってもいたのでしょうか?
芸能界に疎いので良く判りませんが、おそらくは稀有な存在だと思います。
彼女が活躍したのはわずか8年間だったそうです。
どちらかといえば短い年数ですが、濃密な8年間だったことでしょう。
彼女とともに歩むことができたファンは幸せだったでしょうね。
ちなみに自分が21歳だった頃を思い出すと落差にがっかりします。
百恵さんの1歳下なので時代はほぼ一緒。
何の目標もなく学生寮で毎晩飲んだくれていました。
引退後、大スターの衣を脱ぎ捨てて主婦としてご主人を支え、息子2人を立派に育て上げた彼女を人間として尊敬せずにはいられません。
彼女は同世代の偉人といって良いと思います。
そんなことに今ごろ気付くなんて遅いかもしれませんが、とても大きな収穫でした。


お気に入りその1945~福島第二原発の奇跡

2020-10-22 09:54:51 | 鬼平
今回のお気に入りは、福島第二原発の奇跡です。
来春、東日本大震災から10年を迎えます。
被災地の復興が進んでいる地域とそうでない地域に明暗が分かれているように感じます。
もしかしたら除染作業の進展による立入制限の解除が影響しているのかもしれません。
かたやその原因となった福島第一原発の廃炉計画は蟻の歩みほどですが前進しています。
最近話題になっているのは原発汚染水の処理問題。
どうやら今月中に海洋放出が決まりそうです。
保管場所が限界にきているから国の排出基準を超えているのに海洋放出するというのはいかにも乱暴ではないでしょうか?
海は日本だけのものではなく、他国への影響も考慮しなくてはなりません。
また海流の下流側に漁場を持つ東北・北海道への海産物への影響はないのでしょうか?
最低でも国内外からの風評被害は大きなものになりそうです。
そんなことを考えつつ、高嶋哲夫の「福島第二原発の奇跡」を読みました。
まずAMAZONの内容紹介を引用します。
=====
2011年3月11日、福島第二原発も未曽有の危機に立たされていた。
彼らはなぜ、発電所を守り抜くことができたのか!?
『M8』『TSUNAMI 津波』など、クライシス小説の旗手が描く、緊迫のノンフィクション。
福島第一原発同様、冷却機能を失い暴走しかかる原子炉を間一髪のところで食い止めた人たちがいた。
そこには、増田所長をはじめ、職員の人々の重大な決断、咄嗟の機転、そして決死の行動の数々があった。
本書は、当時事故収束にあたった関係者たちに幅広く取材し、未曽有の大災害にもかかわらず「全基冷温停止」という偉業を成し遂げた福島第二原発の奇跡。
偉業を達成しながらも、福島第一原発の陰に隠れ、これまで語られることのなかったぎりぎりの行動と決断をルポルタージュする。
=====
高嶋哲夫は「未来の歴史」といわれる災害シミュレーション小説が有名で、これまで何冊か読みました。
科学的データを元に未来の災害を克明に描いた傑作ばかりで、その仮想体験は今後に役立つと思います。
今回読んだ「福島第二原発の奇跡」はそれらとは毛色が違い“ノンフィクション”です。
福島第一原発の南12kmに位置する福島第二原発が津波被害を受けながらなぜ事故を未然に防ぐことができたのかを著者がレポートしました。
読んで驚いたのは著者が技術的にかなり詳しいこと。
元々核融合の研究者だったのだそうです。
道理で・・・。
ただ一般人の恐れを理解していない専門バカぶりも随所に感じたことも付け加えます。

 
福島第二原発が福島第一原発と違い、奇跡的に冷温停止に持っていけたのは外部電源4系統の内の1系統が生き残ったからでした。
それを必死で延長してポンプを生き返らせることに成功したのです。
事故を防ぐことができた理由がわかると本書の注目点は変わりました。
極限の中、必死で働く人々を丁寧に描いているのです。
例えば現場を切り盛りするスタッフだけでなく、雑用を全て引き受けた総務。
仮設トイレが台風で倒れて、飛び散った汚物を拾って処理する仕事や、全国からかかってくる非難の電話への対応は辛かったと思います。
取材は社員だけでなく協力業者や下請業者、社内食堂の経営者にまで及びました。
それぞれの立場での苦しい思いが語られます。
そしてその多くが地元出身の人々だということに驚き。
第一原発と第二原発はその両方で働いた経験がある人がいたり、家族が分かれて働いていたり、地元採用が多い為家族が被災している人が多かったりで、不眠不休の復旧作業だけでない心労が多かったようです。
誰もが被災者として身内の安否を心配しながら不眠不休で対応にあたりました。
そんな苦労を知ったことが本書の一番の収穫でした。
残念だったのは福島第二原発の発電機構や建物の配置などを説明する図が無かったこと。
それがあれば書かれていることがかなり理解できたことでしょう。
以前、「ダビンチ・コード」をデラックス版で読んだときのことを思い出しました。
読者がキリスト教徒であり、キリスト教の名所旧跡を知っていることを前提に書かれていたため、それらの写真と簡単な説明が添えられているデラックス版でなければお手上げでした。
最後に、著者の原発に対する考え方に対する不満を書きます。
最初にも書きましたが汚染水の海洋放出について、無害だから大丈夫と言い切る神経が理解できません。
アルプスを通しても残った放射性物質はトリチウムだけではありません。
もっと有害な放射性物質も残留しています。
もう一度アルプスを通してそれらが除去できるのかは、今後テストするそうです。
だったらテスト後に海洋放出を検討すべきです。
もう一点、高レベル放射性廃棄物の処分場の問題です。
著者は先々良い技術が開発されるのだから、今はそれまでのツナギとなる貯蔵施設を用意すればよいと言います。
いつか安全な処分方法が確立する、と何十年も言い続けて今に至っていることが判っていないはずはないのに・・・。
噴火や地震、台風などの天災が頻発する日本に安全な保管施設を建設することができるのでしょうか?
しばしば人の想定を超える自然の力に対して10万年も壊れない容器を作ることができるのでしょうか?
未来に対するあまりに重たすぎる宿題です。

お気に入りその1944~雪の結晶の絵本

2020-10-20 12:19:39 | 鬼平
今回のお気に入りは、雪の結晶の絵本です。
先週、札幌の屋根・手稲山に今シーズン初めての積雪があり、着実に冬が近づいています。
ということで雪の結晶の絵本2冊です。
①「雪の結晶ノート」マーク・カッシーノ、ジョン・ネルソン
「BOOK」データベースより内容紹介を引用します。
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雪の結晶はどのようにして生まれるのか?
小さな小さな雪の結晶、なぜ、こんなに美しく、複雑なカタチをしているのか?
水と空気の織り成す「自然の芸術」、その自然の神秘に迫る写真絵本。
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雪の結晶について詳しく読むのは初めて。
雪の結晶の中心には小さな粒が入っていることを知りました。
花粉や砂ぼこり、微生物、さらには海の塩分などが天高く巻き上げられ、それに水分が付着して凍ることで雪が生まれます。
やがて雪は落下を始め、雲を出ると成長が止まります。
雲の中の気温や水分量によって雪の結晶の形は大きく変わります。
六角形の薄片、六角柱、その合体というのが基本形。
完璧な形のものはなく、二つとして同じものはありません。
本書の最後には、中谷宇三郎博士の「雪は天からの手紙」という言葉が添えられていました。
雪の誕生過程を知った上で読むとまさにナルホド!です。

②「雪の結晶 とびだすポップアップ絵本」ジェニファー・プレストン
「BOOK」データベースより内容紹介を引用します。
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ひとひらの雪が生まれるまでのお話に、雪の写真をはじめて撮影した実在の人物、“雪の写真家”ウィルソン・ベントレーの物語をおりまぜた、子供から大人までみんなが夢中になれる、素敵なポップアップ絵本。
ページをめくれば、細やかな雪の結晶たちが、驚きのしかけで飛び出します。
雪の結晶の複雑なかたち。
その美しさのすべてを、まるごと閉じ込めました。
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表紙と本文の全ての雪の結晶にキラキラした粉がたっぷり張り付けられており、雪の結晶の美しい形に花を添えています。
さらに大胆なとびだす仕掛けの迫力に子どもたちは大喜びすることでしょう。
そして本文。
ポップアップ絵本の第一人者ロバート・サブダと同様、折りたたみポケットに物語を納めています。
雪の写真家ウィルソン・ベントレーの物語です。
彼は雪の結晶の美しさを記録したいと思いましたが、すぐに融けてしまうためスケッチできず、写真で記録することにしました。
19歳のことです。
生涯いろいろな工夫をしながら多種多様な結晶の写真を5000枚ものこしました。
面白かったのは雪の結晶の大きさの記録。
何と大きさ38cm、厚さ20cmもあったそうです!
雪国に生まれ60年。
その1/10のサイズのものさえ見たことがありません。
一度でも良いのでお目にかかりたいものです。


お気に入りその1943~ゆきの美人純米酒

2020-10-17 12:12:03 | 鬼平
今回のお気に入りは、ゆきの美人純米酒です。
来月の法事に向けて義弟や息子などの日本酒好きのために準備。
という口実で飲んべえの私は美味しい酒を用意することにしました。
どれがいいかな?
ここ数年たくさんの日本酒を味見したせいで、記憶があいまい。
そのため自分のブログを読み返して酒選びをしました。(便利!)
選んだのは「ゆきの美人純米酒」。
2年近く前に味わった秋田のNEXT5の一本です。
その時に書いたブログ記事を引用します。
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まずは商品説明を引用します。
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口に含むと口当たり軽くジューシーな好印象、酸味もさっぱりとしてとても爽やかな味わいの純米酒です。 
麹米に山田錦を使用し、酵母も吟醸用の金沢酵母、まさに吟醸造り同様の小仕込みで丹念に仕上げた手造り感あふれる逸品です。 
瓶内での熟成を前提として、きわめてスッキリとした仕上がりを目指しています。 
今や生原酒・火入れともゆきの美人の人気定番酒で、この純米酒にはまった人たちは多いですね。 
「安くて美味しい」お酒のリストにぜひお加え下さいませ。 ※1800mlのみ
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さて実際に味わってみると・・・。
商品説明とはずいぶん違います。
口当たりは決して軽くありません。
酸味もさっぱりしていません。
予想外に強い酸味のあと、吟醸香とともに豊かな味わいに包まれます。
後味がサラッとしているため、ついつい飲みすぎるのが難点かも。
どれも強すぎずバランスの取れた美味しいお酒です。
甘すぎず辛すぎず、日本酒らしい日本酒を飲みたい人は一度試してみるといいと思います。
私としてはぜひ晩酌酒のレパートリーに加えたいところですが、送料が気になるところ。
地元秋田の人は送料無しに買えて幸せですね。
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「安くて美味しい人気定番酒」
せっかくの法事ですが、大酒飲みの二人にはおしゃれな四合瓶より一升瓶が似合います。
北海道まで取り寄せるには結構な送料がかかるけれど、まとめて6本取り寄せたので気になりませんでした。
義弟や息子は二人とも一升酒も平気ですがこれだけあれば足りるでしょう。
もし残ったら1本ずつ持ち帰ってもらおうかな。
と、いろいろ書きましたが、最初の1本目は今晩から晩酌で味わうことにします。
法事までに2本目に手を付けないように気をつけなくては・・・。




お気に入りその1942~大野麦風

2020-10-14 12:49:11 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、大野麦風です。
お気に入りの魚譜画家・大野麦風。
昭和初期に潜水艇で魚の生態をスケッチしたという凄い方です。
彼の代表作「大日本魚類画集」は魚たちが非常に細密にそして生き生きと描かれていて大のお気に入り。
ぜひ手元に置いて鑑賞したいところですが高価で手が出ません。
代わりに大野麦風展の図録で我慢しています。
先日、ネットオークションに大野麦風の伊勢海老を描いた色紙が出品されていました。
大日本魚類画集に収録されている「伊勢海老」と比べると随分雑に描いていて、本当に本人が描いたのかは大いに疑問が残ります。
でも色紙なので簡略化して描いたとも考えられます。
疑いの目で見ると脚の向きが不自然なのも気になります。
迷った挙句、入札することにしました。
そして落札。
わずか数千円で落札できて、贋作の心配はピークに!
でも実際にお気に入りの画家の肉筆画かもしれない色紙を手にすると、妙にドキドキします。
例え贋作でもこの額なら諦めもつきます。
久しぶりにシーソーのように忙しく上下する気分を味わった数日間でした。
手元に届いてから冷静に考えて、これは贋作だと確信を持ちました。
関節がひとつ多い脚があることと、細い触覚が描かれていないことの2点が贋作の致命的証拠です。
写実に徹した画家がこんな間違いを犯すはずがありません。
がっかりです。
この記事は恥ずかしいので封印しようと思いましたが、自分への戒めとして掲載することにします。
朝ドラ「マッサン」のドウカウイスキーボトルといい、今回といい、出品を切望していたモノが出品されると欲しい気持ちが先に立ち、真偽を見抜く目が一気に曇ります。
 
ネットオークションにはもっと冷静に臨め、俺!


お気に入りその1941~コミック昭和史2

2020-10-12 12:11:07 | 鬼平
今回のお気に入りは、コミック昭和史2です。
水木しげるのコミック昭和史の全8巻を読み終えました。
歴史の教科書と違い、歴史上の出来事と庶民の暮らし、さらには水木さんの人生まで描いているため、時代の変遷を身近に追体験することができました。
水木しげる本人だけでなく祖父・両親・兄弟・親戚などのキャラクターも一風変わっているため、庶民を描いたパートが実に面白かったことも大きな魅力でした。
本書は大正12年(1923年)の関東大震災に始まります。
まもなく昭和に改元し、金融恐慌、治安維持法、満州事変、国際連盟脱退、二・二六事件と立て続けに大きな出来事が起こります。
政治家たちは国民に対してひどく荒っぽい政治を行い、軍部は政治家の上を行って暴走します。
そしてそれを支持する国民たちが描かれています。
水木しげるは軍人をヒーローとしてあこがれる少年時代を過ごします。
国民が資本家と労働者に分かれていた時代。
庶民は貧しく、彼らの鬱屈した気持ちを外に向けさせる行動が戦争につながったようです。
本書には描かれていませんが1894年の日清戦争、1904年日露戦争に勝ったため国民自体に軍事的な過信があったことがうかがえます。
日中戦争から太平洋戦争へと突入し、やがてアメリカとの国力差に押しつぶされていく日本が克明に描かれています。
戦争終盤になっても「まだまだ大丈夫、アメリカの方が疲弊しています」と天皇に嘘の報告をする東条総理。
天皇が止めなければ、本土決戦が敢行されていたことでしょう。
当時中学生だった父は「竹やりや地雷を抱えて戦車に特攻するぞ」と教えられていたそうですが、本土決戦が現実のものにならなくて本当に良かったです。
軍部は子どもたちまで玉砕させて、日本をどうしたかったのでしょうか?
まったく理解不能です。
本書は終戦では終わりません。
戦後復興の苦しい道のりが丁寧に描かれています。
失われた物資、破壊されたインフラ、疲弊した国民・・・。
水木氏曰く「せっかく生きて帰っても生きるための闘いは続いた」
寝ないで働いても満足に食べられない日々が続きます。
ヤミ米の運び屋、街頭募金、魚屋、アパートの大家、紙芝居画家、貸本の漫画家などに必死で取り組みます。
紙芝居の元締めが全国の支部からの送金が途絶えて「餓死する」と口走ってたのは冗談ではありません。
ようやく景気が回復したのは朝鮮戦争による特需から。
そしてサンフランシスコ講和条約で、日本の戦争終結が諸外国に認められ、ようやく本格的な復興が始まります。
それまでの5~6年は長く苦しかったことでしょうね。
さらにその間にシベリヤや南方から兵士たちが次々帰還し、B級戦犯たちも刑期を終えて出所しました。
この時代は、あまりに混とんとしていて読んでいても訳が分からないめちゃくちゃな時代だったようです。
現代人から失われれた、生きる力やたくましさが生き残りの条件でした。
私には生き残る自信がありません。
きっとみなさんも・・・。
こんな苦しい思いをしたくないなら何が何でも戦争回避!
それしかありません。
若いみなさんはぜひコミック昭和史で昭和を追体験しましょう。
戦場では生きたくても生きることが許されなかったことを忘れてはいけません。
平和ボケして戦争を美化してはいけません。
戦争がいかにおろかで無意味なことかを知りましょう。
これから先も政府が提案するであろう自衛を超えた交戦権を認めてはいけません。
何が何でも戦争を回避し、万一自衛のために交戦しても速やかに戦闘を終結させ交渉することです。
報復の応酬は不幸を生むだけです。
ちなみに本書の最終巻は高度成長時代です。
水木さんの仕事と収入は一気に増加しますが、今度は忙しすぎて過労で倒れてしまいます。
南方の島ののどかな暮らしが懐かしくなり、何度も訪れることになります。
誰もが心も暮らしも豊かな時代は来るのかな?と考えつつ本書を閉じました。


お気に入りその1940~プレバトスペシャル

2020-10-09 12:51:35 | 鬼平
今回のお気に入りは、プレバトスペシャルです。
芸能人が俳句や水彩画、生け花などの腕を競うテレビ番組「プレバト」がお気に入りです。
特に俳句のコーナーが大好き。
触発されて夏井先生の本を何冊も読み、俳句も詠んでみました。
日常の中で俳句を作る時間がなかなかとれないため、一時ベッドに入ってからやってみたことがありますが、熟考するほどに目が冴えてとても眠れないことがわかり止めました。
芸能人のみなさんはどうやって時間をひねり出しているのでしょうか?
そこのところを知りたいです。
先日、録画していた3時間スペシャルを観ました。
楽しみにしていましたが、期待以上に面白かったです。
まずは水彩画のトップ争いのレベルの高いことに驚かされました。
まさか先生が「俺には描けない」といってお手上げになる作品が登場するとは思いませんでした。
“タレント”という言葉の意味が“才能”だということを嫌というほど思い知らされました。
余りに上手すぎて自分も描こうという気はなくなってしまいました。
俳句は東大生と特待生の団体戦。
夏井先生による評価は手加減などないはずなのに、一進一退の攻防が続き、大将戦で予想外の決着をみました。
まさに筋書きのないドラマ。
観ている私たちも笑い、驚き、興奮しました。
「俳句甲子園」というのがあるそうですが、きっとこういう風に観客を巻き込んで盛り上がるのでしょうね。
特に東大生チームは俳句の初心者が多いはずなのに、見事に情景を詠んだ俳句を仕上げていたことに驚かされました。
勉強ばかりしてきた記憶力だけが優れた人たち、というイメージが崩れ、基本の型を学び応用する能力に秀でた人たちであることを知りました。
さらに17文字に情緒まで織り込むことができる才能に圧倒されました。
ああいう人たちが近い将来、国や大企業を動かすであろうと思うと日本も安泰です。
ひとつ書き忘れました。
「今でしょ!」で有名な林先生の俳句デビューも見応えがありました。
夏井先生が出したお題3つをそれぞれ違うテクニックで俳句にし、全てで「才能あり」を獲得したのです。
東大生を毛嫌いする梅沢永世名人も最後には納得。
世の中、才能のかたまりのような人っているのですね。
凄いものを見せていただきました。
今回はバラエティ番組だから再放送もDVD化もなく、情報の垂れ流しで終わるのがもったいないと思えるほど、中身の濃い番組でした。
新型コロナウイルスの感染が収まらず、家で過ごす時間が多いのですから、もう少し肉付けして書籍化していただければより一層楽しめる上、視聴者のためになると思います。
テレビ局の方はご検討いただけないでしょうか?