鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1758~竹鶴政孝パート286

2019-03-29 12:07:28 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート286、南極ウイスキーです。

一昨日に引き続き、南極の話題です。
日本の南極観測隊が飲んでいたウイスキーを入手しました。

南極のウイスキーといえば、イギリスで理想のリーダーといわれるシャクルトンが100年前に南極に残したウイスキーが発見されたことがあります。
その後そのウイスキーのレプリカが販売され、急ぎ取り寄せて味わいました。
木箱の中にわらを詰めその中に紙にくるまれたボトルがあったという発見当時の状況を再現し、もちろん味わいも再現したウイスキー。
凍結を防ぐために47度と濃くしたウイスキーは、水で割ると大きく花開く美味しいウイスキーでした。
毎年数回ほど少量を味わっています。

今回はわずか数年前に日本の南極観測隊が味わったウイスキーです。
ただし鶴17年の原酒ですから、わざわざ開封せずとも味わいは想像できます。

(ボトルの記載)
=====
58TH ANTARCTIC EXPLORATION AGB5003 SHIRASE
(内容量:記載なし)
=====

鶴の首にかかったラベルの文章は次の通りです。
(表)
=====
CONC WHISKY
第59次南極観測支援協力行動
55.3%alcohol
製造者 ニッカウヰスキー株式会社
    東京都港区南青山5-4-31
配布所 海上自衛隊 砕氷船しらせ
=====
(裏)
=====
ニッカ鶴17年(原酒)
南極限定非売品
名前の語源は英語のConcentration Whisky(濃縮ウイスキー)の最初の4文字を取っている。
ニッカウィスキーの最高峰 ニッカ鶴の原酒を南極観測向けに濃縮したウィスキーです。
南極観測が始まった当時、船積みできる物資の量は限られており、お酒も例外ではありませんでした。
また、極寒の地では水分はあっという間に凍りついてしまいます。
少しでも軽く、少しでも小さく、水分の少ない、それでいて旨いものをと作られたのがコンクウィスキーです。
厳しい南極大陸での生活に潤いを与え、いざというときは薬としても重宝された貴重なウィスキー。
強いアルコールの刺激の後にエレガントで広がりのある香りと味わいと共に白い大地と歴史へのロマンが堪能できます。
=====

ウイスキーがいざというときに薬として重宝されたことや、少しでも軽く少しでも小さくすること、そして凍結を防ぐ意味もあって高濃度のウイスキーとなったという記述に、改めて極地の厳しさを感じました。

このウイスキーについては「塩原真の南極かわらばん」というHPで次にように紹介されていました。
=====
2015/12/08 08:43 南極地域観測伝統 コンクウイスキーの配布
南極地域観測で伝統となっているコンクウイスキーの配布が7日、行われた。
名前の語源は英語のConcentration Whisky(濃縮ウイスキー)の最初の4文字を取っている。
アルコール度数は55.3度で通常のウイスキーよりも高い。
野外活動が多い隊員のことを考え、寒くても凍らない度数の高いウイスキー原酒が選ばれている。
今年はニッカウヰスキーの「鶴17年」が提供された。
配布量は一人500ミリ。
瓶は各自で用意するか、記念ボトルを購入する。
自衛隊員が50リットル入りの小型ドラム缶からポンプでボウルに移し替え、おたまとじょうごで瓶に入れていく。
海上自衛隊の山下勝己補給長によると「おそらく初代の砕氷艦『宗谷』のころに始まった。
最近はおみやげに持ち帰る人も多くなっている」と話す。
配布が終わるころには観測隊公室はウイスキーの甘い香りでいっぱいになっていた。
=====

ぜひ配布の場に立ち会いたかったです。

ついでに写真に写っているもう1本について。
ボトルには第58次観測隊の文字しかありません。
ボトル形状から考えて中味はおそらく白ワイン。
詳しいことはわかりません。
昔に比べ、船や基地の保管スペースが広くなった上、温度管理も行き届いているため、南極にワインをふんだんに持ち込んでいるようです。
実際にネット検索すると、第58次観測隊に配属された料理人による「今回はワインが充実している」というコメントを目にしています。
ワインには興味がありませんのでこの程度にしておきます。

先日来、南極について思いを巡らせていましたので「南極物語」や「南極料理人」という懐かい映画を久しぶりに観たくなりました。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1757~南極色彩魚拓図録

2019-03-28 12:09:47 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、南極色彩魚拓図録です。

先日ニッカの南極ウイスキーがネットオークションで出品されていました。
そのときに「南極」をキーワードにした出品が意外に多いことを知りました。
その中で最も目を引いたのが今回の「南極色彩魚拓図録」です。
南極海で採集した標本を色彩魚拓にしたものです。
これまで手業が光る細密画が好きで古い図鑑を鑑賞してきましたが、今回の色彩魚拓も職人のなせる業に違いないと考え鑑賞することにしました。

色彩魚拓というのを初めて観ました。
手作り感満載の水彩画という印象です。

制作者にとって標本のほとんどは初めて目にする魚だったことでしょう。
試行錯誤しながらの苦心の制作風景が目に浮かびます。

表紙はコオリカマスですが、それよりマジェランアイナメの魚拓が絶品です。
もし本書を目にする機会がありましたら、ぜひマジェランアイナメの美しい魚拓を鑑賞して欲しいと思います。

冒頭の文章や魚の解説文、ネットで調べた内容の内、興味深かった部分を憶測も含めご紹介します。

・平成17年に福地光男氏は翌年むかえる日本の南極観測50周年を記念して南極魚類図録を制作しようと考えた。
  福地光男氏
   1947年栃木県生
   北海道大学大学院水産学研究科博士課程修了、水産学博士
   国立極地研究所 名誉教授
   総合研究大学院大学 名誉教授
   第33次日本南極地域観測隊 観測隊長兼越冬隊長

・その年はCCAMLR(カメラー、南極の海洋生物資源の保存に関する委員会)の発足25周年を記念する年でもあることから、南極の各国研究者が標本採集等に協力した。
  カメラーによる南極の生態系監視対象
   ナンキョクオキアミ、コオリカマス、ライギョダマシ、マジェランアイナメ等

・本書の著者兼編者は福地氏とハービー・ジェイ・マーチャント。

・彼らの共通の友人である長瀬望秋に色彩魚拓の制作を依頼した。
  長瀬望秋氏
   いわき市出身の魚拓作家
   オーストラリアで色彩魚拓を学んだ
   作品がフランス国立自然博物館に寄贈された

・南極における漁業活動が現実的な資源量を遥かに超え始めるにつれ、生態系は危うさを増している。
この極めて儚き自然界の感動的な実感を表現するため、魚拓という日本古来の芸術様式を選択した。

・ナンキョクオキアミは地球上のどんな種よりも豊富な生物量を保有している。
それは1億7000万トンにも上り、南極に生息する生物たちを支えている。

・カメラーは鯨を1904年の生物量にまで回復させることを考えている。

・南極には赤血球の無い魚がいる。
 これは低温により血液中に溶け込むことができる酸素量が多いことも影響している。

おまけとしてネットサーフィンで見つけた関連記事を引用します。

「国立極地研究所 年報 平成17年度」(ネット上に公開中)
=====
G5.福地光男
研究課題:南極魚類図録作成
研究期間:平成17~18年度
所内共同研究者:
人数:3名
経費:1,100千円
研究目的:
南極魚類図録出版の為に必要な魚拓作成作業を行い、並行して図録原稿作成及び印刷作業を進める。
平成18年度は南極地域観測50周年及びCCAMLRの第25回という節目の年であり、同年度内の印刷公表を大きな目的とする。
研究実績:
これまでに合計で55点の魚拓が完成し、これをもって印刷することとした。
当初計画していた英邦の二か国語版ではなく、それぞれ別とし、英語版とその邦訳版を出版することとした。
=====

本書の制作には国家予算も使われていたのですね。
今回は偶然とはいえ、色彩魚拓で南極魚類を鑑賞するという面白い体験ができました。
そして南極について少し知ることもできました。
あらためて極寒の地にもかかわらず多様な生物種がいることの理由と、それを今後も守り続けなくてはならないことを学びました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1756~チャンネルはそのまま!

2019-03-26 12:04:37 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、チャンネルはそのまま!です。

先日、札幌在住の漫画家・佐々木倫子の「チャンネルはそのまま!」が北海道でテレビドラマ化されました。
ローカル局制作のドラマとしては贅沢にも、主演が朝ドラ「べっぴんさん」の芳根京子。
さらにご当地ということもありに大泉洋を始めとするチームナックス総出演と興味を引きます。
5夜連続で放映されましたが、なにぶん深夜の放送だったため録画して後で観ることにしました。

ついてはドラマの予備知識として、原作を読むことにしました。
作者の絵柄は実に懐かしい。
かなり前に「動物のお医者さん」を愛読していました。
当時我が家で犬を飼うことになり、この作品を真似てメスのハスキー犬に「チョビ」と名付けたのを思い出します。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
今度の主人公は「バカ枠」記者…!?
バカだけど、変だけど、何かがひっかかる女・雪丸花子が、地方テレビ局を舞台に繰り広げる爆笑奮闘記!!
北海道☆[ホシ]テレビに勤める雪丸花子は、この日から報道部記者となった入社2年目。
さっそく道警班キャップに昼のニュース取材へ同行させられ、待っていたのは増水した川岸での大雨報道。
そこで生中継をすることになったが、キャップが不慮の転倒で足を痛めてしまい、急きょ雪丸が中継報道をやることに。
なんの心準備もなくテレビに初めて映ることになった雪丸だが、果たして…?
=====

なぜ北海道☆テレビは「バカ枠」を採用したのか?
正攻法ではひぐまテレビにかなわないため、起死回生の隠し玉が「バカ枠」。
雪丸が引き起こす想定外の事態が北海道☆テレビに奇跡をもたらします。
ただし雪丸は単なる天然ではありません。
テレビは面白くなくてはならない、視聴者に対し正直でなくてはならいという信念を貫くことで、周りのスタッフを巻き込むことで奇跡が起きるのです。
雪丸が奇跡を起こす度に視聴者は大きく反応し、そのパワーに脅威を感じるひぐまテレビ。
知らぬは北海道☆テレビのスタッフと本人ばかり、というところが笑えます。
もれなく明るく楽しい気分にさせてくれるマンガです。
さらに知られていないテレビ局の裏側がよく分かることも魅力。
ついでに最終巻では大きな感動も味わえます。
できれば彼女の10年後の活躍を描いて欲しいものです。

とにかく雪丸は面白い!
どの巻にも読んでいて噴き出してしまうシーンが登場します。
作者のユーモアセンスには脱帽です。
この原作をドラマ化し、大泉洋を出演させたのですから、ドラマも面白くて当然です。
期待しています。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1755~望遠ニッポン見聞録

2019-03-22 12:39:02 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、望遠ニッポン見聞録です。

「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリが書いた「ヴィオラ母さん」を書籍広告で見かけました。
彼女のエッセイを一度読んでみようかな。
AMAZONで検索したら「国境のない生き方」の方が面白そう。
最近、妻と本がダブることが続いているので買う前に確認したら、確か持っているハズとのこと。
探してくれましたが出てきたのは「望遠ニッポン見聞録」のみ。
「あれー、もう一冊あるはずなんだけど・・・」
毎月ハンパない本を購入している妻はその半分が積読。
山のような本の中から数年前に買った本を探すのは至難の業でしょう。
「国境のない生き方」はその内に出てくるでしょうから、それまでの間「望遠ニッポン見聞録」を読むことにしました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
中国大陸の東の海上1500マイルに浮かぶ、小さな島国――ニッポン。
そこは、巨乳とアイドルをこよなく愛し、世界一お尻を清潔に保ち、とにかく争いが嫌いで我慢強い、幸せな民が暮らす国だった。
海外生活歴十数年の著者が、近くて遠い故郷を、溢れんばかりの愛と驚くべき冷静さでツッコミまくる、目からウロコの新ニッポン論。
アッパレ、ニッポン!
=====

著者はティーンエイジャーから海外経験が豊富。
これまで随分いろいろな国で暮らしてきたことを初めて知りました。
著者のことは「北海道のテレビ局でレポーターをしていたことがあり、ご主人がイタリア人の女流漫画家」という予備知識しかなかったので、読みながら驚きの連続でした。
とにかく本格的な国際人としてのコメントばかりで読んでいて目からウロコがボロボロ落ちました。

その中からいくつかをご紹介します。

・西洋人は歩き疲れてもしゃごまない。
 著者がしゃごんでいると恥ずかし気な目で見られた。
・アラブの女性の下着はド派手。
 ヒモパンの前側にウサギの絵がついているのとかが売られている。
・イタリアの男性には、日本のファッション誌に登場するようなオシャレな人はほとんどいない。
・イタリアの男性は美女が通り過ぎると首を捻挫するくらいの勢いで振り返る。
・デンマークの女性はつきあっている男性を家に呼び、積極的に家事を手伝うかどうかをチェックし、結婚を決める。
・アメリカの女性は男性と区別ができない人が多いが、それは世界的に例外。
・多くの国で東日本大震災についてなぐさめの声をかけられ、涙した。
・イタリアのカトリック教徒は離婚するまでに7~8年かかるため、元サヤという例も多い。
・外国人の目には、日本は戦後の荒廃期から一気に家電大国に上り詰めたと見られている。

もっともっといっぱい書いてあったのですがここまでにします。
本で読んだ知識ではなく、その国で暮らした経験から発する言葉だから信頼性バツグン。
その辺の怪しいコメンテーターなんか吹っ飛ぶ内容の濃さです。
ただし個人的感想であることを差し引いて読まなくてはなりません。

さて「国境のない生き方」を早く読みたいものですが、最近借りることが多いので催促しづらいなぁ・・・。
そうこうしている内に妻が「ヴィオラ母さん」を買ってきました。
これから借りちゃおうかな。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1754~あ・うん

2019-03-20 12:53:37 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「あ・うん」です。

年末ころに向田邦子をかためて読んだのでしばらく読まないつもりでしたが、ついつい手が出て、あっという間に読み終えました。
相変わらずの巧みな筆さばきに目を奪われました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
神社の鳥居の狛犬のように親密な男の友情と、親友の妻への密かな思慕を、太平洋戦争をひかえた世相を背景にあざやかに描いた長篇
=====
つましい月給暮らしの水田仙吉と軍需景気で羽振りのいい中小企業の社長門倉修造との間の友情は、まるで神社の鳥居に並んだ一対の狛犬あ、うんのように親密なものであった。
太平洋戦争をひかえた世相を背景に男の熱い友情と親友の妻への密かな思慕が織りなす市井の家族の情景を鮮やかに描いた著者唯一の長篇小説。
=====

内容紹介を改めて読んで驚いたのは、本書が「著者唯一の長編小説」と書いていたこと。
てっきり「寺内貫太郎一家」がそれと勘違いしていました。
あれはドラマのノベライズという位置づけなのでしょうね。

次は内容紹介を読んで不思議に思ったこと。
「神社の鳥居の狛犬のように親密な男の友情」という紹介文を読んだだけでは、一般の人は内容を理解できないのではないでしょうか?
作品を読んだ人はすぐにわかるでしょうけれど。
門倉と仙吉のふたりが、まるであ・うんの狛犬コンビのような親密ぶりであることを意味しているのですが、私ならひとつ目の紹介文だけでは意味不明。
ふたつ目の紹介文を読んでようやく理解できるでしょう。
最近勉強中の俳句作りで夏井先生がおっしゃる「発想を飛ばす」ことができる人ならひとつ目で理解が及ぶのでしょうね!

さてこの作品は、門倉と仙吉、たみの三角関係がテーマ。
周囲の者たちに悟られているのに、決して一線を越えない不思議な関係です。
将棋崩しのようにどれか一つを動かすとすべてが崩れる微妙なバランスの上に成り立つ親密な関係。
ふたりが絶交した後の重苦しく空虚な日々。
門倉は仙吉の家の4番目の家族だったことを思い知らされる日々です。
門倉の妻や二号さんが、自分たちも将棋崩しの駒のひとつだったことを痛切に感じ、彼らが元の関係に戻ることを懇願します。
理解しがたいような理解できるような不思議な物語でした。
こういう微妙な心の動きを自在に表現する著者の技巧はやはり見事というしかありません。
本書発表当時、プロの物書きが真っ先に魅了されたようです。
あとがきで山口瞳が本書を直木賞候補に推したと書いています。
ただし氏は審査員だったため、この推薦は内内に止まったそうです。
そうこうしている内に短編集「思い出トランプ」が直木賞に推されることになり、半ば強引に受賞が決まったことは有名な話です。
こうして時代を一気に駆け抜けた著者は、わずか数年後に航空機事故で天に召されてしまいます。
誰もが言うように、実に惜しい才能をなくしたものです。

本棚にストックしていた向田作品はほとんど読んでしまいました。
まだ読んでいない本が何冊もあるはずなので、近々買い足すことにします。
「本を読むなら向田邦子だけで良い」と先生に言われたと書いていたカスタマーレビューを思い出します。
いつか達人の文章を全て味わい尽くしたいと思います。

最後に小さな疑問をひとつ。
夏目漱石の「それから」も三角関係がテーマ。
あちらは将棋崩しが崩れ、次のステージに切り替わって物語が終了します。
「あ・うん」は「それから」に触発されて書いたということはないのでしょうか?
どなたかこの件についてお知りでしたらお教えいただければうれしいです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1753~メーカーズマーク

2019-03-18 12:26:13 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、メーカーズマークです。

ニッカファンとして、ライバルであるサントリーの製品をできるだけ購入しないように心がけています。
ところが今回久しぶりにバーボンが飲みたくなり、メーカーズマークを購入してしまいました。(販売元:サントリー)
早速その晩、封蝋を切り、グラスに注ぎました。
トクトクトク、心地よい音に胸が躍ります。
一口含むと、ああ美味しい。
そうそうこの香り、この味わい・・・。
行きつけのバーでもバーボンを頼むと決まってメーカーズマークが出てきます。
ニッカファンとしてはアーリータイムズを選ぶべきですが、お気に入りの味わいはやはりこれ。
ニッカさん、バーボンだけは許してください!
こうして晩酌の楽しみがひとつ増えました。

話は変わりますが、最近2つの宴会で続けざまに「お酒の飲み始めがバーボンだった」という人に会いました。
実は私も同じ。
あれだけクセのある味わいなのに、なぜ入門用に選ばれたのでしょうか?
不思議な偶然もあるもの。
みんなそれなりの理由がありましたが、私の場合は「友達の部屋に常備していたから」というのが理由。
さらに彼の行きつけのスナックにキープボトルまであったのです。
ちなみに銘柄はフォアローゼス。
あれから40年。
あの頃の飲み仲間たちは、今もバーボンを飲んでいるのかな?


AMAZONの商品紹介を引用します。
=====
■バーボンウイスキー「メーカーズマーク」とは
アメリカ・ケンタッキー州の小さな蒸溜所から生まれる「メーカーズマーク」は、最高品質のバーボンづくりを目指し、試行錯誤を重ねて誕生しました。
230年の伝統とノウハウを受け継ぐ、由緒あるバーボンウイスキーです。
原材料には、一般的にバーボンに使用されるライ麦ではなく冬小麦を使用することで、絹のように柔らかな味わいを実現。
また、効率よりも品質最優先の丁寧な手作業で素材を生かし、バーボン本来の味わいを引き立てます。
世界で評価される最高品質のバーボンは、唯一無二のハンドメイド。
丁寧な手作業で仕上げられたプレミアム・バーボンは贈り物にもぴったりです。

■赤い封蝋は品質の証
バーボンウイスキー「メーカーズマーク」の象徴とも言える赤い封蝋は、1本1本ハンドメイドで施されます。
世界で2つと同じデザインが生まれない、“こころを込めた贈り物”の証です。

■「メーカーズマーク」テイスティングノート
【色合い】蜂蜜のような琥珀色
【香り】オレンジ、蜂蜜、バニラの香り
【味わい】なめらかでバニラを中心とした複雑で繊細なアロマ。ふっくらした小麦由来の甘み
【フィニッシュ】柔らかい余韻
=====

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1752~竹鶴政孝パート283

2019-03-15 12:10:07 | 竹鶴
今回のお気に入りは、竹鶴政孝パート283、月刊たるです。

先日、北海道新聞に「月刊たる」3月号が紹介されていました。
わずか18ページの特集だが「日本酒と酵母」の関係が丁寧に解説されているとのこと。
最近日本酒にハマっているので早速読むことにしました。

確かに日本酒と酵母の関係についてイラストを含めて詳しくかつ簡潔に解説しており、理解を深めるには最良のテキストです。
醸造用アルコールの添加については醸造工程にその名が出てくるのみで、サラリと流しているのが少し気になりました。
純米酒ブームについても少し触れて欲しかったけれど、ページ数がページ数だけにどれもこれも仕方ありません。

主要な見出しをご紹介します。
=====
〇酵母の代表格「きょうかい酵母」
〇酵母にこだわる蔵元探訪
 ・“泡あり酵母”で醸す唯一無二の香りと旨味
    田中屋酒造店(長野県飯山市)
 ・伝統だけにとどまらず新しい酵母で日本酒の世界を広げ続ける
    菊正宗酒造(兵庫県神戸市)
〇花から生まれた『花酵母』
=====

「きょうかい酵母」のアンプル写真とともにその種類と特徴を解説しています。
吟醸香を付けるのに適した酵母などが一目でわかります。
また「きょうかい酵母」に付けられた番号の末尾に“01”を追加した酵母の説明が続きます。
それは“泡あり酵母”と“泡なし酵母”の違いについての説明。
それに続き、現在も“泡あり酵母”にこだわる酒造所の紹介。
最後は新しい酵母を使う酒造所の紹介。

実に読み応えがありました。
わざわざ取り寄せた価値がありました。
日本酒好きの方はぜひお読みになることをおすすめします。

最後に巻末特集について。
「アサヒビール大山崎山荘美術館」が取り上げられていました。
この建物のほとんどは100年ほど前に加賀証券の加賀正太郎が建てました。
記事にはニッカウヰスキーのことがほとんど触れられていなかったので補足します。
加賀は「ニッカウヰスキー」の前身である「大日本果汁」設立時の出資者3人の内のひとりです。
彼がいなければニッカはありませんでしたし、さらにいえばジャパニーズウイスキーの今日の隆盛も無かったかもしれません。
また彼がこの山荘で蘭の研究を行っていたことは特集記事でも紹介されていますが、その優れた研究は太平洋戦争の物資不足により暖房燃料に事欠き頓挫してしまいます。
さらにその後加賀は病に倒れ、アサヒビールの山本為三郎にこの山荘とニッカウヰスキーの全所有株を託して亡くなります。
ニッカウヰスキーの株が散逸せず、アサヒビールの傘下で、現在まで安定経営することができた経緯が良くわかる逸話です。
また現在、加賀の蘭研究の成果は「蘭花譜」という美しい木版画として後世に伝えられています。(一部油彩と写真)
紙面に余裕が無いにしても、ニッカファンとしてはここまで書いて欲しかったなあ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1751~翻訳できない世界のことば

2019-03-13 12:58:31 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「翻訳できない世界のことば」です。

数年前に話題になった本です。
先日偶然見かけ、画文集としての魅力を感じ、読むことにしました。

AMAZONの長い長い内容を引用します。
=====
★2017年 キノベス! 第1位
外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在する。
本書は、この「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集。
言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる。
小さなブログ記事が一夜にして世界中へ広まった話題の書。
ニューヨークタイムズ・ベストセラー。
世界6カ国で刊行予定。

*著者「はじめに」より
わたしにとって、この本を作ることはもの作り以上の経験でした。
この本作りを通じて、今までとまったくちがう形で人間を見ることになったし、いつのまにか、これらの名詞や動詞、形容詞などを、すれちがう人たちにあてはめている自分に気づいたのです。
海のそばにすわっているおじいさんを見て「boketto」と感じるし、見たことのない文化を経験する旅の準備中の友だちの心には「resfeber」を感じとります。
この本が、読者のみなさんにとって、忘れかけていたなにかを思いだすものであったり、または今まではっきりと表現したことのなかった考えや感情に言葉をあたえるものであればと願っています。
たぶん、たとえば一世代ちがうふたいとこについて語る言葉や、2年も前の夏に感じてうまく言えなかったことや、
たったいま目の前にすわっている人の目が語っていることについての表現がみつかるかもしれません。
さあ、どんな言葉との出会いがあるでしょう?

*訳者「あとがき」より
「翻訳できない世界のことば」というタイトルから、読者のみなさんは、最初どんな本を想像されたでしょうか?
原書のタイトルは「LOST IN TRANSLATION」、「翻訳できない」は、厳密にいうと「りんご=apple」のように
1語対1語で英語に翻訳できない、という意味です。
その中には、日本語の「ボケっと」「積ん読」「木漏れ日」「わびさび」もふくまれていました。
日本人にとっては当たり前の言葉ですが、著者のみずみずしい感性によって、それらの言葉の内包する意味の広がりやドラマ性に焦点が当てられています。
日本語以外の言語の言葉についても、新鮮なおどろきによって、一つ一つがすくい上げられていることは、想像に難くありません。
それぞれの言葉がまるで映画のワンシーンのように投げかけてきてくれる物語の切れ端を、読者のみなさんと共有できれば、本望です。
=====

わずか数時間で読み終えてしまいます。
けれどもひとつひとつの言葉には、その民族の文化が背景に感じられます。
「翻訳できない言葉」の説明にもっと深みが欲しかったけれど、著者が20歳代では仕方のないこと。
ただ日本の言葉から「ボケっと」や「木漏れ日」を選んだ感性の豊かさも若さゆえ。
彼女のおかげで意外性のある素敵な言葉に巡り会えました。
感謝感謝です。

本書は収録されているひとつひとつの言葉が魅力的なだけでなく、そのイメージが的確に伝わるイラストも実に魅力的!
さらにいえば言葉の意味を解説する文章がまるで詩のようなところも魅力的です。
冒頭にも書いた通り画文集として楽しみましたし、これからも繰り返し開きたいページがいくつもあります。
その中からいくつかをご紹介して終わりたいと思います。

●本書で十分理解ができなかった言葉
ウブントゥ(ズールー語)
(意味)本来は「あなたの中に私は私の価値を見出し、私の中にあなたはあなたの価値を見出す」という意味で「人のやさしさ」を表す。

何だか禅問答のような分かりそうで分からない説明です。
コメントに「人と人は見えない形でつながっている」というようなことも書かれています。
これを書きながら今一度考えてみましたが、やっぱりよく分かりません。
「あなたにとって私は価値があり、私にとってあなたは価値がある。それが人と人のつながりであり、やさしさと言い換えることもできる」
という自分なりの解釈をしましたが、それが正しいかは自信がありません・・・。

●本書の納得できる言葉
ヴァルトアインザームカイト(ドイツ語)
(意味)森の中でひとり、自然と交流する時のゆったりとした孤独感。
これはひとりで山菜採りに入った時の感覚として、身をもって理解できます。
その感覚がひとつの言葉として存在していることに驚き、そして大いに納得しました。

●本書のお気に入りの言葉
カルパ(サンスクリット語)
(意味)宇宙的なスケールで時が過ぎていくこと。
さすがに仏教を生んだ国、スケールが大きいですね。
こんな言葉を会話に入れてみたいものです。

●せっかく取り上げてくれたけどそれほどでもない言葉
ボケっと(日本語)
(意味)省略
著者はコメントで「日本人が何も考えていないでいることに名前をつけるほど、それを大切にしているのは素敵だと思います」と持ち上げてくれています。
けれども日本語自体が、擬音語・擬態語といういわゆるオノマトペが世界一多い言語。
ただの言語特性と片づけても良さそうですが、著者の若い感性に響いたことも確か。
ちょっと照れるページです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1750~原色日本魚類図鑑

2019-03-11 12:27:08 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、原色日本魚類図鑑です。

古い図鑑に掲載されている原色細密画が好きです。
今回の図鑑もその一冊として選びました。
図版がとびきり美しいとか、解説文に味わいがあるという訳ではありませんが、魚類図鑑の歴史に残る一冊であることは間違いなさそうです。

・著者について
 田中茂穂(たなか しげほ、1878年8月16日 - 1974年12月24日)
 日本の魚類学者であり、東京帝国大学の動物学の教授。
 「近代魚類分類学の父」。

・高知出身の科学者といえば寺田寅彦、牧野富太郎、田中茂穂の3人だそう。

・本書は1951年の発行ですが、本書と同じ題名、同じ著者の図鑑が1931年にも発行されています。
 そちらが日本産魚類を原色で描いた最初の図鑑だそうです。
 20年の時を超えて再度発行した理由は本書の序文に書かれていました。
  「1931年に発行した図鑑は大好評だったが、戦火で原版を失ったため、再度発行した」
  「その際、手元にあった原図に改めて色を乗せて原色図版を完成させた」 

・序文の最後に「(北海道)北見国藻琴にて」とあり、急に親しみが湧きました。
 電話と手紙くらいしか通信手段がない時代に、東京と北海道のやりとりは大変だったことでしょう。
 元本と原図があったから何とかなったのでしょうね。

・本書の冒頭部分に「近代魚類分類学の父」としての苦労話が書かれていました。
  「魚の名称は、海魚は東京周辺、淡水魚は琵琶湖周辺での名称を基本とした」
  「ただし当該地域に生息しない魚については、生息地の名称を吟味して名付けた」
  「その際、近隣の地域で違う魚を同じ名称で呼ぶ例が多く、苦労した」
  「魚は鮮度が落ちると斑紋や色彩、形まで変わる。原図制作は時間との勝負だった」
  「鮎などはホルマリン漬けの標本を描いたので鮮魚とかなり違って見えるはず」
  「メダカの名称は全国に100以上もあった」

・標準和名がまだ普及していないため、解説文の最初に代表的な地方での名前が列記されていました。
 全国の魚に関わる人々が、カラー図版と解説文をもとに標準和名を調べたことでしょう。

・本書の見返しには、愛媛県機船底曳網漁業組合の蔵書印が押印されています。
 電話番号が3桁というのが1951年という時代を感じさせます。
 当時、八幡浜市の電話普及台数が1000台以下だったことが判ります。
 この漁協は現在も山口県以東機船底曳網漁業組合として存続しているようです。

・古い図鑑に有り勝ちですが、とにかく字が小さいです。
 解説文の表記は結構適当で、図版の縮尺と表記の体長が2倍も違う例がいくつもありました。
 長さや重さの単位で「メエトル」「貫」の表記がありました。

今の図鑑はカラー図版と標準和名が当たり前ですが、最初に制作した方は随分苦労したことを知りました。
どんな仕事でも、最初に道を作った人は似たような苦労をしたことでしょう。
そんなことを思いながらしみじみと読みました。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お気に入りその1749~最南端の日本酒

2019-03-08 12:44:49 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、最南端の日本酒です。

娘夫婦が旅先からお土産を送ってくれました。
日本最南端にある亀萬酒造の「熊本純米」というお酒と、ご当地の珍しいおつまみです。

むかし通っていた地酒居酒屋で味わった九州の日本酒を思い出しました。
きっと亀萬酒造のお酒だったと思います。
甘口の冴えないお酒だけど焼酎王国だから仕方ないね、と友と話した記憶があります。
ただしそれは30年も前のこと。
今、時代は本格的な純米酒ブーム。
最南端の日本酒だって技術革新して、冷も燗もいける酒になっているはず。

亀萬酒造のHPの商品説明はあっさりとしたもの。
=====
熊本づくしの一本
熊本の米・熊本の水・熊酵母で醸した、熊本づくしの純米酒です。
=====

楽天の「いけださかや」さんのページが詳しかったので引用させていただきます。
=====
日本最南端の清酒蔵から「純米酒」
創業1916年、日本最南端の日本酒の醸造元です。
地理的には芋焼酎の鹿児島、米焼酎の球磨人吉という焼酎王国に囲まれ気候としても酒造りにはギリギリの環境ですが、醪(もろみ)の温度を多量の氷を加えて調整する「南端仕込み」という独自の方法を用いて南端ならではの酒造りを行っています。
米、米麹だけを原料にした日本古来の製法に基づくコクのある純米酒です。
=====

これらの説明を読んだ上で味見しました。
まずは冷で。
香りはかすか。
飲み口はあっさり。
少し独特の味わいがあります。
これは独自の「南端仕込み」からくるものなのでしょうか?
ちょっと苦手かも・・・。

次いでぬる燗で。
香りは冷より増量すると予想しましたが、そうではなくかすかなままです。
飲み口の方もやはりあっさりのまま。
ただ独特の味わいが消え、すーっと入ってきます。
美味しい!
自己主張が控えめな食中酒にぴったり。
四合瓶なので、美味しい飲み方が判ったときには、残りわずかとなっており、ゆっくり楽しむことができず残念でした。
旅先から送るお土産に一升瓶を送る人はそう居ないから仕方ないですね。
だいたい土産物屋に一升瓶は置いていないし・・・。

ここで話は変わり、一緒に送ってくれたおつまみについて。
有明海のエイリアン「わらすぼ」の干物です。
目が無く、大きな口に長い牙がずらっと並び、ひょろっとした長い体。
噂通りのグロテスクさ!
10㎝くらいずつにバキバキ折ってタッパーに入れ、何本かずつ食べています。
多少固めですが、ごく軽めのみりん干しの味わいです。
十分乾燥しているはずですが、バリボリ食べている内に、気にならない程度のぬめりを感じます。
生のときは相当ヌルヌルしているのかな?と想像します。
妻は手を付けようとしません。
どうやら見た目にやられたようです。
普段は夕食後に晩酌をするのでカラ酒が多いのですが、この文字通りの珍味をしばらくは晩酌のおともにしたいと思います。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする