鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1823~知るを楽しむ

2019-08-30 12:37:30 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「知るを楽しむ」です。

2007年に放送したNHKのテレビ番組「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝」の放送テキストを読みました。
お気に入りのオードリー・ヘップバーンの特集なのでピックアップ!

NHK出版の内容紹介を引用します。
=====
オードリー・ヘップバーン 永遠のアイドル(4月)
 神田紅、森英恵、斉藤由貴、黛まどか
 日本人が愛して止まない“スクリーンの妖精”のファッション、色気、生き方に迫る。

マイルス・デイビス 永遠のミーハー帝王(5月)
 菊地成孔 語り手
 ジャズの枠を超えて時代のミュージックシーンを刺激し続けた男の魅力。
=====

テキストでは紹介されていませんが池田昌子さんも登場したそうです。
声の出演だったのかな?

4週にわたり各界の有名人がオードリーについて語っています。
いずれもこだわりを持って語っており、面白く読みました。
NHKアーカイブで視聴しようか迷うところです。

第1回「この色気にはかなわない」 神田紅(講談師)

講談師・神田紅はマリリン・モンローの生涯を講談に仕上げ、その翌年にオードリー・ヘップバーンの生涯も講談にしました。
どちらも大好きな女優ですが、オードリーの方が手間取ったためこの順になったそう。
マリリンの講談は、一人称で勝手気ままに主張しまくる形であっという間に出来上がったが、オードリーの方は自己主張らしい自己主張が見当たらなかったため、仕方なく第三者であるオバサマ方に語らせるという形でようやく仕上げたそうです。
本場アメリカよりも日本で評価されている理由が、オードリーの奥ゆかしさにあることがわかります。
また外見の違いを「肉の色気」「骨の色気」として比較しています。
両極端なふたりを比較することでわかりやすい分析になっており、興味深く読みました。

第2回「世界が彼女の真似(まね)をした」 森英恵(ファッション・デザイナー)

ジバンシーとオードリーのコンビはファッション界に大きな影響を及ぼしました。
それがどのようなものだったのかをファッション界の内側から書いています。
「シャレード」への出演が決まり、オードリー自身がジバンシーのところに洋服の依頼をしに行き、断られたという逸話は面白かったです。
忙しいから仕立て上がっている服から選んで持ち帰るようにと言われ、それを見事に着こなして見せたオードリーを見て、彼は生涯専属デザイナーになったそう。
互いの才能を認め合うことになった、とても素敵なエピソードです。

第3回「女は誰でも変身したい」 斉藤由貴(女優)

斉藤由貴は「ザ・プロファイラー」という番組でもオードリーについて語っています。
そこでは「役者には演技の上手さよりも存在感の方が大切」という持論を展開していました。
本書では、斉藤自身とオードリーを重ね、生い立ちが平凡な女の子から突然スターになったという共通点から、オードリーの心情と行動を語っています。

第4回「スターになりたくなかった女(ひと)」 黛まどか(俳人)

黛はオードリーが日本で人気がある理由を「日本人に通じる」感性の持ち主だからといっています。
自ら俳句誌「月刊ヘップバーン」を創刊・主宰していたそうです。
貧しい生い立ちから生活のためにスターになり、やがて世界の貧しい子どもたちのために生涯をささげたヘップバーン。
スターになることや、スターであり続けることに魅力を感じなかったであろうオードリーの心情は、きっと黛の読み通りでしょう。

最近は「プレバト」で俳句にハマり、夏井先生の“How to”モノばかり読んでいます。
新聞の投稿句にも目を通すようになりましたが、そこで立ち止まったままです。
これはまだ純粋に感動する俳句に巡り会っていないからではないかと気付きました。
そこで黛の『知っておきたい「この一句」』を読むことにしました。
作り方も大切ですが、俳句がどんなに素敵なのかというところを改めて学びたいと思います。

さて、「知るを楽しむ」のテキストで、それぞれの視点に立ったオードリー論を読み、オードリーを深く知ることができたと思います。
さらに写真も多く、オードリー・ファンとして価値のある一冊となりました。
12年も前のテキストでしたが、読んで良かったです。

ついでに後半の特集「マイルス・デイビス」も読みしましたが、あまり興味がないため、さっと流し読みしました。
マイルス・デイビスの生涯は、裕福な家庭に生まれ、クスリとオンナの溺れながらも名声をほしいままにしたというもの。
世紀の名盤として「Kind Of Blue」を紹介していたのでCDを聴いてみましたが、特に感想なし。
以上、後半の部はあっさり終了です。

興味の「ある、ない」でこんなに扱いが変わるとは、我ながら驚きです。
逆に考えると、オードリーに興味のない方は、このブログを読まないでしょうね。

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お気に入りその1822~MOE

2019-08-28 12:08:16 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、MOEです。

今年読んだ「かがくのとものもと」のおかげで、10冊を超える絵本との出会いがありました。
ただし科学絵本ばかりに偏っていたので、“一般的な名作絵本”との出会いを求めて、改めてガイドブックをいろいろチェックしました。
選んだのは雑誌・MOE (モエ)のバックナンバー2017年7月号【特集:大人からの絵本 おすすめの300冊】です。
300冊もの絵本のストーリーや絵柄、評価点をチェックできるのが魅力です。

冒頭、女優・満島ひかりのコーナーが目を引きました。
共働きの両親に代わり兄弟たちに読み聞かせた絵本の数々。
黒柳徹子との交流。
脚本と絵本に共通する読み方などなど。
満島ひかりがなぜ個性的な女優なのかがわかったような気がしました。

そして本題の絵本300冊。
期待通り初めて目にした“気になる絵本”が何冊も登場しました。
また気になっていたけど迷っていた絵本も紹介していました。
ただし決定打といえる一冊には巡り会えませんでした。
残念ながら二匹目のドジョウとはいきませんでした。

ついでに今度は気になったMOEのバックナンバー2冊を購入。
2019年6月号【特集:スイミーとレオ・レオーニ】と2015年11月号【100万冊売れた絵本のはなし】。
レオ・レオーニの絵本は、これまで3冊だけ読みました。
名作といわれる「スイミー」や「ひとあしひとあし」は、それほど心に響きませんでした。
そして「はまべにはいしがいっぱい」は期待外れで、すぐに古書店に持って行きました。
確かに絵画としての美しさ、イラストとしてのデザイン性には魅力を感じます。
でもストーリーは魂を揺さぶるほどではありませんでした。
それなのに「スイミー」は50年もロングセラーを続けています。
なぜこれほど高く評価され続けるのかを知りたくて、「スイミーとレオ・レオーニ」特集を読むことにしたのです。
何か収穫があれば、ブログでご紹介します。
ただ先日読んだ沢村貞子著「わたしの浅草」のように、確かに面白かったけれど特段収穫がなかった場合は、ご紹介無しです。
もう一冊の「100万冊売れた絵本のはなし」特集は、「おすすめの300冊」と内容が重複するのを覚悟で選びました。
一冊でもこれだ!という絵本に巡り会えますように、と願っています。

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お気に入りその1821~ことばにできない宇宙のふしぎ

2019-08-26 12:22:31 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「ことばにできない宇宙のふしぎ」です。

ノンフィクション専門の書評サイトHONZで「ことばにできない宇宙のふしぎ」が紹介されていました。
著者は「翻訳できない世界のことば」のエラ・フランシス・サンダース。
「翻訳・・・」は、さらりとした詩情につつまれた短文とシンプルでオシャレなイラストが印象的なお宝画文集で、とても気に入り、今もときどき鑑賞しています。
さて今回はどうかな?
AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
日常にあふれるセンス・オブ・ワンダー
あなたは、自分が夜空に輝くあの星たちと共通点を持っていることや、月がなぜいつもそこにあるのか、などについて思いを馳せたことがありますか?
惑星のすばらしいダンスや、過ぎ去っていく時間のこと、そして森羅万象の原理について、考えてみませんか?
この世界は、あまりにもふしぎに満ちています。
私たちは、今までになく複雑化した文明の中で暮らしていますが、そこには美しいもの、そして、「どうやって」「なぜ」という問いの答えに出会う幸せも存在しています。
ニューヨークタイムズのベストセラー「翻訳できない世界のことば」の作者による「ことばにできない宇宙のふしぎ」は、繊細な思考の広がりとイメージ豊かなイラストによって、宇宙のふしぎへの探検にあなたを誘います。
私たちのすぐそばにある、おどろくべき原理や法則、現象に光を当て、心を震えさせてくれるのです。
=====

文章は前書より多めで1ページ少々で散漫な印象を持ちました。
もう少し絞って書いた方がインパクトがあったかな。
イラストは相変わらずオシャレですが、各々のタイトルから少々飛躍しすぎと思うものもありました。
総じて前書を超える出来ではありませんでした。
それでも理系のオッサンの脳ミソに刺激を与えてくれたことは確か。

懐かしかったのは月の自転についての記述です。
小学生のときに先生と問答したことを思い出しました。
月が常に同じ面を地球に向けているのは自転をしていないから、と説明する先生。
月が自転しないなら裏側が見えるはず、と主張する私。
その問答がその後どうなったかは覚えていませんが、先生と問答したこと自体がとても印象的でした。
本書によると、地球と月の引力に潮汐力の影響が加わり、長い時間をかけて、公転周期と自転周期が調和したのだそうです。
公転周期と自転周期が同じため同じ面しか見えなくなりました。
「調和自転」というそうです。
別のページには、同じ部屋にある振り子時計の振り子が調和することが紹介されていました。
もしかしたら他の惑星や衛星でも起きているかもしれません。
自然の摂理って実に神秘的です。

他にも
地球上に存在する木の本数は天の川銀河を構成する恒星の数より多い。
人間の体の大半は細菌でできている。
温暖化の影響で白化したサンゴは体内の藻類がいなくなっただけであって、サンゴ虫自体はそれが原因で死滅する訳ではない。
などの興味深い話題が次々登場するため、ページをめくる手が止まりませんでした。
ただ文系の作家らしく、話題を提供するだけでその科学的根拠を明確にしていないこともあり、少々不完全燃焼気味でした。

私の評価としては中の上といったところ。
どちらかというと文系の方の方が面白く読むのではないかと思いました。
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お気に入りその1820~竹鶴政孝パート287

2019-08-23 12:44:47 | 竹鶴
今回のお気に入りは竹鶴政孝パート287、マイウイスキーづくりです。

ニッカウヰスキー余市蒸留所で定期的に行われているマイウイスキーづくり。
12年前に参加したウイスキーづくり体験は夢のように楽しかったです。
そして一昨年、10年目のマイウイスキー贈呈式に行って感激を新たにしました。

最近は参加経験のある方限定の「上級コース」もあります。
いつか参加したいと思っていましたが、休みが思うように取れず、申し込みできずにいました。
でも考えてみたら、例え休みが取れて申し込みしても抽選で外れるかもしれません。
還暦を来年に控え、年々衰えを実感しています。
体が動くうちに後悔しないようにこれだけはやっておきたいと思うようになりました。
そこでまず申し込んでみました。

10月11日(金)~12日(土)のコース。
抽選結果の発表は8月20日。
ドキドキしながらメールを開きました。

「当選」・・・・やったー!

ただ、仕事の調整は何とかなるにしても、家族に病人をかかえているため、その体調いかんでは当日ドタキャンということも。
しばらく悩みましたが、いくら考えても当日までわからないのだから仕方ありません。
運を天に任せて参加手続きをしました。
そしてホテルの予約も完了。
「初級コース」のときにも泊まったホテル・サンアート。
余市蒸留所に一番近いホテルです。
しかもマイウイスキー割引があるので財布にやさしいのが魅力です。

さて準備は整いました。
果たして念願の「マイウイスキーづくり 上級コース」に参加できるでしょうか?
そして当日まで明かされない「上級者向けプログラム」とはどんな内容なのでしょうか?

期待、不安、ワクワク感・・・いろいろな感情が混ざり合い、こうしてキーボードをたたいている今も胸がドキドキしています。

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お気に入りその1819~キャプテン・マーベル

2019-08-21 12:35:01 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、キャプテン・マーベルです。

先日、少し時間があったのでDVD在庫の中から「キャプテン・マーベル」を観ました。
この作品、楽しみにしている「アベンジャーズ・エンドゲーム」につながる作品とあっては見逃すことはできません。

前回の「アベンジャーズ」ではチーム・アベンジャーズがコテンパンにやられました。
元締めのヒューリーまで消されてしまい、絶望のどん底でのエンディングでした。
続編では大逆転してくれるはず、と思いつつも、既存のメンバーだけでは不安です。
大逆転の切り札が、きっとこのキャプテン・マーベルなのでしょう。
どんな能力で、どんなに強いのか?
大きな期待を胸に作品を観ました。

評価は星5つ!
マーベル・コミックの映画としてはトップクラスの面白さでした。
まさに痛快娯楽作品。
その身ひとつで巨大宇宙戦艦を破壊することができるパワーはチーム・アベンジャーズでNo.1。
しかも宇宙を自在に飛び回ることもできます。
まさにスーパーマン、いやスーパーウーマン。
彼女こそ「エンドゲーム」で大逆転を演じる切り札と確信しました。
盟友ヒューリーと地球の平和を取り戻すため大活躍することでしょう。
これは「エンドゲーム」が楽しみになってきました。

それにしてもこの作品、女性監督だけあって女性が生き生き描かれている点が素晴らしかったです。
主人公は当然として、地球時代の親友とその幼い娘。
この3人の“心の強さ”に魅了されつつ観ることができました。
3人とも格好良かった!

二度三度と観たい作品はそれほど多くはないですが、この作品はまさに当たり!でした。

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お気に入りその1818~大相撲札幌場所

2019-08-19 12:45:21 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、大相撲札幌場所です。
昨日娘夫婦と妻と4人で行ってきました。
初めて生で観る大相撲のパフォーマンスに圧倒されました。

まずは稽古風景。
横綱白鵬が土俵下で腕立て伏せやゴムチューブで筋トレをしていました。
土俵上では若手朝乃山が誰よりも多く申し合い(稽古)をしていました。
最後は白鵬が若手(誰?)のぶつかり稽古の相手をしていました。
疲労困憊の若手を鼓舞し、稽古を続ける姿は愛情を感じました。
公開稽古とはいえ、強くなることが全ての世界であることを改めて感じました。

序二段・三段目の取組
予想外に立派な体の力士が多く、見ごたえがありました。
会場から拍手や歓声を受けることは若手力士が育つために必要な経験でしょう。

髪結実演
郷土の力士旭大星がモデル。
解説を聞きながらの実演はとても興味深かったです。

相撲甚句
若手力士7人の歌のうまさに圧倒されました。
あの歌詞って、現代風にアレンジされているのかな?

初切
楽しみにしていました。
息の合った二人、いいえ行事を含めた3人のパフォーマンス。
声の反響する会場のため、少し聞きづらかったけれど大笑いさせてもらいました。

櫓太鼓打分
本場所では櫓の上でたたいている太鼓を、解説を交えて聴き比べるのはオツなものです。

土俵入、横綱土俵入
テレビでおなじみの関取たちが次から次へと登場。
野球でいうオールスター。
少し距離がありましたが生で観ることができて良かったです。

十両・幕内取組、三役取組
最後の取組は白鵬対鶴竜。
後から考えると当然ですが、取組表を見たときには驚きました。
横綱同士なんて、本場所の千秋楽でしか観ることのできない贅沢な取組。
てっきり横綱は平幕との取組が組まれていると思っていたものですから。
他にも碧山と逸ノ城と重量級対決、千代丸と炎鵬の大小対決、豊ノ島と一山本のベテラン・若手対決など見所がいっぱいでした。

弓取式
テレビでいつもやっている力士でなくて少々残念でした。
でもヨイショ、ヨイショの掛け声と拍手をたっぷりおくりました。

こうして興行は予定通り15時に終わり、帰りのタクシーを待つ間、力士たちを乗せた大型バスが何台も会場を後にしました。
翌日の釧路場所に向かったのです。
旅から旅の興行は疲れるでしょうが、ファンのため体調を崩さないように頑張ってください、と願いました。

最後に協会の方に一言。
お土産コーナーの品が貧弱すぎです。
お気に入りの力士の名入りグッズをたくさん用意すべきです。
日本手ぬぐい・スポーツタオル・バスタオルなどの大きいものから、手形色紙・クリアファイル・湯呑み・ぐい飲み、小さなものではストラップまで揃っていたらうれしかったな。
妻は栃ノ心と炎鵬のファンなので、たっぷり買い込んだことでしょう。
けれどもあったのは栃ノ心のスポーツタオルだけ。
私も白鵬と琴奨菊のグッズがあったら欲しかったです。
どうか参考にしてください。







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お気に入りその1817~浅田次郎

2019-08-16 12:22:08 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、浅田次郎です。

久しぶりに浅田次郎を読みました。
といっても小説ではありません。
「日本の『運命』について語ろう」という講演集です。
先日、地区センターで借りてきました。
読みたい本の先客は何冊も手元にありますが、まずは借りた本を返さなくてはなりませんから最優先で読みました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
私たちは、幸せになれるのか。
衆より個の利益を、未来より現在を大切にする今の日本。
150年で起きたこの国の「変容」を、知の巨人が深い洞察力と明快な論理で解き明かす。
驚きと発見に満ちた、白眉の日本人論。
『中原の虹』『終わらざる夏』『一路』。
浅田次郎はなぜここ150年の歴史に好んで小説の材をとってきたのか。
その理由が初めて明かされる!
歴史を学ぶ意味は二つあります。
ひとつは現代につながる考え方や社会のありようを知ること。
そしてもうひとつが、平和な時代が続けられなくなった理由について考えることです。
すなわち、それは国家と国民の運命を知ることなのです。(本文より)
近現代史に疎い現代人必読の書
=====

著者が書いている通り、高校では近現代史、特に戦後史をほとんどやりませんでした。
自分のクラスだけかと思っていましたが、もしかして多くの人がそうなのかも。
直接現代につながる戦後史は、現政権を擁護するため行き過ぎた教科書検定が行われており、教師が納得できない内容になっている。そのため生徒に教えたくない、というのが教師の心情なのかもしれません。

本書のタイトルである「日本の『運命』について」どんなことが書かれているかを期待して読みました。
ところが結果的には過大広告ともいえるタイトルでした。
「日本の『運命』について」というより、近代史についての解説が主題でした。
ただ期待した内容とは違いましたが、とても勉強になったことは間違いありません。
最後にそれをご紹介します。

・北方領土の歴史背景
 かつて千島列島はその全てが日本の領土だった。
 ロシアの領土になったことはなく、全面返還を強く要求すべき。
 北海道民ですが全く知りませんでした。
・中国の歴代皇帝は長命かつ優秀だった
 江戸時代に15代続いた将軍たちとの比較は面白かった。
 頑強で優秀な者を厳選して皇帝にする、という選択は当然のように思います。
 ところが病弱だったり特に優秀でもない者を派閥の論理で将軍にする、という情けない選択を
 するのが日本のダメなところ。
 15代のうち優秀だったのは、家康・秀忠・吉宗の3人だけだったそう。
・最恵国待遇
 アメリカにより開国した日本は日米修好通商条約を結びます。
 日本はそこから外国との交流が一気に広まりました。
 最初に交流を始めたアメリカは最恵国として他国とは一線を画しています。
 太平洋戦争の期間を除いて。
 決して戦後に限った話ではなかったことを知りました。
・江戸時代の経済
 幕府の財源は天領の税収のみ。
 それも加賀百万石の4倍の400万石しかなかったとは。
 諸藩から税金を集めずによくも260年も続いたものです。

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お気に入りその1816~ライオン・キング

2019-08-14 08:29:17 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、映画「ライオン・キング」です。

お盆休みは、録りためた番組を観ては消して観ては消してを繰り返しています。
一番面白かったのは「新・美の巨人たち イサム・ノグチ生涯最後の“彫刻”『モエレ沼公園』×要潤」。
モエレ沼公園は、近所に住んでいながらまだ行ったことがありません。
今回その経緯を知り、ぜひ行きたくなりました。
特にニューヨーク・セントラル・パークで実現できなかった大地の芸術が、ここ札幌で実現したこと。
天才芸術家の遺作だったこと。
札幌市とノグチの仲間たちの熱意でようやく完成に漕ぎ着けたこと。
紹介された彼の生涯、空撮により初めてわかる全体像を知ったことで、広大な大地芸術をより一層深く味わうことができると思うととても楽しみです。

さて、昨日は4DX3D吹き替え版「ライオン・キング」を観てきました。
13:10からの放映を前に腹ごしらえ。
最近お気に入りの「一夜干しと海鮮丼 できたて屋 サッポロファクトリー店」でサケ・サバ・サンマの三色盛り定食ととろとろの卵焼きをいただきました。
妻はアオゾイの定食を満喫。
ご飯に魚を乗せてだし汁で食べるお茶漬けは絶品です。
今回は11時過ぎに入ったのですんなり座ることができましたが、人気店なので、待たされるかもしれません。

さて肝心の映画。
4DX3Dは楽しいですね。
映像に合わせて座席が動き、風が吹き、水をかぶり、香りがします。
そして遠近感・立体感に優れた映像。
さらに動物たちの表情や動きの自然なこと。
映像から目を離したくないので吹き替え版にしたことも正解でした。
父親であり王(ライオン・キング)であるスカーを演じた江口洋介ってあんなに重厚感のある良い声だったのですね。
一番印象的だったのは主人公シンバの仲間であるイボイノシシ・プンバァを演じた佐藤二朗。
軽妙なセリフまわしとのびやかな歌声。
最後まで彼だとは気づきませんでした。
お見事!
また凶暴なハイエナたちとシンバたちが戦うシーンでプンバァが大活躍したことでも、二朗さんの株があがりました。
魅力的な役を射止めたものです。
さすがは売れっ子多能役者。

ストーリー的に目新しいものはありませんが、最新技術により五感で味わうことができる素敵な映画です。
子どもだけでなく大人も楽しめます。
ぜひアフリカの大地を体感しに行きませんか?


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お気に入りその1815~かがくのとものもと④

2019-08-12 12:19:29 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、かがくのとものもと④です。

「かがくのとものもと」からピックアップした絵本をご紹介する第三弾です。
ヤフオクで一気に7冊入札し、その内の6冊を落札することができました。

○とっくりばち ~どろですをつくるはちのなかま

お母さんバチがどろを20回も運び、とっくりのような巣を作る様子が丁寧に描かれています。
巣が完成するとその天井に卵をひとつ産み付け、次にたくさんのイモムシを運び込みます。
最後はとっくりにふたをして完成。
蜂の子どもにとっては、安心快適でごちそうに囲まれた夢のような環境です。
お母さんバチは一体何個の卵を産むのでしょうか?
その度にこの大変な作業を繰り返すのですから、本当に頭が下がります。
無表情なハチですがその姿に母性を感じます。

○かぶとむしのたたかいのおきて

昆虫の王様・かぶとむし同士の闘いは迫力が違います。
それを特大サイズで描いているからなおさら。
表から裏から、いろいろな角度から描く構図の妙に感激しきりです。
クヌギの蜜に飛来した直後のシーンでは、前羽(甲羅)の下から少しだけ後ろ羽がはみ出しているのが実にリアルです。
大人でさえワクワク。
体格差が接近している場合は相手にケガをさせることもあるが、体格差が明らかな場合はツノを少し突き合せただけで互いにすぐに離れるという掟の紹介は、弱い者いじめをしない子に育てるのに役立ちそうです。

○のこぎりくわがた

ヤフオクで見つけた「こどものとも年少」の一冊。
のこぎりくわがたは憧れのスター昆虫。
小学生のときに捕まえたことを鮮明に覚えています。
そのスターを実に丁寧に描いています。
腹側から描いたシーンや飛行シーンが多くてとても満足しました。
図鑑との違いはこの臨場感です。

○なつのはやしのいいにおい

ヤフオクで見つけた「ちいさなかがくのとも」の一冊。
お気に入りの画家・舘野鴻が描いています。
時間をかけて丁寧に描き込んでいます。
多くの昆虫を丁寧に描いていますが、名前の紹介がほとんどなくて少し残念でした。

○なつやすみ虫ずかん

カブトムシ、カマキリなどのスター昆虫たちが大きく描かれています。
昆虫好き、細密画好きにはたまりません。
実は本書、第一弾のときもヤクオクで入札したのですが落札できず、今回が再チャレンジでした。
著者によると本書は「虫を好きになって欲しい」というシンプルな願いから誕生したそうです。
紙面の関係で13種類しか掲載できなかったことを残念がっていました。
この本の出来なら昆虫ファンを増やしたことは確実でしょう!

〇あわててにげた

オークションで落札できず、出品者から「もう一冊あるのでいかがですか?」と連絡があったおかげで、読むことができました。
ただし絵は素朴で細密画ではありませんでした。
残念。

これまで鑑賞したのは「かがくのとも」11冊、「こどものとも年少」「ちいさなかがくのとも」各1冊、合計13冊。
振り返ると、一番多くピックアップしていたジャンルは昆虫でした。
子どもの頃、昆虫採集に明け暮れていた気持ちが蘇ったのでしょうか。

そういえば最近話題になっているNHK「香川照之の昆虫すごいぜ!」。
録画してでも必ず観ている、大のお気に入りです。
みなさんはご覧になったことがありますか?
自らデザインしたカマキリの扮装をして登場し、スター昆虫を採るために全力を尽くす姿、時を忘れて語り続ける姿、オニヤンマにキスする姿・・・。
まさに昆虫大好き!な少年がそのまま大人になり、やりたい放題。
本日(12日)はコスタリカ編が放送されます。
今から楽しみです。

「かがくのとものもと」をきっかけに、科学絵本をたっぷり鑑賞することがでました。
昆虫少年時代を懐かしみながらの細密画鑑賞に大満足でした。



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お気に入りその1814~枝廣淳子さんのメルマガ

2019-08-09 12:37:46 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、枝廣淳子さんのメルマガです。

環境ジャーナリスト・枝廣淳子さんのメルマガを購読しています。
これまで原発問題やマイクロプラスチック、災害対策など広い話題を提供してきましたが、先日の過疎化対策がとても興味深かったのでご紹介します。
それは地方経済を救うことになるかもしれない「漏れバケツ」モデルです。

北海道・下川町の取り組み。
町の収支を精査した結果、電気代やガソリン代、灯油代の支出が町の財政を圧迫していることがわかりました。
町の厳しい経済状況を漏れバケツと考えると、漏れ箇所はソコだったのです。
そこで町に豊富にある木材チップをバイオ発電と灯油代替品に使用することで、漏れ止めをしました。
従来の仕事が減った地元の灯油販売業者には木材チップ輸送業務を担当してもらい、雇用を維持しました。
豊富な熱資源を求め、シイタケ栽培業者が参入しました。
町には新たに木工職人や薪屋も参入、さらにトドマツ精油の生産も始まり、人口減に歯止めがかかったそうです。
何という魅力的な取り組みでしょう!
過疎化に悩む地方自治体には飛びつきたくなるアイデアだと思います。

以前紹介していた廃校寸前の島根県立隠岐島前高校に全国から入学希望者が殺到するまでになった事例も素晴らしかったです。

最近目にする日本の未来モデルには、人口が減少し地方自治体が消滅していくモデルばかりなので、今回のような未来に希望が持てる新しい形の地域再生モデルを知り、ぜひとも多くの方に知っていただきたいと思いご紹介となりました。

いつも思うのですが、テレビや新聞のニュースは暗い内容が多すぎると思います。
世の中、良いこと半分、悪いこと半分だと思います。
悪いニュースを流したあとには同じだけ良いニュースを流して欲しいです。
それでこそ心のバランスが取れるというもの。
日本の未来モデルもそう。
地方自治体の消滅モデルやスマート化構想にはしっかりとした根拠があるのは確かですが、今回のように未来に希望が持てる成功事例もたくさん紹介していただきたいと思います。

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