鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2334~玉鋼

2024-05-20 12:00:43 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、玉鋼(たまはがね)です。

これまで蛍光鉱物や化石などの石コレクションを少しばかりしてきました。
この度、そこに「玉鋼」が仲間入りしました。
ほとんどの方が???でしょう。
その理由について書きたいと思います。

昨年NHKスペシャル「玉鋼に挑む 日本刀を生み出す奇跡の鉄」を観てとても感動し、「玉鋼に関するモノ」を何か手元に置きたくなりました。
番組の内容については後で触れることにして、まずは「玉鋼に関するモノ」の選定について。
第一に考えたのは玉鋼から生まれた日本刀です。
刀鍛冶が伝統の技でトンカンやっているシーンや、武器でありながら完成された美を持ち、一振り一振りが個性豊かな日本刀の魅力に大いに惹かれます。
でもそんな危ないものは家に置きたくありません。
(もっとも高価で買えませんが・・・)
次に考えたのはペーパーナイフ。
似たようなもので土佐伝統工芸「くじらナイフ」がすでにありますし、玉鋼で作ったものは(当然ながら)数万円もするので断念。
最終的に思いついたのが玉鋼そのもの。
これなら危なくもないし、それほど高価でもないでしょう。
メルカリに2000円ほどの商品が出品されていたので即購入しました。
12人の男たちが三日三晩炎を操って生み出したことや、古墳時代から連綿と続く伝統技術の結晶であること、ひとたび刀工の手に渡ると日本刀が誕生することなどを想像するとロマンを感じずにはいられません。

実際に手元に届いた玉鋼は空隙や不純物のためか、見た目より軽く感じました。
少々不安に思いましたが、磁石はばっちりくっついて一安心。
玉鋼を手のひらで転がし、悠久のロマンを感じつつ酒を飲みましょう。
出雲の玉鋼ですから出雲杜氏の手による日本酒が合いそうです。


(おまけ1)
入手した玉鋼について
メルカリの商品タイトル
「NO.29 玉鋼 たまはがね134g 手のひらサイズ」
商品説明を引用します。
=====
出雲たたら製鉄の玉鋼です。
刀匠だった父が日本刀を作る時に購入致しました。
日本刀の原料として広く知られる「玉鋼」(たまはがね)です。
世界で最も純粋な鋼とも言われています。
他の鉄と比べて良質であると評されています。
玉鋼とは、日本古来の製鉄法であるたたら製鉄の「鉧押し法(けらおしほう)」によって直接製鋼された鋼の中でも、ごく僅かしか作ることのできない貴重な鋼のことを指します。
玉鋼は、不純物の含有量が極めて低く、材質が均一であるため、鍛えるだけで「刃金」(はがね)として使用できる優れた鋼と言われて、江戸時代から重宝されてきました。
=====


(おまけ2)
NHKスペシャル「玉鋼に挑む 日本刀を生み出す奇跡の鉄」について
この番組は、コロナ第6波のため2022年に一度しか行われなかった「たたら製鉄(玉鋼づくり)」の様子を克明に記録したものです。
ここでたたら製鉄の原理について簡単に書きます。
粘土で作った釜に木炭と砂鉄を三日三晩入れ続けると溶けた鉄が底部にたまり鉧(けら)ができます。
その内部に玉鋼ができます。
製鉄作業は、4組12人が木炭の減り方や炎の色などを観察しながら行います。
粘土と鉄が反応してできた不純物「ノロ」がうまく排出されず送風口をふさぐ恐れが出てきたり、炎の色や木炭の下がり方具合が悪くなったりと緊張が続きます。
全身をセンサーにしたすべてが人力の作業です。
四日目の朝、すべての作業が終わり、釜を壊して鉧を取り出します。
今回はおよそ3トンの鉧ができ、その中に玉鋼が400㎏がありました。
昨年は180㎏でしたから上出来でした。
番組では、島根県安来市にある日立金属安来工場が世界で唯一のたたら場を支えてきたことと、その会社が投資ファンドに売却されることが決まっていることを伝えています。
古墳時代から続く伝統的製鉄技術が失われないことを願うばかりです。
この番組を見て、玉鋼に関するモノが欲しくなりました。





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