鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1218~アイヌと縄文

2016-05-30 12:41:57 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
回のお気に入りは、「アイヌと縄文」です。

「アイヌと縄文 ~もうひとつの日本の歴史」を読んでいます。
著者は瀬川拓郎。
旭川市博物館の館長だそう。

司馬遼太郎の「街道をゆく」に、縄文の思想はアイヌに引き継がれていると書いていました。
それがイオマンテ。
食べ物や道具を捨てるときに、感謝の祈りを捧げつつ神の国に送り返す儀式です。
針供養や人形供養などの思想、最近では資源を大切にするモッタイナイの思想に通じます。
現代日本人のDNAにもしっかり組み込まれている思想です。

これについて、いつか研究者が書いたものを読みたい、という願いがありました。
AMAZONで検索しましたが、なかなかしっくりくるものがありませんでした。
諦めかけていたある日、本書を書店で見かけ、ダメ元で裏表紙の内容紹介を読みました。

=====
アイヌこそが縄文人の正統な末裔であることが、最近のさまざまな研究や調査で明らかになっている。
平地人となることを拒否し、北海道という山中にとどまって縄文の習俗を最後まで守り通したアイヌの人びと、その文化を見ていけば、日本列島人の原郷の思想が明らかになるにちがいない。
交易、祭祀、葬制、遺跡とその遺物、言語などの多方面にわたる最新のアイヌ研究を総合し、弥生文化を選択した現代日本人にとって、ありえたかもしれないもうひとつの歴史を叙述する野心的試み。
=====

縄文人の一部は「平地人(=弥生人)になることを拒否し、山中に留まった」という一文に、以前読んだ坂本大三郎著「山伏と僕」の一文がつながりました。
「山伏は、縄文時代の人々の知識に、大陸から来た神道、密教、陰陽道などが加わり、独自に進化してきたもの」

立場が違う二人の著者が同じことを書いています。
森羅万象に精霊が宿るという縄文の思想は、アイヌと山伏に色濃く残されているようです。

早速読み始めました。
いろいろ興味深いことが判りました。

・縄文語がアイヌと九州北部に残っている。
・アイヌは日本や大陸と活発な交易をしていた。
・アイヌには2つの勢力がいた。
・かれらは川を表すアイヌ語地名「ペツ」と「ナイ」の使い分けに違いがあった
  太平洋側は「ペツ」を多用する
   登別ノボリベツ、中標津ナカシベツ
  日本海側は「ナイ」を多用する
   岩内イワナイ、小樽オタルナイ、稚内ワッカナイ
・他に第3の勢力として日本人と言葉が通じる勢力がいた。

国内外の歴史や地域性、気候変動などを大きくとらえた上で、アイヌと縄文を語る著者。
まるで俯瞰科学。
これまで別々に研究されてきた成果を一つにまとめることで見えてくる世界。
大胆に、より確からしい、アイヌと縄文の歴史が語られています。

これは面白い!
あと10ページほどでどんな風にまとめるのか、とても楽しみにしていました。
それなのに・・・。

本がどこかに紛れてしまいました。
自宅を大規模リフォームするために仮住まいに引っ越したときに、どこかの箱に。
仮住まいのうちに見つかるか、リフォーム終了後に見つかるか。
ああ、早く結論を知りたいものです。

また著者が館長を務める「旭川市博物館」も見学したいものです。
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お気に入りその1217~スーホの白い馬

2016-05-27 12:57:37 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、スーホの白い馬です。

今回読んだのは「スーホの白い馬」。
日本傑作絵本シリーズの一冊で、モンゴル民話に材をとっているそうです。
なんと1967年に初版が発行されており、来年で半世紀になるロングセラー。
私が購入した古本は2005年版で第109刷となっています。
発行から38年で109回刷っているということは年に2.9回刷っている計算。
こういう売れる本でもまとめて1年分を刷らないのですね。

表紙には「大塚勇三・著」ではなく「大塚勇三・再話」と書かれています。
オリジナルではなく民話を文章に落としたということをきちんと伝えたいのでしょう。
まじめな人柄とお見受けしました。
またイラストを描いた赤羽末吉は、最終ページに落款を押していますが、象形文字っぽい「羽」一字を四角で囲い、赤い朱肉で押印して「赤羽」と表現しています。
オープニングの巨大な二重の虹や、矢のように駆け抜ける馬たちなど、大草原の広さを表現するにふさわしいおおらかな人柄を感じました。

いつもはAMAZONの内容紹介を引用していますが、最近お気に入りである絵本ナビのみどころ紹介も引用します。

AMAZONの内容紹介
=====
淡い、水彩のような絵で描かれた、モンゴルの民話。
あまりなじみのない馬頭琴という楽器ができた、そのわけが語られる。
スーホというのは、昔、モンゴルに住んでいた羊飼いの少年の名前。
貧しいけれど、よく働き、美しい声をした少年だった。
そのスーホがある日つれて帰ってきた白い子馬は、だんだんと大きくなり、スーホととても仲良くなった。
スーホは白い馬のために、白い馬はスーホのために一生懸命だった。
ところが…。
見知らぬ国モンゴルにノスタルジーさえ感じさせる絵の色彩とトーンが、悲しくも美しいストーリーにいっそうの深みを加えている。
叙情的なストーリーと絵の両方をゆっくりと味わってほしい。
読んであげるなら4歳から、自分で読むなら小学校中学年から。
(つちだみき)
=====

絵本ナビのみどころ紹介
=====
昔、モンゴルの草原に、スーホという貧しい羊飼いの少年がいました。
スーホはとしとったおばあさんと二人きりでくらし、大人に負けないくらいよく働きました。
ある日、スーホは生まれたばかりの小さな白い馬を拾って帰ります。
スーホが心を込めて世話したおかげで、子馬は立派に育ちました。
ある年の春、殿様が町で競馬の大会を開き、一等になったもの者は殿様の娘と結婚させるという知らせが伝わってきました。
スーホは白い馬を連れて競馬大会に出て、見事一等になります。
ところが一等になったスーホが貧しい羊飼いであることを知ると、殿様はスーホにひどい仕打ちをします。
モンゴルの楽器「馬頭琴」の由来となった、せつなく悲しい物語です。
赤羽末吉氏によるダイナミックな構図の壮大なイラストが、このおはなしのスケールを大きく感じさせてくれます。
特に横長の見開きシーンは圧巻です。
権力者の不条理な対応に打ちのめされる羊飼い。
読み進みながら、憤りとせつなさを感じざるを得ません。
小学校2年生の国語の教科書に採用されており、大人と子どもを問わず愛され続けている名作。
ぜひ家の本棚に置いておきたい一冊です。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
=====

仲良しだった白馬の亡骸の側で嘆き悲しむスーホー。
白馬は夢の中で語りかけます。
「悲しまないで下さい。
 私の骨や革、筋、毛を使って楽器を作ってください。
 そうすればいつも一緒にいられますし、慰めてあげられます。」

以前TVでハイジという女性が犬と話していた場面を思い出しました。
そのときは老いて寝たきりになった犬が、大好きな飼い主に申し訳ないといって元気をなくしていました。
一緒に散歩ができなくてごめんなさい、と。
飼い主に元気がないのは、自分のことを心配しているとは気づかず、一緒に散歩ができないからだと思っていたのです。

飼い主もTVの前の私も涙腺崩壊です。
「キミは何にも悪くないんだよ!」
飛んで行ってそう言ってあげたかったです。
犬って自分のことより、飼い主が元気でいられることを願っているんですね。

白馬もスーホーが元気になってくれることを願っていました。

わが家の居間で眠るように亡くなった愛犬を思い出しました。
あの娘もそう考えていたのかな?


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お気に入りその1216~ひとあしひとあし

2016-05-25 12:05:36 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ひとあしひとあしです。

今回読んだ絵本は「ひとあしひとあし なんでもはかれるしゃくとりむしのはなし」です。

以下の2つの紹介文を読み、選びました。

AMAZONの内容紹介
=====
しゃくとり虫は、いろいろな鳥の寸法をはかってあげることができます。
最後に登場するいじわるなナイチンゲールの難題を、もちまえの知恵で、どのように切り抜けるのでしょうか。
レオ=レオニの作品を多数、翻訳している谷川俊太郎のお気に入りの一冊です。
=====

絵本ナビのみどころ紹介
=====
小さなしゃくとり虫の賢さが光る、レオ・レオニらしい絵本。
こま鳥の次はフラミンゴ、おおはし、さぎ、きじ、はち鳥、ナイチンゲールと、美しい鳥たちが登場します。
最後にはナイチンゲールの歌を測ることになるのですが……。
パステルとコラージュで表された鳥たちの構図が抜群です。
アート絵本としても楽しめる一冊。
米国では、この絵本を使った「長さ」の授業も行われます。
ちなみに「しゃくとり虫」は英語で「インチウォーム(Inchworm)」。
かわいいしゃくとり虫の活躍ぶりを楽しみましょう。
――(ブラウンあすか)
=====

レオ・レオニって有名な作家らしいですが初めて読みました。
原題の「inch by inch」は、少しずつ逃げるという意味としゃくとり虫の英名Inchwormに掛け合わせた絶妙な題名です。
また「ひとあしひとあし」という和訳も「しゃくとり」を掛けていて絶妙。
生態系の弱者であるしゃくとり虫が知恵を絞って生きる姿を描いています。
自分ができることの中に相手が喜ぶことはないか?
それを見つけることができれば、相手と対立しなくて済みます。
そしてそれが見つからないときにも、あきらめず生き残る道をさがすこと。
強者と対峙した時の心構えを学びました。

絵本ナビにもあります通り、絵がきれいです。
ただの草木をああいう風に描くのを初めて見ました。
大きなフラミンゴの描く構図も大胆。
まさに一幅の絵画、アートです。


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お気に入りその1215~イソポカムイ

2016-05-23 13:01:23 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、絵本イソポカムイです。

藤村久和・著、手島圭三郎・画の絵本「イソポカムイ」を読みました。
娘が子どもの頃に読んだそうで、先日貸してくれました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
たのしく暮らしていた、年老いたウサギの神が若い頃を思い出し、久しぶりに大自然のなかをとびまわってみると、思いもかけない出来事に次々と出会う。
そして家に帰りたくなったウサギが家の近くにくると…
アイヌの人々は生き物や魂が存在するものを「神」という意味の「カムイ」として尊んできました。
北海道在住の版画作家・手島圭三郎の力強い表現が絵本の世界に広がっています。
=====
手島圭三郎
北海道生まれ。
「しまふくろうのみずうみ」では絵本にっぽん賞を、「きたきつねのゆめ」はボローニア国際児童図書展グラフイック賞を、「おおはくちょうのそら」はドイツ児童文学賞絵本部門ノミネート賞など、数々の賞を受ける
=====

本書は、アイヌ文化伝承者・四宅ヤエが語ったアイヌの昔話を絵本にした神々の物語シリーズの一冊だそう。
他にもカムイチカプ、カマコシネカムイ、チピヤクカムイ、エタシペカムイの4冊があることは確認しましたが、廃刊になっているものもあるようです。

大胆に構図された木版画。
生き生きとしたうさぎの神様が駆け回る、その力強いリズムが見事に表現されていて魅了されます。
そしてシンプルな語り。
「ホーリムリム、ホーリムリム」といういかにもアイヌ語らしい掛け声とともに語られるうさぎの神様の物語。
喧嘩している者がいたら仲裁に入り、鯨が浜に打ち上げられているとみると駆け寄る。
すべては視力が老いて衰えたことによる見間違い。
やさしい神様だということがよく判る物語です。

絵本の扉には次のような添え書きがありました。
うさぎの肉はやわらかくてとても美味しい上、その足を玄関に飾っておくと病気を防いでくれたそう。
けれども粗末に扱えば恐ろしい神にもなる。

本書には、うさぎの神様のやさしさを伝えることで、うさぎを大切にしてほしい、という願いもこめられているのかな?
食べものや道具を捨てるときにさえ、感謝しながら神の国に送り返すアイヌらしい物語だと思いました。

私たちの祖先である縄文人の血を最も濃く残しているといわれるアイヌ。
アイヌの伝承には、きっと失われた縄文人の伝承が強く影響していることでしょう。
だからこそ、この物語が心に沁みるのでしょう。

他の4冊が気になるところです。

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お気に入りその1214~本日は、お日柄もよく

2016-05-21 12:30:58 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「本日は、お日柄もよく」です。

原田マハ著「本日は、お日柄もよく」を読みました。
先日「翼をください」を読み、同じ著者のものをもう1冊読みたくなったものですから・・・。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
OLが選挙のスピーチライターに!? 
言葉のもつ限りない可能性をハートフルに描いた青春小説。
スピーチの極意もお教えします!
お気楽なOL・二ノ宮こと葉は、密かに片思いしていた幼なじみ・今川厚志の 結婚披露宴で、すばらしいスピーチに出会い、思わず感動、涙する。
伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。
衝撃を受けたこと葉は、久美に弟子入りし……。
=====

表紙を開くと「スピーチの極意10か条」がどんと載っており、それに続いて物語がスタートします。

物語は冒頭から伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞と今川幹事長の代表質問があり、とても感動しました。
これには涙腺を思いっきりやられてしまいました!
これはまずい、一人のときに読むしかない。
それからは、こっそりかつ真剣に読みました。

作品中にいろいろなスピーチが出てきましたが、その度に気になったのは「スピーチの極意」でした。
このスピーチは「極意」を活かしているのか?
気にしながら読みました。

年齢的にスピーチしなくてはならない場面があるため、感動してばかりでなく、勉強にもなりました。
本書はスピーチ・マニュアルとして手元に残したいと思います。

以前、緊張でスピーチの内容を忘れてしまったことがあります。
どうしたら緊張しないようになるのかな?
その疑問を持っていましたが、それには次のようなこたえが書いてありました。
=====
誰しもスピーチは緊張する。
スピーチで緊張しない方法を探す主人公に対し、スピーチには適度な緊張が必要だ。
師匠も今川議員もみんな緊張していた。
緊張したら手のひらに“人”と書いて飲み込み、会場の人々を飲み込むようなスピーチをしようと望む。
それが大切。
=====
なるほど参考になりました。
正式なスピーチをする機会なんて滅多にないけれど覚えておこうと思います。

最後に、本書を読み、いずれ役に立つであろう言葉を書き写します。
みなさんのお役にもたつかもしれない言葉です。
=====
スピーチの極意
一、スピーチの目指すところを明確にすること
二、エピソード、具体例を盛り込んだ原稿を作り、全文暗記すること
三、力を抜き、心静かに平常心で臨むこと
四、タイムキーパーをたてること
五、トップバッターとして登場することは極力避けること
六、聴衆が静かになるのを待って始めること
七、しっかり前を向き、右左を向いて、会場全体を見渡しながら語りかけること
八、言葉はゆっくり、声は腹から出すこと
九、導入部は静かに、徐々に盛り上げ、感動的にしめくくること
十、最後まで決して泣かないこと
=====
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。
3時間後の君、涙がとまっている。
24時間後の君、涙は乾いている。
2日後の君、顔を上げている。
3日後の君、歩き出している。
=====




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お気に入りその1213~映画DVD

2016-05-19 12:25:31 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、映画DVDです。

久しぶりに映画DVDを鑑賞しました。
「インタープラネット」と「ミケランジェロ・プロジェクト」の2本です。

内容紹介を引用します
=====
とある惑星に不時着したカイは、未知の生物と共生することで人間を寄せつけない過酷な環境に適応し、人工知能ロボットを相棒にして生き延びていた。やがて彼は、惑星にまつわる数々の謎を探り始める。
=====
ダ・ヴィンチ、ゴッホ、ルノワールにピカソなど、ナチスが略奪した美術品の数々を“モニュメンツ・メン”が奪い返すべく奮闘する。芸術家や歴史学者らで結成された男たちの実話を、ジョージ・クルーニー監督・主演で映画化。
=====

「インタープラネット」はオーストラリアの監督による初の長編映画だそう。
主人公が気を失い、目を覚ますと大きく場面が変わる、という展開が何度も何度も出てきます。
その度に謎は深まるばかり。
最後にようやく謎が解けます。
主人公と裏切り者の時間の進み方が違った、というオチでした。
結構面白いオチなのに謎解きが下手なため、完全なB級作品に終わっています。
久しぶりに「映画鑑賞にかかった時間を返してくれ!」と思った作品でした。

それに比べ「ミケランジェロ・プロジェクト」は良い映画でした。
心震えるシーン、粋なシーンが多い映画でした。
特にドイツ軍が撤退直前に集めた名画を焼却するシーンの入れ所がベストでした。
名画や彫刻があちこちの鉱山に隠ぺいされていることが判明し、モニュメンツ・メンに希望が生まれた直後に、わざわざこのシーンをいれるとは・・・。
思わず、名画を焼くのは止めてくれ!と声が出そうになりました。
ジョージ・クルーニー監督、なかなかやるな!
ソ連軍が迫る中、聖母子像を見つけたシーンは感動的でした。
またマット・デイモンのネクタイが、美術品を載せた貨車に結ばれていたシーンも粋でした。
そしてラストシーンも。
ジョージ・クルーニーの映画好きがよーく判るこだわりシーン満載です。
惜しむらくはモニュメンツ・メンのひとりひとりの才能や役割を描き足りなかったこと。
美術界にとって必要な人材ばかりだったはずなのに、ただの美術品好きの年老いた新兵のような扱いでした。

この映画はもう一度観たいです。
本来、戦争中には顧みられることがなく、戦後処理にゆだねられるはずだった人類の宝の奪回作戦。
手遅れになる前に、命をかけて戦った男たちに感謝しながら・・・。






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お気に入りその1212~山菜採り

2016-05-17 12:39:49 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは山菜採り。

日曜日に息子の誘われ山菜採りに行ってきました。
今年は行けないかな、とあきらめていましたからうれしかったです。
というのは来月1か月間リフォーム工事をするため、現在仮住まいの準備中。
この半月間、大量の家財道具と格闘しています。
そんな中、汗だくの妻を残して山菜採りに行きたいとは口が裂けても言えませんでした。
ところが久しぶりに来た息子が行きたいといったら、即OK。
息子よありがとう!

ということで厚田の山中へGO!
うどとあずきなを採ってきました。
時期が若干早めでしたが、そこそこ採れました。
日曜日はあずきなをおひたしで食べました。
アスパラガスの親戚だけあってマヨネーズが合う合う。

月曜は私が休みだったのでうどを調理しました。
穂先はてんぷら、茎は酢味噌和え、皮はきんぴら。
昨年は手抜きをして皮をかきあげにしましたが、やっぱり定番の3種類を食べると満足感が違います。
独特の香り。
たまりませんね。

もう少し食べたかったけれど、あとはまた来年の楽しみにとっておきます。

いい景色の中、小鳥のさえずりを聞きながら、山道を歩いて山菜を採り、おいしくいただく。
毎年続けたい楽しみのひとつです。


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お気に入りその1211~ルリユールおじさん

2016-05-14 12:51:45 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ルリユールおじさんです。

いせひでこの絵本「ルリユールおじさん」を読みました。

ペンブックスの「美しい絵本」で、映画監督の川瀬直美が推薦していました。
娘と暮らしたパリの街並みそのままの絵が美しく、ストーリーも素晴らしいとのこと。
絵本の絵って下手ウマのものが多いようですが、できれば美しいストーリーとともに美しい絵も鑑賞したいです。
本書は一挙両得を狙って選びました。

以下は絵本ナビの引用です。
=====
舞台はパリ。路地裏の静かな通りにひっそりとルリユールおじさんの店はあります。「ルリユール」とは手作りの製本の事。
ソフィーは大切にしていた植物の図鑑がばらばらになってしまい、途方にくれてしまいます。
そこで街の人に教えてもらったのが、「ルリユールおじさんのところへ行けば直してくれるよ。」という言葉。
ソフィーが歩き回ってやっと探したのがこのお店。
ソフィーの目の前でおじさんは植物図鑑をどんどん修復され、生まれ変わらせていくのだけれど、その細かい工程がきれいな絵で紹介されていたりして「あぁ、こんな丁寧な作業があるのか・・・」と感動せずにはいられません。
なにせ、製本職人は60もの工程を覚えなければならないそう(!!)なのだから。
やがてソフィーの世界で1つだけの美しい植物図鑑が出来上がっていくのと同時に、ソフィーの世界、おじさんとソフィーの交流、おじさんとやはり製本職人だった父を思い出していく様子などがとても丁寧に描かれていきます。
最後に金箔の文字が入って完成した瞬間にはこちらまで何とも言えない幸せな気持が生まれてきてしまいます。
分厚い革表紙に金箔の装飾のヨーロッパの本、あの存在感にどうしてこんなに憧れてしまうのだろう・・・と思っていたけど、この絵本を読んで納得。
「魔法の手」で作られていたのですね。
今では全工程をマスターしている職人さんは一桁だそうです。ますます憧れる・・・。
秋も深まるこの季節にぴったりの、本を愛するちょっと大人の為の絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

出版社からの紹介
たいせつにしていた植物図鑑がこわれてしまった、パリの少女ソフィー。
本をなおしてくれる人がいると聞いて、ルリユール(製本職人)を訪ねる。
本への愛情と、時代をこえてつながる職人の誇りを描いた傑作絵本。
講談社出版文化賞絵本賞受賞作。
=====

本を手に取り扉を開けると、カバーの内側にこんな言葉が書かれていました。
「わたしも魔法の手をもてただろうか。」

誰の言葉?
その意味は?

謎を秘めたまま物語は始まりました。
壊れてしまった大切な植物図鑑を直してくれる人を探す小さな女の子ソフィーと、工房に向かうルリユール(製本職人)のおじいさん。
二人がそれぞれの家を出てから工房の前で出逢うまでの展開はまるで映画のよう!
人と人って出逢う前にも、偶然近くにいたりするものなのですね。
出逢いは偶然、という運命のようなものを見事に描いていると思います。

人物、街角の風景(建物、自動車、自転車、街路樹)などが、デッサン力に優れ、とても美しく描かれています。
二度読みし、もう一度絵だけを鑑賞するくらい気に入りました。
水彩絵の具のぼかしが立体感を際立たせています。
立体感といえば「立てかけてある自転車」が一番気に入りました。
どうでもいい話ですが・・・。

物語では、ソフィーの大切な植物図鑑が、世界に一冊の素敵な本として生まれ変わります。
最後は、彼女が植物学者になった場面で終わります。

本は人と同じで、その出会いが人生に影響を与えます。
著者いわく
「修復されじょうぶに装丁されるたびに、本は、またあたらしいいのちを生きる」

TVの「和風総本家」で職人が修理した品物を目にして依頼人が涙するシーンと重なりました。


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お気に入りその1210~翼をください

2016-05-12 12:28:44 | 鬼平
今回のお気に入りは、「翼をください」です。

お気に入りの作家、原田マハの「翼をください」を読みました。
彼女の作品にはいつも悪人が出てきません。
いい人ばかりによる人間ドラマには無理があるはずなのに、いつも満足させられます。
今回は珍しく悪人が登場します。
といっても女性蔑視のいやみな人物としてアメリカ空軍司令官が登場するだけ。
本書は、史上初の世界一周飛行を臨場感たっぷりに描きながら、過去と現在の人々を生き生きと描いた感動作でした。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
気鋭のストーリーテラー『カフーを待ちわびて』の著者が放つ、強くてせつない、空のロード・ノベル。
ほんとうの自由を求めて飛び立った女性飛行士と、前人未到の世界一周飛行に挑んだ男たちの勇気と友情の物語。
長編小説。
歴史の闇に葬られた国産飛行機「ニッポン号」に関する謎の写真を見つけた新聞記者の翔子は、カンザス州アチソンを訪ねる。
この辺鄙な町で生まれ、世界へと羽ばたいていったある女性パイロットの軌跡をたどるために。
1939年、史上初めて世界一周飛行を果たしたニッポン号には信じ難い真実が秘められていた――。
=====
新聞記者の翔子が見つけた一枚の謎の写真。
1939年、初めて世界一周をした純国産飛行機「ニッポン」号に秘められた真実。
アメリカ・カンザス州アチソン―この辺鄙な町で生まれ、世界へとはばたいていった有翼の女神。
より高く、もっと早く、ずっと遠くへ。
気鋭のストーリーテラー『カフーを待ちわびて』の原田マハが放つ、強くて切ない、大河物語。
=====

以下はどなたかが書いた素敵な文章です。
(書いた方の名前をひかえるのを忘れました)
史実とフィクションを丁寧に振り分けて紹介してくれていたので、こちらも引用します。
=====
主人公エイミー・イーグルウィングのモデルになったのは「アメリア・イアハート」という女性パイロットです。
実際にアメリアは1937年7月、世界一周飛行挑戦中に南太平洋上で消息を絶ちました。
アメリカ軍はもちろん、日本軍も懸命の捜索活動をしたが(当時はまだ太平洋戦争は始まっていなかった)、機体も遺体も見つからなかったといいます。
パイロットとして数々の飛行記録を打ち立てていたアメリアは、すでにアメリカでは絶大な人気を得たヒロインでありましたから、その遭難(失踪)後に幾多の伝説が生まれたようです。
まるで義経=チンギスハン説のように。
原田マハは、国産飛行機「ニッポン号」による世界一周飛行という快挙(これも事実)に、アメリア・イアハートの新しい伝説を大胆に加えて、壮大で爽やかで感動的な物語にしてくれました。
=====

物語後半、エイミーは日本領台湾で世界一周達成直前のニッポン号を降ります。
パスポートも持たずに・・・。
無茶し過ぎです。
民間の通信網でロスアンゼルス・ビーコン・ヒル通信局で待つ恋人トビアス・ブラウンと連絡を取り、落ち合うことができればいいなと思います。

その前の世界一周中盤、ニッポン号がマイアミ飛行場を飛び立ったとき、エイミーはトビアスと交信しています。
「せかい・は・ひとつ」
「了解。成功を祈ります。よい一日を。PSE・PSE」
という秘密の合言葉を交わす二人。
実に感動的なシーンでした。
このシーンに結びつくエピソードを入れてくれると希望が広がったのにと残念でした。

なお、ニッポン号の世界一周成功は、GHQにより記録が隠蔽されたそうです。
太平洋戦争前夜の栄光の記憶を消すことで、日本の誇りと復興への気概を奪おうとしたのでしょう。
もっともそんな姑息な手を使われても、しっかり戦後復興を成し遂げましたが。

原田マハは手元にあと2冊あります。
「旅屋おかえり」と「本日は、お日柄もよく」。
同じ作家を続けて読むことはあまりしませんが、今回は「おかわり」しようかな。

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お気に入りその1209~美しい絵本

2016-05-10 12:31:26 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、美しい絵本です。

ペンブックス編「美しい絵本~大人のための100冊案内」を読みました。

帯の内容紹介を引用します。
=====
世界7か国の旬な絵本作家、華麗な仕掛け絵本の歴史、絵本が生んだ愛すべきキャラクター、名作復刻のトレンド、各界著名人の「私の好きな1冊」、世界の絵本ミュージアム・・・。
イマジネーションを刺激する、100冊を超える絵本を紹介。
=====

マイブームである絵本さがしの参考にするために購入。
絵本を100冊も紹介しているというので楽しみにしていましたが、想像とは違いました。
博物館級の絵本が相当数含まれていました。
絵本の歴史にはあまり興味がなかったので、そのあたりはさらっと読み飛ばしました。
もっともムーミンやピーターラビットなどは興味深く読みましたが・・・。

本書に掲載されていて心に響いた絵本は次の3冊です。

「みずたまレンズ」今森光彦
「あけるな」谷川俊太郎、安野光雅
「ルリユールおじさん」いせひでこ

この中から今回は「ルリユールおじさん」を読むことにして注文しました。
届くのが楽しみです。





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