鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1270~かえってきたおにんぎょう

2016-10-31 12:46:13 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「かえってきた おにんぎょう」です。

お気に入りの「くまのアーネストおじさん」シリーズ。
今回選んだのは「かえってきた おにんぎょう」。

アーネストに誘われ、散歩に行くことになったセレスティーヌ。
大切にしているペンギンの人形シメオンを連れていきます。
ところが途中でシメオンを無くしてしまいます。
涙にくれるセレスティーヌ。
翌朝、壊れたシメオンを見つけたアーネスト。
シメオンのかわりにたくさんの人形を買って帰ります。
セレスティーヌは納得しません。
アーネストはセレスティーヌにシメオンの姿を詳しく描いてもらい、夜なべでシメオンを再生します。

大切なシメオンが戻ってきたときのセレスティーヌの喜び様。
こちらまでうれしくなります。
相変わらず温かい気持ちにしてくれるシリーズです。

そういえばわが家の娘も小さいころに大切にしていたぬいぐるみがありました。
「わんわん」と呼んでいたあのぬいぐるみ。
あちこち生地が擦り切れて穴だらけになったので捨てたはず。
先日「ぬいぐるみの病院」というのがあり、大評判だと聞きました。
もし今も「わんわん」があったら、そういうところに修理をお願いして娘にプレゼントしたかったです。



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お気に入りその1269~吾妻光良

2016-10-29 12:13:29 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、吾妻光良です。

久しぶりに「吾妻光良 & The Swinging Boppers」を聴きたくなって、
「Seven & Bi-decade The Great Victor Masters 2003-2006」
をAMAZONでダウンロードしました。
本当はCDを買おうと思ったのですが、間違ってダウンロードを選択してしまいました。
やり直す方法がわからなくて、やむをえず初めてダウンロードに挑戦。
パソコンでCDに焼き、カーオーディオに無事録音できました。
きっとUSBメモリを使ったりして簡単に移すこともできるんだろうな。
つくづく時代についていけてないなと思いました。

さてこのアルバム。
私のようなオジサンがホッとして大笑いでる曲のオンパレードです。

10年前に発表されたため、ファンは聴き飽きているでしょうが、私にとっては新鮮な曲がほとんど。
他のアルバム同様、ニヤニヤしたり、大笑いしたりしながら聴きました。
格好つけず、オヤジの本音を次から次へと歌っています。
相変わらずストレス発散にぴったりです。
最高って、こういう時に使うんだ、と改めて思いました。
まだ聴いていないオジサン方はもとより、オヤジ化したお姉さん方にもおすすめします。

収録曲は次の12曲。
元の曲があるのかどうかも知らない素人ですが、歌詞の感想を書きます。

01 最後まで楽しもう
02 IT Boogie
   IT用語のオンパレード。ついていけてないことをさらに実感。
03 マーケット・プレイス
04 しかしまあ何だなあ
   別のアルバムでも聴いたけど、歌詞は同じ? なんだか新鮮。
05 カミさん不細工な方がいい(UGLY WOMAN)
   美人は金がかかる、60歳越えて美人なのは吉永さゆりさんくらい
   っていう歌詞、笑っちゃいます。
06 The Sidewinder
07 150~300
   何の数字と思ったら、血圧か! いろいろな場面で上がる上がる!
08 SILENT GEORGE
   ドアをぶっ壊して女の家に侵入する男がなぜサイレント?
09 学校出たのかな
   大学だけかと思ったら、高校、中学まで。あきれるぜ。
10 高田馬場へ(Loosiana)
   青春を過ごした街って誰もが懐かしいもの。
11 物件に出物なし2006(live)
   耐震設計まるでウソ! 恐ろしくて笑えない・・・。
12 On The Sunny Side Of The Street(live)



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お気に入りその1268~秋月記

2016-10-27 12:28:21 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「秋月記」です。

葉室麟が北海道新聞の朝刊に「影ぞ恋しき」を連載しています。
愛する家族を守り抜くと公言する剣豪が感動的に描かれています。
作品は面白いのですが、新聞小説のため、読みたいときに読みたいだけ読めないことが欠点。
そのうっぷんを晴らすため、葉室麟の「秋月記」を読みました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
筑前の小藩・秋月藩で、専横を極める家老・宮崎織部への不満が高まっていた。
間小四郎は、志を同じくする仲間の藩士たちとともに糾弾に立ち上がり、本藩・福岡藩の援助を得てその排除に成功する。藩政の刷新に情熱を傾けようとする小四郎だったが、家老失脚の背後には福岡藩の策謀があり、いつしか仲間との絆も揺らぎ始めて、小四郎はひとり、捨て石となる決意を固めるが―。
絶賛を浴びた時代小説の傑作、待望の文庫化。
=====

幼き日、野犬に襲われた妹を救い出せず、それを遠因として妹が亡くなったと悔い続ける主人公。
その日以来、何事にも決して逃げないことを自分に課します。
藩政の刷新についても、降りかかる危険を物ともせず臨みます。
時には人に恨まれ憎まれることも厭いません。
身分の上下にこだわらず、農民の娘、家老の妾、商人などの力を借りつつ、秋月藩の窮地を打開します。
「政(まつりごと)は誰かが憎まれ役を買って出ないと進まない」
自分が排斥した元家老の教えを守り、最後は藩のために遠島の刑を甘んじて受けます。

著者は「蜩の記」で、清廉潔白な男の見事なまでの死に様を描きました。
彼の言動は誰から見ても正義であり、それが政を行う者にとっては邪魔だったのです。
為政者にも良心からくる迷いや苦悩があります。
正義の心を持った為政者ならなおさらです。
「秋月記」はそんな為政者の心の内を見事に描きました。

内容紹介に「絶賛を浴びた時代小説の傑作」とありましたが、看板に偽りなし!
二転三転するストーリー展開といい、登場人物たちの生き生きとした描写といい、実に素晴らしい感動作でした。

主人公のように真に日本の未来のために尽くす政治家がいて欲しいと思いました。
ただし「日本の未来のために」という信念からあえて憎まれ役を買って出る真の政治家がいたとしても、それを見抜く目が自分にあるのか?
そこが問題です。


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お気に入りその1267~びょうきになったアーネスト

2016-10-25 12:54:46 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「びょうきになったアーネスト」です。

絵本「くまのアーネストおじさん」シリーズの一冊。

病気になったアーネストのためにセレスティーヌが大車輪の活躍をします。
医者を連れてくる、薬を煎じる、病人食を作る・・・。
特に、少し良くなったアーネストの退屈をまぎらわすために、変装したり、箱に隠れて飛び出したりする活躍ぶりには、拍手を贈りたくなります。

女の子ってお母さん役やお姉さん役をして、誰かの「お世話をする」ことが好きなのでしょうね。
生き生きと飛び回るセレスティーヌの表情や仕草をたっぷり楽しめる作品です。

ラストシーンがまた素晴らしい。
すっかり回復したアーネストに、コップや皿をたくさん割ってしまったことを告白するセレスティーヌ。
今度一緒に買いに行こう!と優しく返すアーネスト。
ああ、まさに愛に溢れたホームドラマ。
読んでいるこちらの心まで温かくなり、笑みが広がります。
だから、次を読みたくなっちゃうんです。

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お気に入りその1266~串田孫一の緑の色鉛筆

2016-10-21 12:20:18 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「緑の色鉛筆」です。

昨年から始まった平凡社のSTANDARD BOOKSシリーズ。
その中の一冊、中谷宇吉郎の「雪を作る話」を以前、読みました。
世界で初めて人工雪を作ったことで有名な中谷宇吉郎のエッセイ集。
寺田寅彦の弟子であることから、文学的な科学エッセイは読みごたえがありました。

今回読んだ串田孫一の「緑の色鉛筆」。
本来、串田孫一を知る世代ではありませんが、「博物誌」シリーズで偶然出会い、ファンになりました。
最近読んでいませんでしたが、STANDARD BOOKSシリーズの中で見かけ、読むことにしました。

40代から80代という長ーい期間に書かれたエッセイがいろいろ収められていました。
面白かったものをいくつかご紹介します。

しゃっくりとためいきについて考察したエッセイには、しゃっくりを我慢したために命を落とした青年の話が出てきました。
お得意様との食事に緊張した青年がしゃっくりを止めるために息を止め、それが過ぎて気を失い、そのまま絶命したという嘘のような本当の話。
たかがしゃっくりと侮ってはいけません。
ちなみに先日、医者が書いたしゃっくりの止め方を読んだのでご紹介します。
舌を引っ張る、両耳に指を入れ強く押す、という2つの方法は呼吸に関わる神経を刺激するのでしゃっくりを止める効果があるそうです。
お試しあれ。

次に、アリジゴクの巣についてのエッセイには感心させられました。
小学校二年生の女の子が、夏休みの自由研究?で、アリジゴクの巣の形の違いについて考察したことが書かれていました。
直径が大きくて浅かったり、直径が小さくて深かったり、その違いはどこからくるのか?
少女は巣の砂で山を作ってみたそうです。
そうすると直径が大きくて低い山、直径が小さくて高い山、という違いがあることを発見しました。
巣の形の違いは砂の質の違い(湿り気、粒の大きさ、素材など)によるものだったのです。
誰にもわかりやすい実験を思いついた少女の聡明さに感心させられました。

もうひとつ、嘗めるという言葉には、試みるという意味があるという話。
人類が多岐にわたる食材を食べるようになったのは、恐る恐る嘗めるという行動を繰り返してきた結果であろう。
ここから「嘗める=試みる」という図式が成立したのだろう。
というようなことが書かれており、ナルホドと感心させられました。
ちなみにgoogle検索で「嘗める、試みる」をキーワード検索すると、上位で英語・ドイツ語・ロシア語でも同じ単語で両方の意味があると出てきました。
もしかすると世界共通かもしれません。

最後は雀の話。
ある年の初夏、薪ストーブの煙突を通って雀が落下してきました。
ストーブのふたを開け、救い出した雀はススで全身真っ黒。
つぶらな瞳だけが輝いていました。
水浴びをさせ、ごはん粒を与え、空に帰しました。
それから毎日、雀の落下が続いたそうです。
時には一日に4羽も!
最後の方には、煙突のススが無くなったようで、汚れていない雀が出てきたそうです。
薪ストーブの煙突掃除は一仕事。
これは雀の恩返しだったのでしょうか?
北国・札幌で生まれ育った私でさえ聞いたことがないエピソード。
きっと自然を愛する串田の心が、雀たちに伝わったのでしょう。

このような素敵なエッセイが40編。
知識、情報を闇雲に伝えるだけの本とは一線を画する、穏やかで豊かな発想を楽しむ上品なエッセイ。
そう、これが串田孫一の魅力です。


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お気に入りその1265~いせひでこ

2016-10-19 12:10:37 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、いせひでこ です。

いせひでこの絵本「大きな木のような人」。
彼女の柔らかくて温かい絵がお気に入りです。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
パリの植物園で、植物学者と少女が出会う。
少女は植物の面白さに目覚め、心に何かが芽生えたことを感じる。
雄大な植物に囲まれた、小さいけれど感動的な出会い──。

・作/いせひでこさんからのメッセージ
パリには2本の樹齢400年のアカシアがある。
その一本の大樹のある物語はすでに描いた。
もう一本の樹ははじめから植物園で大切にされ、樹齢を重ねていた。
私の足が、植物園に向かうようになったのは自然のなりゆきだった。
パリの大きな植物園を訪ねては、目が追いつかないほど、四季折々の樹や花や芽を観察することになった。
そんな春のこと、私は自宅裏庭のちっちゃな一角に、生まれて初めてひまわりのタネを蒔いた。
朝、昼、夕、毎日芽が出ていないかと庭の土におでこを這わせる姿は、まるでチャペックのにわか『園芸家の一年』みたいだった。(あとがきより抜粋)

・担当者のうちあけ話
カバーや帯の惹句を考えるのはふつう編集者の仕事ですが、この絵本ほど、それが難しいと感じたことはありませんでした。
とにかく何を書いても、作品を表現するには物足りない言葉のように感じてしまうのです。
それは、いせひでこという画家が、歩いて、見て、聞いて、嗅いで、触れて、感じて、そして何度も何度も考えたこと、それを筆だけでなく、全身で表現しているからだと思います。
『大きな木のような人』は、独立したひとつの作品ですが、そんな作者ですから、これまで描いてきた作品と深いつながりが生じるのは必然です。
『ルリユールおじさん』(理論社)の少女ソフィーが大きくなって、植物学の研究者として登場しているのを見て、私はゾクッとしました。(若)
=====

珍しく長い紹介文ですね。

本書には、担当者が書いている通り、「ルリユールおじさん」の主人公ソフィーが植物の研究者として登場します。
植物学者が女性研究者に「ソフィー」と声を掛けるシーンでもしかしたらあのソフィー?と思わせ、彼女が本書の主人公サエラに「わたしの植物図鑑、みる?」と声を掛けるシーンでやっぱりソフィーと確信します。
上手い登場のさせ方、いいですね。

本書の主人公サエラは「ルリユールおじさん」の主人公ソフィー同様、植物が好きな女の子。
毎日のように彼女は植物園の立ち入り禁止の場所にまで入り込んで植物をスケッチをする問題児。
やがて植物園のスタッフたちと親しくなりますが、急に日本に帰国してしまいます。
植物学者は彼女が残したたくさんの植物画を使って見学者に説明することを思いつきます。

ほのぼのとした絵とストーリーにいやされる絵本です。
「ルリユールおじさん」と姉妹編のようですが、私は「ルリユールおじさん」の方が好きです。

ところで「大きな木のような人」という題名の意味が、作者の解説を読んでも理解できませんでした。
「大きな木」は植物園にある樹齢400年のアカシアだとわかりましたが、その木に例えられる人って誰?
おそらく主人公のサエラのことでしょうが、どうしてサエラは大きな木に例えたのでしょうか?
読み返してもよくわかりません。
「大きな木がみた人々」というならわかるんだけどなぁ・・・。

これは想像力の欠如からくるものなのでしょうか?
そうだとしたら恐ろしい・・・。


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お気に入りその1264~大沼ワルツ

2016-10-17 12:26:08 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「大沼ワルツ」です。

札幌出身、谷村志穂の最新作。
妻の蔵書を拝借して読みました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
北海道絶景の地の実話を元にした奇跡の物語
大沼は、明治時代、手つかずの美しい自然に魅せられた開拓民が入った地。
香川県から移り住んだ、倉島家に育った三兄弟の長男・秀雄は、第二次世界大戦中、東京で溶接学校に通っていた。
秀雄は、よく行く寿司屋で、山梨から住み込みで働きにきていた、坂田家の長女・以久子と出会う。
恋に落ちて結婚した二人は、大沼に戻って暮らし始める。
そして、長男長女に続き、どうしたことか、次男には次女が、三男には三女が、順に嫁いでいくことになる。
三夫婦は、様々な困難に見舞われながらも、この地に新風を注ぎ込んでいく……。
北海道を舞台に数々の小説を発表してきた著者が、5年の歳月をかけて紡ぎ上げた、実話を元にした渾身の作品。
=====

大筋として「その昔、大沼のほとりで3組の夫婦が幸せに暮らしたとさ」という穏やかな物語。
小さな出来事がつながり、淡々と時間が流れます。
とても読みやすかったです。
大沼の3兄弟と山梨の3姉妹が3組の夫婦になった、ということは驚くべき「事実」。
それを超える衝撃的な出来事がなかったのは「物語」として残念でした。
もっと脚色を凝らして、ドラマチックで感動的な作品に仕上げて欲しかったです。
ただモデルの3姉妹が今も健在なので、彼女たちが誤解を招くような記述を避けたのかもしれません。
それを考えるとやむをえませんが・・・。
少し前に「霧 ウラル」で強烈な3姉妹が登場したばかりなので、なおさらそう思ったのでしょう。

本書は「5年の歳月をかけて紡ぎ上げた」と紹介されています。
5年前と言って思い出すのは、あの大震災。
引き裂かれた家族や地域を再生することができるのか?
そんな不安に対し、遠い地から移り住んだ3姉妹が助け合って幸せな家庭を築いていくこの物語は光となるでしょう。
普通の人々が普通に生活し幸せになる、という実話だからこその説得力。
そう思いました。

ちなみに長男・秀雄が作品の中で経営していた「イクサンダー大沼ユースホステル」。
主人公のモデルたちと同様、実在したユースホステルです。
このユースホステル、偶然ですが若いころに泊まったことがあります。
学生時代、サイクリング同好会のツーリングで。
あの日は、向かい風の中での走行で到着が大幅に遅れました。
疲労困憊のため、ミーティングもそこそこにベッドに倒れこみました。
さらに翌日、大雨の中でツーリングを強行したことを覚えています。
逆に言うと、ユースホステルの特徴的な外観や優しかったはずのペアレントのことは全く覚えていません。
実に残念なことです。
あの日、もう少しゆとりのある計画を立てていれば、全国2位の人気を誇るユースホステルがすばらしい思い出になったはずだったのに・・・。



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お気に入りその1263~まいごになったセレスティーヌ

2016-10-15 12:10:00 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、まいごになったセレスティーヌ です。

お気に入りのくまのアーネストおじさんシリーズ。
もう一冊もう一冊と読み続けています。
今回は「まいごになったセレスティーヌ」。

絵本ナビの内容紹介を引用します。
=====
ガブリエル・バンサンが描く温かなふれあいの世界
セレスティーヌといっしょに美術館で働きたいと思ったアーネストおじさんでしたが…。
=====

アーネストはセレスティーヌを連れて美術館の面接に行きます。
子連れということで不採用、絵を鑑賞してから帰ることにします。
絵に夢中になるアーネストと飽きて時間を持て余すセレスティーヌ。
迷子になったセレスティーヌは泣きながらアーネストを捜します。
ようやくアーネストの元に戻ることができても、なかなか泣き止みません。
帰宅後「もうアーネストと会えないと思った。」と不安だった気持ちを繰り返し訴えるセレスティーヌ。
その度に「だいじょうぶ。ぼくはここにいるよ。」と優しく語りかけるアーネスト。
やがて落ち着いたセレスティーヌの口から出た言葉が傑作でした。
「そうよね。アーネストはわたしがいないと何もできないものね。」

この作品でも、固い絆で結ばれたふたりが描かれています。
ほのぼの、穏やかな作品。
正直に言って、これまで読んだシリーズの中では一番感動が小さかったです。
だからといってもう読まないということにはなりません。

くまのアーネストおじさんシリーズには習慣性があります。
まるでサザエさんやちびまる子ちゃんのよう。
迷子という小さな小さな事件を扱った、今回のような巻も心地良いです。
感動的だったり、劇的だったりするドラマばかりでは疲れちゃいますものねえ・・・。

さあ次はどれを読もうかな?

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お気に入りその1262~霧 ウラル

2016-10-13 12:48:28 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、霧 ウラル です。

桜木紫乃の「裸の華」、面白かったなぁ。
あのとき一緒に買っておいた「霧 ウラル」をようやく読みました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
今日から海峡の鬼になる。
記念碑的傑作誕生
舞台は、国境の町・根室
男の屍を越えて生きてゆく女たち。
北海道最東端・根室は、国境の町である。
戦前からこの町を動かしてきた河之辺水産社長には、三人の娘がいた。
長女智鶴は政界入りを目指す運輸会社の御曹司に嫁ぎ、次女珠生はヤクザの姐となり、三女早苗は金貸しの次男を養子にして実家を継ぐことになっている。
昭和四十一年の国政選挙で、智鶴の夫・大旗善司は道東の票をまとめ当選を果たした。
選挙戦を支えたのは、次女・珠生の夫で相羽組組長の相羽重之が国境の海でかき集めた汚れ金だった。
珠生は、大旗当選の裏で流された血のために、海峡の鬼となることを誓う。
【編集担当からのおすすめ情報】
桜木版『ゴッドファーザー』であり、桜木版『極道の妻たち』であり、桜木版『宋家の三姉妹』!
=====

高校時代から家業のラブホテルを手伝っていた著者。
人生の裏表や人間の業を知った若き日。
そんな彼女の「ホテルローヤル」での直木賞受賞は必然だったと思います。
またストリップ嬢のプライドを見事に描いた「裸の華」は、著者にしか書けない、そう思わせる何かがありました。

そういう意味で、本書のコピー「桜木版極妻」は説得力バツグン。

国後島を目前にする国境の町・根室。
水産業を中心とするその町は一部の実力者が牛耳っています。
ロシアの監視船に賄賂を渡し、国境の向こうの豊かな海で漁をすることが許された者だけが莫大な富を手にできます。
彼らに立てついた者たちは船を奪われ、最後は命まで奪われます。
水産会社、やくざ、政治家、金貸しがそれぞれの役割を持ち、助け合う裏世界。
こういうのを書かせたら、さすがに著者、ペンが走る走る。
登場人物たちは生き生き躍動します。

水産会社の社長の娘3人が、やくざ、政治家、金貸しに嫁ぐという設定は出来過ぎ。
でも男たちの駆け引きよりもその裏にある、女たちの駆け引きの方にスポットライトを当てたことで、ストーリーが生きてきます。
政治家が当選した日、やくざの組長が殺されます。
口封じと利権構造の変更という一石二鳥のため、長女が仕組んだことでしょう。
ラストで次女は海峡の鬼となり長女に立ち向かうことを決心します。

この続きはどうなるのか?
100点を取り続ける完璧な姉。
彼女の完璧とも思える包囲網に次女は立ち向かうことができるのか?
いつかこの続きを書いてくれないかな。

桜木版極妻、期待通り面白かったです。

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お気に入りその1261~生物の消えた島

2016-10-11 12:08:51 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「生物の消えた島」です。

絵本「生物の消えた島」は、田川日出夫・著、松岡達英・画。
絵本紹介サイトで知り、読むことにしました。

AMAZONの内容紹介を引用します。 
=====
インドネシアのスンダ海峡にある火山島、クラカタウ島。
100年前、大噴火によって生物が死に絶えてしまいました。
しかし、それが終わりではありませんでした。
やがて、島に生物が移住してきたのです!
どこから?
どうやって?
……噴火のあと、島に再び生物がくらすようになるまでを、ていねいに描きます。
世界中の生物学者を驚かせた、現代の「天地創造」の物語。
=====

以前、松岡達英の細密でかつ親しみやすいイラストは、「野外探検大図鑑 (FIELD‐PAL)」という分厚い本でたっぷり堪能しました。
当ブログでも、たんぽぽや桜にはたくさんの種類があることを描き分けていることや、とんぼの見分け方を詳しく描いていることを紹介しました。

本書では、100年前に大噴火で生物が死滅した島のその後が描かれています。
植物、昆虫、小動物、動物の順に再生していきます。
それも10年単位でどんどんと。
驚きのスピードで。

植物は種子で移動します。
波に運ばれるもの、空を飛ぶもの、鳥のフンにまぎれるもの。
昆虫は成虫の状態で移動します。
流木とともに運ばれるもの、空を飛ぶもの。
アリは朽木に巣を作り、巣ごと流れ着く場合もあるようです。
子グモが糸を流して空を飛ぶことは知っていましたが、まさか離れ小島まで飛ぶとは!
(クモは昆虫ではありませんが)

本書は「生物の消えた島」にどのように生物が再生していくかを描いた絵本。
「現代の天地創造」というには少々大げさですが、ドキュメンタリー仕立ての構成は、子どもだけでなく大人にとっても面白い読み物でしょう。
またそれには、松岡達英の細密でかつ親しみやすいイラストが、一役も二役も買っていることを付け加えます。

理科系の子どもと大人におすすめです。

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