今回のお気に入りは、花鳥画鑑賞です。
科学と芸術が一体となった博物図版を鑑賞することが大のお気に入り。
これまでいろいろ鑑賞してきました。
時には「芸術性の高い博物図版」の隣人である「花鳥画」も楽しみました。
それが、喜多川歌麿の狂歌絵本「画本虫撰」であり、歌川広重の「魚づくし」でした。
花鳥画なのに虫や魚?と思われる方もいるでしょうが、花鳥画には花や鳥だけでなく虫や魚も含まれるのです。
さて今回は花鳥画の膨大なコレクションの展覧会図録をご紹介します。
それは「甦える美・花と鳥と」ロックフェラー浮世絵コレクション展図録です。
同展は1990年に大阪市立美術館で開催され、浮世絵の花鳥画コレクションが400点も展示されました。
このコレクションは、アメリカ東海岸のプロビデンス市にあるロードアイランド・スクール・オブ・デザイン美術館から貸し出されたものです。
展覧会名からも判るように、元々はロックフェラー2世夫人の蒐集品です。
さすがに世界のロックフェラー、よくもこれだけ膨大な作品を蒐集したものです。
喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重をはじめとする絵師たちの美しい花鳥画が一堂に会し、会場は壮観だったことでしょう。
残念ながら図録でしか鑑賞できませんが、図録の内容がとにかく濃いです。
これまで別々の図書で鑑賞していたものや、初めて目にするもの。
ページをめくってもめくっても次々登場します。
図録の前半にはカラーで190点、後半にはモノクロで210点、合計400点の作品が載録されています。
同じ版木を使った花鳥画の初刷りをカラーページに、後刷りをモノクロページに載録しているケースもいくつかありましたが、やっぱりすべてをカラーで鑑賞したかったです。
また本書は解説ページが予想外に面白かったです。
杉浦日向子と渡辺文雄の対談や生物学者による種の同定、バード・カービングなど、多岐に渡る話題が提供されています。
特に花鳥画に登場する生物のほとんどが科学的には正しく描かれていない、ということに驚きました。
正確なスケッチよりも様式化した美を追求したということのようです。
今回久しぶりに花鳥画を鑑賞して思い出したことがあります。
以前は美しい手仕事を追って浮世絵図録ばかりでなく復刻作品やお手頃の本物を入手して鑑賞していました。
けれどもこのところはそれから遠ざかり、代りに美しい博物図譜ばかりを追っていました。
本書を契機に再び浮世絵や狂歌本などにも目が行きそうな予感がします。
今回取り上げた図録はそんな力を秘めた魅力的な図録でした。
科学と芸術が一体となった博物図版を鑑賞することが大のお気に入り。
これまでいろいろ鑑賞してきました。
時には「芸術性の高い博物図版」の隣人である「花鳥画」も楽しみました。
それが、喜多川歌麿の狂歌絵本「画本虫撰」であり、歌川広重の「魚づくし」でした。
花鳥画なのに虫や魚?と思われる方もいるでしょうが、花鳥画には花や鳥だけでなく虫や魚も含まれるのです。
さて今回は花鳥画の膨大なコレクションの展覧会図録をご紹介します。
それは「甦える美・花と鳥と」ロックフェラー浮世絵コレクション展図録です。
同展は1990年に大阪市立美術館で開催され、浮世絵の花鳥画コレクションが400点も展示されました。
このコレクションは、アメリカ東海岸のプロビデンス市にあるロードアイランド・スクール・オブ・デザイン美術館から貸し出されたものです。
展覧会名からも判るように、元々はロックフェラー2世夫人の蒐集品です。
さすがに世界のロックフェラー、よくもこれだけ膨大な作品を蒐集したものです。
喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重をはじめとする絵師たちの美しい花鳥画が一堂に会し、会場は壮観だったことでしょう。
残念ながら図録でしか鑑賞できませんが、図録の内容がとにかく濃いです。
これまで別々の図書で鑑賞していたものや、初めて目にするもの。
ページをめくってもめくっても次々登場します。
図録の前半にはカラーで190点、後半にはモノクロで210点、合計400点の作品が載録されています。
同じ版木を使った花鳥画の初刷りをカラーページに、後刷りをモノクロページに載録しているケースもいくつかありましたが、やっぱりすべてをカラーで鑑賞したかったです。
また本書は解説ページが予想外に面白かったです。
杉浦日向子と渡辺文雄の対談や生物学者による種の同定、バード・カービングなど、多岐に渡る話題が提供されています。
特に花鳥画に登場する生物のほとんどが科学的には正しく描かれていない、ということに驚きました。
正確なスケッチよりも様式化した美を追求したということのようです。
今回久しぶりに花鳥画を鑑賞して思い出したことがあります。
以前は美しい手仕事を追って浮世絵図録ばかりでなく復刻作品やお手頃の本物を入手して鑑賞していました。
けれどもこのところはそれから遠ざかり、代りに美しい博物図譜ばかりを追っていました。
本書を契機に再び浮世絵や狂歌本などにも目が行きそうな予感がします。
今回取り上げた図録はそんな力を秘めた魅力的な図録でした。