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鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代半ばのオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその2259~夏祭り準備

2023-07-22 13:55:42 | 鬼平
今回のお気に入りは、夏祭り準備です。

コロナが5類に移行し、日常が戻りつつあります。
それに伴い、多くの行事が復活しています。
地元商店街と町内会が協力して開催する夏祭りも4年ぶりに復活することになり、お手伝いをすることになりました。
企画を考え、スタッフをかき集めて打合せをし、チラシやスタッフTシャツを作成配付する事前準備。
当日は、運動会テントや長机、折りたたみイスをたくさん運びこみ、会場を飾りつけ、いよいよお祭りの開催。
そして打ち上げと後片付け。
慢性的人不足のため、何役もやらなくてはなりません。
仕事の合間をフルに活用していますが、体がもうひとつ欲しいくらいです。
あるとき、忙しいと弱音を吐いたつもりが、随分楽しそうですね、といわれました。
久しぶりのお祭り開催を一番喜んでいるのは、もしかしたら私なのかもしれないと気づかされました。
地域の子どもから大人まで多くの人がつながって楽しむ、そんなお祭りの成功を祈って今日も与えられた役割を果たします。

本祭りの予告を兼ねたスタンプラリーまで16日。
本祭りまで28日。



お気に入りその2139~小さな里山をつくる

2022-09-26 09:24:15 | 鬼平
今回のお気に入りは、「小さな里山をつくる」です。

里山ブームの火付け役である今森光彦さんの本を読みました。
「小さな里山をつくる チョウたちの庭」

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
75種のチョウたちが暮らす庭がどのように作られていったかを、約300点の美しい写真で楽しく紹介。
読んでいくうちに、人間、植物、生き物が、全て関わりあって生きていることが自然にわかってきます。
今森光彦、30年の集大成!
=====

著者は大好きなチョウを招くために知識を総動員して環境を整えました。
現在ではそこで生まれ育つチョウと訪れるチョウの合計は70種類を超えました。
いくら小さな里山といっても枝を払い、下草を刈ることは一人では大変な作業でしょう。
チョウのためならと楽しんで作業をしている様子が目に浮かびます。
具体的にどんな作業をしているかというと。

・それぞれのチョウに合った食草を植える(または刈らずに残す)
 (その結果、柑橘系の木が多くなった)
・花畑には蜜が豊富でたくさんの花が長く咲く種類を選んで植える
・日向や日陰、林、草むら、風の通り道など、それぞれのチョウが好む環境を作る
・木の渋柿が完熟して甘くなると花の少ない時期ということもありチョウがたくさん集まるのでそのままに
・木は大きくなることを前提にして里山を設計し、維持管理をこまめに行う

チョウが幸せに暮らす楽園の様子をたくさんの美しい写真が伝えてくれました。
また著者には写真家だけでなく切り絵作家の顔もあり、本書の要所要所に作品が登場します。
とにかく著者が里山暮らしを楽しんでいることが伝わる素敵な写真集です。
これからもお元気でチョウたちのための環境づくりを楽しんでいただきたいと願っています。



お気に入りその2123~FLY AWAY

2022-08-17 12:40:50 | 鬼平
今回のお気に入りは、FLY AWAYです。

独身貴族の頃、竹内まりやの歌をバックに自家用ジェットが飛ぶというレーザーディスク(LD)「FLY AWAY」を持っていました。
お気に入りで何度も視聴したものです。
その後LDとプレーヤーの生産が終了したことをきっかけに廃棄しました。
前後してレコードの針の生産が終了したというニュースを聞き、レコードとプレーヤーも廃棄しました。
今思えば壊れていなかったのだから保管しておけば良かったです。
当時はLDやレコードの良作はDVDやCDで復刻するものと信じていたのです。
結局どれもこれも復刻せず随分後悔しました。

先日ヤフオクで「FLY AWAY」のLDが安く出品されているのを見かけて久しぶりに観たくなりました。
LDをDVDにコピーすると観れるのでコピー業者を探しましたが、札幌にはいないため関東までLDを送らなくてはならないようです。
トータルすると結構な費用が掛かりそう。
他にもプレーヤーを買って再生することも考えましたが、動作品は高価。
LD1枚のために購入するのは無謀すぎ。

次に考えたのはyoutube。
誰かアップしていないかな?
願いもむなしく、見つかりませんでした。
諦めかけていたそのとき、bilibiliさんという方のHPで動画が公開されていることを知りました。
中国の方のようで操作メニューは漢字ばかり。
でもHPを開くとともに動画が再生されるので中国語を翻訳せずとも視聴が可能です。
ありがたい話ですし、便利な世の中になったものです。

久しぶりに視聴した「FLY AWAY」はわずか25分ほどの短いものでした。
そうそうこういう映像と挿入曲だったと懐かしかったけれど、あっという間にエンディングです。
記憶とは随分違うものです。
収録曲が6曲なので短いのも仕方ないですが、LDの容量を考えるとアルバム1枚分くらい楽々収録できるので、その方がゆっくり視聴できたのに、と少々残念に思いました。
このLD、1987年に制作されたそうですから35年も前のもの。
今さら文句を言っても仕方がありませんね。
今後も、竹内まりやの伸びやかな歌声と大空を軽やかに飛ぶ自家用ジェットの映像を楽しみたくなったらbilibiliさんのHPを訪れたいと思います。

(収録曲)
①FLY AWAY
②磁気嵐
③象牙海岸
④LITTLE LULLABY
⑤二人のバカンス
⑥夏の恋人



お気に入りその2085~メグマル深海水族館2

2022-05-20 13:16:50 | 鬼平
今回のお気に入りは、メグマル深海水族館2です。
まずは「メグマル深海水族館」第2巻で深海生物についてお勉強。
AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
品川駅から「しんかい線」に乗って20分。海の底の水族館へようこそ!!
「マグメル深海水族館」は、東京湾の水深200メートルにある世界唯一の水族館。
清掃員のアルバイトとして働く天城航太郎は、館長の大瀬崎湊人の勧めで飼育補助員を始める。
チョウチンアンコウのエサやりに苦労したり、死期が近づくメンダコを担当したり、
航太郎は飼育補助の仕事を通してさまざまな深海生物たちと出会うが――。
深海生物とかかわる人々をあたたかな筆致で描く話題作!!
≪目次≫
extra edition「深海クラゲ」
#05「チョウチンアンコウ」
#06「メンダコ」
#07「キンメダイ」
#08「オンデンザメ」前編
#09「オンデンザメ」後編
=====
チョウチンアンコウは体がゼラチン質のため、網にかかっても生きて揚がることはほとんどないそうです。
そのため生体展示しているメグマルには世界中の研究者が見学に訪れると紹介しています。
深海生物としてあまりにありきたりで珍しくもない魚だと思っていたのでとても意外でした。
似たような話はメンダコやキンメダイでも。
ファインディング・ニモにも登場するメンダコ。
アニメのようにいつも泳いでいると思ったら大間違いで、あんなに泳ぐのは死期が近づいたときだけだなんて・・・。
またキンメダイは普通に売られているためごく身近な魚と思っていましたが、何と1億年も前からいる古代魚なのだそう。
比較のために調べたらスズキ類が6000万年前、イワシ類が2000万年前に登場したそうです。
頭蓋骨に古代魚の特徴である眼窩蝶形骨というのがあるそうですが、それが他の魚とどう違うかは調べがつきませんでした。
高級魚ですが、小さいのなら安く売っているので、その内に眼の周りの骨の形状でも観察しようと思います。
続いて第3巻で紹介されていたのは次の深海生物。
=====
extra edition「オオグチボヤ」
#10「オウムガイ」
#11「オオタルマワシ」
#12「フジクジラ」
#13「クロカムリクラゲ」前編
#14「クロカムリクラゲ」後編
=====
この巻はオオムガイについて驚きの事実を知ったことが一番印象的でした。
オオムガイはアンモナイトの子孫ではなく種が違うのだそうです!
どちらも同時代に生きていたが生存競争に負け深海に活路を見出したオオムガイだけが生き延びたそうです。
深海が環境変化にあまり影響を受けない安定した環境であり、古代の生き物が他にもたくさん生き残っていそうなことを知りました。
第4巻以降もどんな深海生物が登場し、その生物の不思議が紹介されるか、とても楽しみです。
ちなみに人間ドラマの方も気になります。
主人公・航太郎のお父さんは亡くなったのかな?
それとも何年も家を空けているだけなのかな?
早く知りたいです。




お気に入りその2066~甲斐信枝

2022-04-06 12:56:05 | 鬼平
今回のお気に入りは、甲斐信枝です。

コロナ禍3年目。
ススキノに行くことが無くなり、ニッカウヰスキーのオールドボトル蒐集にも区切りがついて、今は支出のほとんどが書籍購入です。
高価な図鑑や図録を購入することもありますが、購入数で一番多いのは絵本です。
今回はお気に入りの甲斐信枝さんの絵本について久しぶりに書きます。
彼女の絵本は、絵が抜群に上手いという訳ではありませんが、じっくりと腰を据えて観察したことから見えた自然の営みの素晴らしさが読者に伝わります。
私はそういう著者の実体験をベースにしたものが大好きでこれまでいろいろ読んできました。
その中でも名作だと思ったのは、甲斐さんの「雑草のくらし」でした。
空地の雑草を5年も観察し続けた素晴らしい作品でした。
大人子どもどちらにもおススメできる絵本です。

今回ご紹介する絵本は3冊とも40年以上前に発行されたものですが、名作「雑草のくらし」同様に素晴らしい観察記となっており、おススメです。

①あしながばち (かがくのとも特製版1975/6、1987)

出版社の内容紹介を引用します。
=====
あしながばちの母親の目を通して、その巣作りから始まって、幼虫の子育て、えさやり、暑さ対策など、その生態にせまります。
天敵のスズメバチの登場や幼虫が繭となり働き蜂へと育っていく様、母親蜂の死と子どもたちの巣立ちまで、一年間を通したあしながばちの姿を知ることのできる絵本です。
=====

作者の細やかな観察眼が光る作品です。
アシナガバチの一年は次の通り。
・母蜂は牙をカチカチいわせながら棒杭を薄く削り唾液と混ぜて黒い塊を作ります。
・それを材料にして徐々に巣を大きくしていきます。
・小部屋ができるごとに卵を産み付けるため、中央の幼虫はすでに大きく育っています。
・母蜂はイモムシを背中から食い破り大きな肉ダンゴにして運び、少しずつ切り分けて子どもたちに与えます。
・暑い日は口に含んだ水滴を小部屋ひとつひとつにつけて羽であおいで幼虫を涼ませます。
・雨の日は巣の補修をします。
・幼虫がさなぎになるため糸を吐いて小部屋に蓋をすると、母蜂はその脇に次の卵を産み付けます。
・働き蜂が次々誕生してエサ運びを手伝います。
・やがて働きづめだった母蜂が死に、新しい女王蜂とオス蜂が生まれ旅立っていきます。
・お腹にたくさんの卵を抱えた女王蜂は、たった一匹、木の洞で春を待ちます。
いかがですか?
細かいところまでよく観察していることがよくわかるでしょう。
母蜂の頑張りを毎日観察する作者の姿が目に浮かぶようです。

②みのむし ちゃみのがのくらし (かがくのとも1979/2)

出版社の内容紹介を引用します。
=====
みのむしは枝にぶら下がっているのを見つけることができても、虫としての動きは容易にわかりません。
それくらい地味なチャミノガの幼虫なんですが、メスは成虫になってもミノの中で一生を過ごすのです。
どうしてこのような生態をもつに至ったのか。
身近な自然の驚異です。
=====

桜の木に棲むチャミノガたちの一生を丁寧に観察した記録です。
春、花芽が膨らんでくるとチャミノガがミノごと移動を始め、花芽にたどり着くとモリモリ食べ始めます。
やがて花が咲き、葉が茂り、幼虫は食べ物が増えていきます。
幼虫は何度か脱皮して終齢になると小枝をかじり切ってミノを補強し、サナギになります。
オスは細いサナギ、メスは丸まるしたサナギになります。
やがて羽化したオスは桜の周りを飛び回り、メスを探します。
メスは羽化しても羽根や脚が無い丸まるした姿でミノから頭を出すのがやっとです。
オスはメスを見つけると隙間に腹を入れて交尾します。
その後メスは同じ姿勢のまま産卵をし始め、数千個の卵を産み終えた時には体がとても小さくなります。
卵が孵化すると幼虫たちはミノを出て糸を吐き、四方八方に散らばっていきます。
幼虫たちは次の場所の着くや否やミノを作って身を隠します。
その場所で風に飛ばされたり、くっついた葉ごと飛ばされたり、虫や鳥に食べられたり、寄生バチに寄生されたりしてどんどん兄弟たちは減っていきます。
冬が来たときには、わずかしか残っていません。
これが自然の掟、厳しいものです。
付録には著者の観察現場を訪れた編集者がミノガを見つけられなくて観察の難しさを知ったことや、昆虫学者による他種のミノガの特徴解説がありました。
真っ直ぐな目でひたすら観察し記録した本書のような絵本は、子どもたちだけにでなく、自然を愛する人々にとっても宝物だと思います。

③こがねぐも (かがくのとも1982/9)

出版社の内容紹介を引用します。
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実際にこがねぐもを飼って、その生態を観察した絵本です。
まずは、巣のはり方、えさのやり方の観察です。
まず最初に何をえさにあげたのでしょうか。
くものあみの不思議な性質、脱皮、こうび、そして、卵を産む様子が描かれます。
秋になると、その卵から生まれた小さなこがねぐもが、かわいいあみをおるのです。
=====

表紙に「八木沼健夫:監修」とあります。
八木沼さんは日本を代表するクモ博士で、以前彼の図鑑を鑑賞したときに、掲載されたクモ画が全て奥さんの手によるものだったことを懐かしく思い出しました。

さて本書では著者がコガネグモを自宅に連れ帰りじっくり観察しており、その詳しい描写はクモが苦手な方でも十分楽しめる内容になっています。
クモは生きたエサしか食べないと言われているのに刺身の切れ端を与えたらすぐに食べたのには驚きました。
包帯のような糸でぐるぐる巻きにすると消化液を注入して食べ始め、お腹がパンパンに膨らんでいきます。
何回かに分けて食べ、干からびた残滓は巣の下に捨てます。
刺身を繰り返して与えていると相手が抵抗しないことを学習し、だんだん糸巻きが雑になったのには笑いました。
またある程度栄養を蓄えたら食事を中止して卵つくりに入り、お腹の卵が成熟すると敷布団のような糸の塊に産み付け、掛布団のような糸の塊をかけます。
2000もの卵から子グモが生まれると長い糸を出し風に乗って次々旅立ちました。
野生のクモは2回しか産卵しませんが、著者のクモは栄養状態が良いせいか10回も産卵したそうです。



お気に入りその2115~鬼平犯科帳パート132

2021-12-03 12:24:26 | 鬼平
今回のお気に入りは、鬼平犯科帳パート132、中村吉右衛門です。
先日のニュースはショックでした。
中村吉右衛門さんが亡くなったのです。
これまで鬼平一家の名脇役が一人欠け二人欠けし、その度にショックを受けていましたが、ついに主役まで亡くなってしまいました。
最近はドラマ版鬼平犯科帳から遠ざかっており、たまたまタイミングが合ってBSの放送を観るくらいでした。
吉右衛門さんの雄姿を偲び、久しぶりにお気に入りの作品を観たいと思います。
「密偵たちの宴」「盗法秘伝」「血闘」「血頭の丹兵衛」
どれにしようかな。
そういえば鬼平犯科帳について書くのは随分久しぶり。
まだ若く「時代劇なんて」と思っていた頃に先輩から勧められて読んだ「鬼平犯科帳」にすっかり魅了され、ドラマ版も観るようになりました。
ドラマに登場したのは原作通り、いえ原作以上の鬼平でした。
今のようにBSで鬼平犯科帳の放送がありませんでしたので、ガイドブックを参考に毎月2~3枚ずつDVDを買い揃えていったのを懐かしく思い出します。
池波正太郎は松本白鴎をモデルにして「鬼平犯科帳」を書きました。
ドラマ化するにあたり、鬼平に松本白鴎を、息子・辰蔵に吉右衛門を配しました。
まさにベストのキャスティングです。
その後、中村錦之助、丹波哲郎が鬼平を演じ、四代目鬼平を吉右衛門が演じて大ブレーク。
吉右衛門の鬼平犯科帳は第9シリーズまで続き、映画化、スペシャルドラマの制作が続くなど大ヒットしました。
まさにこれ以上ないはまり役でした。
今後、五代目鬼平は現れるのでしょうか?
私はこの作品に限って吉右衛門さんを超える魅力的な役者は現れないと思います。
ドラマ「鬼平犯科帳」はここで終了。
その方が良いし、そうすべきと考えます。
みなさんはどうお考えですか?


お気に入りその2100~スワンタッチ

2021-10-27 08:59:29 | 鬼平
今回のお気に入りは、スワンタッチです。
あなたは「スワンタッチ」を知っていますか?
「スワンタッチ」は、はさみかえ不要のしおりです。
先日妻から2枚もらって使い始めました。
スワンのくちばしがページをめくるごとに勝手に移動するので、はさみかえをしなくて良いのです。
くちばしのページを開いて読み始め、中断する時はそのまま閉じることができます。
ちなみにスワンのボディは巻末辺りに挟んであります。
先日読んだ「総理の夫」は厚めの単行本だったので、スワンの首がかなりねじれていましたが、一度も外れることなく役目を全うしました。
婦人発明協会の「なるほど賞」を受賞したそうです。
多くの本を並行して読む凄い人ならともかく、私は2冊がいいところ。
そうなればスワンタッチも2枚あれば十分。
発明者には申し訳ありませんが、1枚数百円ではなかなか儲からないでしょうね。
なおAMAZONのカスタマーレビューで
 国産は樹脂製、海外産は金属製で、金属製の方が良い
と書いている方がいましたが、今のところ樹脂製で十分だと思います。
というか、これより硬くなると紙を傷めると思います。
ついウトウトして本を閉じてしまうような方にスワンタッチをおすすめします。


お気に入りその2099~美味しそうな木版画

2021-10-25 08:51:49 | 鬼平
今回のお気に入りは、美味しそうな木版画です。
雑誌「イラストレーション」2021年9月号の表紙を見かけて驚きました。
表紙中央に、三角に切られた美味しそうな西瓜がドーンとあります。
そして西瓜の横には「彦坂木版工房」という文字が。
えっ、これって写真じゃなくて木版画なの?
!!!
すぐに購入して他の作品を鑑賞することにしました。
内容紹介を引用します。
=====
●個人特集 彦坂木版工房
彦坂有紀さんともりといずみさんの2人からなる「彦坂木版工房」。
きっと誰もが彼らが描く食べ物の絵を日常の中で目にしたことがあるはずです。
木版画で表現される繊細で柔らかな魅力に加え、見る人の「美味しい」を刺激する絵はどのように生み出されているのでしょうか。
以下省略
=====
ひとつ目の作品はバウムクーヘン。
1/8カットしたバウムクーヘンが立っています。
柔らかで湿り気がありそうな感じと“年輪”が見事に表現されており、見るからに美味しそう。
続いて和菓子、パンなどいろいろな作品が載っています。
どれも木版画による柔らかな表現が功を奏し、実に美味しそうです。
1ページに2~3作品掲載されているため、ひとつひとつの作品が小さくてとても残念。
大きな作品を鑑賞するには画集が必要です。
そしてあんなに細密な表現をどうやって実現したのか、制作方法にも興味津々です。
雑誌には制作風景の小さな写真が数枚あっただけで良く判りませんでした。
作品集でありながら制作風景の紹介もしているのがあるとうれしいなぁ。
そういうのを探していたら見つけました。
「作品集『旬』」彦坂木版工房・作(2019年)
内容紹介を引用します。
=====
彦坂木版工房5年ぶりの作品集『旬』。
私たち彦坂木版工房は、2015 年4 月~2019 年3 月までの間、JA 兵庫六甲が発行する会報誌『Wave Rokko』の表紙イラストを担当しました。
本書はその4 年間で制作した47 作品分のイラスト を1 冊にまとめた作品集です。
作品集の後半では、彦坂木版工房の10年を振り返るインタビュー記事が収録されています。
また、イラストが出来上がるまでの制作風景も掲載されています。
デザインはSUN-ADの中本陽子さんにお願いいたしました。
=====
探していた作品集&制作風景だ!
これ、これ!
AMAZONとかでは売っていなくて、彦坂木版工房さんのHPで直に売っていることが判ったときはうれしかったです。
1ページに1作品、全47作品をたっぷりじっくり鑑賞しました。
木版画に向いているもの、向いていないもの。
クライアントから与えられた素材を全力で表現しようとする強い意思を感じました。
ときどき載っている作者のコメントを読んでは作品を観直すのがとても楽しかったです。
「ぶどう」のコメントと制作風景の写真&コメントで制作方法をリアルに想像することができました。
版木は版画用シナベニヤ、4~5枚。
デビュー当時は版木で20枚の版画を制作していたけれど、今は忙しくて1枚だけ制作ということが多いそう。
版画なのに1枚しか制作しないことに悩んだ時期に、版画家・吉田博のインタビューを観て彼も1枚しか制作しなかったことを知り悩みが解消した、という辺りがとても印象的でした。
作品を画集でたくさん鑑賞したい自分としては、枚数を多く刷ることよりも、木版画の可能性を追求し、木版画で表現できる最高の1枚を目指す姿勢に共感します。
作品集『旬』に新刊案内が同封されていました。
もりとさんの直筆のご案内も添えられていてうれしかったです。
4冊目の作品集のタイトルは「ちゃいろときいろ」。
パンやお菓子の作品がたくさん載っているそうです。
11/20発売開始、東京のノストスブックスのオンラインショップで購入できます。
当然、買いです。

お気に入り2066~たくさんのふしぎ25

2021-08-09 09:54:08 | 鬼平
今回のお気に入りは、たくさんのふしぎ25です。

①海はもうひとつの宇宙

出版社の内容紹介を引用します。
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海は、人びとの好奇心をそそる未知の世界。
海中探険の歴史をたどりながら、地球をつつむ海の意味を考える。
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海は宇宙に匹敵する未知の世界。
人類は海中で観察や作業を行うためにいろいろな方法を考えてきました。
その実現を拒んできたのが水圧であり、その解決策がスクーバ(アクアラング)であることを丁寧に説明しています。
10mまで潜ると大気圧1気圧に水圧1気圧が加わり2気圧の圧力を受けます。
その圧力により肺の中の空気が1/2に押しつぶされます。
息苦しさを防ぐためには肺の中に2気圧の空気を送り込んで肺の大きさをいつも通りに維持する必要があります。
同様に20mまで潜るなら3気圧の空気を肺に送り込むと良いことになります。
この圧力制御を自動的に行うのがレギュレーター(調整器)です。
この開発により息苦しさを感じずにダイビングを楽しむことができるようになったのです。
レギュレーターがそういう複雑な構造をしているとは知りませんでした。

もうひとつ知らなかったことがあります。
海が青く見えるのは青以外の光が海水に吸収され、青い光だけが反射しているから、という説明を聞いたことがあります。
それは海中の景色も一緒。
比較的浅くて明るい場所でも全体が青の世界です。
ところが水中ライトで照らすと青以外の色が届くため、鮮やかな色合いが一気に蘇ります。
これまで水中撮影映像で水中生物のカラフルな色彩を楽しんできたのは、こういうテクニックを使っていたからだと知りました。

②ヤマネはねぼすけ?

出版社の内容紹介を引用します。
=====
ヤマネは『ふしぎの国のアリス』にも、いねむりばかりしている「ねむりネズミ」として登場しますが、ほんとうにねぼすけなのでしょうか。
和歌山県の小学生達の観察記です。
=====

たくさんのふしぎシリーズにいろいろ登場する「観察記」。
これまでそのほとんどが満足レベルでした。
今回も期待通りでした。
著者は小学校の先生。
生態があまり知られていないヤマネを子どもたちと一緒に観察しました。
国の天然記念物のため捕獲や飼育が禁じられていることや、昼間眠ってばかりいることが原因でしょうか、ヤマネはその生態があまり知られていません。
著者と子どもたちは国の許可を得て飼育しながら観察を続けます。
交尾、出産、育児という生態観察は研究者も読みごたえ十分でしょう。
著者は他の小学校に転勤になってからもヤマネの観察を続けます。
巣箱をたくさん設置して観察したときは、同じ巣箱にヒメネズミ一家とヤマネが同居していたというのにほっこりしました。
またヘビに襲われるところを救われて持ち込まれたヤマネの赤ちゃんを小学生たちと育て上げた記録も興味深かったです。
2時間おきに粉ミルクを温めて飲ませるのを昼間は子どもたちが、夜は先生が続けて育てます。
赤ちゃんのお腹が透けていて飲んだミルクが見えた、という育てた者しか知らないエピソードが紹介されていました。
少し大きくなってからはミルクにすりりんごを混ぜた離乳食に始まり、虫や木の実などを食べさせて山に帰す準備を進めます。
またヤマネに発信機を取り付けて山の中での行動を観察することで行動範囲が2haほどであることを明らかにします。
タイトルからは想像できない本格的な観察記録でした。

③コククジラの旅

出版社の内容紹介を引用します。
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コククジラは夏、アラスカの海でたっぷり餌を食べて、南に向かい、冬にはメキシコ沿岸の入り江で赤ちゃんを産み、育てます。
海に潜ってコククジラと仲良しになったカメラマンが、8000キロにおよぶ彼らの大旅行を取材しました。
=====

コククジラは海底の泥を口に含み、エサだけを漉して食べるそうです。
だから海岸線から遠く離れることなく暮らします。
エサが豊富なアラスカ沿岸で栄養をたっぷり摂ってから海岸線を南下して、暖かいメキシコ沿岸で出産と子育てをすることを繰り返す習性があります。
ザトウクジラはアラスカとハワイを往復すると聞いたことがありますので、暖かい海で出産と子育てを行うというのが共通点です。
驚いたのは尾びれが全くないコククジラが行動を共にしていたこと。
シャチかサメに食いちぎられたのでしょう。
いくらゆっくり移動しているとはいえ、片道8000kmに及ぶ長い旅に付いていけるのでしょうか?





お気に入りその2059~ローマ数字の表し方

2021-07-23 14:20:12 | 鬼平
今回のお気に入りは、ローマ数字の表し方です。

古い図鑑の図版を鑑賞することが好きです。
カラー写真のない時代に、多種多様な生物の形状や色彩を伝えるために、輪郭や模様などを版画で制作して手彩色を施したり、多色刷りなどでカラー図版を作成しました。
また解説ページと図版ページを別々に印刷するため、図版ページを後半にまとめて掲載することが多かったようです。

先日入手したばかりの植物図鑑※で解説と図版を併せて鑑賞しようとして困惑しました。
※「English Botany third edition volume7」1891年発行
図版にはアラビア数字の通し番号が1枚ずつ記されているのですが、解説部と索引には記されていないのです。
解説・図版・索引に関連性が無い訳がありません。
解説と索引はページ数でつながっているのですぐに比較ができました。
ようやく気付いたのは「MeXXVII※(一例)」というような文字列が添えられていること。
※種ごとにこの文字列は少しずつ違っています。
これが数字、さらにいえば図版ナンバーを表しているのではないでしょうか?
ローマ数字でXは10、Vは5、Iは1を表すので、文字列の後半の「XXVII」は「27」を表します。
それでは前半の「Me」は何でしょうか?
ローマ数字で大きい数字をどう表すかを調べました。
L=50、C=100、D=500、M=1000と表記するのだそうです。
「M」は1000としても「e」は?
考えた末、「e」を「C」と読み替えてみました。
もし「MeXXVII」が「MCXXVII」なら「1127」という意味です。
早速No.1127の図版を開くと解説・索引と同じ名称が記載されています!
ようやく答えに到達し一安心しました。
ローマ数字の表し方を学び、これでようやく図鑑を鑑賞することができます。

もうひとつ気になることがあり調べました。
例えばNo.1019の図版に「E.B.1105」という表記があるのです。
どういう意味なのでしょうか?
これについては図版を販売するアンティークショップの記事が参考になりました。
「English Botany first edition 図版No.1105」という意味なのだそうです。
second editionはfirst editionをリンネ式の分類順に並べ替え、新旧の通しナンバーを二重表記したそうです。
そしてthird editionはsecond editionまで銅版画+手彩色を石版画+手彩色に変更したそうです。
つまり手元にあるthird editionはfirst editionをリンネ式の分類順に並べ替えて、印刷方法を石版画に変更して画質を落としたものなのだそうです。
とりあえず本書を鑑賞する上では関係ない情報であることがわかりました。

それにしても「画質を落とした」というのは残念な情報・・・。
そう書かれてしまうと、これから159枚もの図版を鑑賞するぞ!とワクワクしていた気持ちが少々醒めてしまいました。

といいつつも130年前の植物図版を時間をかけて鑑賞し始めました。
種名だけでピンとこない場合は解説文も参考にしています。
ポケトークの力を借りながら。

(おまけ)
調べた結果、残念な情報を知ってしまった、という話で思い出したエピソードがあります。
兵庫県豊岡市に辰鼓楼という時計台があり、札幌の時計台とどちらが日本最古かがこれまで判らなかったそうです。
今年、出石観光協会が辰鼓楼創建150周年事業として調べた結果、札幌の方が1か月弱古いことが判明したそうです。
わざわざ調べずにこれまで通り「日本最古」を名乗り続けた方が良かったと思うのは私だけでしょうか?