今回のお気に入りは、鬼平犯科帳パート108です。
大のお気に入りの鬼平犯科帳。
今回は第3巻です。
「麻布ねずみ坂」
盗賊改メ同心・山田は妻の薬代として借りた5両が返せず苦しんでいます。
それを察した平蔵は5両をそっと手渡し、山田は大泣きするシーンがあります。
こういう上司だからこそ、配下の者たちは命がけの働きをしてくれるのでしょう。
この作品には、白子の菊右衛門という大坂の香具師の元締が登場します。
今回の件で平蔵は菊右衛門にきつく意見します。
「約定に背く者を消すことに口を挟まないが、間に立つ者には信頼のおけるものを置くべき」
筋の通った意見に対し、菊右衛門も筋を通して応えます。
学ぶところの多い作品でした。
「盗法秘伝」
志ん朝の朗読CDで一番好きな作品です。
ドライブのおともに何度聴いたことでしょう。
一行一行読むごとに志ん朝の軽妙な語り口が蘇ります。
ひとりばたらきの老盗の弟子としてスカウトされた平蔵の小気味よい活躍が魅力的。
「お目当て細見」を取り上げ「おやじ、引退するのは早いに越したことはないぞ」と一言言いつけて立ち去ります。
筋を通すきれいな盗みをはたらいてきた老盗への引退勧告とは、なんとも粋な計らいです。
こういう格好良いセリフを言ってみたいものです。
「兇剣」
平蔵の勘ばたらきがこの時ばかりははたらきませんでした。
まさに絶体絶命の瞬間に左馬之助が登場し九死に一生を得ます。
平蔵の命を救うことができた喜びを照れ隠しで「命の恩人」「命の恩人」と繰り返す左馬之助のカワイイこと。
「駿州・宇津谷峠」
左馬之助が幼馴染のことで悩みつつも平蔵に相談できずにいる様を見かねて、平蔵は傷が癒えたにもかかわらず、体を支えてくれるよう頼みます。
互いの心の内を知る忠吾がその姿に涙するシーンは実に感動的でした。
「むかしの男」
平蔵の留守中、妻・久栄が“むかしの男”に呼び出されます。
女は初めての男を忘れられない、と自信たっぷりの男。
あなたなど夫に比べればちり芥も同然、と言い切り、取り付く島もない女。
ロマンを追う男と現実を見る女の違いがここで明白にされます。
気を付けようっと。
巻末の「あとがきに代えて」は、池波正太郎自身による実録・長谷川平蔵伝。
以前にも盗賊改メについて書いたことがあり、それがきっかけになったと書いてあります。
その作品も読んでみたいです。
大のお気に入りの鬼平犯科帳。
今回は第3巻です。
「麻布ねずみ坂」
盗賊改メ同心・山田は妻の薬代として借りた5両が返せず苦しんでいます。
それを察した平蔵は5両をそっと手渡し、山田は大泣きするシーンがあります。
こういう上司だからこそ、配下の者たちは命がけの働きをしてくれるのでしょう。
この作品には、白子の菊右衛門という大坂の香具師の元締が登場します。
今回の件で平蔵は菊右衛門にきつく意見します。
「約定に背く者を消すことに口を挟まないが、間に立つ者には信頼のおけるものを置くべき」
筋の通った意見に対し、菊右衛門も筋を通して応えます。
学ぶところの多い作品でした。
「盗法秘伝」
志ん朝の朗読CDで一番好きな作品です。
ドライブのおともに何度聴いたことでしょう。
一行一行読むごとに志ん朝の軽妙な語り口が蘇ります。
ひとりばたらきの老盗の弟子としてスカウトされた平蔵の小気味よい活躍が魅力的。
「お目当て細見」を取り上げ「おやじ、引退するのは早いに越したことはないぞ」と一言言いつけて立ち去ります。
筋を通すきれいな盗みをはたらいてきた老盗への引退勧告とは、なんとも粋な計らいです。
こういう格好良いセリフを言ってみたいものです。
「兇剣」
平蔵の勘ばたらきがこの時ばかりははたらきませんでした。
まさに絶体絶命の瞬間に左馬之助が登場し九死に一生を得ます。
平蔵の命を救うことができた喜びを照れ隠しで「命の恩人」「命の恩人」と繰り返す左馬之助のカワイイこと。
「駿州・宇津谷峠」
左馬之助が幼馴染のことで悩みつつも平蔵に相談できずにいる様を見かねて、平蔵は傷が癒えたにもかかわらず、体を支えてくれるよう頼みます。
互いの心の内を知る忠吾がその姿に涙するシーンは実に感動的でした。
「むかしの男」
平蔵の留守中、妻・久栄が“むかしの男”に呼び出されます。
女は初めての男を忘れられない、と自信たっぷりの男。
あなたなど夫に比べればちり芥も同然、と言い切り、取り付く島もない女。
ロマンを追う男と現実を見る女の違いがここで明白にされます。
気を付けようっと。
巻末の「あとがきに代えて」は、池波正太郎自身による実録・長谷川平蔵伝。
以前にも盗賊改メについて書いたことがあり、それがきっかけになったと書いてあります。
その作品も読んでみたいです。