鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1853~漫画複製原画

2019-11-08 12:19:03 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、漫画複製原画です。

有名漫画家の複製原画が19枚も入ったセットです。
手作業で一枚一枚仕上げられた原画の雰囲気を味わいたくて、ネットオークションで落札しました。

正確には「COMIC JUNGLE 展 記念図録 複製原画19枚セット」といいます。
1998年に新宿タカシマヤで開催された展覧会「The power of Japanese comics. COMIC JUNGLE 20 comic artists who have built up japanese comic.」の図録です。
制作は小学館、複製原画19枚+小冊子1冊のセット。

展覧会タイトルをgoogle翻訳で訳しました。
「日本の漫画の力。COMIC JUNGLE 日本のコミックを作り上げた20人のコミックアーティスト。」
ナルホドその通り。
以下のリストをご覧いただければお分かりいただけるように、日本の漫画文化を築き上げた功労者の名がたくさん登場します。

1)青山剛昌「名探偵コナン」
2)赤塚不二夫「おそ松くん」
3)あだち充「タッチ」
4)石ノ森章太郎「佐武と市捕物控」
5)楳図かずお「まことちゃん」
6)浦沢直樹「YAWARA!」
7)北見けんいち・やまざき十三「釣りバカ日誌」
8)さいとうたかを「ゴルゴ13」
9)白土三平「カムイ伝」
10)高橋留美子「めぞん一刻」
11)ちばてつや「のたり松太郎」
12)手塚治虫「陽だまりの樹」
13)萩尾望都「ポーの一族」
14)弘兼憲史「黄昏流星群」
15)藤子F不二雄「ドラえもん」
16)藤子不二雄A「愛しりそめし頃に」
17)松本零士「コクピット・レジェンド」
18)水島新司「あぶさん」
19)吉田秋生「BANANA FISH」

展覧会はビックコミック創刊30周年を記念して開催したそう。
(少年サンデーは翌年創刊40周年とのこと)
漫画家自身に原稿を選んでもらって、それについてのコメントをもらっています。

青山は、漫画がテレビ・映画に比べて優れている点を、コマの大小を変えることで迫力を表現できることとし、高校生・工藤新一を1ページにドンと描いた原稿を選んでいます。

浦沢は、柔道の間合いやタイミングというものを描く難しさと、登場する脇役の人物像を丁寧に描くことの大切さを訴え、猪熊柔がライバルを投げる一瞬とそれを目にする仲間たちの表情がそろった1枚を選んでいます。

手塚は、医学の進歩とともに登場する脳死などの難しい問題を解決するには、適塾のような存在が必要と説いています。

萩尾は、人間は「パンツをはいたサル」といわれるが、サルはいつ花を見てキレイと思うようになったのか、それを追求していると書いています。

弘兼は、人がいくつになっても恋をすることを、読者とともに老人になるまで描き続けたいと訴えています。

松本は、戦死していった者たちを視点を変えて描くにあたり、登場する機材で嘘をつかないよう資料集めをしていると書いています。

水島は、当時の弱小ホークスでのあぶの逆転ホームランのシーンを選んでいます。日本一連覇を成し遂げたホークスにもそういう時代があったのですね。

さて次に原稿自体についての感想です。
時代を受けて黄ばんだものや真新しいもの、漫画家の専用用紙を使ったものなど様々です。
年齢の高い漫画家はホワイトでの修正を多用し、若い方は少ない傾向にあるようです。
ホワイト以外の修正方法を用いたのかもしれません。
ホワイトの跡がある方が手作り感があって良いのですが。
最近はパソコンで作画しているでしょうから、修正跡などありません。
制作途中の苦労の跡が見えないのはつまらないものです。
ただこれは小説家がパソコンで原稿書きをするようになったのと同じですから、仕方ありません。

もし飾るとしたら迫力の点で「名探偵コナン」も良いですが、修正跡が多い「陽だまりの樹」か「佐武と市捕物控」を選ぶと思います。

漫画1ページをじっくり眺め、漫画家のこだわりを読んでから改めて眺めることを繰り返すのは、美術館で過ごすのと同様の至高の時間でした。
目の保養ができて満足、満足。



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