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鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代半ばのオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1733~ウシュクベ

2019-01-30 12:07:46 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ウシュクベです。

友人の退院祝いに対するお返しとして、豪華そうな品が届きました。
「3本持っているので1本送る。感想を聞かせてくれ」とのこと。

味見する前にどんな素性かを調べましたが、古いボトルのためなかなか判りませんでした。
コルク栓を添付した商品は多く見かけるのですが、写真のように最初からコルク栓を施した商品が見つかりません。
唯一「酒のはせがわ」さんのHPで詳しい情報を得る事ができましたので、写真と商品説明を引用させていただきます。
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ウシュクベ ストーンフラゴン陶器ボトル 43度700mlケース入り 並行品
ウシュクベとはゲール語で「生命の水」という意味で、ウイスキーの語源といわれています。
27年以上熟成させたモルト原酒を中心にブレンドしたウシュクベの最高級品。
「ウシュクベ・ストーンフラゴン」は85%のモルトと15%のグレーンをシェリー樽で18ヶ月マリッジされます。
陶器の形は昔のウイスキー・ジョッキを再現したものです。
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えー!
27年以上のモルト原酒85%、18か月マリッジ、最高級品・・・。
退院祝いのお返しとしては、余りに過分な単語が並んでいます。
参ったな・・・。
この上は、要望に応え、大至急味見をして感想を伝えるしかありません。

最初の難関は開栓。
これまで何度も経験していますが、古いコルク栓は乾燥してもろくなり、開栓時にちぎれます。
ちぎれ残ったコルクをコルク用栓抜などで抜きますが、きれいに抜けた試しがありません。
今回は慎重を期しました。
コルク栓とその周辺を温かいおしぼりでくるんで十分温め、コルク面をボトルからはがすイメージで左右前後に少しずつ力を加え、そっと抜いてみました。
格闘すること1時間、ついに栓が抜けた!
と思ったら、コルクの先端1cm弱が折れ残ってしまいました。
それも簡単にフォークで回収できたので、開栓作戦はほぼ成功でした。

さて早速味見。
シェリー樽の特徴である濃い琥珀色。
そして想像よりは控えめな甘い香り。
初期の竹鶴17年で感じたのと同じ洞窟の香りもしました。
味わいは長期熟成とシェリー樽のマリッジにより実にまろやか。
味見のはずが、気が付いたらいつもの晩酌以上の杯数を飲んでいました。
いつまでも舌の上で転がしていたい、美味しいウイスキーでした。
この辺りのことを感想として伝えたいと思います。

ちなみにこのボトルの底に「Aug 2002」の文字が。
ボトリング時期から27年以上の長期熟成、18か月のマリッジの時間をさかのぼると、樽詰めしたのは1974年2月以前ということになります。
まろやかな味わいとともに、45年前に思いをはせました。
知らない土地に引っ越し、そこの中学校に転入した年です。
あれからいろいろなことがあったなあ。
少年時代に眠りについたウイスキーをこうして味わっていると思うと、実に感慨深かったです。



お気に入りその1732~家族の言い訳

2019-01-28 12:39:44 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、家族の言い訳です。

森博美の「家族の言い訳」は、今年初めて読んだ知人の書評ブログで取り上げていたので、読むことにしました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
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家族に悩まされ、家族に助けられる。
誰の人生だってたくさん痛み、苦しみ、そして喜びに溢れている。
作詞家森浩美がその筆才を小説に振るい、リアルな設定の上に「大人の純粋さ」を浮かび上がらせた。
「ホタルの熱」「おかあちゃんの口紅」はラジオドラマや入試問題にもなった出色の感動作。
あなたのなかの「いい人」にきっと出会える、まっすぐな人生小説。
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8編の短編小説の中では、内容紹介に出てきた「ホタルの熱」「おかあちゃんの口紅」に心動かされました。
特に「おかあちゃんの口紅」は、少しぐっときました。
都会に出て成功を収めた男は、長いこと母親にそっけない態度をとってきました。
ある日、母親が末期がんであることを知ります。
これまで自分が母親に褒めてもらいたくて頑張ってきたことに気づき、男は号泣します。
照れくさくて親にやさしい言葉をかけられない男の気持ちがよーく判ります。
「息子は私のことを嫌っているのだろうか?」と嫁に聞くシーンに、「そんなことないよ」と声をかけたかったです。
照れくさくて親にやさしい言葉をかけられない・・・、これこそまさに「家族の言い訳」ですね。

帯に「上を向いて読まないと涙がこぼれます」というようなコピーがあり、期待して読みましたが、私の心にはそこまで響きませんでした。

先日近所の郵便局のミニ文庫で、森博美の「ほのかなひかり」を発見。
「解説」を読むと、「家族の言い訳」で「上を向いて読まないと涙がこぼれます」というコピーを発案した書店員が書いていました。
解説によると「ほのかなひかり」も感動作のようです。
今度は心に響く作品に巡り会えるかな?
借りて読むことにしました



お気に入りその1731~竹鶴政孝パート281

2019-01-25 12:18:56 | 竹鶴
今回のお気に入りは、バー訪問です。

今読んでいる「ウイスキー・ライジング」にススキノの「武路良」の名があったので、久しぶりに行ってきました。
あれれ?
ビルの外見がキレイになり、ビルの名前も変わっています。
そういえば前回行ったときはビルが改装中でした。
でもエレベーターはガコンガコンいう古いまま。
そして「武路良」もそのままでした。
という話はどうでも良いこと。

その日、味わったウイスキーについて書きます。
ニッカ・マイウイスキー作りのシングルカスク、2018年12月版が2種類3本あるとのことで、そのうちの1本を味わってきました。
これが何とも香り高く、味わい深い。
その複雑な香りと味わいを何度も確認している時間の幸せだったこと。
一昨年に入手した私自身のマイウイスキーが一番美味しいと確信していましたが、その自信が崩れるほど美味しかったです。
同じ樽番号のボトルがもう1本あるといっていましたが、次に行くときにはもうないだろうな。
まさに一期一会、素敵な出会いでした。

他に、シングルモルト余市のヨーロッパ逆輸入ボトル(バーボン樽)も味わいました。
これまで余市は10年を中心に随分晩酌で味わっていましたが、これは全く違う味わいだったので驚きました。
ブレンダーがヨーロッパの人々向けに創り上げた、かなり硬質な味わい。
これまでの野性味のあるハードな味わいを一気に洗練した印象を受けました。
スタイリッシュなヨーロッパ仕様の余市といったところでしょうか。
申し訳ありませんが私の好みからは少し外れていました。

他にもかなり高価なウイスキーを奮発して味わってきましたが、ニッカ製品ではないので省略します。

もう一軒、先日訪問したバーについて書きます。
北24条の「ニッカバーひまわり」です。
余市蒸留所で限定販売しているウイスキーを味わいました。
今回触れたいのは、そこでよく会う常連さんについてです。
某スーパーにお勤めだそうで、9月のブラックアウトのときに冷凍食品を地域住民に無料提供したため、マスコミに「神対応」として取り上げられました。
これは東日本大震災を経験したコンサルタントからの指示だったそうです。
少し暑めの日だったことから、牛乳などはすぐに腐るから配るな、冷凍食品だけにしろ、という具体的な指示。
自身の発案ではないと謙遜されていましたが、商品を無償提供することをすぐに決断し実行したことはまさに「神対応」。
多くの地域住民が、コンビニの食品棚が空で途方に暮れていたのを救った功績はとても大きいと思います。
自分も今回の被災経験を次に伝えること、即断即決に努めることを見習いたいものです。





お気に入りその1730~向田邦子全対談

2019-01-23 12:35:27 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、向田邦子全対談です。

昨年は向田邦子のいろいろな顔を拝見しました。
エッセイスト、脚本家、小説家、映画雑誌ライター、料理名人。
今回は残るひとつ、対談の名手という顔を堪能しました。

まずはAMAZONの内容紹介を引用します。
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山口瞳さんは「この対談集には一瞬の女のイノチが輝いている」といっております。
吉行淳之介、二子山勝治、中川一政、水上勉など17人の人達と語った唯一の対談集
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その道の達人たちが、向田との対談を楽しんだ様子が手に取るようにわかります。
相手は実に気持ちよく話を引き出されています。
まさに対談の名手。
読み手にしても、リズムの良い会話はとても読みやすく、ついつい読み過ぎてしまいます。
主に半身浴しながら読んでおり、拭いても拭いても額から汗が流れてくるのでなぜだろうと思ったら、いつもの倍の時間読んでいた、なんてこともありました。
まさに時を忘れるほど読ませる名対談。
お見事!

印象的だった対談の感想をいくつか書きます。

谷川俊太郎
 「詩人と指揮者は理解できないわ」
 「詩人はどんな言葉で子どもを叱っているのかしら」
 自分を下げて相手を乗せる、まさしく「能ある鷹は爪を隠す」!

竹脇無我
 彼が覇気のないことばかり言っているので、読んでいるこちらの腹が立ちました。
 そんな彼を評価する向田の言葉にハッとさせられました。
 多くの役者は熱演するが、八千草薫と彼は内に秘めた演技をする、と。
 さすがは大物脚本家、心得ていらっしゃる。
 
澤地久枝
 とても仲良しだったことが伝わります。
 締め切り前にきっちり仕上げないと心が落ち着かない澤地と、締め切りを過ぎてから書き出す向田。
 両極端だからこそ惹かれ合ったのでしょう。
 そんな大切な友人を失った彼女の心中は想像に難くありません。
 
阿川弘之
 「瞬間湯沸器」の異名を持つ怒りん坊が実に愉快に語っています。
 オジサマの心を自在に操る向田の手腕に感服しきりです。
 ホノルルで読んだ彼女の短編小説に少し書き急ぎが見え、その直後に彼女の死を知ったと書いています。
 才能にあふれる彼女の早すぎる死が、阿川の怒りを呼んだのかもしれません。
 
矢崎泰久
 向田が黒猫へのこだわりを披露しています。
 足の先やお腹、ひげまで真っ黒な猫は滅多にいないこと。
 獣は色が濃いほど獰猛という説があること。
 年中日焼けで真っ黒だった上、いつも黒い服を着ていたためクロちゃんと呼ばれていたこと。

これで向田のすべての顔を拝見しました。
まだ向田作品の手持ち在庫がありますが、ひとまずここで一区切りとします。



お気に入りその1729~竹鶴政孝パート280

2019-01-21 12:21:28 | 竹鶴
今回のお気に入りは、ウイスキー・ライジングです。

年末に書店で見かけた本書の英語版。
もちろん英文は読めませんが、豊富な写真によりジャパニーズ・ウイスキーの歴史を丁寧に解説していることが一目瞭然。
ぜひ日本語版を読みたいものと思っていました。
うっかり題名をチェックし忘れて日本語版の存在を調べる事ができませんでした。
次回書店でチェックしようと思っていたら、その前にAMAZONの詳細な内容紹介により特定することができました。
4000円を超える高価な本ですが、思い切って買っちゃいました。
届いてみたら背幅が5㎝ほどもある分厚い本。
これは読むのに時間がかかりそうです。

AMAZONの内容紹介を引用します。
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ジャパニーズ・ウイスキーの全てを解説
ジャパニーズ・ウイスキーは、今や世界の注目を浴びています。
世界の品評会で毎年のように最高賞を受賞しています。
ここ10年で、海外輸出額は、10倍にもなっており、国内でも限定ボトルが発売されれば、奪い合うような状況になっています。
作者、ステファン・ヴァン・エイケンは、2000年に日本に移住して以来、ジャパニーズ・ウイスキーの調査をつづけ、Nonjattaなどのサイトで、ジャパニーズ・ウイスキーに関する情報を発信しつづけています。
作者の調査、研究の集大成として、2016年に『Whisky Rising』がアメリカで出版されました。
これはそれを、大幅にアップデートした、日本版です、いままでほとんど書かれていなかった、ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されています。
また、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載しています。
そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
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【編集担当からのおすすめ情報】
英語版と比較して、ここ2年で、創設された嘉之助蒸溜所、長濱蒸溜所、桜尾蒸溜所などの解説が追加されています。
また他の蒸溜所も最新情報も掲載されています。
「33の記憶に残るウイスキー」という章では、山崎50年を始め、軽井沢、羽生などのマニア垂涎のボトルのテイスティングコメントが掲載されています。
ウイスキーオークションで高額な値段を付ける人気シリーズのデータも載っています。
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訳者による謝辞、著者による前書きだけでもかなりのボリューム。
とりあえず写真をパラパラ見ました。
たくさんの職員の中央に竹鶴政孝が写っている山崎蒸留所の写真、レプリカと全く異なる竹鶴ノートの表紙など、初めて見る写真に大満足。
さらに創業当時の大日本果汁や寿屋の出荷量・売上の推移表なども初めて見る資料です。
どうしてこれらの資料が表に出てこなかったのでしょう?
日本の書き手がサントリー派・ニッカ派に二分されているため、寿屋時代の竹鶴の活躍を封印していることが原因と思われます。
そんなしがらみのない著者は自由な立場から本書の写真を採用したのでしょう。

ニッカウヰスキーのファンではありますが、ジャパニーズ・ウイスキーの躍進が誇らしいのも事実。
本書は大切に読んでいき、要所要所記憶に残したいことが溜まりましたらブログに書きたいと思います。



お気に入りその1728~俳句入門

2019-01-18 12:42:24 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、俳句入門です。

昨年からテレビのプレバトを観ています。
タレントの皆さんの新たな才能に感心しつつ、自分の感性を磨くことができることも魅力です。
生け花や水彩画、消しゴム版画、料理などのコーナーも面白いですが、一番のお気に入りは俳句です。
夏井いつき先生の辛口の評価と見事な添削にいつも魅了されています。
わずか17文字でできている俳句が、無限の可能性を秘める小宇宙であることを実感します。
テレビを前に妻と二人、どう添削したらよい句になるか、意見を出し合う時間も楽しいです。
もう少し俳句について知りたいと思い、入門書を読むことにしました。
選んだのは「超辛口先生の赤ペン俳句教室」という本。
もちろん著者は夏井先生です。

AMAZONの内容紹介を引用します。
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話題のバラエティ番組『プレバト! ! 』(MBS・TBS系/木曜よる7時~)で大好評の俳句コーナーをまるごと1冊に!
夏井いつき先生が、人気芸能人62人が詠む俳句を一刀両断!
美しい兼題写真と添削をオールカラーで完全ヴィジュアル化!
初めての人でも俳句がうまくなる、やさしく、楽しい入門書!
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これなら私もつくれそう!
初めての人でもうまくなるやさしい俳句入門書。
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プレバトがそのまま本になっているので実に読みやすいです。
文字数の数え方という基本のキからはじまり、季語、字余りなど俳句の初歩を学ぶことができました。
俳句の4点セット(手帳、ペン、歳時記、国語辞典)を用意して、チャレンジしたくなりました。
美しい日本古来の言葉を学び、自分の感じたことをその言葉を使って表現することってとても楽しそうです。
まずは身近なことを詠んでみよう!
一般的には句会で互いに評価し合って勉強するようですが、今は時間が作れません。
とりあえず自己流でいくつか作り、通信で添削指導をしてもらうことにしましょう。

それでは記念すべき第一句。
晴れやかに始発地下鉄初もうで

お気に入りその1727~絵本2冊

2019-01-16 12:26:14 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、絵本2冊です。

絵本を紹介しているサイトを参考に選んだ絵本2冊を読みました。

①ハルばあちゃんの手

AMAZONの内容紹介を引用します。
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ハルは海辺の小さな村に生まれた。
「おや、ほくろのあるいい手じゃ。きっとこの子は器用だし、幸せになるよ」とハルの手をみて、みんながいった……。
ハルばあちゃんの手を通して、歴史と社会が変わっていくなか、懸命に生きる女性の姿が浮かんでくる。
その人生は、一見、大勢の同世代の人々と変わらず、平凡なようにみえるが、その生涯を貫いた深い愛が大河ドラマのように胸に迫ってくる。
簡潔で力強い文に、モノクロの鉛筆画の奥深い世界が展開されている。
=====
ハルは海辺の小さな村に生まれた。
「おや、ほくろのあるいい手じゃ。きっとこの子は器用だし、幸せになるよ」とハルの手をみて、みんながいった。
ハルは小学生になった。
手を使うことならだれにも負けなかった。
折り紙でもお手玉でもあやとりでも。
みんながハルの手をうらやましがった。
ハルが15のとき、戦争で父さんが死んだ。
まもなく母さんも病気で亡くなった。
ハルは男の人に交じって必死に働き、家族の生活を支えた。
そんなハルのただ一つの楽しみは、年に一度の盆踊りだった。
=====

ハルばあちゃんの半生を描いています。
ハルの器用な手は、常に暮らしを支えてきました。
早くに両親を亡くし、必死で働き通した人生ですが、亡き夫との暮らしがとても幸せだったことを回想するシーンですべてが報われた気持ちになりました。
本書では赤ちゃんのころ、子供時代、成人してから、そしておばあちゃんになってからの手を描き分けています。
丁寧に描かれたたくさんの手は見ごたえがありました。
ただ画家のデッサン力は手以外は期待外れでした。
器用なハルの手をうらやましがる子どもたちの表情や、背景に出てくる男の姿などはもっとバランスよく描いて欲しかったです。
手との落差が大きく残念でした。


②老夫婦

「アンジュール」「くまのアーネストシリーズ」で有名なバンサンの作品です。

AMAZONの内容紹介を引用します。
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バンサンが見つめる終焉の光と影。
一世を風靡した歌手ジャック・ブレルのシャンソンに、バンサンの絵筆が新たな息吹を吹き込んだ。
現代シャンソンの旗手だった、ジャック・ブレルの『老夫婦』に感銘を受けたバンサンが、その歌の世界に渾身の力をこめて挑戦し、絵にした一冊。
生きること、老いることと死を、みごとに一冊に籠めてみせる。
人生の旅路のはてを描いて、人それぞれに迫る。
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年老いた二人には、今はもう話すこともなく、もう夢もなく、思いやりがあるばかり…。
ジャック・ブレルの「老夫婦」に感銘を受けた著者が、その歌の世界を絵にした渾身の一冊。
人生の旅路の涯を描いて、人それぞれに迫る。
=====

年老いた夫婦の日々を丁寧に描いています。
余計なものを省き、ふたりの暮らしぶりだけを描くことで彼らの心情が浮かび上がります。
「アンジュール」や「ヴァイオリニスト」のように、文章がなくても物語が伝わりそうです。
ふたりは間近に訪れるであろう別れにより、ひとり残されることを恐れつつ暮らしています。
「今はもう話すこともなく、もう夢もなく、思いやりがあるばかり…。」
人生の終焉とはこんなに寂しいものなのでしょうか。
バンサンのように感銘を受けるどころか、心が拒否反応を示しているようで、無感動に読み終えました。

きっと自分の両親の暮らしが重なったためでしょう。
身体がだんだん不自由になり、支え合いながら暮らしています。
両親にいつまでも元気でいて欲しいと願う心が、本書の感動を阻害しているのでしょうか?
読んだ時期が悪かったのかもしれません。


今回選んだ2冊の絵本は、どちらも老いがテーマ。
現実に両親の老いが進み、人生の終焉に近づいている今、あえて読んでみましたが、生々しくて受け入れがたい部分も多く、とても平常心で読んだとはいえない感想ばかりを書きました。
今回の感想は参考にならないことをご了承ください。

お気に入りその1726~ルンバ

2019-01-14 17:20:54 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ルンバです。

年末近くにロボット掃除機ルンバが届きました。
大手通販ショップのキャンペーンに乗り、注文したのは秋のことでした。
そのときに納期は2月と連絡があり、きっと注文が殺到したのだろうとあきらめていました。
それが思いがけず年末の忙しいときに届き、掃除の戦力が増えたことは、とてもうれしい出来事でした。

早速使用したところ、翌日はホームに戻れず、途中で息絶えていました。
床に置いているものに乗り上げて脱出できなかったのです。
障害物や障害になりそうなものを片づけて、再チャレンジ。
その翌日は障害物のないところで息絶えていました。
なぜ?
どう対応したら良いの?
仕方なく一度リセットしたら、その後は毎日ホームに戻っています。
我が家は共働き。
午前10時から11時に掃除するよう設定していると、掃除をする姿を見たことがありませんでした。
空のゴミ箱が随分離れた場所まで移動していたり、少し開いていた引き戸が全開になっていたりするので、しっかり働いてくれていることはわかりました。

ロボットの掃除風景を初めて目にしたのは大みそかの日でした。
想像していたのと随分違う経路で掃除していました。
同じところに何度も行ったり、部屋を大きく斜め横断したと思ったらすぐに元の場所に戻ったりと、非効率的に思えてなりません。
狭いところに器用に入り込み、こちらの心配をよそに丹念に掃除してはさらりと出てくることもあります。
きっとロボットはロボットなりに考えて、隈なく掃除するのでしょう。
運転音が大きいこともあり、大掃除の手を休め、興味深く経路を眺めていました。
妻は経路が不満らしく、正月用の料理に忙しいにもかかわらず、わざわざロボットの向きを変えて、まだ掃除していないところに向かわせたりしていました。

ロボットが届いてまだ1か月になりませんが、誰もいない部屋を一所懸命に掃除する彼を想像し、とても愛着がわいています。
一種ペットに近い感覚です。
「お疲れさん」と声をかけたくもなります。
以前アイボをペットとして大切にしている人がいるとテレビで観たときは信じられないと思ったものですが、今なら少しは理解できます。
鉄腕アトムやドラえもんほどのロボットはまだ作れないにしても、生活の一部を介助したり、癒しをくれるロボットなら身近に存在していることを改めて実感しました。
これから少子高齢化の大波が日本を襲います。
縮小社会・日本を救うのは、今話題の外国人労働者のみなさんだけでなく、今後続々と開発されるであろうロボットたちなのでしょう。
中でもバスやタクシー、トラックの自動運転が一番早く実現するかもしれません。

たかがロボット掃除機1台を使い始めただけなのに大袈裟とお思いでしょうが、ガラケーしか使っていない身としてはそれだけ大きなカルチャーショックだったのです。





お気に入りその1725~続・ワンピース

2019-01-11 12:35:12 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、続・ワンピースです。

年末に大人買いしたワンピース全巻セット。
正月休みにたっぷり読みました。
正月特有の内容の薄い、だらだらと長いだけのテレビ番組を妻が居眠りしながら見ている間も読み続けました。
前からあった第34巻を読み返してからスタート。
お気に入りのテレビ番組を観て、ネットオークションをチェックし、隙間でワンピースを一気読みしていると、頭痛がしてきました。
老眼の目を酷使したせいでしょう。
幸いにも早めに眠ったら一晩で直りました。
身体は正直なものです。

休みが終わってからは読むペースが激減しました。
今週は昼間は仕事、夜は新年会という日が続き、大分お疲れ気味ですが、隙間を見つけては読んでいます。
今は第70巻を超え、ドレスローザ編に突入したところ。
ド・フラミンゴの奴をコテンパンにやっつけるのを楽しみです。

パンクハザード編では、カイドウの治めるワノ国に動物系の能力者が山ほどいる理由が丁寧に語られています。
後の展開を知りつつ読むのもいいものです。


お気に入りその1724~初孫

2019-01-09 12:17:58 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「初孫」です。

年末に酒田の叔父からお酒が届きました。
地元の酒「初孫」が賞を獲ったので味見して欲しいとのことでした。

IWC2018(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)の日本酒部門が山形市で行われ、初孫伝承生もと本醸造が金メダル最高位=トロフィーを受賞、初孫出羽の里純米酒が金メダルを受賞したそうです。

初詣のあとお神酒をいただいき、待ちに待った「初孫」の味見。

折角のお正月ですからトロフィー受賞の伝承生もと本醸造からいただきました。
芳醇な香りと味わいが口の中いっぱいに広がりました。
贅沢なお節料理に負けない正月らしい華やかなお酒でした。
IWC2018がご当地・山形で開催されたから「山形判定」で受賞したのだろうと内心思っていましたが、これは美味い!
生もとづくりという伝統製法でここまで美味しく仕上げたのですから受賞は当然と思います。
あらためて商品説明を読むと「冷や・常温でも美味しいですが燗をするとうまさが引き立ちます」と書いてあります。
残念ながら燗で味わう前に空にしてしまいました。
これで1.8L 1774円と格安なのも魅力ですが、最近注目している純米酒ではないので晩酌用には却下です。

続いて2本目、山形の米「出羽の里」を使った生もと純米を味わいました
こちらは本醸造ほど派手な美味さはありませんが、食事を引き立てるやさしい美味さが魅力的でした。
豪華なお節料理にも、正月4日目のぶっかけうどんにもぴったりと寄り添う優れもの。
地元米だけを使い伝統の生もとづくりでつくったこのお酒は、1.8Lで2500円を切るというコストパフォーマンスを考えると新たな晩酌酒発見!とうれしさが込み上げました。
最近北海道でも地元の酒米「吟風」や「彗星」を使った挑戦的な純米酒づくりが続けられ、いくつか試しましたが、酸味が強すぎるなど、どうも口に合いませんでした。
できれば「北海道の酒米だけを使った北海道の純米酒」を晩酌では優先したいのですが、なかなかお気に入りが見つからない状況。
そんな中、父母の故郷、わがルーツの山形に魅力的な純米酒を発見できたのは朗報です。
北海道に口に合う純米酒が登場するまで、こちらを優先したいと思います。
ただし今は秋田のNEXT5の酒を順に試している最中なので、注文はそれ以降になりそうです。

(おまけ)
10年以上前から(知り合いの関係で)某大型スーパーのお歳暮ギフトを使っています。
日本酒党の方には、数年前から辰馬本家酒造 黒松白鹿「初春だより」に決めています。
純米・吟醸・大吟醸の3種類の味わいの違いを楽しんでいただいていると思っていました。
ところが今年初めて自分で飲んでみて驚きました。
吟醸・大吟醸は割と美味しいのですが、純米酒の何と不味いことか!
料理酒にもしたくない残念な酒でした。
アルコールが入っているのは判りますが、本当に米と麹だけで造ったのか?と疑いたくなるだけでなく、これを日本酒に分類して良いのか?と憤りさえ感じる味わいでした。
あえて具体的なメーカー名、商品名を挙げました。
こんな失敗にはみなさんもお気をつけください。

元はといえばお手頃価格に惹かれた自分が悪かったのです。
次からは贈り物の酒は、事前に自分の舌でチェックしようと思います。
(決して家計費で晩酌酒を買うのが目的ではありませんよ!)