旅は人生、人生は旅(続)

 
 2、3年前、相棒にねだって、ブックオフで100円で、「中田語録」という本を買ってもらった。結構正しいことを言っている。
「サッカーしか知らない人間にはなりたくない」
「年齢や経験を問題にするなんて、ナンセンス」
「俺にお手本は要らない」などなど。
 ……一番面白かったのは、「サッカーは超複雑系」。同じような価値観の絵描きがいたら、絵描きの(絵の、ではなく)素質がかなりあるんじゃないかな。

 相棒曰く、人は、「ジェネラリスト」と「スペシャリスト」という、二つのタイプに分かれる。私は明らかに前者、相棒も前者。中田も、サッカー界のワールド・クラスで活躍したにも関わらず、前者のように思う。多分。
 サッカーも、絵や音楽、科学、文学、映画、旅行などなども、決して高圧的にではなく、世界や現実を教えてくれる。それら各々への関心は、結局、人間そのものへの関心に行き着く。

 中田の人生のゴール(=目標)は、世界中を旅することなのだという。「それって、僕と同じだよ」と相棒は言う。
 他にも、数学や物理が好きとか、読書が好きとか、絵を観てまわりたいとか、事業をしたいとか、共通点がいろいろある。人間観のセンスが似ているのだと思う。
 ただ相棒は、私の悪影響で、中田と違って、ズボラでだらしがない。ゴメンね、相棒。

 いずれにしても、「ホンモノ」が実在するということに、ホッとする今日この頃。

 画像は、クレー「世捨て人の庵」。
  パウル・クレー(Paul Klee, 1879-1940, Swiss)

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