「疑惑」 松本清張 文春文庫
警察発表たれ流し、というより警察発表ふくらましの報道。昔の新聞ひどいんだよね。夫に多額の保険を掛けて殺したと。それで毒婦にされた彼女は、状況証拠だけで起訴され死刑への道。
殺してないんだもん。反省するわけないじゃないか。どんどんと、街じゅう世界じゅうから毒婦よばわり。
あれれ。心妹の林眞須美さんと同じ状況。この小説のほうが前なんだけど。映画では、桃井かおりだ。
ただひとりの味方の老人弁護士は、接見での心労ゆえか病気(後に死ぬほど)。念のために、だって最高裁まで20年係るからと依頼しようとした刑事弁護のエキスパート弁護士は息子・妻・娘の大反対で弁護せず。ようやくついた国選弁護人は、民事専門。こりゃ、死刑一直線。
屑マスコミの態様が皮肉な結末。