goo blog サービス終了のお知らせ 

チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

ようこそ! チエちゃんの昭和めもりーずへ

はじめての方は「チエちゃん」のカテゴリからお読みいただくことを推奨しています。 もちろん、どこからお読みいただいてもかまいません。

宮のばあちゃん

2019年02月19日 | お母さん
宮(熊野神社宮司一家のこと)に、ばあちゃんがいてな。今の神主様の曾ばあちゃんだな。
そりゃあ、きれいな人だったよ~
ほのばあちゃんがな、「○○や~ん(母の名前)フキ採りに行ぐべえ~」って、突然やって来んのよ。
いづいっか(何月何日)って、約束でもしてだらいいげんちょも、こっちだって今日はこれすっぺ、あれすっぺと思ってだごどが、できなぐなっちまうべ。ほんだがら、困っちうのな。
ほして「昼飯は心配すっごどねえぞん。あんだの分までにぎりめし作ってきたがらない」って言うのな。
おらい(我が家)は困ってだべ。
んだがら、ご飯は麦ばっかりで、パラパラして握らんにがったげんちょも、宮のご飯は白米にみそ豆が入った豆ご飯でな。うまがったな~。
ほんじゃもんで、仕方なぐいっしょにフキ採りに行ぐのよ。
あのばあちゃんは、フキが大好ぎだったんだなぁ。
あっちの山、こっちの窪って、深い所まで採りに行ってな。
たしか一人で山に行ぐのが嫌だったんだべ。
わだしだって、あんな深い山に一人ではおっかなくて(怖くて)行ぎだくねえもの。
こんなにたくさんのフキをなじょ(どのように)すんの?って聞いだらな、塩漬けにしとぐんだって。
それを季節外れになった頃、塩抜きして、佃煮だのなんだのにして食うんだべな。
おらいの分は、ほんのちょこっとだげもらって、あどはわだしの採った分もほとんどばあちゃんにやったのさ。
同じ年頃の娘は隣近所にいっぱいいだんだげんちょも、宮のばあちゃんはいっつもわだしばっかり誘うのな。何でだがな~?


きっと、宮のおばあちゃんはお母さんのことがお気に入りだったんだよ。
貧乏だったお母さんに美味しいものをご馳走したいって気持ちもあったろうし、お母さんが採ったフキをたくさん貰えるって下心もあったのかもね。
それよりも、一番は一人で山に行きたくなかったってことじゃないの?
お母さんは、誘いを断ったことなかったでしょ!