チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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しづちゃん

2017年11月07日 | お母さん
お父さんの友だちのヨウスケさん、あの人に妹がいたんだわ。
しづちゃんって言ってな、
こういっちゃなんだけど、しづちゃんは顔の作りが可愛いぐねがったのよ。
まあ、ブスだな。

同じ組に、せっちゃんっていうお大尽の娘がいてな。
取り巻きに2・3人を連れていて、その子たちが、しづちゃんのことをいじめんのよ。
「このみったぐなし!(醜い)」つって、
雨がザンザンと降ってるのに、水たまりの中にバシャッと何度も突き落としてなぁ。
しづちゃんは泥だらけになってわんわん泣いてるのに、誰も助けねの。
んだって、助けだりしたら、今度はこっちがやられっちまうもの。
そんだがら、だあれも助けらんにのさ。

しづちゃんの家は貧乏で、いつも垢じみた着物を着ていたしな・・・
可哀想だったけど、助けてあげらんにがった・・・
肺炎になって死んじまった・・・

おらいも貧乏で、つぎあてだらけの着物にもんぺで学校に通ってだげんちょも、洗濯だけはちゃんとしてさっぱりとしたの着てたよ。
それに、学校の勉強はできだがら、いじめらんにで済んだのよ。


いじめは、お母さんの頃もチエちゃんの頃も変わらぬ構図だと思った。
今のいじめはもっと陰湿だと聞く。
悲しいけれど、人間はそういう部分も持っている。
たぶん、私の中にも。