気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

木馬

2007-01-10 23:00:34 | つれづれ
陽光に歓びのうたはじけつつアフリカアフリカちちふさゆるる

ボーイソプラノうたふ菩提樹 ざわざわと青葉梟(あをばづく)鳴く森の明るさ

幸福のしじまのごとき木馬の背にまたがり子らはとはに走れり

十本の色えんぴつの少女たちアイリッシュ・ダンス終へて一列

テラスにはフィッシャーマンズ・セーターの似合ふ老人新聞ひらく

(紺野裕子 マドリガーレ 砂子屋書房)

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陽光のうたは、白夜ー空想の旅へーという一連から。
四首目、五首目は、アイルランド空想紀行という一連から。
こういう短歌の作り方もあるのだと思う。

このブログで、読んでいる歌集からわたしの気に入った歌を取り上げているが、そこからその歌集に興味をもって、一冊を手に取って読んでもらえたら、すてきだといつも思っている。



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6 コメント

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Unknown ()
2007-01-11 00:14:53
もしかして、紺野さんは社会科(世界史?)の教師をされてます?

「拝火教」とか、「ヘロドトス」とか、あまりにも専門的だな、と思って。
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Unknown (かすみ)
2007-01-11 16:52:19
森さん こんにちは。
さあ、よく知りません。
歌は歌としてだけ読めばいいんじゃないでしょうか。
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Unknown ()
2007-01-11 22:05:05
そうですか。

どうも、短歌を読みすすめていくと、作者の生い立ちとか生業が知りたくなるんですよね。
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Unknown (つたまる)
2007-01-12 02:51:14
全体的に”しあわせ”がにじみ出てますね。

「老人新聞ひらく」の歌が好きです☆


図書館に在庫がないのが残念です(T_T)
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Unknown (Etuko)
2007-01-12 10:16:22
どうも。お久です。
(ちょっと音響機材のつなぎの方調べたりしてたもので、よくよく時間取られまして)

その、上のかたの歌よりも、かすみさんのお作の方が、私にはよくわかるような気がしますが。
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Unknown (かすみ)
2007-01-12 18:41:18
森さん つたまるさん Etukoさん
こんばんは。
歌集は書店にも並ばないし、図書館にも少ないです。私もはじめて歌集を買ったとき、一冊あたりの字数が少ないので損した気がしました(笑)
回転木馬の歌は、題詠マラソンの「明日」の題から作ったものです。『短歌、WWWを走る。』にも載りました。ああ、あのころは勢いがあった・・・

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