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気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

仙川心中 辰巳泰子歌集

2004-12-23 17:08:22 | つれづれ
ほたる散つて水のあまさに痴れてゐたあれはたしかに十九(じふく)のころか

君は来で雨に庇のゆふまぐれ去年(こぞ)の残りの花火してゐる

梅雨寒や蛸が食ひたし銀ねずの濡るる路上に蛸はをらぬか

夢のなかの父も男も冬ざれにあたためられし鋼のにほひ

ちんまりと小さく生くるついでなり歌詞まちがへて歌をうたふも

(辰巳泰子 仙川心中 砂子屋書房)

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蛸が食ひたしの歌の粘っこさに感心する。大阪の人なのだ。

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