気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

ごんぎつね

2006-12-20 20:58:53 | つれづれ
ごんぎつねけふを撃たるる身と知らず絵本の山に栗を拾へる

つぐなひに栗の実ひとつまたひとつごんは拾へり自(し)が影のなか

秋草はひかりと影をゆらしをり栗を運べるごんのめぐりに

ゆふぐれの橋にをさなのこゑが問ふなぜ兵十はごんを撃ちしか

そののちを本は語らず 裏表紙閉づればしろく野の菊が咲く

(春畑茜 きつね日和)

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春畑茜さんが、くり返して、ごんぎつねの物語りを歌にするのは、なんでだろうと思う。春畑さんには、何か狐につかれたように歌にのめりこまずに居られないものを感じる。その恩恵として、私たちは彼女の歌を楽しませてもらっている。

茜いろの帯に一輪きつね花逆光あびて金色に咲く
(近藤かすみ)


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