来た道を真直ぐ帰る生卵の賞味期限を思ひ出しつつ
去る日近きと思へば藪さへ懐かしく葉群の上の雲を見てをり
この星の昼半球の薄皮のごとき部分を青空と言ふ
類型的な老いは嫌なり子供らは勝手に大人になることだらう
エアコンの取付ボルトに下げられて屈託無げに恵比須さん笑ふ
ことごとく葉裏を見せて靡きをり木立を過ぐる秋風の量
(小林信也 合成風速 本阿弥書店)
*************************
家族詠のほかにも単身赴任の悲哀、サラリーマンの悲哀を詠った歌に実感がこもる。一時的な暮らしと思っていても、五年半を暮らした大阪を離れるとなると、感傷も生まれる。「類型的な・・・」の歌は、口語文語交じりの歌。旧かなであることは原則で、あとは自由に文語口語をまぜて、のびのび詠うやり方なのだろう。私もそうなのです。
去る日近きと思へば藪さへ懐かしく葉群の上の雲を見てをり
この星の昼半球の薄皮のごとき部分を青空と言ふ
類型的な老いは嫌なり子供らは勝手に大人になることだらう
エアコンの取付ボルトに下げられて屈託無げに恵比須さん笑ふ
ことごとく葉裏を見せて靡きをり木立を過ぐる秋風の量
(小林信也 合成風速 本阿弥書店)
*************************
家族詠のほかにも単身赴任の悲哀、サラリーマンの悲哀を詠った歌に実感がこもる。一時的な暮らしと思っていても、五年半を暮らした大阪を離れるとなると、感傷も生まれる。「類型的な・・・」の歌は、口語文語交じりの歌。旧かなであることは原則で、あとは自由に文語口語をまぜて、のびのび詠うやり方なのだろう。私もそうなのです。
さて、そこで五山送り火の一首が生まれるかというと・・・、すべていったん抱え込んで歌になるまでずーっと待つ、というふうにしか歌ができないのが私の辛いところです。その場で題を出されて一首詠みなさい、なんていう歌会には絶対に参加できません・・・
あの番組見たかったのですが、子供が別の歌番組を見ていたので見損ねました。惜しいことをしました。
歌の作り方は人それぞれでしょう。
ときどき、短歌人関西歌会で、即詠をやります。そのときのみんなの慌てぶりは面白いですよ。個性があらわれます。