気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人1月号 1月の扉

2016-12-29 01:05:20 | 短歌人同人のうた
ドイツ語の詩集を閉じてやわらかな頬袋もつリスになりたし

はつふゆの歩道橋から夕雲の内ポケットのふくらみが見ゆ

(有朋さやか)

叩くたびビスケットの増えるポケットの歌をうたえば哀しきものを

ポケットのなき服不安と思いつつ出でて帰りて何事もなし

(古本史子)

もんぺ姿の母のポケットは何処やらと探りさぐりにし我が幼少時

内ポケットに饅頭隠して昼寝せり ほのぼの熱り饅頭もねむらむ

(和嶋忠治)

ポケットに蟬のなきがらつめこんで子のポケットは生死のにほひ

はたきたるみぎてを逸れてたはやすくポケットの渕を発ちし冬の蚊

(柘植周子)

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短歌人1月号。1月の扉。今月のお題はポケット。

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