気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人7月号 同人のうた その2

2017-07-03 23:27:25 | 短歌人同人のうた
従順に「上」、「下」、「右」と答へゆくわれのこそばし視力検査に
(斎藤典子)

いつのまに見えなくなりし天津甘栗駅売店にをりをり買ひき
(小池光)

朝日放送夜ふけの「ヤングリクエスト」、「イムジン河」をリクエストして
(藤原龍一郎)

洗ひ髪に五月がにおふ少女期に富島健夫をこつそり読みし
(橘夏生)

「兜虫の手足をとれば柿の種」ベトナム戦争とほくありたり
(和田沙都子)

読み返す『出家とその弟子』若き日と異なる言葉にこころはうごく
(平林文枝)

川の面に映るさくらは影もたずわが遺影など要らぬとおもふ
(洞口千恵)

檸檬忌に檸檬を買ひしは十九の日そぞろ歩めり寺町界隈
(西台恵)

水煮缶アスパラガスに玉三郎の白い面差しふと思いたり
(池田裕美子)

濡れそうなつつじの紅をくぐりきて子猫が不意に人の顔する
(水谷澄子)

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短歌人7月号、同人1欄より。懐かしいネタに反応してしまう。

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