気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2013-05-06 19:47:47 | 朝日歌壇
花筏(はないかだ)浅瀬に乗りて散り散りなり川底の石きらりと光る
(桶川市 春原欣之助)

薬にも毒にもならぬ意見吐き画面の人らは手堅く生くる
(舞鶴市 吉富憲治)

たんぽぽはやっぱりたんぽぽ春野原モッチャンとわれはいつも呼ばれて
(ドイツ 西田リーバウ望東子)

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一首目。花筏という言葉が美しい。この言葉に出合えただけで、得をした気分になる。上句から下句まで、とても丁寧に詠まれている。
二首目。なるほどと思わせる一首。世のコメンテーター氏は、だいたいそんな感じだ。結句の「生くる」は、文語でそろえるためにそうなったのだろうが、「生きる」の方が自然でよりよい気がする。
三首目。なんということもない歌なのだが、不思議に心惹かれた。たんぽぽの明るさと、詠いぶりの軽さが魅力。