宝石箱の蓋をひらけば鳴り出だす「春の海」より波はよせくる
屍(しかばね)の羽虫ひとつを閉じ込めて琥珀のブローチ胸に温とし
(ラピスラズリの空 関谷啓子)
宝石箱のなかのくらやみ息づけり子の乳歯二十粒を蔵ひて
てのひらゆきさらぎの水に放たるるタピオカパール春をはらみぬ
(宝石箱 春野りりん)
台湾の旅にもとめし赤さんご腕輪にしてをりすこし派手かも
形見分けの僅かな宝石まづは姉泣きつつえらぶアクアマリンを
(春のこゑ 岡田幸)
物憂げに「ルビーの指輪」歌いつつ架空の恋に燃えていた頃
硬派でも軟派でもなく半端ゆえいつしか消えた週刊宝石
(宝石雑詠 村田馨)
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短歌人6月号。6月の扉より。今月のお題は「宝石」
人生はひと色ならず亡き母のオパールの指輪秋の陽にかざす
(近藤かすみ 雲ケ畑まで)
屍(しかばね)の羽虫ひとつを閉じ込めて琥珀のブローチ胸に温とし
(ラピスラズリの空 関谷啓子)
宝石箱のなかのくらやみ息づけり子の乳歯二十粒を蔵ひて
てのひらゆきさらぎの水に放たるるタピオカパール春をはらみぬ
(宝石箱 春野りりん)
台湾の旅にもとめし赤さんご腕輪にしてをりすこし派手かも
形見分けの僅かな宝石まづは姉泣きつつえらぶアクアマリンを
(春のこゑ 岡田幸)
物憂げに「ルビーの指輪」歌いつつ架空の恋に燃えていた頃
硬派でも軟派でもなく半端ゆえいつしか消えた週刊宝石
(宝石雑詠 村田馨)
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短歌人6月号。6月の扉より。今月のお題は「宝石」
人生はひと色ならず亡き母のオパールの指輪秋の陽にかざす
(近藤かすみ 雲ケ畑まで)