気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

きのうの朝日歌壇

2011-06-07 00:09:18 | 朝日歌壇
動かない時計と動きだす時計東北にいま初夏はめぐりて
(茨木市 瀬川幸子)

余震なき日はあらずしてかの日より二月は過ぎ二キロ瘠せたり
(仙台市 坂本捷子)

美しき全きシンメトリーとして青条(あおすじ)揚羽ピンに留めらる
(京都市 道家俊之)

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一首目。東日本大震災から、ほぼ三カ月が過ぎようとしている。季節も変わった。時計というアイテムを持ってきたのが上手い歌。時計が人間のようにも読めてくる。
二首目。離れていてテレビや新聞で様子を知るだけの私には感じられないが、やはり余震は続いているのだ。片づけてもまた崩されることのくり返しに、芯から休まることのない日々だろう。「二キロ瘠せた」現実に、暮らしの厳しさを改めて考えさせられた。
三首目。自然の造形の美しさを見る喜びを教えてくれる歌。

パソコンの動きが、めちゃくちゃおそいです。「今日の朝日歌壇」を書くつもりが、うろうろしているうちに「きのうの朝日歌壇」になってしまいました。