いつか僕も文字だけになる その文字のなかに川あり草濡らす川
ふと言えり「涼しい風が吹いてくる」 それはだれかの死に際の言葉
絶版の歌集のコピー読みゆけば栞の紐が黒く写りぬ
ゆうぐれに津田画廊あり入りゆけば絵のなかの水白く光りぬ
蛞蝓を一つ殺せるほどの塩もらいて帰る葬儀場より
(吉川宏志 海雨)
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吉川宏志の『海雨』を読む。しんと静かで、鋭い観察があり、必ず読んでよかったと思わせてくれる歌人。火曜日は暇なので、なんとなく短歌人が来るのを待っていたが、来なかった。
ふと言えり「涼しい風が吹いてくる」 それはだれかの死に際の言葉
絶版の歌集のコピー読みゆけば栞の紐が黒く写りぬ
ゆうぐれに津田画廊あり入りゆけば絵のなかの水白く光りぬ
蛞蝓を一つ殺せるほどの塩もらいて帰る葬儀場より
(吉川宏志 海雨)
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吉川宏志の『海雨』を読む。しんと静かで、鋭い観察があり、必ず読んでよかったと思わせてくれる歌人。火曜日は暇なので、なんとなく短歌人が来るのを待っていたが、来なかった。