気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

微風

2006-06-15 22:00:33 | つれづれ
誰からも褒められず誰からも謗られず笑ってる街空の月

君に微風(そよかぜ)送りてやらん死にたらば夕暮れどきの欅となりて

合せ鏡の七番目の顔が死顔と教えし姉はそのこと忘る

死ぬなら今 さくらふぶきがさっときてほほなでてゆく ほほなでてゆく

(前田宏章 昔のむかし)

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前田宏章の歌集から、印象にのこった歌。
誰からも・・・の歌は、破調で、読み方がよくわからないが、どこか心にずんと響くものがある。合わせ鏡の七番目・・・は、なんとも不気味な歌だ。二首目、四首目は説明など要らない。そのまま味わって読みたい。